戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~
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十二章 幕間劇
鉄砲か槍か×悩み事
太陽が沈めば、俺達の仕事が終わったって事はない。特に京入りを目前に控えた今。辺りの様子は、普段より慌ただしい事だった。
「調子はどうだ?」
「はい。弾正少弼との戦がありませんでしたから、その分は玉薬や物資にも余裕ができました」
「それはいい事だな」
ある程度の物資は余裕がないと、消耗が激しい物は特にな。特に京の先は、補給があるか分からない。
「とりあえず明日の隊の編成は、今詩乃ちゃんと梅ちゃんが考えてくれています」
「鞠達は、元気なお馬さんから出せるようにしてるの!」
「そうか。ありがとな、鞠」
「えへへー」
「でも・・・・編成は梅が決めているのか?大丈夫なのか」
「はい。今日の行軍の指揮も順調でしたし・・・・。詩乃ちゃんが言うには、隊の癖をよく把握している良い指揮だと言ってましたから」
最初は猪武者ばかり思っていたが、そうでもないらしい。俺の本来の姿を見せてからは、言う事は聞いてる。猪の部分が無くなってきたのかな?ちなみに猪の事はここでは牡丹だと言うそうだ。
「だから私と鞠ちゃんは、今日はひよの手伝いなんです」
でもな、今まで一真隊の前線指揮をしてたのはころだ。梅と分担できるなら、ころの負担も減るといいが、何か嫌な予感がする。こういう勘はよく当たるんだよな。
「なあ、詩乃達の様子見でもいかないか?三人一緒に」
配分計画なら、ころや荷駄隊を管理するひよの意見も参考にした方がいいし。
「そうですね。それじゃ・・・・」
「はいっ」
「鞠も行くのー!」
で、詩乃達がいる所に行ったらやっぱりかと思った俺だった。
「ああもう、聞き分けがありませんわね!」
「聞き分けがないというのは、物事を理解せずに反論だけする事を言うのですよ。聞き分けたからこそ反対申し上げているのですが、何か?」
「もぅっ!ああ言えばこう言う!」
「言われた事を解して即座に言葉を返すのは、軍師にとって褒め言葉になっても悪口にはなりませんよ」
「ぐぬぬ・・・・!」
ああ、やっぱりこうなったか。俺の勘って当たるんだな。雪蓮並みに。
「何をやっているんだ?二人とも」
「ああ、一真様」
「ハニー!聞いて下さいまし!」
「落ち着けって。で、何で揉めてんだよ。京に先行させる隊の配分を決めているんだろ?」
「そうですわ!それに詩乃さんが・・・・」
「話を理解しようとしないのは、梅さんではありませんか」
「そういうのを、釈迦に説法とというのですわ!」
「おや。天守教の奉教人殿でも、こういう時は神仏を引き合いに出すのですね」
「むむむ・・・・」
「何がむむむだ馬鹿者。二人とも大人げないし、神なら目の前にいるだろうが」
ハリセン一発軽くはたいた。二人の頭を軽くはたいた後、ヒートアップしかけた空気をなくす。
「で、二人とも。兵の割り振りをどうしたい?」
「・・・・はい。今回の京への先触れは、二条館の防衛が目的です。迅速に入城し、防御陣を敷く必要があります」
「ですから、移動には可能な限り馬を使いますわ」
「そこまでは、俺も賛成だ」
だから、それを考えてひよ達も馬を準備している。二人の意見はここまで一致してるようだが、どこから意見が違うのかね。
「今回は拠点防衛ですから、三好衆を寄せ付けずに、二条館をお守りする事が肝要になりますの。ですから、鉄砲を出来るだけ多く持ち込みますわ」
