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万華鏡

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第五十七話 全てが終わってその二

「そうなのよ」
「ふうん、そうなの」
「そうよ、だからね」
「タイガーマスクなのね」
「それか番場蛮ね」
 アニメ版の方のどちらかになれというのだ。
「そうなりなさいね」
「ううん、難しいわね」
「難しくないわよ」
「気合入れてなの」
「全部終わってもまた何かする」
「けれど休んでもいいわね」
「それはね、いいわ」
 休むことはいいというのだ、だがそれでもだというのが今のやり取りだ。
「ずっとは駄目よ」
「ずっと気が抜けたままだとね」
「自分でもわかるでしょ」
「ええ、堕落っていうか」
 そうした言葉がここで出た。
「駄目になるわね」
「そう、だからね」 
 それでだというのだ。
「ハロウィンをやるのなら」
「そこで気合を入れなおして」
「また頑張るのよ」
「そうね、それがいいわね」
「ほら、じゃあ今はね」
「今は?」
「飲みなさい」
 優しい言葉であった。
「紅茶入れるから」
「ティーセットは?」
「勿論用意したわ」 
 それもだというのだ。
「ちゃんとね」
「有り難う」
「やっぱりお茶はね」
「そうよね、ティーセットよね」
「本格的にね」
 してこそだというのだ。
「それじゃあ今からね」
「飲みましょう」
「ええ、じゃあ」
 こうしてだった、琴乃は母と二人でティーセットを飲み食べることにした。そうしてミルクティーを飲みつつティーセットを食べながらだった。
 母は琴乃にだ、こう言った。
「確かに休むこともね」
「大事よね」
「気を抜くこともね。けれどね」
「ずっとはね」
「よくないわ。だからそろそろね」
「気を入れなおして」
「頑張りましょう」
 こう紅茶を飲みつつ娘に話すのだった。
「ハロウィンがあればね」
「ハロウィンね」
「今では世界中で定着してるわね」
「そうよね、最近はね」
 琴乃も娘のその言葉に頷く。
「日本でもやるし」
「お菓子を貰うのよね」
「そうそう、トリックアトリートって言って」
 家々を回ってである。
「お菓子を貰っていくのよ」
「じゃあその時は」
「何かあればね」
「演奏でもしてみたら?」
「ううん、ハロウィンの演奏ね」
「そうしてみたらいいわ」
 こう娘に勧めるのだった、そして。
 母は娘にだ、このことも話したのだった。 
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