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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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十章 幕間劇
  鍋料理×俺の妻たち

よっとな、俺は今久遠の屋敷に向かっている。荷物をしょって、ある食材を届けようとしていた所だ。

「ただいまー」

と言って、中に入り込む。いつも通り廊下に行ってから部屋に入り込む。

「ただいまー」

「あら、おかえりなさい。早かったのね?」

「まあな」

「おう、早かったな、一真」

部屋の中にいた久遠と結菜。それはいいんだが、女性同士で膝枕も有りなのかと思ってしまいそうだ。

「そうだ。おかえりと言ってなかったな。おかえり、一真」

「ああ、ただいま。ところで何をしている?」

「何って、何もしていないが?」

「だって一真『俺が獲物仕留めてくるから、夕飯は任せておけ!』とか何とか言ってたじゃない。だから何もしてないわよ」

まあ、そう何だけどね。今回鍋料理にしようと思っていたので、トレミーから肉を持ってきた。確かこの時代って牛、豚、羊の肉を忌むんだったかな?まあ、肉の事は言わない方がいいし、言ったら食べてくれないと思う。

「ところで、それは膝枕?」

「別に珍しくもなかろう。なあ?」

「そうよね?別にいつもしてるし、普通よね」

「ああ」

「俺的には普通には見えない。普通は、女の膝に男の頭を乗せるのが膝枕だ。俺も最近やってもらってないね、奏に」

「そうか?」

「それより、ホントに私、一真が何もするなと言ってあったから何もしてないわよ?ちゃんと夕飯、何とかなるんでしょうね?」

「ああ、それは大丈夫だからな。任せておけ」

ここの台所を一時的に現代風に変えようかなと考えて行こうとした。そしたら、なぜか久遠と結菜がついて行こうとした。

「で、何でついて行こうとしてるの?」

「だって、一真が料理する所なんて刺身料理以来だし」

「うむ」

「台所に来ても何もする事ないよ。お二人さん。だから、部屋でゆっくり待っておけ」

「する事ないって、だったら何を作るのよ」

「それはまだ秘密だよ」

「もぅ・・・・引っ張るわね。やっぱり付いてく!久遠も行くわよね?」

「無論だ」

結菜の奴、この前俺が散々台所について行ったからなのか、それの意趣返しなのか。

「それでは、台所を借りるぞ」

「ええどうぞ」

と言って、俺は台所に行った後、二人もついて来た。やりずらいと思いながら、杖を出して台所を一時的に現代風にした。一応確認のために、ガスや水道が出るかを確認と。

「な、何これ?台所が変わった!」

「一時的に俺ら風の台所にしてみた。あとで元通りにさせるから」

と言ってから、俺の邪魔になるからと二人は部屋に戻って行った。本来なら焼肉にしようと思ったが、せっかくなので鍋料理に。鍋に出汁をとってから、鍋を持ってきて部屋に行った。