ふむ、鉄砲なら黒鮫隊に任せたいところだが、こちらの鉄砲足軽達も活躍したいだろう。しかも少ない人数でも迎撃はできると。
「鉄砲も良いですが、隙も大きくなりますし、何より玉薬にも限りがあります。後の朝倉攻めも考えて、ここは鉄砲よりも槍を中心に編成を行うべきかと」
詩乃の正論も正しい。この時代の鉄砲は玉薬とかが必要になる。ここで弾薬が切れたら、鉄砲が多い一真隊は戦力が激減する。俺らのはそんなのは必要ない。頭に思い浮かんだ弾丸が自動的に装填される。
「最初の戦いで玉薬をケチって、むざむざ作戦を失敗させるおつもりですの!?」
「闇雲に撃てば良いと言うものではありませんよ。有効な武器だからこそ、要点を絞って効率的に使うべきだと言っているのです。幸い、今回は本隊が辿り着くまでの時間稼ぎが主となります。三好衆の殲滅が目的ではありませんから、攻撃力よりも持久力を重視した編成にしても・・・・」
「敵の数は減らした方が有効に決まっているでしょう。最初の一撃で大きく敵を退ける事が出来れば、その後に時間を稼ぐのも容易ですわ」
「梅さんすごい・・・・。詩乃ちゃんと普通にやり合っている・・・・」
「だなー」
だが、二人とも忘れてないか。黒鮫隊の存在を?鉄砲での戦いもいいが、その後はどうするのか。鉄砲の距離は現代より、距離は決まっている。間合いが大きい槍ならば、鉄砲を撃った後に攻撃して準備完了次第鉄砲発射もある。
「おーい。誰もいねーのか?」
「ん?小夜叉。何やってんだ、こんな夜遅くに」
「準備とか各務に任せたら暇になったからよ。ちょっと遊びに来てやったんだけど・・・・何やってんだ?」
おいおい。遊びに来るなら少しは各務を手伝えよな。
「先触れ、槍と鉄砲の数をどうするかを検討中」
「ンだよ、贅沢な悩みだな。オレ達も先触れになりゃ良かったかな」
「小夜叉にとってはつまらない戦だぞ。敵を皆殺しにするんじゃなくて、あくまで二条館防衛戦なのだからな」
「ああそっかー。だったら、ぶっ殺しまくれる本隊の方がいいな。オレ達の分、ちゃんと残しておいてな」
「それは分かってるよ」
「で、何だ。鉄砲と槍?」
「は・・・・はい」
「そんなもん、オレらが来るまでの繋ぎじゃねーか。全部槍でいいよ、槍で。しっかり守ってな」
「それはさすがに・・・・」
とここで、梅が小夜叉の事をちんくしゃと言ったら小夜叉は梅の事をちょろぎと言った。やるか?と言ったら望むところだとか言ってたが、とりあえず止めといた。
「じゃあ、一真達は意見があるのかよ」
「一真隊に余裕がないのは事実だし」
「もちろんです」
「でも、だからって一葉様や双葉様を助けられなかったら意味がないですし」
「当たり前ですわ」
「ねえ、一真ー。今回の作戦で一番大事な事って、何なの?」
「それは二条館死守と一葉と双葉を助ける事だ。ただし、俺達の戦いはそこで終わりではない。そこからが始まりだ。一葉達を救助後に、越前を叩くんだからな」
一葉達の合流も大事だが、その先にある越前を鬼達で埋め尽くされているのを救う。それとザビエルを倒す事だ。
「上洛だけが目的であれば、私もここまでは言いません。寧ろ織田家の力を示すためにも、派手に動いた方が良いくらいです」
「全くもぅ。鉄砲の弾なんて、無くなったら補充すれば良いだけではありませんの」
「はあ!?」
「梅ちゃん・・・・?」
「何ですの」
「・・・・梅さん」
「だから何ですの?」
「一つお聞しますが、梅さんは鉄砲を一発撃つと、一体どれくらい掛かるかご存じですか?」
「・・・・・・・・・・?」
