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万華鏡

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第五十九話 ハロウィンの衣装その二

「そこはね」
「ゲリラ的であってゲリラじゃない」
「そうなるから」
「じゃあ十月三十一日は」
「普通に皆知ってる中でやるからね」
 部長はこのことは念を押した。
「それでもいいでしょ」
「まあね、演奏出来るのならね」
「いい演奏をするわね」
 どのグループもだというのだ。
「そうするわよ」
「わかったわ、じゃあね」
「そういうことでね。それで衣装はね」
 もう一つの重要ポイントであるそれの話もした。
「各自選んでね」
「妖怪やお化けですか」
「そうした感じですね」
「そう、そういうのよ」
 部長は今度は一年生の問いに答えた。
「妖怪なら古今東西問わず、魔女推奨でね」
「カボチャはいいですか?」 
 一年生の一人がこれまたハロウィンの定番について尋ねた。オレンジのカボチャをくり抜いて人の顔にしたものだ。目は丸く口はギザギザである。
「あれになっても」
「カボチャ頭のジャックね」
 部長はそのカボチャ頭を聞いてこう返した。
「あれね」
「はい、オズシリーズに出て来る」
「そっちも推奨だから」
 魔女と同じくだというのだ。
「是非なって」
「わかりました」
「とにかく他の妖怪とかもいいから」
 こちらも推奨だというのだ。
「日本のでもいいわよ」
「じゃあ天狗とかもですか」
「幽霊とかも」
「いいわよ、何でもね」
 本当にいいというのだ。
「ドラキュラでもフランケンでも狼男でもね」
「じゃあとにかく妖怪になってですか」
「演奏すればいいんですか」
「そういうことよ」
「妖怪、ですか」
「お化けか幽霊か」
「怖くてもいいしね」
 それにだとだ、部長は一年生達にも話す。
「コミカルでもいいわよ」
「どっちでもですか」
「いいんですね」
「ええ、いいわ」 
 部長はこのことを明るい笑顔で話す。
「とにかくハロウィンに徹するのよ、いいわね」
「わかりました、それじゃあ」
「楽しんでお化けになります」
 一年生達も応えてだ、そうしてだった。
 ハロウィンライブのことが伝えられた、そうして。
 琴乃達プラネッツもそれの準備に入った、五人は部活のミーティング、ハロウィンライブのことを帰り道の中で話した。
 まずは琴乃が四人に尋ねた。
「ねえ、妖怪とかお化けとか幽霊だけれど」
「って言ってもな」
 どうかとだ、いつも通りセンターにいる美優が鞄を右肩で背負い腕を組んで応えた。
「色々だよな」
「そうよね」
「カボチャ頭のジャックってな」
 美優もこのキャラは知っている、オズシリーズのこのキャラもだ。
「あれも定番だけれどな」
「ハロウィンのね」
「オズシリーズじゃいいキャラなんだよな」
「確か二作目から出てるのよね」
 琴乃もオズシリーズのことは知っている、それで言うのだった。
「オズの虹の国から」
「そうそう、オズマ姫が出て来るな」
「妖精でもいいのよね」
 ここでこう言ったのは景子だった。 
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