ヘタリア大帝国
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TURN131 二度破られるものその六
「もうそんな感じね」
「わかるんだな、そこは」
「姉妹だからね」
血がつながっていてしかも常に共にいた、だからだというのだ。
「姉様って必死になると周りが見えなくなるところがあるから」
「では、だな」
「今じゃないかな」
マリーは攻撃する機会は今だと言った。
「ここでね」
「そうだな、攻めるか」
「うん、じゃあね」
こうしてだった、枢軸軍は。
動いた、正面にいる幻影達と上から降り注ぐ隕石達と違ってだった。
彼らは下から攻める、ここでだった。
セーラはだ、すぐにこう全軍に命じた。
「軍を二手に分けます」
「一軍を正面の軍に向けてですね」
「そして別働隊を」
「そうです、下から来る軍に向けます」
その彼等にだというのだ。
「今からそうします」
「では」
こうしてだった、エイリス軍は正面から来る軍がまだ幻影とは気付かないまま一軍を預けてだった、そうして。
自ら一軍を率いてそのうえで下から来る軍に向かう、その時にだった。
敵の中に大和を見た、その艦こそは。
「あの艦は」
「はい、大和ですね」
「枢軸軍の旗艦です」
「あの艦の乗っているのは」
「東郷元帥ですね」
「彼ですね」
「そうですね」
セーラは眉を決しさせた顔で言う。
「噂には聞いていましたが」
「名将ですか」
「まさに」
「はい、こうした奇策で来るとは」
予備戦力と隕石を使ってくることは、というのだ。
「見事です」
「正統派ではなく奇策を使うタイプですね」
「そうした人物ですね」
「今回は私も迂闊でした」
セーラは正面から来ている敵、やはりまだ幻影と気付いていない彼等を観つつ言う。
「予備戦力をあそこまで惜しみもなく投入してくるとは」
「枢軸軍の持っている」
「それをですね」
「はい、枢軸軍の国力は最早圧倒的です」
世界の殆どを掌握している、それならばだ。
「その数を使えば」
「ああしてですね」
「数で押せますか」
「そうです、一つの戦場に一気に投入して」
そして戦えるというのだ。
「その圧倒的な数はわかっているつもりでしたが」
「一つの戦場に投入することはですか」
「ここまでの投入は」
「これは何百個艦隊と投入されていますね」
ゴローンも全力で艦隊を出してきている、確かにそれだけのものと見えた。
「手強いです」
「では今は」
「我々は」
「諦めません」
この状況でもだというのだ。
「戦います、いいですね」
「はい、それでは」
「東郷元帥が率いる主力にですね」
「正面から向かいます」
そして戦うというのだ。
「そうします、いいですね」
「わかりました、それでは」
「このまま」
将兵達も応える、こうしてだった。
セーラはエイリス軍の精鋭を率いて向かう、両軍は正面からぶつかることになった。
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