その問いに、梅は不思議そうに首を傾けた。俺達の銃なら問題ないが、一真隊の鉄砲には限りがあるし、弾は高かった気がするんだが。
「ああ、そういう事かー」
「ハニーまで何ですの!?」
「詩乃、ここでの鉄砲、どれくらい掛かるのか教えてなかったのか?」
「てっきり知ってるかと思っていましたので。ええっと、ですね」
詩乃は文机の上に一枚の紙を一枚広げると、さらさらとその上に筆を走らせ始めた。
「弾丸に火薬、早合の紙がこのくらいとして・・・・」
「ついでに火縄も入れといて」
「そうですね。・・・・そこまで入れて、百発辺りだいたいこのくらいのお金がかかります」
「・・・・まあ」
「しかも、これを一箇所に纏めて運ぶと何かあった時に大変ですから、分割して運ぶ事になります。荷駄に掛かるお金がだいたい・・・・このくらい」
「大した額ではありませんのね」
あーあー、梅がその発想だと、ひよやころは大層驚いているぞ。金持ちの発想何だから、分かっていないようだな。
「六角氏の基準であればそうかもしれませんが・・・・参考までに、一真様の知行と一真隊に回しているお金が、だいたいこのくらいになります」
「あー、それも書くのか。まあいいけど・・・・」
梅以外は俺の知行とか知ってる額だし。
「これは・・・・」
「悪かったな少なくて!」
「いえ・・・・まあ、人それぞれですけれど」
「何だ。大してもらってねーんだな、一真」
「森家と一緒にすんな!」
「オレの知行がいくらか何て知らねーからさ」
桐琴も各務も、跡取りにちゃんと自分の知行知るべきだろう。
「更に参考までにですが、一真様が外でご飯を食べる時のは、一回でこれくらいです」
「ちょっ!?」
そこまで知る必要あんのか。
「・・・・ちょっと詩乃さん。という事は、ですわよ?全体で一斉射撃などすると、ハニーのご飯が・・・・」
「ご飯どころか・・・・・・・当分は飲まず食わずですね」
「・・・・ハニー・・・・」
だから、そんな捨てられた猫のような目で俺を見るな。
「で、でしたら、私の案を通して、今回の全隊を鉄砲にでもしたなら・・・・まさか・・・・」
「梅さんのご想像通りです・・・・。一真様・・・・」
おい、詩乃までその目は何だ。すると、皆して俺のご飯が食えなくなるとか、分けてあげるとか言い出し始めた。俺にはトレミーがあるから心配無用。それに金が無くなったらトレミーに行けば食い放題だし、梅まで何か言い始めた。飲まず食わずになったら耐えられないとか、鉄砲のコストを俺のご飯代まで考えるなよな。なぜか知らんが、また小夜叉対梅になりそうだったんで、俺がハリセン一発した。
「全く、一真隊の鉄砲については詩乃の案で行くが、黒鮫隊の事を忘れてるんじゃないのか?」
「ああ・・・・そうでしたね。それなら黒鮫隊が一斉射撃をしてくれたら有り難いです」
「黒鮫隊?何の事ですの。ハニー」
「黒鮫隊とは俺直属部隊。主に鉄砲を使っているし、弾も無限大に使えるからそこは問題ない。それに屋根の上からの狙撃や連射能力のある鉄砲もあるんだから」
と説明すると、納得してくれた。だから一真隊の鉄砲は詩乃の案にするが、その時は黒鮫隊の奴らも出るだろう。
「だが、一真隊の鉄砲をケチっても味方の損害を増やしたらどうなる?一発の重みが分かった梅なら、きっと上手くやって見せるさ」
「ハニー!」
「だよな?梅」
「も・・・・もちろんですわ!ハニーの兵もお腹も懐も、この私が纏めてお守りいたします」
「だからさ、詩乃」
「一真様が仰るのでしたら、仕方がないですね。確かにどれだけ玉薬を節約していても、使い手がいなくなってしまっては何の意味もありませんし・・・・織田家が鉄砲を多く持っている事を示す意味もあるでしょう。梅さん。現場での判断はお任せしますが、くれぐれも無駄撃ちはしないで下さいね?」
