天使舞う、この世界
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NO.9 レッツ修業
前書き
二巻は修業パートだぜ。
アニュハセヨ。『システム』の影響を殆ど受けていないレイナーレですよ。
最早堕天使になってもおかしくないはずなのに、未だに天使です。人間になりたいものです。
「へぇ~、ここのスイーツが美味しいんですか?」
「ん、我のオススメ」
すっかり仲良くなったルフェイちゃんとオーフィス。よかったよ。
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「さて、修業するわよ」
「毎度毎度思うけど突拍子もないにゃ」
よく言うじゃん?思い立ったが吉日、その日以外は全て凶日って。
「修業ですか?何の修業をするんですか?」
「メインはあなたよ。ルフェイ」
ルフェイ・ペンドラゴンの『天使』、『贋造魔女』を使えるようにするのが今回の目標。
さてと、どこで修業しよう?普段は黒歌の空間仙術か誰も来ないような場所でオーフィスの超高性能結界に囲んでもらってやってた。でも、やっとお金に余裕ができてグルメが再始動したオーフィスに頼むわけにもいかないし、黒歌だな。
「黒歌~。空間仙術使って~」
「最近私の仙術が便利技術扱いされている気がするにゃ・・・・・・」
気のせいだ。多分。
黒歌は原作でも使っていた隔離空間を作り出す。この中ではいくらドンパチやっても外に影響は出ない。いやはや、便利ですな。
早速できた空間内に入る。続いてルフェイちゃんも入ってくる。黒歌は寝たいらしい。まあ寝ながら維持できるから大丈夫だとか。因みに、黒歌の趣味の一つは日向ぼっこだ。
「あの、以前言っていた『霊結晶』ってなんですか?」
「今のところ私にしか見えないのだけれど、あなたの中には数字が書いてある宝石のような結晶が見えるのよ。それを私は『霊結晶』と呼んでいるわ」
「そんな結晶があるんですね~。じゃあ次に、『天使』ってなんですか?」
「簡単に言えば、『形を成した奇跡』ね。『絶滅天使』」
俺の言葉に応じるように、俺の頭に王冠が現れた。
「これが私の『天使』、『絶滅天使』よ」
「綺麗な冠ですね~」
ああ、君の純粋な言葉が俺に傷を作っていく。わかってるけど!それでも精神にくるぜ!何でこんな少女趣味な装備なんだ!
「『天使』は霊力を使うわ。魔力や光力と同じようなものよ」
「わかりました!」
几帳面にメモをとって聞いているルフェイちゃん。いい生徒ですね。教えがいがあります。
「では、先生!『天使』ってどうやって出すんですか!?」
「知らないわ。私も詳しく知らないから」
瞬間、この場は静寂に包まれた。いや俺だってどうして出せたかわからないんだもん。
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「とりあえずレイナーレさん。あなたの『天使』の出し方を聞きたいです」
先生から名前までランクダウンしたらしい。まあ、別にいいけど。
「そうね。私は霊力を辿って『霊結晶』から引っ張り出す感じね」
「霊力がわからない私にはできないじゃないですか・・・・・・」
ふむ、それもそうだな。じゃあ、霊力がわかればできるのかな?
「ルフェイ、ちょっと手を出して」
「?わかりました」
俺は差し出された手を握って霊力を解放する。そして、それをルフェイちゃんの体内に意図的に流し込む。
正直、意図的に霊力を操作するのははじめてだ。今までは『絶滅天使』で形創ったものに霊力を流し込んで効力を発揮していた。霊力事態を操ることははじめてだ。
「あ・・・・・・なんだかポカポカしますね~」
ふむ、霊力を流し込むとポカポカするらしい。カイロいらずだな。
さらに流し込んでみる。
「あ~、なんだか暑くなってきました・・・・・・」
ほうほう、さらに流し込むと体温が上昇するのか。
なら今の俺にできる最高量を流し込むとどうなるんだ?俺は思いっきり流し込んだ。
「ハア・・・・・・ハア・・・・・・」
ほんのちょっとだがさっきよりさらに体温が上昇した。
なんだか息も荒くなってきたし、これ以上流し込むのは危険そうだ。止めておこう。
「あ、あの、師匠」
「ん?どうしたの?」
今度の呼び方は師匠か。
「さっきから体が火照って仕方がないんですけど・・・・・・」
・・・・・・どうしたんだ!?ヤバい。色々とヤバい。主に俺の精神衛生上。普通に体温が上昇しただけなんだと思うけど、童貞だった俺にはヤバい。中身は永遠の十七歳だぜ!
