インフィニット・ストラトス 自由の翼
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双零と自由VS.漆黒の狂戦士……コラボ3です。
○Noside
リボンズからフリーダムの修復完了を聞いた春奈一行は銀河甘隊本店からRCI社に帰還していた。
「……はぁ。」
「どうした、春奈。」
「―――A一夏さんと天地君は転生して、何か意味を見つけましたか?」
「……どういうことだ?」
春奈の問いかけに首をかしげる男二人。揃って顔を見合わせることしかできなかった。
彼女は思い切って二人、転生者に聞いた。
「私は前世での死んだ理由が不明だったんです。なぜ私が【ここ】にいるのかが分からない……。」
「それを言い始めたら俺はどうなるよ?前世の記憶がなくて、原作知識は7巻までのを一部一部把握してるくらい。意味なんざ後から付いてくるだろ?」
「俺はもう生き方を決めたよ。まぁ、ここで話すような話じゃないから語らないが。」
二人の回答に春奈はどう返すかと悩んだ。身も蓋もない答えだったからである。
「しかし、収穫はこのレシピくらいか……平和もいいが刺激の足りないところだな。」
「そっちはかなり荒れてるんだよな?」
「まぁな。俺は今夏休み中だからこっちに来れたが。まぁ偶然に繋がったってだけだけどな。」
「……」
春奈はずっと黙ってしまい、それをよそに遠い目をするA一夏。―――そんな感じの帰還途中であった。
●
○side春奈
私はずっと考えていました。昨日のできごとも含めて―――です。
私は転生する時に神様らしき人が私の死んだ理由は不明と言われ、現在でもその意味がわからない状態です。
転生時に与えられた力以外にも何かが私に与えられているのは明白です。
同年代の女子よりも筋力はデタラメで、人間の域を完全に超越しています。
五感も常人以上聞こえないはずの超音波も感じ取ってしまうくらいです。……気配を読むことはできませんが。
そして、高すぎる治癒能力。人間ではないと否定したくなるような能力です。
「……おい、春奈。聞いてるのか?」
「……ふぇ!?」
「いや、さっきから話しかけても反応しないからさ。……まだ悩んでるのか?」
「……はい。」
天地君が心配そうに私に話しかけてくれます。
私にはどんな役目があるのでしょうか……。それがわからない。
こんなに気持ちが沈んだのは久しぶりですねぇ……。あ、RCI社の着きましたね。
「おかえり、待っていたよ。」
自動ドアをくぐると、リボンズさんが出迎えてくれました。
「社長さん?待っていたとは?」
「とりあえず、みんなついて来てくれるかい?」
「分かりました。」
A一夏さんと天地君も頷いてその後に続きます。
「リボンズ。あれの準備が出来たというわけか?」
「もちろんだとも。」
社長さんとA一夏さんは何やら話していますが……準備?
「さて、諸君にはこれから宇宙に行ってもらうよ?」
……は?
宇宙……?なして?
「……おい、リボンズ。何言ってるんだ?」
天地君が突っ込みますが社長さんは不敵な笑みを崩しません。
「とりあえず、行くよ。この転送装置を使う。」
リボンズさんの足元には何やらそれらしい発行するボードが浮いています。その周りには光のリングが3つ浮遊しています。
「これは次元干渉プロセスを利用した転送装置だよ。繋がっている先は外宇宙航行コロニー、ソレスタルビーイング号だ。」
「ちょっと待て!?あれか!?あれなのか!?」
「ソレスタルビーイング号ってガンダムOOの……?」
「何を言っているんだい?君たちは。僕がいるからそれは存在しているんだよ?」
したり顔の社長さん……どうなってるんですか?これは?
「はぁ……もうなんでもいいや。んじゃ、そこに行けばいいんだな?」
「それでいいよ。じゃあ、天地。そこに立ってくれるかい?」
「……こうか?」
「結構。では行くよ。」
シュンッと言う音と共に天地君が消えてしまいました。
「え……?今ので?」
「次は俺が行こう。」
「わかったよ。昨日と同じように落ち着いて欲しい。」
そうやりとりをしてA一夏さんも同じように消えてしまいます。
「さて、次は君だよ?織斑春奈。」
「はい……。」
ちょっと怖いですが―――やってやろうじゃん!