「って、何持ってきているの!」

「は?何がだ」

鍋を浮かせながら、空間から机と携帯コンロを取り出した。机を出してから、真ん中に携帯コンロを置いて鍋を置いた。

「鍋を台所から持ち出す人がありますか!バチが当たるわよ」

「何言ってるんだ?」

「なるほど、鍋か」

「鍋を見れば分かるわよ」

「いや、そうではなくてだな。鍋料理と言う奴だ」

「だから、鍋で料理するのは当たり前・・・・」

「ほう。久遠は食べた事あるのか?」

「狩りに出た時に里の宿に泊まると、たまにな」

「・・・・?」

「民の間ではそういう料理があるのだ」

「へえ・・・・。鍋料理ね」

と久遠が結菜に説明してる間に、携帯コンロにガスボンベを装着と。

「それは何だ?」

「この部屋には囲炉裏とかないからな。これで回せば火が付く絡繰りだ」

「なるほど、ここで煮る訳か」

そういう事と言う俺はライターを取り出してから、火を付けた。で、あとは煮るだけだから、煮立ちにくいものからやってから、ゆっくりと煮た。

「よし、煮えてきたな。いい匂いだろうー?」

トレミーから持ってきた牛肉を入れてから、野菜を入れた。

「その肉は何だ?」

「うーんとだな、あとで教える。食べる前に言ったら絶対食べてくれないと思うし」

「そうなのか。では食べた後に教えろ」

ちなみに、長屋でもやっているだろうな。長屋でも肉の事は教えずにいた。知ったら食べなさそうだったから。

「仕事をひよ達に任せて、呑気だな」

「一真隊はほぼ任せきりだからね、試しにこの時代の鉄砲を撃ってみたんだが・・・・」

「鉄砲か。どうであった?」

「うーん。正直に言うと使いにくいというか使えないな、一発一発一々火薬とかを入れる作業は向いてないし、的に撃ったけど当たらなかった。こっちで撃ったら全弾命中だったけど」

と言いながらも、鍋を煮詰めていく。

「確かにいい匂いだけど、本当に美味しいの?」

「一真隊や黒鮫隊でも大評判なんだからな」

「そうなんだ。本当にバチが当たらない?」

「あのなー、俺は神だぞ。バチが当たるなら最初っからやらないよ。それにこの料理は現代では家庭的な料理でもあるから」

と言いながら、皿と箸を用意させて目の前に置いた。

「え?この鍋から直接取って食べるの?」

「それ以外に何があるんだ?それに俺達と一緒の鍋をつつくのは嫌?」

「それは別にいいけど・・・・」

この時代にとっては、釜戸や鍋を持って来るのはバチが当たると教えられたのかね。結菜にとっては、少しハードル高すぎたかな。

「すぐに慣れるさ」

「うむ」

蓋を開ければ、煮込んでいるのと味噌の香りがするな。火を弱火にしてから、具材を皿にとっていく。

「よし完成。という事でいただきます」

「うむ。では、いただきます」

「いただき・・・・ます。美味しい!」

一口目で美味しいとはな。まあ、俺の料理はどれも絶品だからな。

「ちょっと何よこれ。ただの具の多いお味噌汁か汁の多い煮込みくらいに思ってたけど、全然違うじゃない」

「そりゃそうだろう。鍋と味噌汁は違うんだから」

俺は久遠を見たら違うぞと言ってたから正論だ。ちゃんと具の多い味噌汁じゃねえしこれ。そう思いながら、食べる。うん美味いな、あと台所は元に戻してある。

「でも二人共、こんな美味しい物をいつも食べてたんだ?」

「別にいつもではないぞ。たまにだ」

「そうそう。毎日だと飽きるからな」

一真隊や長屋で人が集まったら、基本は鍋料理だし。

「でも、何かズルい。何でこのネギもこんなに美味しいのよ?ただ切って煮ただけなのに」

「そりゃ味付けは味噌だけじゃないし、他の具材からの出汁とかだ。それに、俺が作るとこんな感じだ」

「それはそうだな。なら一真が毎日来れば食えるのではないのか?」

「毎日!それは無理な話だ。たまにだったらいいが、毎日だと無理がある。せめて別の料理なら大丈夫だが」

「そうだな・・・・」

「それに、一真隊の団結力で、久遠の役に立ちたいし」

これからの戦いは厳しくなるだろうな。人間相手ならまだしも、相手は鬼だ。それに一真隊は特殊な任務もあるし。

「一真!」

「な・・・・むぐぅっ!?」

あちあちあち、何だ、何が起こった!何か知らんが口の中が熱い、口内火傷する!

