SAO<風を操る剣士>
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第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第一章 第一層攻略
第1話 ゲーム開始
前書き
よろしくお願いします。
※現在1話から順々に話の書き方を修正中です。
修正といっても話の内容を変えるわけではないのでそのまま読み進めても大丈夫です。
前書きに『■』←このマークがあれば修正完了で、『□』←このマークがある場合修正中、なければ修正前ということでよろしくお願いします。
□
俺は、ソードアート・オンラインにダイブして早速、モンスターを狩る為に狩場に向かい始める。
しかし、店や人の中を走っていく最中、曲がり角を曲がろうとしたら人にぶつかってしまった。
「きゃっ!」
ぶつかった衝撃で視界が一瞬かすむが、声からすぐにぶつかってしまったのは女の子だとわかる。
視界はすぐに回復し、改めて前を見ると女の子は俺との体格差の為か尻餅をついていた。
(……急いで走ってた俺がいけないな)
とりあえずこれは俺が悪いので謝るべきだろう。
「ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
相手が女の子。しかも初対面なので、なるべく丁寧に尋ねながら俺は手を前に出す。
「は、はい……大丈夫です。ありがとうございます」
女の子は俺の手をつかみ、それと同時に俺は手に力を入れて彼女を立ち上がらせる。そしてその動作と同時に立ち上がった女の子の顔を確認する。
髪をストレートに伸ばしていて、整った顔だちをしていた。立ち上がった後の身長は、少し(実はけっこう)伸ばした俺の背よりも少し低いくらいだ。
(……本当の彼女の顔じゃないんだけどな)
そう思った所で思考を戻し、女の子へ謝罪をした。
「本当にごめんね。急いでたから気づかなかったんだ」
「いえ、大丈夫です。……でもそんなに急いでどこに向かっていたんですか?」
女の子は俺が、急いで向かっている場所に疑問を感じたらしい。
まぁゲーム開始から、急いで何処かへ向かう人なんて、普通はいないから疑問を感じるのも当然だと思う。
「えっと……狩場にちょっとね」
少し言いにくかったけど、ぶつかった事の謝罪の気持ちと少し浮かれてた反省から彼女にどこに行くか教えることにした。
「えっ!? もう狩りに行くんですか!?」
女の子は俺の向かう場所を聞いて驚いたようだ。まあこれが普通の反応だろう。
現にこのゲームにログインした大勢のプレイヤーたちは、今現在、武器を選ぶために店を見たり、街を見て回っているだろう。
しかし俺は彼女のその言葉に、
「うん。まぁそういう事だね」
と、首を縦に振って返した。
すると女の子はその理由を頭の中で考え出したのか、おそるおそる、といった感じで俺に聞いてきた。
「もしかして……βテスト経験者ですか?」
「そうだけど……」
そう俺が答えると、彼女は少し考えた顔をしてから、
「あの、できればですけど私にモンスターの倒し方などを教えてくれませんか? MMOはこれが初めてで……βテストの意味もさっき街を歩いてた時に聞こえた話から知ったくらいで……」
と、申し訳なさそうに言ってきた。
(……まあ、人に教えれば自分の復習にもなるか)
俺はそう考え彼女の言葉に「別に良いよ」と普通に返事をした。
その返事を聞いた女の子はとびきりの笑顔で、
「本当ですか! ありがとうございます!」
と言ってきた。
どうやらこの人は素直でいい人のようだ。
「じゃあ少しの間だけどよろしく。俺の名前はシュウ」
「あたしはシリカっていいます。ご指導、よろしくお願いします!」
「はは、そんな堅苦しく無くて良いのに」
こうしてお互いに自己紹介をした後、狩場に向かった。
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俺がシリカを案内しながら狩場に向かい、到着するとすでに先客がいた。
先客は男の二人組で、どうやら赤いバンダナを巻いた男にもう一人が戦い方などをレクチャーしているようだった。
「ん? おいキリト、他の人が来たぜ」
「ならかっこ悪いところは見せないようにするんだな。クライン」
近づく俺たちに赤い髪の男が気がつき、剣を構えるために上げていた手を下げ、もう一人の男に声をかける。
近づきながらその会話が聞こえたので、俺は赤い髪の方が「クライン」。そして教えていた黒髪の方が「キリト」という名前だということが分かった。
(キリトって、あのキリトだよな?)