意を決して転送装置に乗る私。そして―――
●
○Noside
「イテテ……。手荒な転送だな、おい。」
天地は痛む額を押えながらのろのろと立ち上がる。転送されてきた時に空中で放り出された彼はそのまま重力に従って落下。その時に額を強打したのだ。
「大丈夫か?」
A一夏も転送されていたようで少し離れた位置に立っていた。
「ああ。平気だ。」
「なら、そこから離れるべきだな。」
「……は?」
「―――っ!?きゃあっ!」
呆ける天地の上に実体化した何かが落ちてくる。
「ギュアッグ!?……何が起こったんだ?」
ドムッっと乗っかるそれを天地は押しのけようと手で触れた。
むにゅう……天地は何かを押そうとした時に何か柔らかい物を掴んでしまう。
(なんだ?やけに柔らかい気が……)
ふにふに……それを見ずに掴んだのはまずかった。
「~~~っ!?」
「……え?……あ―――」
目と目が合うその先には叫びにならない声を上げる、真っ赤な顔をする春奈がいた。
天地が掴んでいた好ましい弾力のそれは春奈の胸だった。
春奈が天地に覆い被さる形で乗っかっていたのを天地が手を伸ばして胸を掴んだ……鷲掴みで。少なくとも春奈にはそう見えていることだろう。
天地の手を振り払い春奈は胸を腕で抱くように隠し、抗議的な視線を浴びせる。
「て、天地君のえっち!サイテーです!」
「ま、まて春奈。いきなりのことで俺も対処ができなかったんだ!」
ギャーギャー騒ぐ二人を置いて転送装置から現れるリボンズ。その顔はしてやったりと言わんばかりの黒い笑みで飾られていた。
「ふふ、これで女嫌いがマシになるといいね。天地。」
「おい、リボンズ!てめぇの仕業か!?」
「なんのことかな?僕にはわからないね。」
とぼけるリボンズと怒る天地を他所に、春奈は吸い寄せられるようにハメ殺しの大きな窓に近付く。
「ホントに宇宙なんですね……。」
「そうだよ。この先に人類が進出していく広大な宇宙さ。」
春奈の目の前には月が映っている。その後ろに青い星、地球が見えた。
「綺麗ですね……宇宙から見る地球も。」
「まぁそうだよな。……春奈、さっきはすまん。わざとじゃないのはわかってくれ。」
「……銀河甘隊の超限定ロールケーキGで勘弁してあげます。」
「うぐっ……善処する。」
先ほどのハプニングの怒りはもう霧散していた春奈は「冗談ですよ」と天地に伝える。
それを聞いた天地がぽかんとしていたのは言うまでもないだろう。
「確かにこれを見たときは驚いたがな。綺麗だと思ったのも事実だが。」
A一夏もその窓に並ぶ。遠い先の星を見つめる横顔は鋭くそれでいて頼もしい猛将の覇気をまとっていた。
「ん?アレは流れ星?」
天地のつぶやきを聞いた春奈が窓にへばりつく。もちろん嘘だとわかった瞬間に春奈は天地をボコっていた。
それをただ見つめるA一夏、リボンズであった。
「嘘をつかないでください!」
「悪かった!謝るから……ぎゃあぁぁぁぁ!?」
●
○side???
