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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OG外伝
  0573話

「アクセル! 無事ね!?」

 俺が空間に浮いているバリオン創出ヘイロウと、ネオ・グランゾンの胸部パーツを眺めていると、レモンにしては珍しく若干慌てた様子で通信が入ってくる。そしてその通信が聞こえるのと同時に、ヴァイスセイヴァーがニーズヘッグの横へと移動してきた。

「レモン、どうやらそっちも無事だったようだな」

 こうして映像モニタで確認する限りでは、特に損傷らしい損傷はしていない。
 その様子に安堵しながらの言葉だったが、通信に映し出されたレモンの方は心配そうな顔をして俺へと視線を向けている。

「私達の方はいいのよ。それより、貴男は無事なのね? 機体の方は相当に酷い状況だけど」
「まぁ、なんとかな」

 レモンが心配そうに尋ねてくるのも無理はない。何しろ、左手は丸々肘から千切り取られ、同様に左右の脚も足首から先がスッパリと切断されているのだから。他にもネオ・グランゾンとの戦いで色々と細かいダメージを大量に受けている。コックピットで機体の状態をチェックすると、総合的に見て限りなく大破に近い中破といった感じだが、取りあえず移動するのに特に問題が無いのは助かる。

「そう。……さすがにシュウ・シラカワね。まさかあのアクセルとニーズヘッグのコンビでここまでダメージを受けるとは思ってなかったわ」
「だろうな。……もう1回戦えと言われたら、俺はまず間違い無く断るだろうさ。それよりもそっちの状況は?」

 ヴァルシオン改7機との戦闘だ。シュウとの戦いの合間に何度か様子を見ている限りでは優勢だったが……そんな俺の心配に対して、レモンは笑みを浮かべて頷く。

「問題無いわ。こちらの被害は近接戦闘をヴァルシオン改と行ったトリニティゲインが小破。量産型Wのエルアインス2機が大破、1機が小破といったところよ。……ただ」

 そこまで呟き、残念そうに首を振るレモン。何か不味い出来事があったのか?
 レモンの……というよりも、ヴァイスセイヴァーの視線を追うと、そこでは量産型Wの操る複数のエルアインスが撃破されたヴァルシオン改の部品を集めているところだった。そう言えば、俺が縮退砲から回避する事が出来たのもヴァルシオン改の部品がこっちに漂ってきていたおかげなんだよな。あの装甲が無ければ、恐らく今頃は縮退砲で塵も残さず消えていただろう。

「どうやらAI制御だったらしくてね。ちょっとやそっとのダメージだと動きを止めなかったのよ。これがきちんとパイロットが乗っているのならもう少し簡単だったんだけど……アクセル、恐らく使えるようになるのは1機程度よ。後は補充用の部品や研究用に回すしかないでしょうね。今はコーネリアが指揮して部品を出来るだけ回収しているわ」
「……そうか。だが、ある意味そのおかげで俺も助かったと言えるしな。無茶は言えないさ」
「え?」

 小首を傾げるレモンに、縮退砲を回避した時の出来事を説明する。

「……そう。それなら不幸中の幸いだったわね」

 安堵の息を吐きつつも、周囲へと視線を向けるレモン。そしてその視線の先にネオ・グランゾンによって握りつぶされたニーズヘッグの左腕の残骸が漂っているのを見ると、すかさず回収する。

「レモン? 何でわざわざ回収を?」
「あのねぇ……アクセルは忘れているかもしれないけど、T-LINKフレームはシャドウミラーが独自開発した技術なのよ。他の組織に少しでも情報が流出するのは避けたいわ。特に、ホワイトスターにあった資料やデータのおかげで、私達が持っている念動力関係の技術は独自発展している分、地球にある物よりも数世代は先の物なのよ。それに、PS装甲の技術とか、あるいはT-LINKシステムの機能を持つチップを金属粒子レベルで鋳込むなんてのは、恐らく想像もしてないでしょうね。少なくても私はアクセルに言われるまでは思いつかなかったし」

 なるほど。そう考えると、確かにレモンの言う通りなのだろう。
 そもそも、俺達シャドウミラーの優位性というのは転移装置や俺の持つ数々の特殊能力もそうだが、最も大きい特徴はその高い技術力だ。その技術力を他に流出させないってのは確かに考えておかないといけない事だろう。

