魔法少女リリカルなのは~過去を捨て今を生きる者~
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ストライカーズ編!
少し頭、冷やそうか・・・
前書き
違和感しかない。
でも気にしてはいけない。
それではっ
「さーて、じゃあ午前中のまとめ、ツーオンワンで模擬戦やるよ。まずはスターズから」
いつも通りの朝練で、今回は今までの練習のまとめを兼ねた模擬戦をする。
「エリオとキャロはオレたちと一緒に見学なー」
オレはそう言って模擬戦の邪魔にならない場所へと移動する。
「も、もう模擬戦始まっちゃってる!?」
オレたちが移動してきてすぐ、フェイトが走ってきた。
そして近くに来てなのはやスターズの二人の様子を見る。
「なのは、最近は夜をまたぐまで起きて、そのあとすぐにモニター眺めっぱなしだから・・・」
おっと、新情報。
これは新たな対策を練らねば。
「書類仕事と訓練で分けてるみてーだけど、それにしたって密度濃いからなぁ」
そしてそんな話をしているあいだにも、模擬戦は続いている。
・・・やっぱティアナのやつ、なんか企んでるな。
明らかに行動がおかしい。
「一撃必殺ッ!」
遠距離型であるティアナがスバルの出したウィングロードを走り、直接攻撃に出る。
はぁ・・・全然学習してねぇよ、こいつ。
「レイジングハート、モードリリース」
そして、なのはの小さな声が聞こえた。
「おかしいな・・・二人とも、どうしちゃったのかな・・・?」
なのはは杖型だったレイジングハートを消し、二人の攻撃を素手で受け止めていた。
スバルの攻撃は拳だから良いが、ティアナはデバイスであるクロスミラージュの一部を切れやすくしている。
それを受け止めたなのははやっぱり手に怪我をしていた。
「頑張ってるのは分かるけど、模擬戦は喧嘩じゃないんだよ・・・?練習の時だけ言うこと聞いてるふりで、でも本番でこんな無茶するなら、練習の意味、ないじゃない・・・」
微かに聞こえるなのはの声はいつもとは違く、暗い。
暗く、重い。
「ちゃんとさ、練習通りやろうよ・・・。ねえ、私の言ってること、私の訓練、そんなに間違ってる・・・?」
なのははスバルを、そしてティアナを見つめる。
「それでもッ!それでも私は、もう誰も失いたくないから・・・ッ!!」
ティアナはそう叫び、クロスミラージュを改めてなのはに向ける。
それを向けられたなのははある意味冷静にティアナを撃ち落とそうとする。
ったく、テメェも学習してねぇのかよ。
「ヤミ」
<はい、ヒリュー>
オレはヤミを手に、フェンスを飛び降りた。
「少し頭、冷やそうか・・・」
「馬鹿なのは。頭冷やすのはテメェだボケ。焔火」
美愛を起こす専門になってきていた焔火をなのはとティアナに放つ。
「っく、陽龍くん、邪魔しないで」
なのはは急だった攻撃をモロに喰らうが、ダメージは少ないせいですぐに立ち直り、今度はオレに魔法を向ける。
ホント、なのはとティアナ、そっくりだよ。
「肉体言語でオハナシとか、いい加減にしとけよ?流石にこれ以上やるってんならオレが相手になるぞ」
オレは待機状態だったヤミを杖の形にし、なのはに向ける。
「能力リミッター付けられるランクDの陽龍くんが戦えるの?私もリミッターついてるけど、それでも陽龍くんよりは強い」
「ハッ、この程度ハンデにもなんねーよ。つーか十年以上も一緒にいてオレに勝てるとでも思ってんのか?」
「不屈のエースオブエース、その名は伊達じゃないってこと、教えてあげる・・・」
そう言って戦闘態勢に入るオレとなのは。
ああ、ほんと馬鹿。
馬鹿すぎて話にならん。
「我が手に集いて撃ち落とせ。ディストピ・・・」
「テメェもやりすぎだ、ボケぇぇぇッ!!」
蹴られた。
というか、吹き飛ばされた。
「なのはを止めるだけならいいけど、なに撃ち落とそうとしてんだよ!バカか、バカなのか!死ぬのか!」
え、なに、ロヴィータちゃん。アレなの?
激おこスティックファイナリアリティプンプンドリーム?