来賓である春奈たちを迎えるためにソレスタルビーイング号の居住区はいつもより綺麗になっている。まぁ家事をするメイドのような存在である量産型イノベイドが居るからなのであるが。
「このくらいなら問題はないかな?」
豪華絢爛な内装の居住区はあの世界から引き継がれてそのままとなっている。
そんな空間の中心に鎮座するソファーでくつろいでいる一人の青年。
彼の名はリジェネ・レジェッタと言う。
リボンズにソレスタルビーイング号と量子演算装置ヴェーダ、あるシステムの管理を任されたイノベイドである。
とは言え、特にすることもなく常時だらだらと過ごすロイヤルニート生活状態である。
まぁ平和だからなのではあるが。
「さて、久しぶりの来客だ。飾りつけは……ふむ。」
彼は自分の配下である量産型イノベイドにあれこれと指示を出す。
「……あ、ヴェーダも弄らないといけないか。」
彼はヴェーダを使えるようにするためにシステムコンソールを呼び出すと操作を開始する。
最近暇つぶしで地球の様子を観察した時にVRに興味を持った彼はヴェーダを利用したVR空間を作り出した。
リボンズはそれを使いたいからと言う理由でソレスタルビーイング号に彼らを転送したのだ。
……結局は完成度が高いとりジェネが自慢したからなのだが。
「歓迎の準備はオッケーだね……さて、さっき着いたくらいだし出迎えるか。」
居住区に客を迎え入れる準備をするリジェネであった。
●
○side春奈
「これは……」
「驚いたかい?」
「ガンダムエクシア……他にもあるな。」
「ガンダムデュナメス、ガンダムキュリオス、ガンダムヴァーチェ。Oガンダム……本物か!?」
「このガンダムたちにはGNドライヴがないから動かせないよ。このソレスタルビーイング号の動力に利用しているしね。」
案内されたそこはMSの格納庫でした。GNドライヴのないCB第3世代のガンダムがそこにはハンガーに固定されて封印されています。
ここは一体なんなのでしょうか。あるはずのないガンダムが存在するなんて……。
まぁこれは遺産さ。と付け加える社長さん。
「驚いたかい?」
「は、はい。これは予想外です。」
精一杯の感想で私は応えますが社長さんは満足そうです。
「まぁ、君たちに見せたいものはこれだけではない。こっちだよ。」
そう言って社長さんはすたすたといってしまいます。ああ、待ってくださいよ~!
そして、格納庫の奥にあった部屋には何やら大きな機械が置いてありました。
「さて、今回君たちを招待した理由を明かそうじゃないか。」
社長さんは備え付けのキーボードを叩いて重厚な扉のロックを解除。そして―――
「ようこそ、皆。CBの崇高なる頭脳の元へ……これはヴェーダさ」
●
○Noside
内部には大きな機械の塊が鎮座している。それを見た春奈は驚きと戸惑いの声を上げる。
「ヴェーダ……この大きなサーバーがですか!?」
「もちろんだよ。リジェネ、準備は出来ているかい?」
「ああ、もちろんだよ。」
ヴェーダと呼ばれた演算装置の内部に続くドアの先には中性的な顔立ちの青年が立っていた。
「はじめまして。僕はリジェネ・レジェッタ。このコロニー、ソレスタルビーイング号の管理人を務めさせてもらっている。」
「これはご丁寧に。私は織斑春奈です。」
「君のことはよく知っている。ヴェーダを通してよく観察させてもらっていたよ。」
その言葉を聞いた春奈はフリーズする。
「……どういう事ですか?」
「どうもこうもどんな物が流行っているかなどを見聞させてもらっていただけさ。先に行っておくが個人情報やプライバシーの侵害はしていないから安心してくれたまえ。」
「……はぁ。」
春奈は納得したわけではないが頷く。確認のしようがないのも然りである。
「さて、今回君たちをここに呼んだ理由はこのヴェーダを使ったVR空間での模擬戦を企画したからなのだよ。」
「バーチャル・リアリティのことか?」
「その通りだよ天地。ISを限定状態にしてヴェーダとリンクさせることによって機体のデータを読み取り、VR空間で構築。そして、実際に秘匿性の高い模擬戦闘を行うこともできる。」
「……なるほどな。俺の足がつかないようにという配慮ってわけか。」
リボンズは異世界の住人であるA一夏に「もしものこと」が起こってはいけないとこのシステムを構築したリジェネを評価して、試験起動という形で使うことにしたのだ。
しかも、異世界のISのデータも手に入るというまさに一石二鳥な計画である。
「しかし、なぜ模擬戦を?」
