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ヘタリア大帝国

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TURN137 議会の腐敗その四

「まさか我等の思惑に気付いているのか」
「若しもの時はクーデターを起こすつもりだが」
「くっ、女王も鋭いか」
「そう簡単にはいかぬか」
「いや、それでもだ」
 貴族達の中でもとりわけ丸々と肥え太り醜いそれこそガマガエルの様な姿の男が言った、見ているだけで生理的に受け付けないものがある。
 彼こそクロムウェル、貴族達の親玉である彼が言うのだ。
「ここはだ」
「何としてもか」
「我々の要求を通すか」
「絶対に」
「そうだ、だからこそだ」 
 それ故にだというのだ。
「私兵にゴロツキ達を動員しているからな」
「うむ、いざとなれば奴等を国会に殴り込ませようぞ」
「枢軸の連中に植民地全ての返還と多額の賠償金を要求しようぞ」
「受け入れないのなら戦争だ」
「間違いなくな」
 こう話してそしてだった。
 彼等は自分達の要求を何としても受け入れさせようとしていた、その為には手段を選ぶつもりは全くなかった。
 セーラはその彼等が揃う議会に来た、その周りには。
「むう、ロレンス提督がいるか」
「エリザ様も」
「そして祖国殿と妹殿」
「お二人もおられるとはな」
 貴族達は難しい顔になって話した。
「どうやら我等の考えに気付いているか」
「祖国殿達までおられるとなると手出ししにくいぞ」
「祖国殿は王室についているな」
「どういうおつもりだ」
「我等のことをどう思っておられるのだ」 
 彼等は怪訝な顔で述べていく。
「一体」
「わからんな、だがこれでは手出し出来ぬ」
「女王にな」
「このままでは」
 彼等にとっては辛いことだった、だが。
 そうした話をしてもだった、今すぐに動く訳にはいかなかった。
「まずは女王の演説から」
「今兵を動かしてはまずい」
「講和に反対するというスタンスでないと外見が取りつくろえないからな」
「仕方ないな、まずは」
「うむ、見るよしよう」
 女王の動きをだというのだ。だから彼等は今は待つことにした。
 その彼等を見てだ、イギリスは妹に囁いた。
「戦場だな」
「はい、今の議会は」
 妹も兄の言葉に応える、その戦いはというと。
「私達と貴族の」
「そうだよな、一触即発っていうのはな」
「まさに今です」
 今のこの状況こそがというのだ。
「間違いなく何かが起こります」
「だよな、本当にな」
「女王陛下の演説が終わるまでは何も起こりませんが」
「問題はそれからだな」
「はい、確実に」
 それこそ絶対にだというのだ。
「起こります」
「だよな、じゃあな」
「いざとなれば」
「港までの道は確保しています」
 ロレンスが二人に囁く、このことについて。
「ですからいざという時は」
「港まで退くわよ」
 ここでだ、エリザが一同に言う。
「最初はね」
「ああ、議会からな」
「私兵では近衛軍には勝てないわ」
 それは無理だというのだ。 
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