「それに、この激戦を繰り広げたパーツよ? データ取りという意味でも、確保しておきたいのよ。それに装甲が赤く輝いたり、妙な粒子を放出したり……調べるべき対象は幾らあっても足りないわよ。……それで、足首から先の部分は?」
「そっちはネオ・グランゾンの縮退砲で、それこそ文字通りに消滅してしまっているよ」
「……そう。重力関係に対する耐性とかを調べるのにいい機会だったんだけど」
「あぁ、そう言えば。その光輪……バリオン創出ヘイロウとかいう部品と、あそこに漂っているネオ・グランゾンの胸部パーツ。これは俺達が貰っていってもいいらしい。シュウ本人から許可を得ている。ネオ・グランゾンをネオ・グランゾンたらしめている技術だとか言ってたな」

 そう呟いた瞬間、レモンの視線が鋭く俺へと向けられる。

「そう、それなら確実に確保しないといけないわね。幸い、ヒリュウ改やハガネはまだ動ける状態じゃないみたいだし、今のうちにきちんと確保しておきましょう。ほら、アクセル。シロガネに向かうわよ。ちょっとこれ持ってちょうだい。落とさないようにね」

 俺へとそう告げ、近くにあったバリオン創出ヘイロウをニーズヘッグへと渡してくるレモン。俺がそのまま受け取ったのを確認すると、ヴァイスセイヴァーはネオ・グランゾンの胸部パーツを確保する。
 そう言えば、今の話を聞いて思ったんだが……ヒリュウ改やハガネの方はいつになったら動けるようになるんだろうな?
 そんな風に考え、レモンのヴァイスセイヴァーがその手にネオ・グランゾンの胸部パーツを確保して持ってきたのを見ながら、共にシロガネへと向かうのだった。

「マリュー、聞こえているな?」
『ええ。あの天変地異みたいな戦いもようやく終わったのね。……アクセルが無事で良かったわ』
「ああ。ただ、機体のダメージが結構大きくてな。戦闘前のロアの話によると、この空間はそのうち元に戻るらしい。そうなったら、奥の院に墜落する可能性もある。その前に格納庫に戻っておきたいんだが……何しろ両足が無くなっててな。格納庫の方で受け入れの準備を頼む」
『大丈夫よ。そっちの方はもう既に準備を進めているから。……それにしても、アクセルが持ってるのはネオ・グランゾンの部品でしょう? レモンのヴァイスセイヴァーが持っているのも。良く回収出来たわね』

 そう告げながらも、やはりマリューも技術者としての好奇心は働いているのだろう。どこか機嫌が良さそうにも見える。

「まぁ、せめてこれくらいの報酬はないとな。何しろ、あのネオ・グランゾンとニーズヘッグ1機だけで戦う羽目になってしまったんだし」

 全く、これは俺の計算違い以外の何ものでも無かった。理想としては、シュウがヴォルクルスの支配をはね除けてネオ・グランゾンとの戦闘にはならない事。次点でもヒリュウ改やハガネ、そしてシャドウミラーの全戦力で戦うのを予想していたんだが……まさか、シャドウミラーだけで戦う事になるとはな。

『でも、その機体の部品を手に入れられたのだから収支的にはまずまずといったところじゃない?』
「だといいんだがな。っと、格納庫が見えてきた。取りあえず機体を固定したらブリッジの方に顔を出す。これからの予定については、その時に話そう」
『ええ、分かったわ。女をあまり待たせるのは駄目よ?』

 優しく笑みを浮かべつつ、通信が途切れる。
 そして俺はその笑みを脳裏に浮かべ、シロガネの格納庫へとバリオン創出ヘイロウを抱えたままのニーズヘッグを帰還させる。何しろ、バリオン創出ヘイロウはニーズヘッグの2倍以上はある大きさのネオ・グランゾンの中でもかなり大きな部品だ。当然、ニーズヘッグで持つにはかなり厳しいものがあるので、格納庫への着地には細心の注意が必要だった。

「格納庫にいる奴、ニーズヘッグは足首が無いから着地が厳しい。特にメンテナンスベッド付近にいる者達は退避しろ」

 外部スピーカーで忠告し、メンテナンスベッドの近くにいた量産型Wが距離を取ったのを確認してからツイン・ドライブでフワフワと空中を移動し、格納庫の一角に持っていたバリオン創出ヘイロウを置いてから、機体をメンテナンスベッドへと固定する。

