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ソードアート・オンライン~十一番目のユニークスキル~

作者:りんまろ
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唯一無二の不確定因子
  第十一話 不意打ち

 
前書き
やっと書き終えた・・・・・・

課題やらなにやらでとても忙しく書き終える暇がないため更新が遅れてしまいました。

遅くなってすみませんでした。


それと十話目のとあるスキル発動時の仕様を変更いたしました。


 

 
「今すぐに転移結晶を使って逃げなさい!!!」

 アリスはフードの男と剣を交えながら、後ろに残っている団員二人に怒鳴るように叫んだ。




 リオンが木の上で姿をくらましていることに気付かず、アリス達は森と草原を抜け、迷宮区の探索をしていた。モンスターと戦闘をしながら進んでいると、迷宮区の中にある安全地帯が見えた。
 アリスはそこで休憩をとろうと団員の方に振り向いた直後、目を見開きながら突然叫んだ。

「危ない!!」

 アリスが連れていた団員の二人の後ろから、膝上までを包む、艶消しの黒いポンチョに目深に伏せられたフードの男が現れ、右手に持っていた、中華包丁のように四角く、血のように赤黒い刃を持つ肉厚の大型タガーを横にふるい、二人を青いポリゴン片に変えた。
 さらにフードの男は、そのすぐ傍にいた二人にも手をかけようと、赤黒い刃を振り下ろした。しかし、その凶刃が二人に届く前に金色の閃光が走り、その刃を受け止めた。

「お前達は逃げなさい・・・・・・」

 アリスは後ろの二人にそう声を絞り出した。

「ア、アリス様!?」

「聞こえなかったのですか!? 今すぐに転移結晶を使って逃げなさい!!!」

「で、ですが、アリス様はどうするのですか!?」

「お前たちが逃げたら、すぐそちらに向かいますから早くしなさい!!」

 そう怒鳴った途端に二人はようやく青い結晶をポーチから取り出し、転移をした。そのやり取りを見ていたPoHは薄気味悪い笑みを浮かべる。

「HAHAHA。俺から逃げられると思っているのか? 姫様よ」

「あんなもの建前です・・・・・・そんなことよりもどうゆうつもりですか・・・・・・PoH!!」

「・・・・・・さあな」

 全てを見下すような返事を聞き、アリスは顔をしかめた。

「いいでしょう・・・・・・答える気がないのならば、力づくで聞くまでです!!」

 そう叫ぶと、アリスは手に持っている剣に力を込めてPoHの刃を押し返し距離を作ると、追撃を加えるべく踏み込みながら、左肩に剣を担いでそのまま振り下ろす。だがそれは赤黒い刃に受け止められてしまった。しかしアリスはそこで手を緩めることなく、すぐさまに剣を引き、右手を一筋の雷を思わせる速度で突き出した。

 それをPoHはその突きを体を無理やり回転させることで回避し、その勢いのまま赤黒い刃を振り下ろしてきた。それをアリスはとっさに後ろに体を引くが完全に避けることができず、体の一部に当たってしまった。
 ふとHPバーに目をやると、驚いたことに1/5近く削られていた。

(クッ・・・・・・まともに入っていないのにも関わらずこの威力ですか・・・・・・敵ながらさすがと言うべきですね)

「wow! 今のを避けるとはな・・・・・・なら、これならどうだ!?」

 PoHは床を蹴り、赤黒い刃を地面スレスレから振り上げる。それをアリスは横にステップして避け、着地と同時に反撃を浴びせるために、左から右へと剣をふるう。

 が、PoHも頭を下げて回避し、命を削るべくその血で濡れたような刃で鋭い一撃を浴びせてくる。

 その二人の攻防は一見すると互角に見えるが、若干ながら少しずつアリスが押され始めていた。釣り合っていた天秤が傾くように・・・・・・



 そしてその時は当然のごとくやってきた。



 時間が立つにつれ防戦一方となっていくアリスに向け、PoHはダメ押しとばかりに、刀身にブルーの光を灯した。左からの弧を描く水平斬りから、ぐるりと九十度回転。PoHの手が柄を押し上げ、刃がてこのように跳ね上がって垂直に切り裂く。
 三連撃の内二撃までは受け切ったが、最後の一撃に反応が遅れ、剣があらぬ方向に弾かれてしまった。

「しまっ・・・・・・!!」

 それを見たPoHはニヤリと笑ったかと思うと、肩口から胸を切り裂く軌跡でタガーを振り下ろした。

 その時PoHは勝利を確信をした。避けることも受け切ることも状況的に不可能だと。



だからこそ



なぜその状況で



アリスの口許が笑っているのか



不可解だった。



 アリスはその一撃にギリギリで剣を割り込ませた。そしてそれを受け止めるのではなく、剣を滑らせそのまま横に流した。突然のことにPoHは初めて体制を崩した。そのスキを見逃すはずもなく、アリスは懐に入り込んで首元に静かに剣をあてた。

「まさか受け流しをされるとはな・・・・・・」

「切り札は最後まで取っておくものです・・・・・・このまま大人しく黒鉄宮に行きなさい」

「はい、わかりました、と俺が言うと本気で思うのか?」

「ならばこれを使うまでです」

 アリスはそう言って刀身が緑に濡れた細身のナイフを取り出した。

「終わりです」

 そのナイフを振り下ろそうとした瞬間PoHはこう呟いた。

「お前がな・・・・・・It`s show time」

「なにを――」


グサッ


 その先の言葉を最後まで言う前に嫌な感触がアリスの背中を襲った。すぐさま後ろを振り向こうとするがその前に全身の力が抜けて、その場に崩れ落ちた。視界の右隅の自分のHPバーを見ると、麻痺状態を示すグリーンに点滅する枠に囲まれていた。

「PoH。危なかったんじゃないの?」

 後ろからPoHを茶化すような口調で銀髪の男が突如現れた。手にはまがまがしい緑色の刃のナイフを握られていた。アリスを麻痺させたのはあれだろう。

「ハッ!笑わせんな。受け流しされたのは予想外だったが、対処ができなかったわけじゃねえよ。ただ、お前がこいつの後ろにいるのに気付いたから譲っただけだ」

「はいはい、そうですか。で、どう殺すの?」

「・・・・・・殺すのにどうもこうもねえよ。殺るか殺らないか、ただそれだけだ」

 そう低い声で呟きながらPoHはアリスのもとへゆっくりと歩いていく。その歩をアリスの前で止めると、手に持つ凶器を上に掲げた。

「久しぶりに楽しかったぜ。もっと殺りあってもよかったけどよ、時間があまりないんでな・・・・・・お別れだ」

 それだけを告げると、PoHは掲げた手を一つの言葉とともに振り下ろした。

See-you(あばよ)



―――――




アリスの世界から音が消えた。


 
 

 
後書き
十二話目です!更新が遅れてしまいました。が、これからも遅くなってしまうと思います。
どうにか合間を見つけて書きたいと思いますのでよろしくお願いします!

誤字脱字の指摘、感想お待ちしております!

それとミスで二時間ほど次の話がでてしまいましたwww
見た方はあまり気にせずにお願いします。
構成段階でこんな感じにしようかなってやつなので。 
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