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万華鏡

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第六十三話 第三試合その五

「こうなったら」
「阪神の日本一を?」
「そう、それをね」
「困った時のっていうの?」
「そうしたら違うと思うし」
 この場合は阪神がではなく琴乃自身の精神的状況yがだというのだ。
「だからね」
「じゃあ今日にでも」
「部活の後にでもね」
「そういえば景子ちゃんのお家神社よね」
 クラスメイトは琴乃にこのことも言って来た。
「そうだったわね」
「ええ、そうよ」
「それじゃあ」
「景子ちゃんのお家に行って」
「お祈りしてきたら?」
「景子ちゃんのお家って確か安産と学業成就よ」
 琴乃は景子の家の神社の神様が司っているものはそうしたものだというのだ。つまり阪神の日本一祈願は。
「勝利祈願はね」
「違うの」
「私もよく知らないけれど神社によってそれぞれね」
 その司っているものが違うというのだ。
「だから景子ちゃんのお家ではね」
「勝利祈願は出来ないのね」
「そうなのよ」
 そうなってしまうというのだ。
「残念だけれどね」
「そうなのね。じゃあ」
「うん、だからね」
 それでだというのだ。
「お祈りするのなら他の神社よ」
「勝利祈願ね。じゃあ行くとしたら」
「確か八条神社は沢山の神様が祀られていて」
 神社に祀られる神様は一柱とは限らない、多くともいいのだ。
「だからね」
「それでなの」
「そう、行くのならね」
 八条神社になるというのだ。
「そうなるかしら」
「じゃあ今日にでも行ってみる?」
「そうしてみるわね」
 琴乃はこうクラスメイトに話した、そしてだった。
 実際にこの日部活の後で八条神社で阪神の勝利を祈願した、だが二試合目阪神は残念ながら敗れてしまい。
 タイになってしまった、この状況に関西中ががっかりした。 
 一日開いて戦場は千葉に移った、その三試合目は。
 クラウンの面々は美優の家で観た、やはり今回も酒やつまみを用意してそのうえで観戦だった。美優は五人に色々と出してきた。
「はい、ゴーヤチャンプルにな」
「ミミガーね」
「それと足てびちね」
「あとこれな」
 そーきそば、それもあった。
「どんどん食べてくれよ」
「それで飲んで」
「そうしてよね」
「これも飲んでな」
 黒糖焼酎だった、美優が出してくれた酒は。
「観ような、今日も」
「うん、それじゃあね」
「今日もね」
「確か三戦目がな」
 美優はここで言うのだった。
「一番大事なんだよな」
「そうなの、三戦目で勝てるとね」
 どうかとだ、里香が美優に話す。
「シリーズを制する確率が高いのよ」
「そういえば」
 美優もここで気付いて言った、その言うこととは。
「あの巨人も九連覇の時は」
「第三戦に勝っていたわよね」
「大抵のシリーズでそうだったよな」
「巨人の九連覇はどうもね」
 美優にしてもだった、このことは。
 微妙な顔になりだ、こう言うのだった。 
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