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原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!

作者:zinn
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18話

 夕は夜の見回りをしていた。
バシュ!

「何の音だ?」

林の辺りから何かの音がする。

「ランスター?」

気配を消して近づくと自主トレを行なっていたティアナと影で見守るヴァイス陸曹がいた。

「何やってるんですか、あいつ?」
「うおっ!夕か?」
「明らかにオーバーワークな練習ですね」
「ああ、今日の任務でミスショットしたらしくてな」

ヴァイス陸曹の話によると今回のホテル防衛任務で実力以上の魔法を使用してスバルを誤射しかけたらしい。

「それを引きずって自主トレですか…止めなくていいんですか?明らかにオーバーワークですし、あんな鍛えかたじゃいくらやっても強くなれませんよ」

 ティアナは基礎が完成してない。その状態ではどんな技術を身につけても基礎のできていない小手先だけの力にしかならない。そんな力が通じるほど実戦は甘くない。

「俺が言って止まるようなら止めているよ」
「周りが見えなくなっているわけですか…」

今、止めて意味はなさそうだな。夕はティアナに背を向ける。

「止めないのか?」
「そういうのは高町達、隊長陣の仕事です。俺は生活補助スタッフですから」
「そうか…」

2日後、夕はもう一度ティアナの様子を見にきている。

「ヴァイス陸曹」
「おう。また来たのか」
「ええ。どうなったのか気になりまして…増えてますね」
2日前にはいなかったスバルが参加しているのだ。
「自分はコンビだからって昨日から参加してんだ」
「彼女らしいですね。さて」

二人に近づく。

「止めないじゃないのか?」
「止めませんよ。差し入れをいれるだけです」

「ランスター、ナカジマ」
「「夕さん!?」」
「自主トレとは張り切ってんな」
「…私逹を止めに来たんですか?でしたら余計なお世話です」
「ちょっティア!」

ティアナはかなり気が立っているようだ。

「それは俺の仕事じゃない。俺の目的はこれだ」

二人にボトルを投げる。

「これは?」
「疲労回復効果のあるドリンクだ。寝る前に飲みな」
「………」
「どうした。止められると思ったか?」
「…はい」

自分のやっていることが正しくないのかもしれないって気持ちが僅か頭にあるんだな。

「例え、間違っていたとしても、余程取り返しのつかないミスでないかぎり俺はお前逹を止めない」
「どう…してですか?」
「間違えを起こさない奴なんてこの世にいないからだ。今のお前逹の行動が間違っていたとしても取り返しのつく間違いだ。なら盛大に間違えて、訓練でなのはの奴にぶつかってみればいい。内心に不満を持ちながら上辺だけで、はいはい言うこと聞くよりもそっちのが方よっぽどいい」
「………」
「例え、なのはにぶっ飛ばされることになっても。その後、しっかり話し合えばいい」

ぶっ飛ばされると聞いてスバルが少し震えているが見てはいけない。

「今は自分を信じてやってみな」
「…はい!」

ヴァイス陸曹に一声かけて夕はその場をさった。

次の日。スターズの模擬戦を見学するために訓練場にきていた。
「夕が訓練場に来るなんて珍しいね」

フェイトは夕が訓練場にいることに疑問を覚えたようだ。

「ランスターとナカジマを見にきたんだ」
「どういう意味だ?」
「二人はなのはの教導に不満があるらしくてな夜に自主トレを行なっていたんだよ。ヴィータ」
「なんだと!知ってたならなんで止めなかった!お前ならなのはの教導の意味もわかってるはずだ!」

ああわかってるよ。基礎を固め、確かな力を、どんな現場でも生き帰ってこれる力を身につけさせる。それがなのはの教導に込めれられ思いだ。

「例え、俺や他の奴が止めても二人は納得しない。無理矢理止めさせたとしても内心に不満が残るだけだ。それなら思いっきりぶつからせてその後になのはの教導の意味を教えた方がいい」
「………」
「それにこの事態を招いたのはなのはにも原因がある」
「っ!あいつは悪くねぇだろ!」
「いや、なのははもう少しフォアード陣と交流を持っておくべきだったんだ。そうすればミスショット後のティアナの不安定な精神状態に気づけたはずだ。普段から自分の教導に不満はないかと聞いていれば。ティアナの意見も聞けたはずだ」
「それは…」
「忙しいなんて理由にならない。俺がマグロさんに鍛えてもらっていたときも不満があればすぐに言うように言われていた。感じた不満を話し合い納得することで築いた信頼は本当に強い」