「アイゼンの取れにくい錆にしてやろうか・・・?」
サーセン。
「ったく、陽龍は後でシグナムが訓練中んときにつきだしてやる。なのはも一緒に。スバルはティアナと一緒に医務室いってシャマルに看てもらって来い」
ヴィータはそう言ってその場を収めた。
ねえねえ、激おこスティックファイナリアリティプンプンドリーム?ねえ?
「陽龍・・・?」
「もういいませんし考えません」
結局その日の訓練はティアナを抜いた三人で基礎体力づくりをメインとした練習を行った。
そしていまは九時過ぎ。
後でティアナをどう叱ろうとか考えながら今日の訓練の整理をしていた。
「陽龍」
するとフェイトが歩いてきて、オレを呼んだ。
「ティアナ、あのあと冷静になってオフィスにスバルと一緒に謝りに来てたよ。ちなみになのはは無理やり寝かしちゃった」
「そか。なのはに関してはグッジョブ。ティアナに関しては叱り方を考え直す」
具体的にはかつてのなのはのように殴り合ってお友達☆作戦からはやてとすずか、慎吾の出会いのように神秘的?作戦に。
「それ、叱ってないよね。出会いからすべてをやり直そうとしてるよね。別にいいけど」
「てか、悪かったな、今日は。なのは止めるついでにオレまで暴走しちゃって。午後にはライトニングの模擬戦やるつもりだったのに。なのはが」
「相変わらずのサボリグセだね、陽龍。でも大丈夫だよ。どっちにしろ今回はあの子達まで手が回らなかったと思うし、私も止められなかったから」
そう言いながらオレたちは訓練場をあとにする。
そして六課の建物に入った時だった。
赤いモニターとアラーム音。
緊急出動の合図だった。
「ガジェット二型が十二機。航空型だから今回はフェイト、なのは、ヴィータの三人が行くことになった。フォワード四人は陸戦型が出てきた時のために待機しててくれ」
既にはやてのところへ行って状況を聞いてきたオレは今回の説明をする。
「あ、でもティアナはその待機からも外れとこうか。魔力も、体力も万全じゃないだろうから」
そして余計なことを言うなのは。
どうせ陸戦がきても対応できる人はいるから出る可能性は低いってのに、なんでいうかな、こいつは。
「・・・命令をきかない奴は、使えないやつは現場に出るなってことですか」
なのはの言葉に意地をはるかのように言い返すティアナ。
「言ってて分からない?それ、当然のことだよ?」
そして冷たく言い返すなのは。
・・・なにこいつら、同族嫌悪?
なのは、大人気ない。
「アタシは!アタシはスバルやエリオみたいに強くないし、キャロみたいなレアスキルもない。だったら人一倍練習するしかないじゃないですか!練習して、成果を見せるしかできないじゃないですか!それともアタシみたいな凡人は練習したって意味がないって・・・」
「いい加減にしろ、ティアナ。んな文句が言いたいなら任務が終わってからにしろ。テメェの都合で時間先延ばしにして被害がでたらどう責任を取る」
オレは延々と続きそうな会話を無理やり切る。
すると今にも殴りかかりそうだったシグナムが今回もヘリを操縦するヴァイスに話しかける。
「ヴァイス、ヘリはもう出せるのか?」
「乗ってさえいただければいつでもおっけーッスよ!」
なのはたちはその言葉を聞き、ヘリに乗り込む。
呆然と立ち尽くすティアナやスバル、エリオ。キャロを視界に入れながら、なのはたちは空へと上がった。
そしてヘリが見えなくなった頃、スバルが口を開いた。
キツイなりにする努力は無駄なのか。
スバルの言った言葉は、さっきの会話から出したものだろう。
努力するティアナに冷たい態度をとったオレたちへの言葉。
「自主練習とか強くなるための努力だとかは大切だし、いいことだと思うよ」
さっきまでの会話を聞いていたのか、どこからか現れたシャーリーが言った。
「メインオペレートはリイン曹長がいるから来ちゃいました。それに、みんな不器用で見てられなくて・・・。ていうか陽龍さんはわざとっぽいし」
酷い。
その通りだけど。
「みんな、ロビーに集まって。私が説明するから。いいですよね、陽龍さん」
「見られて困るのはなのはだけで、オレは一切困らないからいいぞ?」
なんとなくシャーリーが話そうとしていることを察したオレはそういった。
「教えてあげる。なのはさんの行動と、教導の意味」
後書き
なんでこんなになのはさんの邪魔をしたがるんだろうね、陽龍は。
不思議。
うん、作者がやってるんだけどね。
なんかアニメ見てると「なのはさんマジなのはさん!」ってなる。
不思議。
それではっ
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