「どうだ、美味いか!一真」

「熱っち!」

何これ?新たな拷問か。

「ちょっと久遠、何やっているのよ。ほら一真。水!」

「うぐぅ・・・・ふう、死ぬかと思った」

「久遠、一真を殺すつもり?」

「いや・・・・」

鍋を食べてたら、いきなり久遠に殺されそうになった。何があったのか分からない。

「美味しくなかったか?」

「熱くて死ぬかと思った」

「そりゃ、鍋から取った肉を直接口に突っ込ませたら、熱いに決まっているじゃない」

とりあえず、久遠にハリセン一発。で、何でこうなったのかを説明を求めたら。南蛮の恋人同士は、互いに飯を食べさせ合って愛を深めるんだと。まあ、確かに奏とはよくやっている事だが、鍋でやるとこうなるのか。せめて冷ましてから入れてほしいよ。

「とりあえず食え。一真」

だから、熱気があるままで来るな。また火傷するだろう。

「そういう事なら私もやるわよ。はい、一真」

「だからやり方が、ちっがーう!こういうのはだな、こうやって」

俺は皿にあった具材をふーふーと冷ましてからやる。

「はい久遠。あーん」

「あーん?」

「口を開けろ、あーん」

「あ、あーーん・・・・むぐ」

言われるがままに、久遠の口の中に冷めた具材を入れた。そしたら美味いと、エーリカが言っていた事はこういう事か。という事で、結菜にもあーんをしてやったら、美味いと言った。

「そうか、冷ましてやればいいのか。だが・・・・これは少々、気恥しいな」

「じゃ、今度は私も久遠にしてあげる。はい、お野菜冷ましたからあーんして」

「だから、恥ずかしいと言うに」

「俺達しかいないのだから、いいだろう?」

「一真の言う通りよ。はい、あーん」

また久遠はあーんした。どうやら美味しいらしい。今度は久遠が結菜にあーんをさせた。ちゃんと冷ましてから。今見ると可愛い女性同士があーんしているところは、結構レアだな。普通は異性同士のはず何だけどな。

「ふう、食った食った」

お互いの食べさせあいこをした後に、シメのうどんを作った。本来なら雑炊だが、ご飯はないのでうどんにした。鍋の汁で作ったから美味かったけど。

「だが、美味かったな。一真、また作ってくれ」

「そうね。また食べたいけど、結局あの肉は何のお肉だったの」

俺は牛肉だと言ったら、驚いていた。けど、美味しかったから、また次作る時も牛肉で、とオーダーがあった。で、そしたら自然体なのかまた久遠は結菜の膝枕をしている。

「もしかして、一真もしてほしいの?」

「まあな、本妻である奏とはよくやっていたからな」

「じゃあ、してあげましょうか。久遠もいいわよね?」

「別に構わんが」

ふむ、奏やアグニもそうだったが、女性特有の匂いがする。

「どう?」

「サイコーだ、本妻もいいが、これはこれで良い物だ」

「ふふっ、この前奏さんと初めて会った時は緊張したけど、改めて思うといい妻なのね」

「まあな、あとだが、本妻は奏一人だが妻としては数十人いる」

「何それ!まるで正室が奏さんで、側室がその数十人って事なの!」

「まあそうなる。だからだよ、久遠が我の夫になれと言ったら困っていたろ?」

「確かそうだったか。だが、それなら納得だ。奏さん以外にもいるなら、我は愛妾で充分だ」

「でも、もし一緒に住む事になったら、愛妾から側室になると思うよ。ここではなく別の場所だけど」

そうなると、また結婚式をやらなければならない。それと指輪も買わなければ。

「そういえば、一真の薬指にはめてるものって?」

「ああこれか?これは結婚指輪であり、結婚の証として男女と交換し、日々身に着ける指輪だ。無論側室にも指輪は買って付けてあげたが、数十個指にはめる訳にはいかないから。だから、代表として奏と交換した指輪をはめているのだ」