まっマグロさんは俺を見透かせるくらい俺をよく見てくれていたから不満なんてほとんどなかったんだけどね。

「なのはが本当にフォアード陣のことを大事に思っているのは訓練メニューを見ればわかる。けど言葉にしないとだめなんだ。思っているだけじゃ半分も伝わらない。それが人間だ」
「それに自主トレに気づいていたのは俺だけじゃない。剣、お前も気配を消して見ていただろ」

夕は自分の後ろの人物に視線を向ける。

「ばれてたんだね」
「剣も気づいていたんだね。止めなかったってことは夕と同じ意見なの?」
「僕は夕ほど考えていたわけじゃないよ。でもこれは必要なことだとも思っているんだ」
「必要?」
「なのはの教導の意味を、思いを本当の意味で伝えるにはいい機会なんだ」
そこにいる全員が黙ってしまう。

そうしているうちにティアナとスバルがなのはに特攻を仕掛ける。
なのはは二人の特攻を両手で止めた。そして何かを話したあと、クロスファイアーショットをティアナに直撃させる。そしてすぐに次のクロスファイアーショットの準備する。
誰もが過剰な攻撃に見えた。だがなのはの思いを知っているだけに誰も動けなかった。一人を除いては。

「やり過ぎだな」

夕は右足を踏み込み何かを投げた。

なのはは反射的に飛んできた物体をプロテクションで防ぐ。そして飛んできた物体がなんなのか見る。飛んできたのは過去に自分を気絶させたことのある物体、スーパーボール。
(夕君だね)
そしてまた何かが飛んでくる。なのは身構えたが次に飛んできた物体を見て驚愕する。飛んできた物体とは。

時間は戻り、夕がスーパーポールを投げたところ。

「夕ってめぇ!」
「騒ぐな。過剰な攻撃を止めただけだ」
「だからって攻撃しないくても」
「なのはならこの距離から投げたスーパーボールなんて余裕で防げる。それにそのくらいやらないとあいつは止められない」
「でも!」
「お前らは近すぎるんだよ。なのはの努力も思いも知りすぎているから少しくらい間違えても止められない。なら少し離れた位置から見てる俺が止めるしかないだろ?」
「それ「違う!」

剣がフェイトの言葉を遮る

「確かに僕たちがなのはの思いを知っているから動けなくなっていたのは事実だ。だけどその役目を君に押しつけたりはしない」
「なら、お前が止めるのか?」
「ああ、僕が止める」
「なら」

夕は剣の胸ぐらを掴み。

「え?」
「止めてこい!」

なのはに向かって投げる

「うぁぁぁぁ!」
「剣ぃぃぃぃ!?」
「おい夕、何やってやがる!」

フェイトが驚き、ヴィータは問い詰める。

「剣が止めるなら俺が止めるよりいいから投げた」
「って今の会話、剣が止めにいくように仕向けたのか!?」
「ああ。剣が止めないなら、動いたけどな。俺は仕事に戻る。後よろしく」
「あっちょっと」
「剣が動くなら俺は必要ない」
夕はそういい残してその場を後にした。

深夜1時
夕は一人海岸のところで剣を待っていた。
「待たせたね」
「剣、あの後どうなった?」
あの後、剣がなのはを止めて、ヴィータがティアナを医務室に連れていったらしい。
ティアナの不満もなのはが自分の過去の映像を見せて再度話し合った結果、わかり合えたそうだ。

「そうか、解決したならよかった」
「今回の事件、僕は原作知識で知ってたんだ」
「………」
「最終的になのはとティアナはわかり合える。だから、何もするべきではない。そう思っていたんだ」
「だから気づいていてもティアナを止めるわけでもなく。なのはに報告して話し合いの場を持たせることもしなかったのか?」
「うん。でも君が介入した結果、原作知識より良くなったように僕は思う………僕は原作知識に振り回されているのかもしれない」

未来を知っているからこそ。迷って自分の行動を制限してしまう。

「原作知識をどう使うもお前しだいだ。それにその知識があったからこそ、俺はここにいる。目的の日も近づいて来てるしな」
「そうだね」

二人の目的とは?
 
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