戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~
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十一章
旬伝無量×降下作戦からの首級
「あとは本隊と連携するにはどうしたらいいんだ?主功組行っちゃったし」
外部との通信もしたいが、主功組には通信機を持たしていない。拡声器でやると、敵がこっちにくるから悩むな。
「悩むな」
「・・・・??何が、でございますか?」
「ああ、本隊との連携のためには、本来伝令役とかを連れていくが、黒鮫隊には問題ない。敵が俺達に知られないような方法はないのかと」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ふむ。通信機を誰かに預ければよかったが果たして」
「ありますが」
「お家流か?」
「はい。服部家お家流、旬伝無量ならば、ご主人様のご要望にお応えできるかと」
「旬伝無量ってどんなの?」
「旬伝無量は、私の身体の一部を通し、念を使って会話する事の出来る技です」
おいおい。通信機いらねえな、それ。
「じゃあ、俺が小波に頼んで、本隊に頸を取った事を伝えられるか?」
「自分の手下に伝えられるのならば可能です」
「ふむ。じゃあ小波の部下じゃないと旬伝無量は通じないのか?」
「いえ、自分の身体の一部を持っておいて頂ければ、誰とでも通じる事が可能です」
「じゃあ、俺と詩乃にでもいけると?」
「はい。ご所望ですか?」
「この後の事を考えたら、それがあれば黒鮫隊以外の奴らと話せると言う事。お願い出来るか?」
「畏まりました。では失礼します」
と言い小波は、自分の下腹部に手を差し入れた。一体何するんだ?と思った俺と詩乃。
「・・・・んっ!」
何かが切れたような音と言うか、抜けた音が聞こえたような。それと同時に、小波がもそもそと何かを取り出した。
「それ何?」
「自分の陰毛です」
「「ぶっ!?」」
俺と詩乃は吹いてしまった。余りにも突拍子もない事実を知った俺らだったが、それをスルーして小波は抜き立ての陰毛を御守り袋の中にしまう。身体の一部ってそういう事かよ!
「これを肌身離さず持っておいて下さい。さすればいつでも自分の声がご主人様に届きます」
「わ、分かった」
んっ!と突き出された御守り袋を受け取った詩乃は、今まで見た事ない、微妙な表情を浮かべていた。俺もそうなるよ?身体の一部っていうから、髪の毛とか小波が持っている道具とか思った。
「どうかされましたか?」
「いや何でもない。ある意味予想外な出来事だったから、気にしなくていい」
「ええ。毛ではなく肝を抜かれました」
「無理もありません。この技は神代の時より、服部家が秘密を守り通してきた技ですから。その御守り袋を持ってくだされば、離れていても自分の声が聞こえ、ご主人様達の思った事がこちらにも伝わります」
「はー、お家流って凄いんだな。でだ、本丸に潜入後、小波は味方が見える所にいてくれ。頸を取ったとの事を小波に伝えた後、詩乃に伝えてくれ。本隊が知る事になるから正確な情報と言えるだろう」
「御意」
「承知致しました。久遠様には私の方で詳細をお伝えしておきましょう」
「頼む。おーい、鞠。行くから来いよー。潜入部隊はカタパルトデッキで待機。俺の分のパラシュートとタンデムの道具もだ」
通信機で指示を出したが、さっきの陰毛の事は、黒鮫隊全員に伝わった。そしたら全員吹いたと言う。飲み物を飲んでる奴は見事に吹きこぼした。そりゃ俺だって吹いた。飲んでたら吹いてたよ、絶対。
「ふにゃ?」
「おはよう。そろそろ潜入するから目を覚まして」
「んむー。・・・・むにゃむにゃ。ふぁ~・・・・あふぅ。鞠、目ぇ~覚めたよぉ」
「眠そうな声で何言ってんだか。小荷駄の所に言ってお水で顔を洗ってこい」
「ふぁ~いなの」
眠そうな返事をした鞠は、トテトテと後ろに向かう。さてと、鞠が目を覚ます位いい天気での降下作戦が出来る。
「鞠が帰ってきたら、俺達の前線基地に向かう。初めての体験ではあるが、慣れれば大丈夫さ。小波も頼りにしてるからな」
「はっ」
