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バスケ

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第三章


第三章

「ちょっといいかい?」
「んっ、何だい?」
 羊達の中をコリーを連れて見回っていた。彼はだ。すぐに二人に応えた。
 そしてだ。彼はこう二人に言うのだった。
「あんた達マキシマムさんの親戚か何かかい?」
「マキシマム?」
「マキシマムって誰だい?」
「だから。この牧場のオーナーだよ」
 その人物がだ。マキシマムだというのだ。
「アフリカ系のな。あんた達も二人共アフリカ系だしな」
 その褐色の肌を見ての言葉だ。オーストラリアにもアフリカ系の者はいる。だがアメリカと比べるとその割合は低い。彼はそこから見て話すのだった。
「だから。親戚じゃないのか?」
「ああ、違うけれどな」
「そうじゃないぜ」
「じゃあ借金取りかい?」
 何故かこう言う彼だった。
「この牧場って経営苦しかったのかい?」
「違う違う、俺達は記者なんだよ」
「アメリカのジャーナリストなんだよ」
 二人は彼等にこう話した。
「それなんだよ」
「見てわからないかい?」
「ジャーナリストねえ」
 白人の男は二人の外見を見てだ。胡散臭いものを見る目に変えてそれで話すのだった。
「あまり見えないな」
「じゃあ何に見えるってんだよ」
「それじゃあな」
「マフィアに見えるな」
 よりによってだ。それだというのだ。
「ハリウッドの映画に出て来るな。銃持って暴れる悪役にな」
「言ってくれるな。これでも真っ当なスポーツジャーナリストだぜ」
「バスケにベースボールが好きなな」
「まあ確かに外見はやばそうだからな」
 彼は二人を見ながら話していく。
「けれどそれでもその真面目な目は違うからな」
「そうだろ。俺達はこれでも真面目なジャーナリストだからな」
「信じてくれよ」
「ああ、じゃあマキシマムさんのところに案内するからな」
 こうしてだった。二人はだ。そのマキシマムという人物のところに案内されるのだった。そうして二人が案内された場所はというと。
 町の端にある牧場のさらに端であった。そこに来るとだ。
 男がだ。その場所にしゃがみ込んで犬に餌をやっている黄色いファーマーの服の人物にだ。こう声をかけたのだった。
「マキシマムさん、お客だぜ」
「お客さん?バターが欲しいのかい?卵が欲しいのかい?」
「いや、あんたに会いたいってさ」
 こうそのしゃがみ込んでいる彼に声をかけるのだった。彼は一行に背を向ける形でだ。ずっとその犬に餌を与え続けている。
「そう言ってるぜ」
「ひょっとしたらそりゃ」
 それを聞いてだ。男はこう言った。
「アメリカから来た人達かい?」
「ああ、そうだよ」
「そうか。思ったより早かったな」
 彼は次にはこう言った。
「ここがわかったのか」
「わかったっていうと」
「あんたまさか」
「ああ、そうだよ」
 これが彼の返事だった。それと共にだ。
 彼は立ち上がり二人の方を振り向いた。その顔は。
 二人がよく知っている顔だった。紛れもなく彼だった。
「アーム=クローバーか」
「あんた、本当にここにいたんだな」
「ああ、そうだよ」
 微笑みさえ浮かべてだ。マキシマム、実はクローバーは応えるのだった。
「見ての通りだよ」
「それはわかったけれどな」
「またどうしてなんだ?」
 二人はすぐにクローバーに問うた。
 
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