「お任せ下さいまし。有効な武器だからこそ、要点を絞って効率的に使うべき、ですわね。ハニーの信頼を裏切らないような事はしませんわ!」
まあ、そういう事ならよかったのかな。最悪の場合は俺が創造で、何とかすればいいんだし。
「決まったんなら、オレも帰って寝るぜ。お前ら精々、一真の足を引っ張るんじゃねえぞ。あとオレの分まで敵殺してんじゃねーぞ」
「ふんっ。私の指揮で三好衆何てすぐに撤退させて、ちんくしゃにも吠え面かかせてやりますわ!」
また喧嘩しそうになったので、ハリセンで強めに叩いた。そしたら小夜叉は帰ったけどな。
「それでは、鉄砲に関しての配分はこれで決まったろ」
詩乃の案と梅の案の中間だけどな。
「それではひよ。玉薬の件もありますので、荷物の調整をしたいのですが・・・・」
「あ、はーい。それじゃ、荷駄隊の所へ行こうか」
「鞠はお馬さんの支度してくるの!梅ちゃん、一緒に行くのー」
「分かりましたわ、鞠さん」
そして、皆はそれぞれやる事をやるために散って行った訳だが。たった一人残ったころがいた。
「どうした?」
「あ、いえ・・・・」
長距離行軍だから、無理もないかもしれんな。鞠は荷車の上で寝てるし、ころは俺の代わりに前線での指揮や行軍の誘導をしている。たぶん梅が来るまで、一番忙しかったのは、ころだ。で、無言でしがみ付いてきたので優しくした。
「どうした?今日は随分と甘えん坊だな」
無言になってしまったが、背中をそっと抱いて。背中をぽんぽんとしていたら、胸元にぎゅっと顔を埋めてきた。さてと、俺は神の力を発動。人払いの結界を張った。翼を展開してから、俺ところを包み込むようする。
「甘えるのダメですか?」
「いんや、俺は大歓迎だね。それに悩みを聞くのも、上司の役目だ。顔を見せてくれ」
それはいつもの元気一杯のころではない。どこか寂しそうな、悲しいような感じがした。
「ふむ。悩みがあるのか、泣いているな」
「泣いてなんか・・・・ないです」
「それ、俺の目を見て言えるかい?」
そして、耐えられなくなったのか視線をそらす。だけど何か悩んでる顔だな思う。これでもブラック・シャーク隊のカウンセラーをよく受けるからな。
「私・・・・これからも・・・・お役に立てますか?」
「何の事?」
「最近・・・・一真隊に、人が増えたじゃないですか」
「ああ、そういう事か」
主要な隊長格で言えば、美濃を出る前に鞠が加わり、六角攻めの前後で小波と梅が加わった。確かに今は人が増えたな。
「詩乃ちゃんは軍師だし、ひよは荷駄の管理をしていますよね」
「うむ、そうだな」
「一真様の背中を守るのは鞠ちゃんで、草の仕事は小波ちゃんがしてくれています。それに・・・・部隊指揮は、梅ちゃんが上手で・・・・私はしがない野武士の出です。梅ちゃんみたいに武芸百般を身に付けてる訳でも、鞠ちゃんみたいに剣術や礼法を学んだ訳でもありません」
そういう事か。だから、梅が入ってからそう悩んでいる訳か。
「ころよ。梅が入るまでは、ころが全部やってくれた。でも、今は梅もいるからさ。これで負担が無くなるのではと思った事はないか?それに負担は半分ずつになる」
「一真様・・・・」
「それにころ、詩乃の手伝いも、荷駄の管理も、何でもやっているだろう?」
さっき何て、馬の手入れをしていたし。
「それはまあ、色々出来ますから」
「そんな事が出来るのは、一真隊でころ一人なんだよ?」
「私・・・・一人」
