獣退治
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第三章
「この戦争ではな」
「ですね、何かと」
「俺達はこの戦争散々ですよ」
「目立っているのはアメリカばかりで」
「これじゃあ立つ瀬がないですから」
「この作戦は我々がやる」
断固として、というのだ。
「わかったな」
「はい、わかりました」
「やりましょう」
「そしてだ、このことは言っておく」
確かな口調での言葉だった。
「死ぬな」
「敵にやられては、ですか」
「ドイツ軍に」
「そうだ、それだけはなるな」
絶対にというのだ。
「今回の任務は精鋭を選ぶがな」
「何機でいくんですか?」
チューダーが参加する機数のことを尋ねてきた。
「一体」
「四機だ」
「一個小隊ですか」
「列車砲を攻撃して破壊するだけだ」
作戦任務自体はこれだけだ、口で言うには簡単だ。
「しかも夜間の奇襲だからな」
「数はいらないのですね」
「そうだ、だからだ」
それでだというのだ。
「参加するのは少しでいい」
「最低限ですね」
「一個小隊で十分だ」
四機だ、航空機での編成の最小単位だ。
「だからだ、いいな」
「わかりました、それでは」
「四機で」
「四機全て生きて帰る」
このことは絶対だというのだ。
「何があろうとも」
「生きて帰れですか」
「そのうえで作戦を成功させるんですね」
「その為にはだ」
クレイドルは確かな顔で言った。
「私は万全の作戦を立てる」
「だから今もですね」
「こうして俺達を集めてですね」
「そうだ、会議を行っているのだ」
それも兼ねてだというのだ。
「そして作戦もだ」
「それもですね」
「そのこともですね」
「そうです、何とか」
このことも話してだ、そしてだった。
クレイドルは部下達と共に作戦を詰めていった、それを丹念に行い最新の偵察情報も得てだった。慎重に考えていき。
作戦遂行の時にだった、クレイドルは出撃の時に自ら選んだパイロット達に言った。誰もが彼の信頼する部下達だ。
「ではだ」
「はい、今からですね」
「出撃ですね」
「夜の間に進みだ」
空をだというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「列車砲がいるポイントまで行き」
「爆撃を行い」
「一気に離脱ですね」
「敵の対空陣地の場所は既に把握した」
最新の情報を手に入れそれで考えたというのだ。
「だからだ」
「それではですね」
「今からですね」
「モスキートに乗り込んで」
「そのうえで」
「帰ったら祝杯が待っているぞ」
部下達の士気を鼓舞することも忘れなかった。
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