とある委員会の委員長 番外編~STB編~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
聖遺物のための愚行
第四話
『被害総額は500億円に及ぶ・・』
へぇー。
500億円か。
私が持つ資産でも足らないな~。
私は今も呑気にテレビを見ています。
観察はどうしたかって?
決まっているじゃないですか。
今日は休みですよ。
昨日あれだけのことが有ったんですから1日くらい休ませてほしいです。
『ピーンポーン。』
こんな時間にいったい誰?
まだ朝の8時だよ。
「しず姉。開けてよ~。」
なるほど。
彼が遊びに来たんだ。
仕方がない。
開けてあげるとしますか。
「いま開けるよ。ちょっと待っててね。」
「待てなかった。」
いきなり私の前に一人の少年が現れた。
「ちょっと。土足で部屋に入らないでよ。」
「しょうがないじゃん。しず姉が開けるの遅いんだから。」
私のせいなんだ。
「ところで歩。何しに来たの?」
この少年の名前は木原歩。
私の離ればなれで暮らしていた実の弟。
「う~ん。何て言えばいいのかな?」
無理に考えなくてもいいよ。
なんだか予想がついてきたから。
「簡単に言えばしず姉の仕事のお手伝いかな。」
やっぱり。
たしか歩も攻魔師の資格を持っていたもんね。
統括理事長にしては優しい心遣いだね。
でも私としてはこんなきけんなところに寄越してほしくなかったよ。
「ところでしず姉。こんなところにいていいの?」
「どういうこと?観察対象は学校にいってるからなにもできないわよ。」
「違うよ。僕が言ってるのはオイスタッハ殲教師をこのまま放置してもいいのかと言うこと。」
放置していいかと言われてみれば否と答えるしかないけど。
オイスタッハ師匠が使用としていることは案外正しい。
それを止めるのは正しいのか分からない。
「しず姉が止めないで誰があの人を止められるの?しず姉しかあの人と繋がりは持ってないんだよ。」
「そうかもしれない。でもね、オイスタッハ師匠は正しい考えをしているの。この島の要石に使われているが聖人の右手。それを取り替えそうとしているオイスタッハ師匠は正しい。」
「それで多くの人が犠牲になっても?」
歩の言葉で私は妹達のことを思い出した。
私が学習装置の製造に協力しなければあんなことにはならなかったのかもしれない。
一方通行に多くの妹達を殺させる必要もなかったかもしれない。
すべて私のせいだったんだ。
私が協力したばっかりに。
「ありがとうございました。木原博士。とミサカは感謝をします。」
はっ!
そうだよ。
あの子達は生まれたことを後悔はしていなかった。
それはつまり生まれてきて良かったということ。
あの子達はいまも頑張っている。
死んでしまった10031人の妹達の分も。
それなのに私はこんなところでまた多くの人を殺させていいの?
そんなの決まっている。
言い訳がない。
「歩。ありがとね。決心がついたよ。」
「やっといつものしず姉に戻ったんだね。」
「言ってくれるじゃん。」
そうだな~。
至宝のありかは分かっているからそれまでにやれることをやらないと。
「歩。ここからは私たちとオイスタッハ師匠の戦争よ。」
「はい。ところでこれはなんなんですか?統括理事長から頂いたのですが?」
歩が見せたのは私が最近よく見る槍だった。
「七式突撃降魔機槍でよ、それ。どおして統括理事長はこんなものを持っているの?」
獅子王機関の秘奥兵器をどおして持っているの?
「僕も詳しいことは分からないけど、これはシュネーヴェルツァーって言うんだね。」
「うん。ところで歩。それを使って経験は?」
経験がなければ使い物にならない。
オイスタッハ師匠の前に立ち塞がるなら先に聞いておかないと。
「結構使ってるよ。」
「具体的に言うとどれくらい?」
「半年くらいかな。」
学園都市内で半年間も使うなんて何があったのかな?
「もうひとつだけ教えて。ここに来る前は何処でやりあっていたの?」
「え~とね。たしか第12学区B区画と学園都市周囲かな。」
第12学区B区画と言えば凶悪な吸血鬼、獣人が収容されているところじゃん。
そんなところで歩を働かせるなんて。
統括理事長、覚えていなさいよ。
そして学園都市周囲だって?
それって吸血鬼、獣人ではなく魔術師狩りではないのかな?