にしても、どうしよう。治し方わかんない。この場に肉体的男子がいないことに感謝。
「氷持ってきましょうか?少し冷した方がよさそうね」
「あ~、いいです。自分で出しますので」
そう言ってルフェイちゃんは右手を前にかざした。そして、わけわからない呪文のような言葉を発すると、目の前に氷柱ができた。おお、魔法。間近でみるの初めてだ。冷房いらずだな。
「あ~、氷が気持ちいいですぅ~」
修業は一旦中止となりました。
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「で、レイナーレ。中で何かあったのかにゃ?」
「ごめんなさい、予想外の事態が起こったわ」
どうやら霊力を過剰に流すのは好ましくないらしい。まあ、でも霊力の感触はわかったらしいから、自分で引き出すらしい。頑張れ、ルフェイちゃん。
「そういえば、野良猫ネットワークで情報収集して仕入れた情報なのだけれど、グレモリー眷属がフェニックスとレーティングゲームをするらしいにゃ」
「ヘぇ、で、黒歌のことだから見に行くって言うんでしょ?」
「当然にゃ」
別に見に行ってもいい。でもさ、黒歌が暴走しそうで怖いんだよ!白音が爆破されるシーンなんてみたら爆破した奴を八つ裂きにするだろ。まあ、絶対に阻止するがね。
「まあいいわよ。私も行くわ。黒歌が心配だわ」
「ん、黒歌、白音のことになると過保護」
いつの間にか帰ってきていたオーフィス。お帰りぐらい言わせてよ。
「お帰りなさい、オーフィス」
「ん。ただいま」
そう言って俺に抱きついてくるオーフィス。役得って奴だな。ああ、胸に頬擦りしないで。目覚めるから。
ナデナデナデナデナデナデ・・・・・・。
ああ、延々と撫でられそうだぜ。
「いい加減戻ってくるにゃ」
スマンスマン。オーフィスが可愛いので。
「ルフェイは自分で頑張るらしいから、私は今暇なのよね」
なんにもやることが無くなった。まあ、ルフェイちゃんの観察をしてもいいのだが。
「私は時間の仙術の特訓中にゃ。なにもしてないわけじゃないにゃ」
意外だ。日向ぼっこしてるだけだと思ってた。なにしよう・・・・・・。
「いっそ私がレイナーレに仙術教えるにゃ。気配遮断くらいは覚えてほしいにゃ」
「私の中に氣はあるの?そこからだと思うわよ?」
「生きてるものなら差はあれどあるはずにゃ」
と言いつつ俺の胸の辺りに手を置いて目を瞑る黒歌。瞑想みたいなものだろう。俺はなるべく自然体でいることにした。
「うん、平均よりちょっと下ぐらいだけどあるにゃ」
平均よりちょっと下、か。俺が元踏み台だからこんなにも少ないのか?
