転生とらぶる
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コードギアスR2
0611話
居間の中に漂う熱々のチーズの香り。あっという間に部屋の中を覆い尽くしたその香りに、スレイや洪古だけではなくクールな様子の香凛までが思わず喉を鳴らす。
ギアスと言えばやっぱりピザだろう。ベーコンやソーセージの乗っている物や、シーフード各種が乗っている典型的なピザだ。ちなみに当然焼きたてを買ってすぐに空間倉庫に入れたのでチーズはトロトロ、生地はサクサク、ソーセージやベーコンは熱々、シーフードはプリプリだ。
「さ、食ってくれ。作戦成功の祝いだ」
「あ、ああ。……ピザというのは以前何度か食べた事があるが、ここまで美味そうなのは始めてだな」
洪古がそう言いながらピザを1切れ口へと運び……思わず固まる。そして数秒後。
「う、美味い……」
それだけ言って、ピザを味わいつつビールを飲む。
その様子を見ていた香凛もまた興味深そうにピザへと手を伸ばし、1口、2口と食べると動きを止めていた。
まぁ、無理も無い。ピザの選手権か何かで優勝した料理人……否、職人の作ったピザだからな。
あるいは、この2人の場合は中華連邦で活動していた為に碌な食事をしていなかったのかもしれない。
実際、ピザを手にとって口に運ぶと確かに美味いが、だからといって料理漫画のようなリアクションをする程ではないしな。
チラリと横を見ると、スレイもまた同様にピザを味わいつつ食べているのが見える。
そのままピザを食べ、アルコールを飲みと4人で会話をしながら、打ち上げというには若干物寂しい宴を楽しむ。
ああ、もちろん俺は空間倉庫から取りだした烏龍茶だ。俺以外の3人は洪古が今回の作戦で入手したという上物のビールを始めとするアルコールを飲んでいるが。
そして打ち上げを共にしていれば自然と打ち解ける訳で……
「ああ、そう言えば。アクセル、星刻様から伝言よ」
最初の固い口調は消え失せ、砕けた感じで香凛がそう告げてくる。
香凛が飲んでいるのはワイン。俺の空間倉庫から取り出したグラスに、ワインを注ぎながらの言葉だ。
「伝言? 何だ?」
ピザの次に出した焼きそばを口へと運びながら問い返す。
ちなみに、中華連邦に住んでいる洪古や香凛にしてみると、ソース味の焼きそばというのは見たことも聞いたことも無いらしい。完全に日本のオリジナルなんだとか。
「黒の騎士団から海氷船を借りたいと連絡があったそうよ。どうやら、何かの作戦に使うらしいけど……」
海氷船? となると、100万人がゼロの姿をして脱出する奴か? だが、総督として赴任したナナリーが特区日本の再建を宣言はしたが、まだ黒の騎士団が参加するとは言っていない。そもそも、それ以前に洋上での黒の騎士団とブリタニア軍の海中戦もまだ起こっていない筈だ。少なくても俺の……というか、星刻を通した情報網ではその辺の情報を得ていない。
「何に使うのかというのは聞いてるか?」
「いや、ただ貸して欲しいとだけ言ってきたらしい。私も数日後にはエリア11に向かうが、その時に海氷船を出す事になる」
「……なるほど、もう貸し出すのは決まっているのか」
「ああ。大宦官と交渉した結果らしいな。エリア11に私が行くのも、その大宦官の手の者が総領事館に派遣される時の護衛としてだし」
本来の歴史と違う流れを辿っているのか? 今まではあまり原作介入をしてこなかったが……まぁ、ギルフォードやグラストンナイツは引き抜いているが。
それとも、俺が知らなかっただけで本来の歴史でも海氷船については相当前から話を通していたんだろうか。
「結局やる事は変わらないがな」
「アクセル?」
俺の呟きに、香凛が反応する。
その様子に何でも無いと首を振ってから口を開く。
「その点は問題無い。と言うか、俺が問題あると言っても今のままでは大宦官の命令通りにするしかないんだろう?」
「まあ、そうだが。星刻様に伝えるように言われただけだからな」
「取りあえず、だ。俺の計算通りに進めば、その海氷船が使われる時が俺達の立ち上がるべき時だ。星刻にはその辺を伝えておいてくれ」
「……分かった」
「いよいよ……いよいよか。ようやく俺達が立ち上がって、あのあの大宦官の奴等からある程度とは言っても民衆を解放出来る。それに、残りの民衆にしてもいずれ……」
酔いが回っているんだろう。顔を赤くしながらも、しみじみと呟く洪古。
「おい、飲み過ぎるなよ。俺はともかく、お前達は明日も色々な街や軍の有力者に対する根回しで忙しいんだろう?」
「ん? ああ。問題無い。俺がこの程度で酔う訳がないだろう」
「それならいいが……一応聞いておくが、アルコールに関しては部下達にもやってるんだよな? ここにいる者達だけが飲んでいるって事はないだろうな?」
上だけが贅沢をしているとなると、やっている事は大宦官と同じだ。そんな風に言われかねない。そんな俺の心配から出た言葉だったが……
「全く問題無い。ここにいるのは最高幹部の俺達だけだが、他の奴等にも鹵獲した品はきちんと配ってある」
ビールの瓶へと直接口を付けて飲みながらそう返事をするのだった。
この辺、酔っ払っていてもきちんと……
「おい! アクセル!」
……は?
