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ヘタリア大帝国

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TURN130 プリンセスその一

                    TURN130  プリンセス
「ジークハイル!」
「ハイルアドルフ!」
 ドクツの国民達は熱狂的に迎えていた、まさにドクツ国民の全てが一つになりそのうえで彼女を迎えていた。
 レーティアが中心にいて左右にドクツの要人と国家達が並んでいる、それにだった。
 列国の者達も揃っている、当然その中には東郷もいる。
 その彼がだ、宇垣に言うことは。
「かなりの規模ですね」
「うむ、そうだな」
 宇垣は東郷に対して確かな声で応えた。
「無事開くことが出来たしな」
「ですね、本当に」
「あのコアという連中が出て来た時はどうなるかと思った」
 宇垣も艦隊司令である、だから真剣に危惧したのだ。
「しかし何とかな」
「倒せました」
「こうして式典も開けた」
「まずはよしですね」
「しかしだ」
 ここでだ、二人に山下が言って来た。
「ヒムラー隊長のことだが」
「ああ、死んでいたらしいな」
「蜂の巣になって事切れていたらしいが」
「後で葬儀も行われる」
 ヒムラーのそれがだというのだ。
「あの御仁のものもな」
「そうか、それは何よりだ」
「隊長も浮かばれるだろう」
「しかし気になることもありました」
 山下はここで宇垣に怪訝な顔になり話した。
「隊長の経歴ですが」
「ドクツ軍士官学校中退だったな」
「そして親衛隊長として世に出るまでの間ですが」
 その時期にだ、どうしていたかというのだ。
「全くわかっていません」
「全くか」
「不思議な位です」
 わかっていないというのだ。
「その氏素性が」
「そのことは聞いているが」
「スカーレット提督を雇ってもいますし」
「傭兵という関係よ」
 そのスカーレットも話に入って来た。
「その頃は養鶏場のオーナーと聞いていたわ」
「養鶏場のオーナーが傭兵を艦隊単位で雇えたのか」
「そうでした」
 スカーレットは宇垣にも話した。
「その頃から不思議に思っていましたが」
「そうだな、どう考えてもな」
 養鶏場のオーナーが艦隊規模の傭兵を雇えるなぞとても思えないというのだ、しかもその養鶏場がである。
「その経営規模にもよるがな」
「普通の養鶏場とのことです」
 山下がまた話してきた。
「それも」
「そうか、それならな」
「余計にですね」
「資金の出処がわからない」
 とてもだというのだ。
「しかもヒムラー隊長は親衛隊も編成していたが」
「その組織を作り上げる資金も気になりますね」
 東郷もこのことについて話す。
「謎の多い人物だと言われていましたが」
「金の出処がわからぬ者は信用するな」
 ここで宇垣がその言葉を出した。
「その言葉に従えばな」
「ヒムラー隊長は」
「信用出来ない者だったのだろう」
 こう話すのだった。
「謎が多いだけではなくな」
「そうだったのですか」
「そうだったということになる、二心があったかもな」 
 宇垣はここでこうも言った。
「まさかと思うが」
「忠臣だったと聞いていましたが」
「そう思いたいがな」
 宇垣にしてもだ、この辺りはだった。 
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