魔法少女リリカルなのは~過去を捨て今を生きる者~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ストライカーズ編!
おかえりなさい♪お風呂にする?ご飯にする?それとも・・・えへっ
前書き
わかっていた。
いつかはその日が来るってことくらい、わかっていたさ。
でも、分かりたくなかった。
理解したらもうその事実は変わらなくなってしまうから。
だからオレは否定し続ける。
予想外の事態が起きるまで、オレはこの終わってしまった世界で一人、抗い続ける・・・。
注意。
あとがきと本編は全く関係ありません。
それではっ
「早朝訓練の前に連絡ー。今日から陸士108部隊からギンガ・ナカジマ陸曹が六課に少しの間入る。
で、どうせだから一緒に訓練してやんよ!ということだ」
我ながらナイス説明。
「それと十年前から隊長陣のデバイスを見てくれてる本局技術部のマリエル・アテンザさん」
十年前、オレたちの思い出の一つであるアースラに乗っていた人だ。
なのはとフェイトのデバイスであるレイハとバルディッシュにカートリッジシステムを付けてくれたりしている。
「んじゃ、説明終了。朝練はじめるぞー」
「何言ってんだ、陽龍。まだアイツらがいるだろ?」
オレが言うと、すぐに何言ってんだこのバカといった顔でヴィータが言う。
なんか的を射てそうでちょっと腹が立つ。
「いや、他にもメンバーがいることははやてから聴いてるんだけど、名前までは知らねえし、本人いねえし」
そう言うと、隊長陣+早起きしていたアリシアがあーといった顔をする。
「うん、はやてちゃんのしそうなことなの」
「あと二人が来ないのは多分一号が寝坊してるからじゃないかな」
はやてのしそうなこと?一号?
なんとなく一号という響きに覚えがあるんだけど・・・。
そう思った時だった。
とても嫌な予感がした。
具体的に言うと一般人Aが裏面のボスに遭遇したみたいな感じ。
「・・・・・ぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいぃぃいいいいいい!!!!」
「・・・ぇぇぇぇええええぇぇぇろおぉぉぉぉぉぉぉお!!!!」
とても聞き慣れた二人の声がした気がした。
うん、気のせい。
きっと幻聴。
オレは疲れてるんだ。
「死に晒せ、おにぃぃぃぃぃいいいいぃぃぃ!!」
「おいバカやめろぉぉぉおおおぉぉぉぉぉぉ!!・・・あっ」
「ぐふぉぁ!?」
よし、理解できないであろう読者に状況を説明しよう。
まず、六課の隊舎方面からもの凄い速さで走りながら叫ぶ二名を発見。
硬直して動けないオレ。
すぐ目の前まで迫った一号がオレの腹に突撃。
止めようとしていたらしいヘタレマダオキングが途中でこけてむしろ追い打ち。
未だに動けないオレは後ろにあった海に飛び込み。
思いっきり息を吐いたから吸おうとした時に空気でなく海水を飲み込む。
死にかける。
救出される←今ここ。
「テメエら、なにか言い残すことはあるか・・・?」
海水でびしょ濡れになった全身のまま、オレは同じくびしょ濡れの二人の前で仁王立ちをする。
「え、えっと、感動の再会を演しゅ・・・ごほん!感動の再会をしようとしてたら盛大にこけました」
「大声で死に晒せとか叫んでたじゃねえか。しかも今演出って言おうとしたよな?次、ヘタレマダオキング」
「・・・反省も後悔もしてる。あと俺は悪くない」
「後半がなければ普通に許した。しかし後半がついたことによって貴様は裸エプロンの刑だ」
ちなみに裸エプロンの刑とは、自分が好意を持っている異性の目の前で裸エプロンをしながら「おかえりなさい♪お風呂にする?ご飯にする?それとも・・・えへっ」って言う刑。
コレは裸エプロン先輩のセリフを使った場合にだけ発生するレアな刑だったりする。
「え、あの、失礼ですが・・・どなたですか?」
一部始終を見ていたフォワードを代表してティアナが言う。
「一号、ヘタレマダオキング、挨拶」
オレはそれだけ言って塀に座り込む。
うえー、ズボンが濡れてて気持ち悪い・・・。
「浅賀美愛。ヴァレスティアっていう機械全般を扱っている会社の社長補佐をしてます。ちなみに空戦AAAランクで、おにぃ・・・浅賀陽龍の双子の妹で、アリシアの姉だよ」
<そしてミアミアのデバイスのヒカリだよー!おにーちゃんの持ってるヤミとは姉妹機なのだ☆>
「内山慎吾。ヴァレスティアで今はまだ研修中。終わったら美愛と同じ仕事に就く予定。空戦AAランクで、陽龍と美愛とアリシア、六課の隊長陣とはだいぶ昔から幼馴染」
<シンゴのデバイスのクリミナルです。ヤミとヒカリとアリシアの持つレフェリアとは姉妹機のようなものです。以後、よろしくお願いします>
本当に慎吾のデバイスなのか、疑いたくなるほどに礼儀正しいクリミナル。
その落ち着きを美愛とヒカリに分けてやってほしい。
「で、何しに来たんだよ、お前ら・・・」
疲れるから早急に本社にカエレ。
「おにぃ、聞いてないの?私と慎吾、今日から六課に移動」
「残りの二人ってお前らのことかよ!ヤダ!反対!絶対反対!今すぐ本社に帰れ!胃が持たない!なんか再発しそう!!」
なんかを詳しく言うと・・・ストレス性のナニカ。
うん、別に詳しくなかった。
「美愛と俺は基本的にメカニックで手伝いをする予定だけど、多分美愛がサボって訓練に突撃してくるだろうから気をつけてな」
その行動のせいでオレのストレスがマッハなんだが。
「ふっふっふ、ファミレスのオレンジジュースが酸っぱかったからガムシロ入れようとする私っくらい甘いよ、慎吾!多分じゃない、絶対だ!」
「そこ威張るとこじゃないからな。あとオレンジジュースにガムシロ入れるな!」
ああ・・・胃が痛い・・・。
どこへ行ったんだ、オレの楽園・・・!
