万華鏡
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第六十話 ハロウィンの前にその十二
「やってるんだよ」
「お店で年齢言わないで買ってか」
「それか通販でな」
買ってそしてなのだ。
「やってるみたいだな」
「そうか、ただな」
「ただ?」
「俺はそういうゲームはするけれど」
「やっぱりするのかよ」
「同人はしないんだよ」
それはだというのだ。
「何かやることがあんまり酷いゲームが多いみたいだからな」
「同人の世界ってそうなんだな」
「そういうジャンルはな」
十八禁の世界はだというのだ。
「メーカーが作るものもそういうのあるけれどな」
「というか大した違いはないんじゃないのか?」
「俺がやるのはソフトなんだよ」
過激なものは避けるというのだ。
「同人は過激過ぎるんだよ」
「メーカーのも過激は駄目なんだな」
「そうだよ、それはこっちのサークルのメンバーもだよ」
彼の通っている大学のRPG研究会でもだというのだ、尚この兄が通っている大学は八条大学である。学部は工学部だ。
「そういうのは駄目な連中ばかりだよ」
「兄貴そこは普通なんだな」
「普通のテレビアニメになるみたいな」
「ああ、恋姫とかだよな」
「あれは面白いしな、普通にやっても」
「じゃあ普通にプレイしても面白いソフトなエロゲだけか兄貴がやるのは」
「というか鬼畜とか妹とかな」
ここではじめてだった、兄は美優に顔を向けて言った、見れば美優は冷蔵庫のところから牛乳を出して飲もうとしている。
「理解出来ないんだよ」
「そういうのはか」
「ああ、何処がいいんだよ」
こう言うのだった。
「純愛オンリーだろ、ノーマルな」
「純愛かよ」
「そうだよ、あとな」
「あと?何だよ」
「エロゲに出てる声優さんな」
画面に顔を戻してだ、兄はこの話もした。
「実は一緒だからな」
「一緒ってどの声優さんとだよ」
「だから普通のゲームとかアニメに出てる声優さんとな」
「名前違うだろ」
「名前は変えてるんだよ」
そうしているというのだ。
「芸名は一つって決まってないだろ」
「幾つも持ってよかったんだな」
「その恋姫だってアニメや普通のハードと原作のゲームじゃ声優さんの名前が違うんだよ」
「けれど実際はか」
「ああ、一つの役に二人の声優さんじゃなくてな」
演じている声優は一人だというのだ。
「そこ重要だからな」
「そうなんだな、意外だな」
「声聴いたらわかるさ」
そうしたことがだというのだ。
「その時にな」
「成程な」
「まあそういうことでな、そうしたゲームもな」
「するんだな、兄貴も」
「女の子でもしていいからな」
それを書いたライトノベルもある、実際に。しかもこちらは中学生がしているから問題は余計にややこしい。
「興味あったら貸すよ」
「いや、あたしはいいから」
美優はテーブルの自分の席に座って牛乳を飲みながら応える、鞄はその横に置きなおしている。
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