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ヘタリア大帝国

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TURN130 プリンセスその七

「機械は解体して廃棄処分にして」
「脳だけをか」
「埋葬したわ」
「成程な、それで今あの娘はか」
「静かに眠っているわ」
 彼女の願い通りにだというのだ。
「彼と共に」
「キングコアとか」
「二人並んで埋葬されているわ」
 プリンセスとキングコア、二人でだというのだ。
「彼の脳も奇跡的に残っていて」
「ヴァージニアの爆発の中でか」
「キングコアの上半身は残骸の中に漂っていたわ」
 ヴァージニア、その中にだというのだ。
「それで脳を見つけたから」
「わかった、それでか」
「二人一緒よ、確かに許されないことをしてきた彼等だけれど」
「死んだからな」
「こうしてね」
 埋葬されたというのだ、ドロシーは淡々として話したのだった。
 枢軸軍はあらためてオフランスに向かうことになった、後はそのオフランスとエイリスだけだった。フランスは自国に戻ることについてこうシャルロットに問うた。
「どう思うよ」
「オフランスに戻ることですね」
「あくまで勝てばの話だけれどな」
 戻るにはまず勝たねばならない、しかしフランスは今は戻ること即ち勝利を前提としてシャルロットに話すのである。
「戻ったらどうする?」
「どうと言われましてね」
 シャルロットはフランスの問いに首を少し左に傾げさせた、そのうえでこう答える。
「確かに嬉しいですが」
「パリに戻れたらな」
「私の生まれ育った場所ですから」
「けれどか」
「戻って何をするかといいますと」
「まああんたはな」
 フランスもそのシャルロットに言う。
「はい、私は」
「戻っても国王にはならないよな」
「叔父様がおられますよね」
「ああ、ルイ八十一世さんがな」
 現国王である彼がというのだ、尚八十世は隠居している。
「健在だしな」
「だからですね」
「何か俺達が枢軸にいること自体成り行きでな」
 実際にそれで今枢軸にいる。
「なし崩しって感じだからな」
「叔父様もですか」
「いいって感じでな」
 彼等のこともこれで済ませているというのだ。
「戦後も別にな」
「私達に処罰はですな」
「ないからな」
 特にだ、これといってだというのだ。
「そもそも自分の祖国を処罰もないだろ」
「はい、言われてみれば」
「そういうことだからな」
 フランスは微笑と共にシャルロットに話す。
「勝っても王様はそのままでな」
「私達は祖国に戻ってですね」
「やっぱりそのままだよ、ただな」
 ここでフランスは腕を組み微妙な感じの顔になった、そのうえでの言葉は。
「もう一国平和主義はな」
「それはですか」
「止めないとな」
 この考えについてはだ、フランスは否定して言うのだった。
「何にもなってないからな」
「自分達だけがよければという考えですね」
「ああ、そのことがわかったよ」
 視線を横にやり微妙な感じの顔になって話す。 
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