キャラネームを知った俺は少し驚く。
黒髪の方の名前がβ時代に仲良くなったプレイヤーと同じ名前だったからだ。
気になった俺は、話すのに丁度いい近さまで行き、黒髪の方の男に指を指して、
「さっきの会話が少し聞こえたくらいだから、間違えてたら悪いんだけど……君、キリトって名前なのか?」
と聞くと、聞かれた方はワケが分からなそうに聞き返してきた。
「そうだけど……それがどうかしたのか?」
「俺、シュウっていうんだけど、知らない?」
「シュウ!? 本当か!?」
「ああ! いやー、会いたかったよキリト」
「俺も会えて嬉しいよ」
俺の言葉にキリトも笑って返事をしてくれた。
キリトとはβ時代に俺と始めてではないかぐらいに気があったので会いたいと思っていたが、こんなにはやく会えるとは。
そんな再会からて少ししてから――
「ん? シュウどうしたんだよ、その子?」
俺との再会で気づくのが遅くなったのか、キリトは俺のうしろに着いてきていたシリカに注意を向けた。
……いけない。そういえばシリカをほったらかしにしてしまった。
「ああこれからちょっと、戦い方をレクチャーをしようと思って」
「お前もか……」
キリトが俺の言葉を聞き苦笑いをする。
「お前『も』って事は、やっぱりその人に教えてたのか?」
「ああ、クラインって言うんだ。そっちの子は?」
「彼女の名前はシリカって言うらしい」
「らしいって、お前……」
「会ったばかりだからな」
「よ、よろしくお願いします」
話の話題になっているシリカは、俺とキリトの会話のちょうどいい所でキリトに挨拶をする。
「おう。よろしく」
キリトもそれに答える。
するとクラインというプレイヤーも会話に入り四人での会話が進む。
その後自己紹介などを交えつつ数分くらい話しをし、四人ともフレンド登録をしてから、キリトたちとは一度離れてシリカに俺はレクチャーを始めることにした。
「こうやってモーションに入れば後はソードスキルが発動して、それに体を預ければいい。後はシステムアシストがあるから」
「わかりました。やってみます!」
そう意気込んで、シリカは《フレンジーボア》というイノシシに向かって
「モーション…モーション…」
と言葉を呟きながら、シリカの持つ武器の短剣のソードスキルを発動させた。
「おーずげ~」
そんな事を今の彼女を見て拍手しながら言った。
「そんな事ありませんよ。言われたとおりにやっただけですし…」
「いやでも、一回見ただけじゃ普通出来ないって、後何回か見せるつもりだったし…」
「そうなんですか? なら……ちょっと嬉しいです」
少し照れた顔をして嬉しそうにシリカが笑った。…俺はその笑顔で嬉しくなり
「よし! ならここら辺のモンスター、全部倒すか」
「え!? 全部ですか!?」
「ああ、全部は無理でも出来るだけ倒そう」
「わっ分かりました。がんばります」
そういって俺たちはモンスターを狩りまくった。
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しばらくして俺たちはモンスターを倒しまくった。
シリカが危なくなったら、俺が代わりに倒してやったりして、しばらくしてシリカも大分モンスターの倒し方やソードスキルの使い方のコツをつかめてきたらしい。
そしてさらに時間がたって、俺がまさかの早くもレベル2になった頃、キリトたちが騒ぎながら俺たちの所に来た。
「シュウ、ログアウトのボタン…ウィンドウ画面にあるか?」
キリトが焦った顔で言うので俺は確認した。
「……ない」
「あたしにもありません…」
どうやらシリカにも無いようだ。
「どういうことだよ? これ…」
そう俺が呟いたとき急に鐘がなり、俺たちは《始まりの街》に《転移》させられた。
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それから《転移》した後のことは、余り覚えていない。
けど、茅場晶彦がこのゲームをデスゲームにした事だけは分かった。
そしてログアウトするには、第百層まで行かなければならない事も…
そして意識が鮮明になったのは、茅場がアイテムを俺たちにくれたという事で確認するときだった。
「《手鏡》?」
疑問に思った時、俺の体が光り始めた。
そして光がおさまったと思い、もう一度鏡を見ると
「俺だ……」
黒く短めの髪と童顔の男、つまり俺がいた。
身長まで俺だ。(すげーショック)
「あの…シュウさん…ですか?」
そんな声が聞こえて隣を見ると、髪をサイドに2つまとめた俺よりちょっとだけ背の低い(3~4センチくらい)の顔の整った可愛い女の子がいた。
「念のために聞くけど…シリカか?」
「はい…じゃあシュウさん?」
「ああ」
「なっ何でこんなことを…」
シリカは訳の分からないといった顔をした。
そして俺はどうでもいい事に気が付いた。
「って俺がこうなってるってことは…」
…シリカも自分の顔になってるって事だ!!