「ま、私みたいに仙術を使えないけど、隠密くらいならなんとかなるにゃ。というわけで、レイナーレは仙術修業にゃ」
「はぁ、わかったわ」
さてと、俺も修業開始です。
「まずは氣を感じることからにゃ。私の氣を送るから、感じてみるにゃ」
と言いつつ、黒歌は俺の手を握ってきた。目を瞑り、氣を送ってくる・・・・・・のだが、
「全く変化がわからないわ・・・・・・」
うん。何が変わったのか全くわからない。
「レイナーレは氣を一回も使ったことがなかったからにゃぁ。となるとどうすればいいのかにゃ?」
「もう少し氣をわかりやすくする方法はないの?」
「あるにはあるにゃ」
一応あるんだ。なんか嫌な予感がするんだが・・・・・・。
「一応聞いておくけど、それってどんな方法?」
「房中術、簡単に言えばまぐわいにゃ」
・・・・・・聞かなきゃよかった。貞操の危機を感じるぜ。今は女なんだけど。
「・・・・・・その方法はやめましょう。お互いのためにも」
「そう言うと思ったにゃ」
さて、そうなると今のやり方で俺が頑張って感じるしかないみたいだ。
自分の中にあって感じれるのは普段使っている霊力と光力。だったら自分の中に異物のような力があればそれが氣だ。早速探すことにした。自分の中を分析する。霊力が白色、光力を黄色として、別の色を探る。
おおっ、自然を象徴するかのような緑色を発見。接触を開始。
「お、レイナーレ、その調子にゃ」
進歩しているみたいだ。
よっしゃ、俄然やる気が出てきた。緑色の力を引き出そうと頑張ってみる。
「にゃ、いい感じにゃ。それを自分の中に納める感じで気配を消すにゃ」
こんな感じ?
「オッケーにゃ。意外とできるじゃにゃい」
あざっす。というわけで、仙術を習得しました。気配遮断だけだが。
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「思ったんだけど、レイナーレってどれだけ強いの?」
唐突に黒歌が聞いてきた。
「さあ、比較対象がオーフィスしかいないからわからないわ」
「オーフィスと比べること事態間違ってるにゃ・・・・・・」
それは俺も思う。世界第三位(一位はミルたん。二位はグレートレッド)と元踏み台下級天使を比べるのは間違ってる。因みに、俺はまだ翼が左右に一枚ずつだから下級天使なんだ。
「じゃ、私と模擬戦でもしてみるかにゃ?」
ほう、自分の実力を把握するいい機会かもしれない。天使の光力を使わなければ、一応互角の条件だろう。
「そうね、光力無しでやってみましょう」
そういうわけで、俺たちはオーフィスが張っている超強力結界の中で相対している。すでに『絶滅天使』と限定霊装は展開している。あんまり出力を高くすると光力無しでも致命傷になるかもしれない。因みに、ルフェイちゃんがいる空間はオーフィスに維持してもらっている。
「それじゃ、いくにゃ」
と言いながら黒歌は足元から霧を発生させる。どんな効力があるかわからないので、霊力のバリアを張って防御する。と、そこを狙ってか衝撃波が飛んできた。まあ、霊力のバリアでも受けきれた。
受け止めた直後、後ろに気配を感じた。仙術覚えてよかったよ。
後ろからきた回し蹴りを右腕で受け止める。黒歌はすぐに俺から距離をとる。一定の距離をとったら一気に気配が遠くなる。空間の仙術で距離でも操ってるのか?ヒットアンドアウェイか。
さて、反撃に出るか。
「『天翼』」
『絶滅天使』の光を翼状にして、黒歌に一気に詰め寄る。
が、黒歌はまたもや俺から距離をとる。逃げんなコラ。
「私の得意な間合いをとるのが私の戦い方にゃん♪」
ああそう。だったら全力で距離を詰めてやる。
俺は自身を『分解』した。簡単に言えば、自身を光にしたんだ。そのまま黒歌の真後ろに文字通り光速で回り込む。
そして光を集め実体化、そのまま右手に『滅光刃』を作り出し首元に当てる。
「にゃ!?」
「私の勝ちね」
案外呆気なく勝負はついた。
「と、こんなものね」
「速すぎないかにゃ?」
「文字通り光速だもの」
比較的他の行動より体力を消耗するが。
「さて、私の方は終わったから、そろそろルフェイの方を見に行きましょうか」
そう言って俺はルフェイちゃんのいる空間に向かう。
入り口に立った瞬間、中からの緑色の光に吹っ飛ばされたーー。
後書き
デート・ア・ライブ第二期が始まりますね。めでたいです。
次回に続きます。
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