ソードアート・オンライン ~生きる少年~
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第一章 護れなかった少年
第二十五話 専属コーチ (前編)
前書き
今回は前編後編に分けるよ〜
ギルド《月読》の専属コーチを引き受けてから一ヶ月が経った。
現在最前線は32層で、月読のみんなは27層の迷宮区に挑んでいた。
その頃僕はと言うと......。
「いやぁ......育てるのっていいねぇ......」
「あんた将来教師になったら?」
リズベット武具店に来ていた。
ちなみに今回は刀の研磨と強化。
現時点、僕の刀は30回という強化回数を持っていて今、10S12Q5Dという強化状況で、そろそろ強化素材も貯まったし、少し丈夫にしようかな、と言うところで有る。
と、言うわけで既に渡し、もうリズが戻ってきている訳で。
「教師かぁ......。まぁ、それは置いといて成功した?」
「ええ。アンタの言う通り丈夫が1上がって6 D。で、研磨はする?」
「うん。お願い」
「わかった。ちょっと待ってて」
ふぅ......。みんなは大丈夫かなぁ......。
27層は確か、獣型のモンスターが多かった気がする。
まぁ、攻撃力とかは結構高いけど、猪突猛進型が多いからちゃんと見極めれば避けるのは苦じゃないし、結構経験値多いしで結構いい場所......だと思う。
少なくとも全員に危なくなったら転移結晶使うよう自腹で買わせたし大丈夫だろう。
......今回は僕が行けないから27層にしたけど、次は29層行ける気がする......。
ちなみに現在時点での僕のレベルは52。
結構頑張ってるし、あと数層分ならサボって育成に使っても大丈夫そうだな。
アスナさんに怒られるけど。
......でも育成って言えば許してもらえるだろう。
「ほら、終わったわよ」
「ん、ありがとリズ」
考えてる間に結構時間が経ってたみたいだ。
リズから研磨が終わった刀をもらい、かわりにトレード欄に50kを振り込む。
「う~ん、毎度ながらこんなもらっちゃっていいの?」
「大丈夫だよ。どうせあんまり使わないし」
未だにポーションとかはドロップ品をやりくりしてるしね。
「毎度あり~」
「じゃあ、また今度」
そう言ってリズベット武具店を去る。
......さて、集合場所である27層転移門前に行くか......。
―☆―☆―☆―
転移門前には既にみんな集まっていた。
「みんな速いねー」
すると、みんなが気づいたようで一斉にこっちを向く。
「いやいや、ソラが遅いんだ」
圭介の発言にびっくりして全員に向かって口を開く。
「そ、そんなに待ったの?みんな」
「え、えっとそこまで待ってませんけど......」
ゴニョゴニョ言うのは、月読のメンバーであるアンスさんだ。
見た目はおっとり系美少女だが、実際は結構な人見知りで、最近ようやく僕と話が出来るようになった。
「いや、でも少し待ったよーな......?」
そう言って手の平を上に向けて差し出して目が『お・わ・び!お・わ・び!!』と訴えているのは同じく月読メンバーのセン。
顔だけ見れば結構なイケメンだが、ちょっとアレなのが残念である。
とりあえず手はハイタッチのようにパァン!!とはたいておいた。
......明らかにチッと舌打ちの音がしたが気のせいということにしておこう。うん。
「ま、まぁそんなことは置いといてこのあとどうするの?」
「みんなレベルは??」
取り敢えず芽依に聞かれたがこっちも疑問で返す。
「えっと、俺が40、ケイが39、メイが37、ブライが35、センとアンスが36だ」
ハクからの返答。
ん〜このレベルだったら30層はちょっとキツイかな......。
じゃあ......
「29層迷宮区行こうか」
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