ハイスクールD×D 力ある者
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零章 原作前のプロタゴニスト
マ、マジで!?
「ふぁぁぁ~」
ん?どこだここ?
俺――遠山 龍介は、何故かベッドの上で寝ていた。
「ん……よっと」
ベッドを降りると、目の前に姿見がある。それに気づいた俺は、いつものように寝癖を直そうとして、鏡に映った自分を見て――。
「――なんじゃこりゃー!?」
そこには小さい俺がいた。
「……ウソだろ?俺、幼児化しちゃった?」
ピロロロロロロロロ
「うぉう!何だ?!」
その音を探してみると、案外目の前のテーブルの上にあった。
「誰なんだ?………って、神様!?」
そう、その着信は神様からだった。
「……もしもし?」
『やっと繋がりました!……何してたんですか!?』
「何って、寝てたんだけど?ってか、着信ディスプレイに『女神』ってあったんだけど?」
『それは、私が女の神様に決まっているからじゃありませんか!』
「いや……女って、ロリなのに?」
『……今のあなたが言える立場じゃありませんよね?』
「うっ……」
ごもっともだ。俺はあの神より小さいからな。
『話を戻しますよ?』
「え、あぁ……どうぞ」
『率直に言います。あなたの能力を決めました!』
あ、そういえば、そんなこと言ってたような……
「……それは?」
『……それはですね。各属性を操る力、能力を鍛えるほど強くなる。身体能力を鍛えるほど強くなる。全世界の魔法や魔導、忍術、体術、仙術、妖術等の全ての知識をもっていて扱える。あと危険予知ですね』
「ちょっと待て……それって、いわゆる『チート能力』じゃないの?」
『簡単に言えばそうですね。結構強いと思いますよ?それに、簡単には死にませんし、努力次第で伸びるんですよ?』
「ん~、欲を言えば、それでいいんだけど……さすがに俺の知識が足りず、宝の持ち腐れじゃ?」
『思ったものや、考えたものでも出来るようにしてありますよ?合体させたりとか――』
「わかった!わかったから。熱くなりすぎないで。話を進めましょう……ね?」
俺は、テンションが上がってきた神様を宥める。
『ここからが楽しいところなのに……そうでした!オリジナル神器も作っておきました』
もう、人外より強いんじゃない?
『……と、こんなところですね。あと、通帳には一生遊んで暮らせるだけの金額を振り込んでおきました。収納場所は、龍介の机の引き出しです。何かあったら電話してね』
「え?ちょ――」
ツーツーツー
電話が切れ、機械音が鳴っている。
「まったく……遊べるだけの額ってどんだけだよ?」
俺は言われた通り、引き出しの中を調べてみた。
「うぉ!」
貯金通帳が1、2、3――。
100冊!?
「何で100冊もあるんだよっ!」
一人突っ込みをした後、中を開いた……うん。100冊もあった理由がわかったわ。
「はぁ……こりゃ、世界一の金持ちかもしれねぇ」
そこには0が端から端まで記されてた。
「数えたくもねぇ」
D×D
「ぜーはーぜーはー………」
き、きつい!
俺は家の近くにある公園で、近所迷惑にならないように特訓している。
「さすがにこの体じゃ、体力がなさすぎるわ……数個術発動しただけで……スタミナ切れたぞ!」
「――お前、強い力持ってる」
いきなり後ろから声をかけられた!?
「うぉう!誰だよぉ……」
今が真夜中なのを思い出して、声のボリュームを下げた。
「我、『無限の龍神』。名はオーフィス」
黒ゴスロリ龍神様キター!!
「ん……お前、我のことを知っている。力強い。なのに人間」
「あ~、そうなんだよね。俺は人間でお前の……って、何でわかったんだ?」
「ん……適当」
おいおい!適当で当てる奴がいるかっ!……目の前にいたわ。
「ところで、俺に何の用なんだ?龍神さん」
「ん、我、静寂を得たい。でも、グレートレッドが邪魔で入れない。だから……――」
「俺に手伝ってほしいってか?」
「ん」
と頷いたオーフィス。いや、正直無理だろ?あの赤龍神帝と戦うのは。
「……無理だと思うぜ。正直、数回技出しただけでこの有様だよ。グレートレッドに挑めば、即追い出されるさ。俺はね。だから、今は協力できそうもない。時間がかかるよ」
「ん。なら、我がおまえを強くする。それでどう?」
へ?予想外の返答キター!!
「え~と、別に構わないけど……何年かかるかわからねーぞ?」
「ん。それでもいい。グレートレッド倒せるなら、それでいい」
うそん!俺、特訓で殺されるのか?!
「あ~、わかったよ。じゃあ、自己紹介だな。俺は遠山龍介だ。龍介でいいぞ」
「ん。わかった。龍介鍛える」
「あぁ、よろしくな。オーフィス」
「よろしく?」
「あぁ。挨拶の一つだよ」
「ん、よろしく。龍介」
そんな風に話していると……
「こらー!!子供がこんな時間に遊んでんだー!!!」
やべぇ!チャリに乗ったおまわりが、公園の入り口で怒ってる!しかも入ってこようとしてるし!!
「ウソだろ!?オーフィス、逃げるぞ!!」
「??」
いまいち状況の掴めていないオーフィスを抱き寄せ、懐に手を入れた。
「秘技、煙幕!」
ボボボン――シャァー――!!
パステルピンク、アクアブルー、アイボリーホワイトの色つき煙玉を周囲に爆発させ、近くの屋根へジャンプ!そのまま、屋根を伝って家まで走った。
D×D
家に帰ってきた俺は、玄関のフローリングの上に倒れ込んだ。
「(う、動けねー)」
無理して動いたため、体中が悲鳴を上げている。
「よっと……」
近くの手すりに掴み、ゆっくり立ち上がる。手すりに感謝だな。
「……龍介、お腹すいた」
グ~――。
へ?今の腹の虫か?結構デカかったぞ!?
「あ~ついてきて。何か出すから」
そう言って、俺はリビングへ向かう。その後ろをオーフィスがトコトコついてきた。
「(何かあったっけ?)」
俺は冷蔵庫を開け、中から適当に出してみる。
ん~。これなら……結構多く出来そうだな。
――20分後――
「出来たぞ~」
テーブルにできた料理を乗せていく。
あれ?オーフィスの姿が見えないぞ?
「……我、お腹空きすぎた」
そこには、床にうつ伏せで突っ伏しているオーフィス。何ともシュールな光景だ。
「……飯、食わないのか?」
「食べる!」
反応早っ!
バクバク……もぐもぐ――。
あっという間に料理がなくなってしまった。俺のは確保しておいたぞ。
「まさか……ここまで食べるとは思わなかったな」
作ったのは俺のを除いて4人前。俺の倍は食ってるぞ!?
「ん、我ここで寝る」
え?この家に住むの?
「龍介、我ここ気に入った。……龍介が強くなるまで、我ここで生活する」
こうして、遠山家に居候の龍神さまというものが出来た。
……俺、このまま死ぬんじゃないか?不安になってきたぞ!
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