「はぁ~。歩ってへんなところ実戦慣れしているのね。」
私はもっと簡単な環境で実戦慣れしたんだけどね。
でもそれなら役にはたつ。
「歩。行くよ。先に行って待ち伏せするよ。」
「はい。」
「しず姉。まだ来ないよ。」
「そうみたいだね。私の予想だとすぐ来てもおかしくはないはず。」
昨日の戦闘から考えられるのは必要な魔力はすでにととっている。
ならばすぐに行動するはず。
なのにどおして。
「歩。ハッキング得意だったよね。」
「うん。」
「何処でもいいから監視カメラに映っていないか確認して。」
「確認って。無理だよ。ここはネットワークが繋がっていないようなところだし。」
「それもそうか。仕方がない。一度外に出ますか。」
私は歩の方に手を載せて、
「能力No.2空間移動。」
私と歩は一度私の部屋に戻ってきた。
そして少しの休息をとり時計を確認した。
時刻は午後5時30分。
戻ってきたのが午後4時頃だったので1時間30分もき休憩してしまっていた。
しかし今のところ聖遺物ののあるフロアに異常はなかった。
なぜ分かるかと言うと理由は簡単。
歩はずっと端末を覗いてチェックしているからです。
「しず姉。本当に今日、襲撃されるの?」
「たぶんね。」
オイスタッハ師匠のやるべきことのやる早さは尋常ではない。
私の予想を遥かに上回ることが多い。
「でも異常なんて・・・えっ?」
「どおしたの?」
「来たよ。いま特区警備隊と戦闘中。このペースだと10分後には目的の部屋に到着すると予定出来るます。」
ついに来た。
待ってましたよオイスタッハ師匠。
「歩。行くよ。」
「はい。」
「ここまで簡単に入ることが出来るとは少々つまらないですね。」
そうですか。
「それなら相手してもらいましょうか!!!」
私がリジルをオイスタッハ師匠に向かっておもいっきり振りかざした。
それに反応したオイスタッハ師匠も斧で私の攻撃を防いでいた。
「待っていましたよ。こうも簡単にいくと張り合いがなくてつまらなかったのですよ。」
「安心してください。私がオイスタッハ師匠の進行をここで止めてみませますから。」
私とオイスタッハ師匠はお互いに全力で戦っている。
それは今までんl私の経験上初とも言えるほど勝負です。
「やはり単剣なら私に引けをとりませんか。さすが我が弟子です。」
「お褒めに頂き恐縮です。ですが今日は勝たせていただきます。」
「そうはさせませんよ。」
能力に頼らないリジル一本での戦い。
私もこんな戦い方は実戦で初めてです。
それにしても強い。
オイスタッハ師匠の強さをここまで感じたのは初めてです。
「オイスタッハ師匠。やはり一対一の戦闘は楽しいと思いませんか?」
「おや。シズクもそう思っていましたか。てっきり戦闘は好まないのかと思っていましたけど。」
「そんなことないですよ。」
私は剣を振りかざしながら告げた。
「それは良かった。戦闘が嫌いなものに無理を強いていると思っていましたから。」
オイスタッハ師匠が振りかざしてきた斧を二度と避け、私も刺すように剣を向けました。
「師匠に似たんですかね。この状況が楽しくて仕方ありません。」
「おやおや、それは危ないですね。」
「そうですね。」
私とオイスタッハ師匠は刃の部分をぶつけ合っていました。
「そろそろなんで終わらせてもらいますよ。」
「それはこっちも同じです。」
私とオイスタッハ師匠は互いに今まで以上の力を出し会いました。
それは私の方が劣っているのは目に見てわかりましたが能力で補おうとは思いませんでした。
「オイスタッハ師匠。見事です。やはり強いですね。」
「シズク。あなたも強くなりました。私に傷を負わせるなど。ですが終わりです。アスタルテ。行きますよ。」
私はアスタルテと戦っていた歩に目を向けた。
やはりだが勝てているはずもなくそこ仰向けになっていた。
「歩。しっかりして。」
「しず・・ねぇ。・・すこしやすめば大丈夫だ・・・よ。」
「待ってて。すぐに治すから。能力No.7絶対治癒。」
私は傷口に手をやり治療を行った。
傷は塞ぐことが出来るが相手の回復速度の援助と言うことをしているだけなので相手の負担が大きい。
「歩。塞がったよ。」
私は歩を抱き抱え一度自室に戻ることにした。
「能力No.2空間移動。」
私は自室に着くなり歩をベットに寝かせた。
そして私はもう一度戻り今度こそオイスタッハ師匠を止めよう。
ページ上へ戻る