ヘタリア大帝国
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TURN131 二度破られるものその五
「これでは少し見ただけではわかりません」
「俺も勉強してるんだよ」
自身の専門である魔術をだというのだ。
「だから数も精妙さもな」
「以前より上達されていますね」
「ああ、そうさ」
日本に対して誇らしげに答える。
「それじゃあもっと出すな」
「お願いします」
ゴローンの艦隊は次々に出る、セーラはその幻影達があまりにも精巧なので気付かない。そしてそのまま攻めてだった。
そこに力を注ぎ込んでいる時にだ、東郷は命じた。
「よし、ここで隕石をだ」
「エイリス軍に向けてですね」
「一斉に放て」
彼等にそれをぶつけるというのだ。
「そうするぞ」
「まさか隕石と幻影をここで使われるとは」
「さっきも言ったが正攻法だけじゃない」
戦い方は、というのだ。
「だから今もだ」
「こうして攻められますか」
「あの女王さんは生真面目だからな」
「こうした戦い方には疎いからですか」
「こうしてみている」
奇策を仕掛けているというのだ。
「隕石を受けるとな」
「防ごうとされますね」
これは当然のことだ、座して受けることは考えられなかった。
「必ず」
「そして幻影を攻撃し隕石を防いでいる間にだ」
「我々が、ですか」
「そうだ、攻める」
彼等自身がだというのだ。
「そうしよう」
「ではですね」
「隕石を放って暫くしたらだ」
そこでだというのだ。
「仕掛けるからな」
「わかりました、複数の攻撃を使われますか」
「攻撃は一つじゃない」
正攻法、それだけではないというのだ。
「こうしたやり方もある」
「では」
今度は隕石が放たれた、セーラもすぐにそれを確認した。そのうえでだった。
「マジノ線をです」
「防衛ラインをですか」
「ここで、ですか」
「はい、使います」
そうしてだというのだ。
「隕石達を防ぎます」
「成程な、もうマジノ線は艦隊戦には過去の遺物だけれどな」
イギリスがセーラに頷いて言う。
「隕石相手にはいけるな」
「数もそれだけありますので」
「マジノ線に隕石を防がせてか」
「そしてです」
それに加えてだというのだ。
「目の前にいる艦隊にはこのままです」
「攻撃を続けるんだな」
「どうやら予備戦力を投入してきています」
枢軸軍の有り余る、というのだ。
「ならばこうしてです」
「攻めてだな」
「そうです、艦隊には艦隊で」
そして隕石にはマジノ線とそれぞれ役割を分担させるというのだ。こうしてエイリス軍はマジノ線を使って隕石を防いだ。
マジノ線の個々の衛星達は人工知能の反応で隕石達にビームを放ち破壊していく、そうして防いでだった。
艦隊は艦隊で防ぐ、セーラの指示は的確で将兵達も冷静に戦っていた。
そしてここにだった、東郷は彼等を見つつ言った。
「まさに手が一杯だな」
「うん、今の姉様はね」
マリーもだ、エイリス軍を見て言う。
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