「確かに、鞠や小波みたいに何か一つ特別なものがあるかもしれないけど、何でも出来る人って言うのは余りいないんだよ。それに料理だって上手いじゃないか」
「一真様、それこそ私じゃなくても」
「やっと笑ったな」
「あ・・・・」
やっぱりころは、泣きながら抱き着くよりも笑って抱き着く方がいい。
「ころが、俺が役に立たないと思うまで傍にいてくれると言うなら」
浮かんでいた涙をそっと拭いて、小さな頭をそのまま優しく撫でる。
「・・・・はい」
「ずーっといてもらうからな」
「一真様ぁ・・・・」
「こんなに良い子で、何でも出来る人材は俺は手放さないから安心しろ」
「私も・・・・私も、一真様や皆とずっと一緒にいたいです」
「ならば、そんな悲しい事を言わないでずっといろ。今までだってそうだったろ?だからこれからも頼むぞ」
「・・・・・・はいっ!」
と思っていると、誰か来たなと思い結界を解除させるとひよと詩乃だった。
「あーっ!ころちゃん、ずるーい!」
「荷駄の打ち合わせに付いて来てくれるかと思ったら・・・・よりにもよって抜け駆けですか、ころ」
「あはは、まあね」
「うむ。ころの悩み相談をしていた」
「と、とりあえず私も抱き着いていいですか、一真様っ!詩乃ちゃんも来なよー!」
「そうですね。私だけ遠慮するというのも馬鹿馬鹿しい話ですから、ここは遠慮なく」
詩乃まで来たけど、まあ大歓迎だ。
「あーーーーーっ!みんなずるいのー!」
「ちょっと、皆さん、ハニーに何してますの!」
「抱っこしてもらってるんだけど?」
「な・・・・何て羨ましい・・・・!」
「だったら梅さんも来なよー」
「・・・・え?いいんですの?」
「だったら、来い!」
もう三人も五人も変わらん。こうなったら、全てを受け止めるまでだ。
「で、でも・・・・そんな・・・・このような公衆の面前でそれはちょっと・・・・恥ずかしいですわ」
「寝る前の口づけまでねだっておいて、今更何を言ってるんだ・・・・?」
「あ・・・・あれは、激しい戦いの後で気持ちが昂ぶっていたから・・・・その・・・・っ。その場の勢いで・・・・いやんっ、ハニー。はしたない娘だ何て思わないで下さいまし!」
「うぅ・・・・鞠はだめ?」
「鞠もおいで」
「わーい!鞠も抱っこなの!みんなぎゅーってするの!」
「ひゃ、鞠ちゃんくすぐったい!」
「あ、ちょっと、鞠さん・・・・!?」
「ほら、あとは梅さんだけですよー」
「う、うぅ・・・・」
「今の内に慣れておいた方がいいですよ。妻を沢山持っている一真様ですが、いずれ私達も妾になるかもしれませんので。それに抱き着ける時には遠慮せずに抱きついておかないと損をするだけです」
「う、うぅぅ・・・・っ。ハ、ハニー。はしたない私でも、嫌いにならないで下さいましね?」
「甘える分はどーんと来いだ!そんな事思ったりしないから来い」
「は・・・・はい・・・・っ」
梅まで飛び込んできたのだが、翼でバランスをとっていたから。
「あはは。みんなで一緒、たのしいのー!」
「そうだな、鞠」
「何なの?」
「ころの事、好き?」
「・・・・・・っ」
「ころ?大好きなの。鞠は一真もころもひよも詩乃も梅ちゃんも、みんな大好きなのー!」
「私もですよ」
「少なくとも、こうしているのも慣れました」
「わ、私は恥ずかしい・・・・・ですわ」
「だってさ、ころ」
「・・・・・はいっ!」
皆の温もりを感じながら、ころは俺の腕の中で小さく頷いた。そして、しばらくしてから翼で皆におまじないをした。運気アップと八百万の神が守ってくれるという事を。
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