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Angel Beats! the after story

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大人のデート?①

狭い空間の中で俺と彼女が密着しあう。彼女が着ているのはピンク色の下着しかない

彼女の温かい吐息が首筋を撫で回し、彼女の柔らかい太ももが俺の足に絡み、膨らみがある胸があたる。

「少し……動くぞ」

「優しくしてくれ」

ぎこちなく動くと彼女から声が漏れる。

「大丈夫か?」

「こういうのは初めてだけど大丈夫」

頬を赤く染めながら答える彼女に俺は少し心が揺さぶられた。

「そろそろ出るぞ」

「一緒にな……」

さて、突然だが何故俺がこんな場面になったかって?それは……




会場のアンコールに答え終わり、ガルデモのために学園が用意した休憩室に俺たちはいた。

「えーーー!!ひさ子先輩たち記憶が前から戻ってたんですか!?!?」

ユイの最もな驚きにひさ子は申し訳なさそうに答える。

「まぁな。私も関根も入江も多分、ガルデモを結成した時に戻ったんだと思う」

「ど、どうしてですか!?」

「どうしてって、そりゃあ初期メンバーのガルデモが揃ったんだ不思議じゃないだろ?それに、こいつらと一緒にいた時間は長かったしな」

恥ずかしいのかひさ子は目を少しそらしている。
「で、でもどうして岩沢先輩は記憶が戻ってなかったんですか?」

確かに岩沢はユイが歌ったMy Songによって記憶が戻った。
「音楽キチだからじゃないか?」

「私もそう思う。みゆきちもそう思うよね?」

「えっ、あ、うんそうかも」

岩沢の音楽キチっぷりは流石としか言いようがないな。ひさ子たちがそう言うんだそうに違いない。

ふっ、と思う。

「そういえば直井は?」
ライブの時にチラッと見えたが

「直井くんは仕事に戻ったわよ。なんか、書類をまとめないといけないからとか」
「あいつも忙しいんだな」

一応は政治家だもんな。あいつもあいつなりに自分にできることをやってるってことか……

突然ゆりがジュースの入った紙コップを俺たちに配りだす。そしてイスの上に立ち、紙コップを手の上に掲げる。
「突然だけど岩沢さんたちの記憶も戻ったことだし。乾杯!!」

「「「「「「「「乾杯!!!!!」」」」」」」」


俺たちは学園の中ということを忘れ騒ぎまくった。




秋蘭祭も二日目の最終日になった。とある教室の出し物の喫茶店の中で日向とユイと話している。

「そういえば、みんな最終日どうすんだ?」

昨日聞けなかったことを聞く。
「俺はユイと一緒にまわるよ。昨日がんばったご褒美も兼ねてな」

「全部ひなっち先輩の奢りってことですね」

「任せとけって、ちゃんと俺の財布の中はあったかくしてあっから」

「じゃ早速行きましょ」

といきなりイチャイチャ全開で俺に何も言わず消えていった。

一人で三人席に座っているのは精神的にキツイのですぐに喫茶店から出て廊下を歩く。
「どうしよっか」

考えていると服を後ろから引っ張られる感覚が同時に二つきた。

後ろを振り返るとかなでとゆりがいた。たぶん最後の生徒会の仕事が終わったんだろう。

「音無さん。よかったら私と一緒にまわりませんか?」

「音無くん。これからどうするか考えるついでにまわらない?」

これは修羅場というやつか!?嬉しいんだが正直困る。まぁ落ち着け俺、考えよう。

まず選択肢を出そう。

①かなで
ゆりに殺される。間違いなく殺される。

②ゆり
かなでがかわいそう。かなでの悲しい顔なんて見れない。

③両方
人としてアウト!!

これを1秒で考える俺。

「どうするんですか?」「どうするの?」

「「私とかなで「ゆりちゃん」どっちにするんですか?」「するの?」」」

下手に答えるとダメだ。だから俺の考えはこうだ!

