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ソードアート・オンライン~神話と勇者と聖剣と~

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DAO:ジ・アリス・レプリカ~神々の饗宴~
  第十五話

 
前書き
 どーもお久しぶりです、Askaです。今回は説明会。刹那の時に勝る膨大な量の説明文(?)が並びます。 

 
 片付けをハクガ、リーリュウ、そして当初の予定にはなかったがカズに任せて、セモン、ハクア、そしてコクトは、裏庭の演習場の様な所にやってきていた。ハクアいわく「実験所」だそうだ。

 コクトは「買い物に行く」とか言い出してふらりと姿を消してしまった。「実験所」には、セモンとハクアだけが残された。


「それでは……セモン君は、自分の《六門属性》が何かわかっていますか?」
「いや、それが……よくわかってません」

 ハクアの問いに、セモンは正直に答えた。

「そうですか……では、まずは《六門属性》について説明しましょう」

 ハクアは話始める。


 ***


 六門属性については、ハクガから少し聞いていると言いましたね。では、詳しく教えましょう。

 この世界の象徴として、《六門属性》は存在しています。火、水、風、土、光、そして闇。本来ならば光か闇はどちらか片方しか存在しない、表裏一体の存在です。そのことから、これら二つは《矛盾属性》と呼ばれ、普通は両立しません。

 六門属性は、我々六門神が全員必ず持っている物です。それは火であったり、水であったり、複数属性の融合であったりします。例えば私なら水と光。ハクガもですね。コクトは土と闇、そして私たちのもう一人の仲間は火と闇です。これらはそれぞれ、その六門神の能力の《本質》を表しています。

 火や闇は破壊、水や光は生成や回復、風や土はどちらかと言うと補助に特化しています。

 火は『攻撃』。純粋な攻撃を体現する属性です。

 水は『循環』。魔力を循環させ、実態無きものをつくり出すことも得意です。

 土は『作成』。治癒などもできますが、より正確には「つなぎ直し」です。再生ではないというところがポイントになってきます。

 風は『伝道』。魔力や音、他にも色々な物を伝えます。実は魔術使用に一番長けているのもこの属性です。ゴーレムも作れます。 

 闇と光の二属性は、他の四属性の上位互換とでもいうべき能力を持っていますが、その分扱いづらいです。

 闇は『破壊』。純粋な破壊です。切断も含まれます。

 光は『再生』。完全に再生を行います。また、『作成』の上位である『創造』も行うことができます。

 例えば火と水の二重属性を持っているのであれば、破壊系の生成、炎でできた剣をつくり出したり、武器に炎を纏わせたりできます。私やハクガの水と光は、錬成・回復に特化しています。ハクガが光の矢を自動で錬成しているのを見たことがあるでしょう?私もできるんですよ、あれ。

 ……話を戻しましょう。コクトの土と闇は土の補助属性《金属》と、闇の《純粋な破壊》によって、本質は《金属による切断》……すなわち刀剣攻撃となります。彼の持つ《ギア》が刀の姿を取っているのはそれに影響されているんです。

 《ギア》の話もしましょう。第二階位になると、《ギア》は自動的に出現します。使い手の《本質》に呼応した中心属性を持った者が出現することが多いですね。例えばハクガの《ギア》、《ヘルメス》は、光の翼を生成します。ギアをもっと強化していけば、光のバリアを貼ったり、通路上に有るすべての者を破壊する能力にも発展できるでしょう。私のギアは《マーキュリウス》という名前の大弓ですが、現在翼になる能力を獲得しています。

 驚きましたか?ギアの育て方によっては、本来の目的とかけ離れた存在にすることも可能です。現在六門神の中で最強と言われる《六王神》は、それぞれが圧倒的な能力のギアを保持しています。私が知っている《六王神》は1人だけですが、彼女の《ギア》は確か巨大な天使型ゴーレムだったはずです。一度だけ、一撃で都市を滅ぼすのを見たことがあります。

(この時、「都市を殲滅」という言葉にセモンが戦慄したのは言うまでもない。)

 《ギア》システムは、セモンさんにおける《ソードスキル》の様な立ち位置だと考えてください。

 あ、驚きましたか?実はSAO監視の責任者は私がやらせていただいていました。

 話を六門属性に戻しましょう。《六門魔術》の習得率は、この六門属性に左右されるところがあります。特に《階梯強化》……いわばレベルアップは、自分の六門属性、複数ある場合は先に来ている方と対応する六門魔術をある程度習得しないと不可能です。

 安心してください。この世界にはパラメータキャパシティの上限とでも言うべきものはありませんから。刀剣一点特化に見えるコクトですら、きちんと土属性の六門魔術を習得していますよ。今度見せてもらいなさい。地面から刃がどすどす出てくるのは圧巻ですよ。

