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ヘタリア大帝国

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TURN134 ジブラルタル会戦その四

「迂闊に動けばとも思いますが」
「私もそう思います、ですが」
「議会ですか」
「はい、貴族達がです」
 最早エイリスの頭痛の種となっている彼等がだというのだ。
「自分達の軍を動かしかねない状況です」
「現状に苛立ちを感じて」
「彼等の戦力も貴重な予備戦力です」
 すぐにセーラの指揮下には置けないがそれでもだというのだ。
「それを失いさらに敗戦で国民が意気消沈することは避けねばなりません」
「相手が士気を上げることもですね」
「はい、両方をです」
 ここは是非にというのだ。
「ですから」
「ここは攻めますか」
「貴族艦隊も出撃します」
 その彼等もだというのだ。
「ならば正規軍も動かしてです」
「その数で、ですか」
「攻めてそして」
 そうしてだというのだ。
「これを機会に勝利を収めることも」
「考慮すべきですか」
「そうも思いまして」 
 それでだというのだ。
「ここは攻めましょう」
「わかりました、それでは」
「ああ、攻めるならな」
 イギリスも妹に続いて言う。
「勝たないとな」
「それでは今から貴族艦隊と主力を率いて」
「パリに逆侵攻ですね」
 ロレンスも言って来た。
「そうしますね」
「是非共」
 こう話してだった。
 エイリス軍は出陣を決定した、だが。
 その中でだ、喜んでいるのは貴族だけだった。
「よし、これでだ」
「パリで奴等を倒して一気にアフリカまでだ」
「アフリカまで進撃し植民地を奪回だ」
「そうしないとな」
 至って楽観的だった、勝利を確信していた。
 しかし軍人達は暗い顔で言うのだった。
「まずいな」
「うむ、女王陛下も不本意だというがな今回の出陣には」
「ここは動いたら負けだが」
「女王陛下も難しいところだな」
「貴族共が」
 その彼等への批判にもなる。
「自分勝手に攻めようとするとは」
「一体どういうつもりだ」
「統制を離れた軍程危ういものはないというのに」
「国を過つ元だぞ」
「それをするというのか」 
 その愚に不満を募らせる、そしてだった。
 中にはだ、こう言う者すらいた。
「出来ればあの連中を」
「そうだな、除かねばな」
「貴族達こそエイリスの今の癌だ」
「それ以外の何者でもない」
「だからこの戦争の後は、いや今すぐにでも」
「奴等を何とかせねば」
 彼等、士官の多くも貴族だが所謂門閥貴族ではなくしかもこれといって利権も持っていない。厄介なのは利権を貪る者達なのだ。
 その彼等についてだ、軍人達は言うのだ。
「奴等はエイリスのことなぞ考えてはいない」
「考えているのは自分達のことだけだ」
「ただ利権を貪るだけではないか」
「国家の柱をかじっているのだ」
「まさにエイリスのシロアリだ」
 つまち害虫だというのだ、エイリスにとって。
「早く何とかしなければな」
「どうにもならないぞ」96
「エイリスが滅びる
「そうなってもおかしくない」
 彼等は貴族達に危惧を感じていた、実際に貴族達と軍人達の艦隊は完全に分けられていた。そしてセーラ達は軍人の方にいた。 
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