「逃げる!」

俺のために争う二人なんて見たくない……だから全力で逃げる。

俺の突然の反応についていけなかった二人は少し硬直したあと、正気に戻る。
「逃げるなんてひどいですよー〜!!」

「音無くんまちなさーーい!!」

ジャマイカの人顔負けの速度で俺の後を追ってくる。

すぐに近くにあった階段をくだる。

「かなで!ゆり!聞いてくれ……俺のために争わないで!」

半ば涙目で走りながら語りかける。

「かなではそのまま音無くんを追いかけて。私は回り込むから」

「挟み撃ちだねゆりちゃん。了解」

俺の懇願は無意味だったのか……

とっさに頭を切り替える。地理的には俺は不利だ。なら隠れるほうが逃げ切れる確率が上がる!
角を曲がり、そのすぐにある教室?に入る。

そこにいたのは……
「なんで……お前が…ここに?」

「記憶無し男こそ、こんなところに何か用があるのか?」

俺が無意識に入った教室?にいたのは昨日一緒にライブをしたばかりのバンドのボーカル&リズムギターの岩沢だった。
「こんなところって、ここは教室だろ?」

「一応教室に含まれるだろうけど、ここは女子更衣室だけど」

へっ!?今女子更衣室って。嘘だろ!?だが、慌てていたから気づかなかったが今の岩沢は薄い布……そう下着姿だった。

「これには深い事情があるんだ!頼む!助けてくれ!」

「いきなり土下座されても困るんだが」

いつのまに俺は土下座をしていたんだ……この状況だと

男が女子更衣室に入る→下着姿の女性がいる→それを見て土下座している。

「……ああ変態だな」

思考が読まれただと!?イヴ以来じゃないか。

いきなり、二つの足音が聞こえてくる。

「奴らが来た!頼む俺を助けてくれ!」

必死に頼むと岩沢は少しため息混じりに息を吐く。

「わかった。後で事情教えてもらうから」

「恩にきる!!」

俺は岩沢に連れられ、更衣室内にある一つのロッカーの中に入るように言われる。

「このロッカー誰かの私物入ってんだけど?」

「現役人気バンドのボーカル&リズムギターの下着姿を見て捕まるよりマシだろ?」
背に腹は変えられないか……

ガチャといきなり音がする。ドアが開けられる。

岩沢に言われた通りにロッカーの中に隠れる。だがここで一つの誤算が生じる。
「なんでお前も入ってんの?」

定員一名のロッカーには俺と岩沢が入ってしまった。
「いや、ついな」

「ついなじゃn」

ツッコミを入れようとしたら口を手で塞がれる。
「しっ。気づかれる」
誰のせいでこうなったんだ。あっ、俺か……

「少しキツイんだが」

「しかたないだろ。ほんとは一人が隠れるのが精一杯なんだから」

「なんとかなんないか?」

「じゃあ、少し動こう」
岩沢の提案に俺は頷く。





とまぁこんな感じの回想だ。

「「はぁ〜疲れた〜」」

ようやく緊張と狭い空間から解放される。
「一応ありがとな」

「どういたしまして。それより、早く着替えたいから後ろ向いてくんない?」

言われて気づく。ずっと、死の淵際だったからこのラッキースケベな光景だったのを忘れてしまった。

「ああ悪い」

内心ガッツポーズをしながら後ろを向く。

一瞬岩沢が赤くなっていたのは気のせいだろう。

「そういえば、なんでお前がここにいるんだ?」

「ああそれね。たまたま次のライブ会場が近いからさ、ここの学園長に使わせてくれって頼んだら好きに使ってくれて構わないっていったから。お言葉に甘えて時間になるまで暇を潰そうかなと思って、私服に着替えていたら記憶無し男が入ってきた」

「それは申し訳ない」

「で?詳しく聞かせてほしいんだけど?」

約束通り、さっきまでの経緯を岩沢に話す。
「それはあんたも災難だね。あっ、もういいよ」

許可が出て岩沢のほうを向く。

そこには、ライブの時の服装とは違いジーパンを履き、オシャレなTシャツにパーカーを羽織りヘッドホンを首にネックレスのようにかけていた。

「大人っぽいな」

「そりゃあ、あたしは大人だからね」
これが年上の魅力ってやつか……悪くわない。

それにしても首にかけてるヘッドホンがすごく似合っている。

「そうだ、記憶無し男。時間になるまで私と一緒に秋蘭祭を回れ」

へっ?それってスキャンダルになるんじゃ。

『激撮!あのガルデモリーダーの熱愛発覚!?!?』なんて記事をFRID○Yに書かれたらお終いだ。

「それとも性犯罪者として警察署に行く?」

「熱愛発覚でお願いします!」

「な、なにを言ってるんだ!?」

FRID○Yの印象が強すぎてしまったようだ。

「悪いFRID○Yがちょっと…」

「金曜日?なんの話だ?」

ここまでの天然属性だと!?クッ、フラグが立っちまう……

「どうすんの?」

「じゃあご一緒させてもらいます」


かなでとゆりに見つかったら………という考え止めるかのように岩沢は俺の腕を掴み女子更衣室から飛び出した。



 
 

 
後書き
岩沢さんの出番を増やすと私はずっと考えてました!それがついに果たせます!私服姿の岩沢さんすごくみたいです!
ひさ子さんたちがあまり出ていない?大丈夫です。しっかり出すつもりですから。ようやく一区切りつきそうなので番外編やらも盛り込んでいく予定ですのでお楽しみに
では、あらためましてこれからもどうぞよろしくお願いします。
(意見・感想・評価お待ちしています)
 
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