「・・・・ご武運を。と言っても大丈夫そうですものね」
「ここの指揮と留守を頼む」
「・・・・(コクッ)」
頷いた詩乃の頭を撫でた後に、降下部隊の準備完了したとの事だ。今は鞠を待つだけ。
「一真~、鞠、目が覚めたの!」
「よし、行くぞ」
「うん!」
と言ってから、空間を開き中に入って行く俺に続くように小波と鞠も続く。繋がっていた場所は、カタパルトデッキのところ。降下部隊は座っていたらしいが、空間の歪みにより整列をした。
「お待ちしておりました、隊長」
「うむ。俺のパラシュートとタンデム用のを。あとこの子は小波という。タンデムしてくれ」
「了解です。では、小波さん。こちらに来てください。飛び降りるための準備を致しますので」
と言って、桜花は小波に密着しながら装着を始める。俺もやんなきゃなと思い、パラシュートをしょってその後鞠を抱えながら固定するためのハーネスを取り付けていく。
「一真、これから何するの?」
「怖いかもしれないけど、ここから飛び降りる。下を見てごらん」
「うわ~、たかーい。ここどこ?」
「ここは俺達の基地だ。このゴーグルをはめて、目のところにな、そっちは準備出来たか?桜花」
「はい。小波さんにも伝えましたが、高い所から飛び降りるのはよくあったとの事ですが、こんなに高いところは初だと」
「そりゃそうだろうな。雲よりも上なんだから。一応確認しとくが、本丸はどんなのだ?」
「はい。櫓のような多層構造の建物のようです。所謂天守のように美麗に飾られている訳ではなく、戦闘用の狭間がいくつも開けられていて無骨な作りになっていると」
ふむ。そういうのか、なら少し予定変更した方がいいかも。
「IS装着者を二~三人連れてきてくれるか?中遠距離型のを」
「呼んできますね」
「何をするおつもりですか?」
「櫓があるという事は、俺達が降りた後丸見えになる。なので、櫓の上に居る奴には目晦ましをしてほしくてね」
「なるほど」
呼んできた者はケルディムとインパルスを持った者達だったけど。それを装着した者らには俺達が飛び降りた後、援護射撃をしてほしいと頼んだ。
「小波、今の状況を伝えてくれるかな。もう少ししたら飛び降りて六角氏の頸を取ると」
「はっ」
頷いた小波が、静かに目を閉じ、印を組む。
「小波ちゃん、どうしたのー?」
「今、お仕事してもらってるから。シーな?」
「うん。シーなの」
他の者も静かにしてもらった。その方が集中しやすいと思ったからだ。
「報告、完了致しましたが、ご主人様にご報告がございます」
「何て言ってた?」
「はっ、それが本陣に頸を取る事を伝えました所、森一家の方が「またかよ!」と言ってましたが、その代わり兵は皆殺しにするから。だそうです」
「たぶん小夜叉だな。さてと、そろそろ行くぞ。心の準備はできたか?」
と聞くと、大丈夫と言ってきた。俺ら降下部隊と援護部隊は降りる準備が整ったので、先に桜花たちから飛び降りた。その後俺が飛び降りてからIS部隊が降下開始した。
「わぁ~、まるで天から降りるみたいなの!」
目標物発見、ただちに本丸の屋根に降りる。そして、開く高度に来たのでパラシュートを開いた。屋根に降りてもまだ気付かれてないようだったので、さっさと片付けてから小波と鞠を解放させて。そして、本丸に居ると思われる六角氏がいた。小波は離れて、降下部隊と俺と鞠が潜入した。
「誰だ!そこにいるのは!」
「お前が六角承貞か?」
「そうだ。お前は誰だ!」
「冥土の土産に教えてやるよ。俺の名は織斑一真、田楽狭間の天人は俺の事だ。その頸を頂戴する!」
空間から取り出した刀を抜いて、六角氏に近付こうとしたら、足軽がいたがそこは桜花達が持っていたアサルトライフルで射殺。そして逃げようとした六角氏の足を撃ってから頸を刎ねた。首級専用ケースに入れてから、本丸付近に時限爆弾を設置。安全な場所に行ってから、スイッチオンした。本丸は一気に燃えて付近にいた足軽達は消そうと必死だった。小波に頸を刎ねた事を伝えたら、本隊は更に士気が上がった。俺達は安全な場所で本丸が燃えている所を見ながら小波に話かけた。
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