「いや、せっかくの機会さ。異世界の戦士との戦いもいいと思わないかい?」
顔を見合わせる春奈と天地。
「まぁ、君たちはこちらの指示に従ってくれればいいよ。」
「……え?」
「社長命令だといえば反論できないかな?」
「「分かりました。」」
二人は同時に頷いた。上司に逆らえるような器ではないし、内心悪くはないと思っているようだ。
それに、天地は意外と戦闘狂のケも有している。
「さて、みんなのISを限定状態にしてくれるかい?」
各自がISの設定を限定モードに落とす。これはISの機能を一時的にスリープさせるものである。
A一夏も最初の方はためらったが二回目である今回は素直にリボンズの指示に従う。
「リンクシステム機動。……ふむ、これだけのデータがあれば―――それぞれの機体データを反映。」
リボンズはデバイスの投影キーボードを呼び出すと、何やら操作を始める。
アクセスを各自が承認して機体の稼働データやISコアの性格などがヴェーダに転送される。
そのデータを元にヴェーダはISをVR空間内に構築を開始する。
「それぞれの機体データを反映。VR空間内に構築を開始するよ。」
ヴェーダの量子演算プログラムは現物のフリーダムとOOのステータスを持つISをそのデータ領域に書き出した。
もちろん、A一夏の機体も同じように構築している。
「なるほど。こうしてVR空間内で模擬戦を行えばISのコンディションや操縦者の体調を考えずに修練が行えるってわけか。」
ふんふんと頷き一人で納得する天地。
「そういうことさ。機体のコンディションは公平に設定しているよ。……あと、VR空間内は現実と変わり無い環境設定になっているから気をつけて欲しい。」
リボンズはサーバールームの隣に備えられた部屋、ベッドチェアのある仮眠室(内装はとても豪華だが)に春奈達を誘導して彼女たちに指示を出す。
「ISとヴェーダを改めて繋ぎ、君たちの意識をVR空間内に接続するよ?」
「ちゃんと帰って来れるんですか?」
「当たり前だよ。安全面に関しては僕が保証する。」
春奈の問いかけに答えたリボンズは自信満々のドヤ顔で応えた。
リボンズの指示に従って春奈とA一夏、天地はベッドチェアにその身を預けてヴェーダからISへの外部ネットワーク接続要求を許可した。
「ダイレクトモーションセンサーの接続を解除。動作感知をマインドセンサーに切り替え、起動。」
端子の接続も無しでネットワークに接続した春奈たちの意識は少しずつ朦朧としていく。
「システムエラーチェック……オールクリア―――ダイブまでのカウントの開始。」
リボンズはカウントを開始する。
「……8……7……リラックスして眠るようにするといいよ……3……2……ダイブ開始」
3人の意識はヴェーダに吸い込まれていく。
●
○
『さて、皆気分はどうだい?』
リボンズの声に起こされた春奈はまぶたを擦りながら落下の感覚を味わってフラフラする体を起こした。
ふと春奈が、自分の体を見るといつの間にかIS学園の制服を着せられていた。
「これはすごいな。」
「ここはIS学園第2アリーナAピット……?」
「この世界の第2アリーナか。」
『ISのデータから構築したものだよ。再現力は一級品だろう?』
[確かにヴェーダを使っていることはあるな。]
「……?誰ですか?」
人がいないのに声が聞こえた春奈は辺りを見渡す。
[失礼した。俺は天地のISに宿るニューロの刹那・F・セイエイだ。]
天地の肩に音もなく現れた小人。東南アジア系出身者に多い黒髪に青色のノーマルスーツを着た少年だった。
「……ほう。」
「ニューロ……?―――じゃなくて刹那・F・セイエイ?」
春奈はまじまじと観察した。物理的干渉力があった場合彼に穴が開くかも知れないくらいにジッと見つめていた。
[すまない。俺にも自分という存在が何者なのかが分からない……ただ、ニューロと呼ばれる存在というのは理解している。]
刹那は自身が何者であるか……その記憶が失われている状態で目覚めた。しかし、流れに身を任せるのがその時の彼の答えであった。
答えをいづれ現れる相棒と共に探すことを彼は選び、その相棒が七ノ瀬天地だったのだ。
「ニューロって言うのは特殊電脳生命体つー存在で一種の電子頭脳みたいなもんだ。」
天地がニューロのことを春奈に教えるのをA一夏も興味を持ち、耳を傾けた。
「それら電子頭脳とは違う機動兵器の卓越した操縦能力と状況判断力。それに加えて〈感性〉と〈感情〉を持ち合わせた特異な存在。……刹那は俺のISの補佐をしてくれてるんだ。」