 今さっき、二重属性の「先にある方」と言ったのを聞いていましたか?聞いていたあなたはすごいです。二重属性は、表示の最初がメイン属性、二つ目以降がサポートとなっていきます。私は水がメインで、光がサポートです。錬成がメインですが、回復もサポートします。よって、私が最も得意とするのは「MP回復」となります。

 コクトの場合、土属性、即ち刃物がメイン属性です。ちなみにここに火属性が加わると「鍛錬」、すなわち刀剣生成の方に能力が向かうのですが、コクトのサポート属性は闇です。これによって、切断補正がかかります。彼は「武器を扱うことに特化した」ビルドだと言えますね。

 ちなみに、これでは属性を一つしか持っていない者の方が不利になってしまうのでは、と思いますね。ところが、むしろ純粋な単一属性……そのまま『純正属性』と呼ばれますが、こちらは属性本来の力を最大限に発揮できるという能力が生まれながらにして付与されています。『純正属性』を持つ人たちは実は非常に少なく、六王神とあと複数人存在するだけではないかと言われています。

 ちなみに、この『純正属性』と対極にあるのが、光と闇を共用する『矛盾属性』と、矛盾属性どちらか片方を除く五つ全てを持つ『全数属性』です。どれも強力で、現在の六門世界ではこの三つの属性が最強と言ってもいいでしょう。

 《六門魔術》は、自分の属性以外の物も習得できますが、やはり自分の属性と同じものが一番早く習得できます。加えて、先ほども言った通り、自分の属性と同じ六門魔術をある程度習得しなければ階梯が強化されず、それに連携してレベル上限も上がりません。

 セモンさん、今あなたは第一階位です。このままレベルを上げていっても、レベルは29で止まるでしょう。しかし、第二階位に辿り着けば、あなたのレベル上限は40になります。ちなみに私は第三階位なので、レベル上限は50。第四階位は70、第五階位は80ですが、現在通常の六門神では75よりもレベルの高いものはいません。

 全体を通しての実質的レベル上限は99。第九階位の最高レベルが99です。レベル100になるには第十階位になる必要がありますが、この位階に到達するのは不可能です。システムに規定されているようで……。なので、このレベル99を極めた六人を、『六王神』と呼んでいるのです……まぁ、現在は四人しかいなんですが……。

 このあたりで説明は終わりにしましょうか。あとは習うより慣れろ、です!


 ***


「では、まずは六門属性の確認から行きましょう。セモンさん、メニューウィンドウを表示してみてください」
「あ、はい」

 セモンは言われるままに、メニューウィンドウを操作する。

「次に、《六門魔術》の項目をタッチ」

 HPやレベルの近くにある《六門魔術》をタッチする。すると、様々な記述を施した画面が出現した。

「最上部の左端に、あなたの六門属性が書いてあるはずです」
「えーっと……土、光ですね」
「ほう……」

 久しぶりに聞く気がする声がした。声の方向を見ると、そこには大量の買い物袋を持ったコクトがいた。

「コクトさん!?何やってるんですか!?」
「人の顔をしたニンジンを買い込んできた。袋から出すと叫ぶからウザいんだが」
「ああ、マンドラゴラですか?あとで処理しますよ」
「よろしく頼む」

 コクトが袋をその辺に投げ捨てる。どさっ、と言う音と共に、「ほぎゃっ」とか言う謎の音。乱暴。

「……セモンの属性、土・光は今まであまり聞いたことの無い属性だな。作成・創造か……鍛錬とはどこが違うんだ?」
「その辺りはさすがのコクトも専門外ですね」
「むしろお前が知ってることの方が異常なんだ。誰から教えられた?」
「秘密です」

 コクトとハクアの会話について行けず、置いていかれるセモン。なんとかあのー、と言ってみる。

「俺の属性、いったい何ができるんでしょうか」
「そうですね……ひとえに土・光と言っても、実は結構別れるんですよね。ほとんど鍛錬と変わらないものもあれば、全然違う能力を持っていたりもします。……とりあえず、セモンさんがどんな能力を獲得しているのか、見てみることにしましょう」

 そう言うと、ハクアは虚空に手をかざし、呟いた。

「創造の月は、我が手に有り――――来たれ《コニラヤ》」

 渦巻く光と闇が、大型の弓をつくり出す。濃紺色の弩弓の表面は夜空の様に艶やかで、反射光がまるで星々に見える。

「それでは、はじめましょうか。あなたの持ちうる全力でかかってきなさい」 
 

 
後書き
刹「やっと更新できましたね」

 うん。いや~、久しぶりに『神話剣』書いたら疲れた。後2~3話あとからは結構スムーズにネタが沸いてくるんだけどね。

刹「早くそこに至れるように頑張ってくださいね」

 ありがと。

 それでは次回もお楽しみに~ 
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