突然そんな声と共に、顔を赤くしたスレイが俺を睨みつけながら迫ってくる。
目はトロンとしており、顔は赤く、口から出ているのは強烈なアルコール臭だ。そして手に持っているのは黒い液体の入っているコップ。恐らく何らかのアルコールだと思うが……にしても、いきなりここまで酔っ払うとかどうなっているんだ?
「聞いているのか、アクセル! 私の話を聞け。そしてきちんと聞いて、聞いて、聞け!」
「あー、分かった分かった。話を聞くから暴れるな」
両手を大きく振りながら叫ぶスレイ。その手に持っていたコップをテーブルの上に置いておいたのがせめてもの救いか。
「いいか、お前はだな。いつもいつも、散々人に気を持たせるような事ばかりしている。それなのに、肝心な時には惚ける! 分かっているのかぁっ!?」
「あー、そうだな。俺が悪いんだな。今度から気を付けるよ」
酔っ払いの相手をまともに出来る筈も無く、焼きたてのたこ焼きを口へと運びながら烏龍茶を傾ける。
「だーかーらー! きちんと私の話を聞けっていってるんだ、この鈍感男がぁっ!」
「聞いてる、聞いてるから。……香凛、女同士って事でスレイをどうにかしてくれないか?」
「無理よ。大体、酒に弱いのに度数の高い老酒なんか飲むからそうなるんでしょ。自業自得よ」
「……いや、絡まれている俺にしてみれば全くの被害者なんだが」
「それこそスレイの言動を見る限り、自業自得に近いと思うんだけど」
「こらぁっ! アクセル! 私という女がいながら、まーた他の女を口説こうというのか! 見ろ、私の方が香凛よりも身体付きも女らしいぞ!」
そう言い、その大きな胸を俺へと押しつけて来るスレイ。
確かに香凛はどちらかと言えばスレンダー体型で、胸の大きさという意味ではスレイの方が圧倒していた。
「くっくっく。もてる男は辛いな、アクセル」
洪古はと言えば、そんな俺達のやり取りをいい酒の肴だと言わんばかりに笑って見ている。
「そうね。私と違って胸の大きい相手にくっつかれて随分と幸せそうね」
微妙にスレイの言葉に腹を立ててるのだろう。目元をピクリとさせながらも『星刻様は私くらいの胸が……』とか『こんな女誑しを友人に持つとか星刻様に悪い影響が……』とか呟いていた。
「おいっ! 大体だな、お前はいつもいつも女と見れば手を出して……」
「待て、それはさすがに誹謗中傷だぞ。別に俺はそんなに……」
「へえ。恋人が3人もいるのに? 将来的には更に4人増えるのは確定なのに? それでも誹謗中傷だと?」
ジト目で俺を睨みつけてくるスレイ。というか、俺に絡みつくような体勢でジト目を向けてきているのだが、それだけに顔の位置が近い。近すぎる。それこそ俺の目の前にスレイの顔があるという、後数cm顔を近づければキスしてしまいそうな距離で睨みつけられても非常に困るんだが。
「聞いてるのか、アクセル! 大体お前はなぁ……」
と、色々と言ってはいるのだが、こうも身体に密着されているとスレイの身体の色々と危険な部分が俺の身体に当たっている訳で……いわゆる当ててんのよ状態に近い。それにアルコールを飲んだ為だろう。スレイの体臭と汗が入り交じりった濃厚な女の匂いがこれでもかとばかりに俺を包み込む。半ば俺に抱き付いている状態もあって、正直このままでは色々と危険だ。元々スレイはかなりの美形で、大きい胸が身体を鍛えている事もあって更に強調されているのだ。女としての魅力を感じないかと言われればNoだと断言するくらいには。
「分かった、分かったから、とにかくちょっと離れろ。話はきちんと聞く。聞くから……」
「だから、いい加減私も見ろって言っているんだ! お前は、私をシャドウミラーに引き入れた責任がある。つまり、私の面倒を生涯見続ける義務があるんだ!」
「そうだな、そうかもしれないな。とにかく詳しい話は明日にでも聞くから、ちょっと離れろ。お前、自分が周囲の視線を集める程の美人だっていうのを理解してだな」
全く、こうも酒癖が悪いとは思わなかった。俺も酒癖は悪い方だと聞かされてはいるが、それでもここまででは無いだろう。……無いと思いたいな。