[天地の武器と動力の制御を担当しているだけだが。リボンズの話では戦いの中で俺たちニューロは「記憶」を取り戻すことができるらしい。]
「「記憶……?」」
[俺には目覚める前の記憶がない。俺自身やリボンズはこの世界の過去を知っているハズなのだが……それを探すのが俺の道だと認識している。]
『僕もその記憶を探している。……システムやニューロに関しての知識は持ち合わしているが、過去については刹那・F・セイエイと同じだよ。』
「……(この世界の過去はどうなっているのでしょうか。)」
[……期待に答えられなくてすまない。]
「気にするなよ、相棒。……まぁいづれ分かるだろうさ。この話はここらで切り上げて……どういう模擬戦闘にするよ、A一夏。」
天地がズレた話の趣旨を戻してA一夏に話題を振る。
「それもそうだな。……まとめてかかってこい。俺VS.お前ら二人でいい―――実力の差が見えているからな。」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべるA一夏。この発言に対して天地が少し不機嫌な雰囲気を出した。
未熟とは言え彼も武人である。二対一のハンデ戦にはあまり乗り気になれないと言った所である。
しかし、これに対して純粋な春奈は何も感じなかったのか……
「じゃあ、出し惜しみ無しの全力全開で相手をすればいいのでしょうか?」
「……ああ。滾る戦いを楽しみにしよう。」
「戦闘狂かよ……まぁ、俺が言えたもんじゃねぇが。」
「ん?天地も戦いに酔うタイプの戦闘狂なのか?」
「人聞きの悪いことを言うな……って否定できない自分が悲しいが―――言う通りだ。」
「……なら、期待させてもらうぜ?」
そう言い残したA一夏はAピットを後にした。
●
○side A一夏
俺が春奈たちの元を後にしたあとリボンズからの秘匿通信が入った。
『すまないね、君に面倒を任せるなんて。』
「気にするな、リボンズ女史。俺も好きでやっていることだ。」
女からの頼みは快く引き受けるようにしているし、俺は強くならなければならない。「あの計画」を遂行するためにはな。……強者との戦いにおいては俺の伸び代を伸ばすこともできる。
そして、リボンズ女史から頼まれたのは……主人公である春奈を焚きつけて欲しいという事だな。
自分という存在の意味を見失っている……あのままでは到底生き抜くことはできないだろう。
どんな主人公も力を持つことに責任があるように、今の春奈はおそらくその責任を見失って宙ぶらりんの状態とも思われる。
それに、春奈を追い詰めれば面白いものが見れるとも聞いた。……楽しみにさせてもらおうじゃないか。
●
○side Aピット
『さて、君達も用意したらどうだい?彼はもうBピットに着いているよ?』
「そうですね。……着替えは?」
春奈は自分の体を見るがISスーツを着ていない。身に着けているのはIS学園の制服である。これではA一夏が望むような戦闘は難しいだろう。
「リボンズ、書き換えするよな?」
『当たり前だよ。衣服の書き換えっと……』
リボンズはキーを叩き春奈たちの衣服をISスーツに書き換える。放たれた閃光に目を細め今一度体を見た春奈は「便利ですね……」と呟いた。
春奈と天地の二人は普段来ているISスーツを着ていた。
「こりゃ楽だな。」
「それじゃあ私たちも用意しましょうか。」
二人は頷き合いISを準起動状態へと移行させる。
「だな。―――行くぞ、相棒。」
[了解。]
天地と意思疎通した刹那はその姿を消失させる。
そして、刹那の消失と同時に天地の専用機OOが展開される。
「いくよ、フリーダム。」
春奈も天地に習い愛機と武器を展開してカタパルトへ向かう。
そして、それぞれがカタパルトに脚部を固定したのを確認したリボンズは電圧を上昇させる。
『脚部の固定を確認。カタパルト電圧上昇……それぞれの発進タイミングを譲渡するよ。』
『織斑一夏。ストライクE、行くぞ!!』
「七ノ瀬天地、OOで出るぜッ!」
「織斑春奈。フリーダムで行きます!」
右手にルプス・ビームライフル、左に耐ビームシールドを装備した春奈がアリーナに飛翔する。
そして、激闘の火蓋が切って落とされるまで時間はかからない。
後書き
A一夏との模擬戦で天地が、春奈が掴むものとは―――
次回インフィニット・ストラトス 自由の翼
双零と自由VS.漆黒の狂戦士……模擬戦闘
ご期待下さい。感想、評価も待ってます!!
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