「そうなの。じゃあ永遠にはめているのね。という事は、一夫多妻制なのかしら」

「まあ、そうなるな。本来ならありえないが」

本来なら一夫一婦制だからな。俺みたいなもんは、そういうのは無理だし。それに側室でもブラック・シャーク隊にいるし。

「そうだ。食後のお菓子に、干し柿があるんだけど・・・・いらないわよね?」

「ああ。今はいい」

「俺もだ。だけど、もう少ししたらだけど」

「でも、久遠が干し柿いらない何て珍しいわね」

「そうだな。それに、女性は食後のお菓子は別腹だっていうし」

「そんな便利な臓腑があるのか?」

「うーんとだな。例えば、腹一杯に食べたけど、菓子を見たらまだ腹に入ると思って食うという事だ」

「そうなのか、でもそうまでして食べる事もなかろう。干し柿は早々腐る物ではあるまい」

「じゃあ、あんこがたっぷり乗った団子だったら?あんこはすぐ傷んでしまう」

「それは・・・・。だが、今の腹具合では、むぅ・・・・」

「実は、こっそり用意してあるのよね」

「何!であれば、傷ませてしまうのはもったいない」

「冗談」

「な・・・・・」

何そのしょぼくれ感。久遠は本当に甘い物好きなんだな。そこが久遠の可愛い所だ。さっきの残念そうな場面とか。

「そ、そうだ。さっきの話だが」

あ、強引に話を変えたか。

「鉄砲隊の件、一真は元々使えるからいいとして、調練も一真と金柑に任せていいか?」

「ああ。ちょうど鉄砲運用については、黒鮫隊から十名程だったが、そいつらに頼む事にした」

「そうか。黒鮫隊の鉄砲より一真隊の鉄砲足軽について、みっちり教えておいてくれ。あれは、使い方さえ覚えれば何とかなる」

構造も使い方も現代兵器とは違うが、歴史マニアやこの時代の火縄銃についての知識を持ってる者もいる。それに、久遠の事を織田信長と知ったら、特に男性隊員は喜んでいたな。

「弾さえ込めれば、あとは先を向けて引き金を引けば何とかなる。それが槍や弓の違う所だ」

「そうだな」

壬月や森一家みたいなパワー系じゃなくとも使える鉄砲だ。俺達は正確に狙えるが、これから教える側だからきちんと教えないとな。

「あとは玉薬だったか、それがあればいいんだけど」

「玉薬ならこちらで用意できるぞ」

「まあ、そうなんだがな」

玉薬は何とかなるが、問題は金だ。だけど、今の持ち金と俺のへそくり=創造でなら何とかなる。

「そういえば、ひよやころで思い出したけど、一真」

「何だ?」

「おい結菜」

「こう言うのは早い方がいいでしょう。一真はひよやころと詩乃はどう思っているの?」

「あいつらか。俺にとっては良い部下だと思っているが、もしかして恋人になるのかどうか考えているの?」

「まあそうなのだけど、実際増やしたいの?」

「あいつらが俺となりたいのなら喜んでそうするが、それにさっきも言ったと思うが俺には数十人の妻がいる事をお忘れなく」

「そうだったわね。でもこの世の習いとしては、名の通った武人が愛妾を多く持つのは普通だから。ひよ達が望んだらどうする?」

ふむ。そうなっていくと、望まれたら受け止めるのが筋だ。どこかの鈍感主人公よりはマシだがな。

「まあ、望まれたらもちろん受け止めるさ。それに初めてはもうシたろうに」

「ばっ!馬鹿者!ここで言う奴があるか」

「あの時は可愛かったもんな、結菜」

「ええ、可愛かったわよね。二人でするのもよかったけど」

そうそう、あの時は可愛かったよな。乙女の顔だったし、一緒に寝た時は女になったからな。

「あ、そうそう。今日は泊まっていくわよね。一真が真ん中で」

「無論だ。真ん中で寝させてもらうよ」

「待て。どうして今日は小谷の仕来りで寝る事になっているのだ?」

「え?」

「は?」

「真顔で返すな!」

「じゃあ、俺が真ん中でいいよな?結菜」

「ええ。私が右で、久遠が・・・・」

とまあこんな感じで続いたけど、慌てる久遠も可愛い。恥ずかしがっているけど、上洛の後では、今度はいつ一緒に寝られるか分からない。

「だったら、決を採りましょう。小谷でいい人」

と言ったら、俺と結菜が手を挙げた。なので、決定という事となった。じゃあ久遠は何処で寝たいか決めろと言ったら小さい声で、俺が真ん中という事になった。 
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