一瞬、以前酒を飲んで記憶を失った時の翌日の記憶が脳裏を過ぎるが、それはとにかく置いといて。
そんな風に思っていると、スレイの目が再び俺へと向けられる。
そして……
「だから! なら何で私を口説かない! 私はお前に口説かれるのをずっと待っているんだぞ! 私を惚れさせたんだから、きちんと責任をとって私も恋人にしろ!」
そう叫ぶのだった。
「……何?」
スレイのその叫びに思わず問い返すが、肝心のスレイは目を潤ませながら俺へと視線を向けてくる。
「私は……お前が好きなんだ。確かに最初シャドウミラーに所属したのは兄様の病気を治療する為だった。だが、それは最初だけだ。私はアクセルを、お前を……」
真剣な表情でそう告げ、そのまま俺へと顔を近づけてくるスレイ。そして俺とスレイの顔の距離が5cm、4cm、3cm、2cm、1cmと近付いていき……次の瞬間には体重を預けるかのように倒れ込んでくる。
「……え?」
予想していたのとは違う感触に、再びそう呟き視線をスレイへと向ける。
「すぅ……すぅ……」
だが肝心のスレイはといえば、何を言うでもなく安らかな寝息を立てていた。
まるでここ以上に安心出来る場所は無いとその身で示すかのように。
「……えっと……」
あまりと言えばあまりの事態に、数秒程混乱する。
「ほら、とにかく風邪を引かないようにこれでも掛けてやれ」
溜息と共に洪古から放り投げられたのは1枚の毛布。それを受け取り、完全にこちらを信用するかのように身を委ねて眠っているスレイへと掛けてやる。
スレイが俺を好き?
その言葉を思い出しながら、これまでのスレイとのやり取りを思い出す。
スレイを試す意味でお前の身体を寄こせと告げた事。
ホワイトスターにある家でスレイを泊めた時にレモン達とのとあるシーンを見せてしまった事。
イスルギ重工の受付で半ば抱きしめた事。
そう言えば、月で模擬戦をやった時にも同じように抱きしめていたか。
スレイと過ごしてきたそれらの光景を思い出しつつも、スレイが俺に好意を抱く理由が全く想像出来なかった。いや、もちろん友人や同僚、あるいはパイロットとして好意を持っているというのは知っていた。だがそれでも……異性として、男としての俺に好意を持つとは思ってもいなかったのだ。
何しろ、スレイが幾度も口にしていたように既に恋人が3人もいる。更にはあやか、千鶴、円、美砂の4人に対しても好意を持っており、将来的に4人の気持ちが変わらなかったら受け入れるという宣言すらしているのだ。
それを散々不誠実だと言ってきたスレイが、俺に好意?
可能性として考えられるのは、フィリオの治療に感謝してその気持ちが好意に……即ち、LikeからLoveに変わったんだろうか。
「酔っ払いの戯言……とは片付けないでね。それだとスレイがあまりにも哀れだから。起きた時に本人が自分の口にした内容を覚えているかどうかは分からないけど、酔っ払っているからこそ心に秘めた想いが口に出た。私はそう思うわ」
香凛がワインを口にしながらそう告げてくる。
……そうなんだろうか。もちろん俺の中にスレイに対する好意があるというのは事実だ。他人に厳しい分、自分に厳しい性格。何でも出来るような天才であるかのように見せかけて、実はその裏で人一倍努力を重ねているというのも知っている。良くいる、才能だけの女ではない。そして家族思いなのはフィリオを見ていれば誰でも分かるだろう。つまり一度気を許した相手に対しては酷く情が深いのだ。
もちろん内面だけでもない。外見に関してはレモン達に負けない程の美貌やスタイルを誇っている。
「……俺はお前をどう思っているんだろうな?」
そう呟き、スレイの髪を梳きながら眠りへと身を委ね、俺の意識は闇へと落ちていく。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:509
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