そうしてどうでも言いことを考えていたら
「お前…もしかしてシュウなのか?」
と後ろから声がした。後ろに振り返り俺も聞いてみた。
「そう言うお前は…キリト…か?」
「ああ」
そしてキリトの隣にいた、多分クラインであろう奴が俺の顔を見て驚き、そして俺が言われたくない言葉のトップ3に入るであろう言葉を言った。
「マジかよ…シュウ。お前、小学生だったのか!?」
「違うわ!! こう見えても中二だ!!」
「「「え~~~!!?」」」
「マジかよ!?」とクライン
「同学年!?」とキリト
「年上!?」とシリカ
俺の反論に3人が驚いていた。
……お前ら、おぼえてろよ…
そうして話している間に、また茅場がまたしゃべりだし、そして伝え終わって消えていった。
そのまま、あたりはしばらく静かだったが
「イヤ…イヤァー」
と、シリカが崩れるように言ってから、その言葉に合わせるように、その場にいた大勢のプレイヤーが騒ぎ出す。…まさにシリカの言葉に合わせるように世界が動き出したように…
そして俺はその騒ぎの中、キリトと目と目だけで会話をして次の行動に出た。
「シリカちょっと来い!」
俺はシリカの腕を掴んだ。
「いや…いや…」
そう言いながらシリカは俺に腕を引かれ、抵抗も無く俺に付いてきた。
そして少し離れた所で俺たちは集まった。
キリトに付いてきたのかクラインもいた。
「クライン、シリカ、シュウ、聞いてくれ。俺はこれからすぐに次の街へ向かう、俺なら安全な道を知っているからレベル1でも無事に着ける」
「俺も知ってるけどな」
「それは、分かってるよ。どうする?」
キリトの言葉にクラインは少し考え
「俺は…ダチが待ってるんだ…悪いな…」
「そうか……シュウは?」
キリトは少し辛そうな顔をしてから、確認の意味する為か俺の方を向いて聞いてきた。
「俺は一緒に行く」
どの道、速めにレベルを上げなければならないので、俺もキリトに付いて行くことを伝える。
「わかった。…シリカはどうする?」
「あたしは…」
キリトに聞かれても、シリカは凄く怖そうに俯いている。
そんなシリカを見て、俺は言った。
「シリカ、怖いのは分かるよ。俺も正直言うと怖い…でも、この街がいつまでも安全な保証なんてないし、茅場が言ったことが本当ならレベルは上げなければならない。なら、俺たちに付いてきてくれ!」
「でも…」
「大丈夫、さっきみたいにモンスターを倒せばいいし、もし危険があるなら俺が守ってやる…だから少なくも第一層は助け合おう。付いてきてくれシリカ」
俺はまっすぐ彼女の目を見て言った。…俺はどうしても、彼女を死なせたくなかった。
「なんで…そこまでしてくれるんですか?」
シリカは逆に疑いの目を向けてきた。
…そりゃあ、今日会ったばっかりの人にこんな事言われたら、俺だって疑うかも知れない…
それが分かったいたので、俺は本心を隠さずにハッキリとシリカに言った。
「シリカと今日一日、笑いながらモンスターを倒して、とても楽しかったから。友達になりたいから、だから死なせたくないし、一緒に行きたい。それじゃあ…ダメか? 俺といても楽しくなかった?」
そこでシリカは顔を横に振り、
「いいえ、楽しかったです。ここしばらくの間で一番……そうですね、あたしも友達になりたいです。だからあたしも連れてって下さい、あたし…もっと強くなりたいです」
そう言って、シリカが覚悟を決めた目で俺をまっすぐ見返してきた。
「よし! 行くぞ!」
「おう!」
「はい!」
キリトの声で気合をいれて、俺達はそのままクラインに別れを言って《始まりの街》を出た。
後書き
シリカのアバターのときの姿は自分の勝手なイメージです。すいません。
感想などよろしくお願いします。
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