「ふぅ、取りあえず問題無しと」

 呟きながら地上へと降りると、一瞬だけ目眩に襲われる。……ちっ自覚は無いが、シュウとの戦いで余程に精神的な消耗があったらしい。それとSPを限界ギリギリまで使った影響もあるのかもしれないな。
 早速とばかりにメンテナンスベッドに固定されたニーズヘッグへと群がっている量産型Wを横目に、格納庫の少し離れた場所へと移動してステータスをチェックする。幸い、戦い終わってからそれなりに時間が経っている為にそれなりにSPは回復しているが……それでもSPは多い方がいい、か。今回は戦闘中に意識を失うとかにはならなかったが、敵との戦闘中に意識を失うなんて事になったりしたら洒落にもならない。シュウとの戦いでレベルも上がったし、PPもたっぷりと溜まってる。ここは念の為にSPに全振りをしておくか。スキルに関しては、残りの空きスロットは1つのみ。これに関しては、出来れば先天性技能、いわゆるユニークスキルの天才とか念動力、あるいはネギま世界のように魔法のような、スライムで吸収出来るようなのが欲しい。PP消費で必要そうなのは大体覚えたし。敢えて言えば指揮官くらいか? だが、前線の指揮に関してはコーネリアに任せているしな。
 にしても、イェッツトレジセイア、修羅王、ダークブレイン、シュウ。強敵をこれだけ倒して、上がったレベルが1とはな。しかも精神コマンドの愛を使って、その中の努力の効果があってようやく、だ。
 溜息を吐きながら、PPをSPへと全振りしていく。特にネギまの世界だとSP=魔力だから、またエヴァ辺りに会ったら俺の魔力が増えているとか言われそうな気がする。
 とにかくSPに全振りして、今の俺のSPは600の大台を超えて、750近くまでなっている。グレートグランドマスターキーを使うのにも魔力は必要なんだし……いいよな?

「アクセル、こんな所にいたの?」

 そんな風にステータスを上昇させていると、不意に声を掛けられる。
 そちらへと視線を向けると、そこにはさすがに連戦続きで疲れたのか、レモンがどこか気怠そうな表情を浮かべながら俺へと視線を向けていた。
 いや、レモンが気怠そうなのはいつもの事だからそうとは限らないが……

「どうした?」
「一応、念の為にアクセルが運んできたバリオン創出ヘイロウとか言ったかしら? あの光輪状のパーツと、ネオ・グランゾンの胸部。それとヴァルシオン改を空間倉庫に保管しておいてくれる? ヒリュウ改やハガネの子達はネオ・グランゾンの力で動けない状態になっていたけど、外の様子は確認出来ていたんでしょう? だとすると、もしかしたら一波乱起きるかもしれないわ」

 ヒリュウ改やハガネに所属している者達の顔を脳裏に浮かべる。ちょっとレモンが言っているような事が起きるとは考えにくい。ケネスのタコがいればその可能性もあるが。

「可能性は低いと思うが……まぁ、どのみち研究は魔法球でやるんだろう?」
「ええ。その件もあってね。今考えているプランが上手く行けば……ちょっと凄い事になるかもしれないわよ?」

 艶然とした笑みを浮かべるレモン。どうやら、既にその頭の中ではニーズヘッグの改修プランが進んでいるらしい。どんな状態になるのかは分からないが、ただでさえ1機で戦術どころか戦略すら引っ繰り返す力を持っているのに、どこまで強力になるのやら。

「話は分かった。……なら、ニーズヘッグも収納しておくか?」

 ついでとばかりに尋ねるが、レモンは首を左右に振る。

「そっちは後でいいわ。今はニーズヘッグのデータを取っておきたいのよ。あれだけの戦いを繰り広げたんだから、そこから得られるデータはかなり貴重よ。実際、既に量産型Wにデータを取るように指示を出してあるしね」

 そう言って、レモンの視線が向けられた方を見ると確かにそこでは量産型Wが20人近くニーズヘッグに群がっていた。

「さすがに仕事が早いな」
「ええ、これでもシャドウミラーの技術班を率いているんだもの」

 レモンの言葉に笑みを浮かべ、そのまま格納庫を見回し……アステリオンAXへと視線を止める。

「そう言えば、あのパイロットはどうしたんだ?」
「え? あぁ、スレイのお友達2人ね。さすがに今のシロガネを自由に行き来させる訳にもいかないから、来客用の部屋で待機して貰っているわ。もちろんスレイも一緒にね」
「……そうか」

 スレイが嫌っていたアイビスと、庇われた事で多少は和解してくれているといいだが。

「アクセル! マリューが呼んでいるぞ。シャドウミラーは全員ブリッジに集合だ!」

 少し離れた場所でヴァルシオン改の上半身を運んでいたラピエサージュから、コーネリアの声が聞こえて来る。

「ああ。分かった。すぐに行く」

 あの切り口から考えると、トリニティゲインかヴァイサーガの仕業だろうな。
 そう考えつつ、レモンに言われたようにバリオン創出ヘイロウ、ネオ・グランゾンの胸部、ヴァルシオン改の残骸やパーツといったものを空間倉庫に収納してシロガネのブリッジへと向かうのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:509 
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