その後、早朝訓練では隊長陣+アリシアVSフォワード陣+ギンガの模擬戦。
そして隊長陣+アリシア+オレVS美愛と慎吾とじゃんけんで負けたエリオの戦いが繰り広げられた。
結果はどちらも隊長陣たちの勝ちだった。
え?バトルを詳しく?
だが、断る!
「それじゃあ朝の訓練は終了。フォワードとギンガは反省レポートしっかりな。エリオは柔軟を隅々までしとけよ?」
オレが言うと、フォワードとギンガは柔軟を始めた。
そして他の隊長陣と一号二号、ヘタレマダオキングは会話に花を咲かせていた。
お前ら、仕事しろ。
「ママ、りゅーにー!」
そんなことを思っていると癒しの声が聞こえる。
声のした方をみると、オレたちに向かって走ってくるヴィヴィオの姿。
「ヴィヴィオ、走ると危ないよー?」
フェイトが言うが、時すでに遅し。
盛大にずっこけた。
・・・ある意味清々しいな。
「地面やわらかいし、綺麗に転んだから怪我はないよね。ヴィヴィオ、おいで」
数メートル離れたところからなのはが言う。
「ふぇ・・・ママ・・・」
「・・・おいなのは、めっちゃヴィヴィオが泣きそうなんだが」
「す、少しずつ成長してかないとでしょ?ほら、なのはママはここにいるよー?」
両手を広げ、ヴィヴィオが立つのを待つなのは。
傍から見ればいい母親なんだろうけど、本人からしたら鬼婆だよな、きっと。
「もう、なのはママは厳しすぎ!ヴィヴィオ、まだ小さいんだから・・・!」
見ていられなくなったフェイトが倒れたまま大粒の涙をボロボロ流すヴィヴィオを抱き上げる。
きっとフェイトは子供を限界まで甘やかし続け、最終的に子供に心配されちゃうタイプの母親になりそう。
「ヴィヴィオ、ヴィヴィオが怪我したらなのはママやフェイトママはもちろん、オレだって悲しい。だから今度からはもう少し落ち着こうな?」
フェイトに抱っこされたままのヴィヴィオの頭を撫でながら言う。
それにヴィヴィオは小さく返事をした。
そのあとオレは部屋に戻ってシャワーを浴び、それから食堂でなのはやフェイトたちと合流する。
「好き嫌いしてると大きくなれないよ?」
「うー、苦いのきらーい」
ピーマンに苦戦するヴィヴィオが可愛い。
そしてそこに放たれるはやての一言。
「好き嫌い多いとママたちみたいに美人さんになれへんよ?」
それに反応するキャロ。
丁度人参をエリオに渡そうとしていたらしい。
ナイス判断。
「あれ、そういえば美愛と慎吾は?」
近くに騒がしい二人がいないことに気がつき、アリシアに聞いてみる。
「んー?ふぃふぁふぉふぃんふぉふぁんふぇふぃふぁふぁふぃふぉ?」
訳、美愛と慎吾なんて知らないよ?
「口に物を入れながら話すな二号」
ま、別にアイツらならバカなことはしても余計なことはしないだろうし・・・。
そう思い、オレは食事を再開した。
「・・・じゃ、今日の報告」
薄暗い部屋で、声を小さくして話す。
「まぁ、あまり無理をしてるようには見えないな。けど、アイツは溜め込んでそうだから安心はできないと思う」
椅子に座って言う顔は、少しだけ硬いように見える。
それをみて自分もできるだけ真剣に話をする。
「うん、多分そのとおりじゃないかな。じゃあ当分の目標は仕事のお手伝いとか・・・かな」
「了解。ったく、だからって仕事さぼんなよ?」
「・・・あはっ☆」
「おい」
いつものように軽い話をして場を和ませる。
そうしないと、心配で倒れてしまいそうだから。
「じゃあ目標の確認!せーのっ」
「「明日を守るために」」
大切な友達と一緒に、楽しい明日を守る。
そのためにここに来たんだ。
一人で守るなんて、もう、本当にバカ。
人に頼れって言っときながら、自分が頼らない、あのバカを。
「そろそろ食堂いこっか」
「だな。アイツのことだし、そろそろ俺らがいないことに気づいてそうだしな」
私はそう言って立ち上がる。
すると、何年も前になのはからもらったお揃いだったリボンが風になびくように揺れる。
一人でなんか守らせない。
私たちも一緒だからね?
おにぃ。
後書き
ラストは特に意味ありません。
なんか頑張って欲しかっただけ。
それではっ
ページ上へ戻る