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勇者指令ダグオンA's

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第三十一話 闇の書事件


ある平和な海鳴の町に・・・

「力君!!」

その平和をぶち壊すようなはやての怒鳴り声が・・・


第三十一話 闇の書事件


海鳴の町のど真ん中

「うひゃああああああああああ!!」

「こるらあああああ!力君!ウチに黙って学校サボるとはええ度胸や!!」

うっかり寝坊してしまい学校をサボってしまった力を『仕事サボって』追い掛け回すはやて。

前回とまるっきりおんなじ下りである。

「はやて!んな事してると出世できねえぞ!」

「ウチの出世の事を心配するならもっと道徳的にならんかい!!」

逃げ回って苦し紛れに叫ぶ力ちゃんに対し握り拳作りながら応えるはやて。

本日も海鳴の町は賑やかなようである。


そんなこんなでお仕置きされた力ちゃんは海鳴病院でお世話になる事に・・・

「うぎゃあ・・・」

「まぁ・・・可哀相に」

病院のベッドでギブス撒いて蹲る力ちゃんを特に同情した様子の無い相棒・飛鳥がリンゴを剥いている。

「ほれ」

「サンキュウ~」

飛鳥からリンゴを受け取った力は満面の笑みで齧りつくと飛鳥が質問した。

「それにしても・・・あんたよくもまぁあんだけの鉄拳を受けて入院で済んだわね」

あの後はやてに1秒間に300発のラグナロクを拳に乗せたラグナロク流星拳をお見舞いされた力ちゃん。

普通の人間なら大怪我していたであろうが力ちゃんの場合生まれ持って身体が丈夫の為3日の入院で済むらしい。

取りあえず暇なので質問してみる飛鳥。

「そういえば・・・はやてって闇の書事件の時大変だったみたいだけど・・・あんた何やってたの?」

「そうだな・・・俺あの時グレてたからな~」

懐かしそうに過去を振り返る力。

数年前・地球は宇宙警察カイザーズと宇宙海賊ガイスターの戦いの最中、闇の書を巡っての戦いもあった。

その風の噂は力の耳に届き何気なくはやての元を訪れることに・・・

ある理由により力ははやてから離れていた。

随分と顔を合わせていない力は管理局の事も闇の書の事も知らずに混乱をしていると時空管理局の捜査官クロノ・ハラオウンに連れられ、はやてに近い人物という事でグレアムの元へ事情を聞くことになったのだ。

そして事の真相を知った力はくすぶっていた何かが目覚め始めていた。

「・・・はやてごと封じるしかなかったのか?」

「・・・」

子どもの力の言葉にグレアムは口をつぐんだ。

「皆を救うにははやてごと封印するしかないって」

「・・・察してくれ」

「察してやるよ・・・」

握り拳を作りながらグレアムに静かに怒る力は自分の本音を言った。

「けど許さねぇ・・・」

力の様子にグレアムはただ黙って聞く事しか出来なかった。

「あんたはやてを裏切ったんだ・・・」

「・・・そうだ・・・だが大局も見たらどうだ」

その言葉に力は・・・

「んなもんクソくらえだ・・・あんたの理屈がわかる頭してると思うか?」

するとグレアムはクロノに力を闇の書の元へ転送させることを提案した。

そうすれば闇の書の危険性が間近でわかると思ったからだ。

力は細かい事を考えずにそれを了承に転送魔法で今闇に包まれている海鳴へと向かわせるのだった。

「・・・あれが」

ちょうどなのは達が一時離脱をして策を講じようとしている場所であり闇の書・便宜上リインフォースがなのは達の魔力の元へ向かおうとしていたのだが、リインフォースは違う気配を・・・力の気配を感じ取りそっちへと飛んだ。

街のど真ん中で対峙する力とリインフォース。

「・・・お前は・・・」

力の姿を見て一瞬驚くリインフォース、それを黙って見る力。

はやての記憶に根深くある為か力の事を理解するとリインフォースは静かに答えた。

「早く遠くへ行け・・・時期に崩壊が始まる・・・そうなればお前もただでは済まない・・・時間が無い」

力に逃げるように警告するだがこの男は・・・

「・・・」

ただ黙って静かに喧嘩の構えを取るのだった。

「・・・貴様馬鹿か?貴様のような力も何も持ってない奴が私と戦おうと言うのか?」

「・・・確かにな・・・俺にはお前達みてえな特別な力なんざ持ってねェ・・・けどな・・・父さんに言われたんだ・・・立ち向かえってな・・・それにお前がどうやってはやてを乗っ取ったか聞いてみてぇしな・・・」

「馬鹿だな・・・お前」

「ああ・・・馬鹿は迷わねぇ・・・これと決めたら一直線なんだよ!!」

その迷いの無い馬鹿の言葉にリインフォースも少し付き合う事にし構えるのであった。

力が駆けるとリインフォースはブラッディダガーを形成し力に向かって放った。

開始から魔法攻撃を浴びる力は大きく吹っ飛ばされてしまいビルの壁に叩き付けられてしまった。

だが立ち上がり再びリインフォースに向かって走ると至近距離をとり顔面を殴った。

しかしリインフォースに全くダメージは無かった。

力とはいえただの子供の力、リインフォースは魔力で強化されているのかただの人間力では微動だにしない。

だがそれでも力はリインフォースの懐にしがみ付きボディブローを入れるが逆に首をホールドされ投げられてしまう。

「く!でえええええ!!」

打ち付けられながらも立ち上がる力の渾身のタックルが炸裂するがリインフォースに蹴り飛ばされてしまい倒れてしまう。

「はあ!!」

魔力の塊をひねり出したリインフォースがそれを力に向かって投げつけると力の身体に直撃し大爆発を起こした。

「・・・主・・・申し訳「おりゃああああああああああああ!!」!?」

力を倒したと思ったリインフォースだが手加減抜きの魔力弾を浴びた力が爆風から飛び出してきた。

その事に驚くリインフォースが力の首を掴むと空中に飛び上がった。

そして思いっきり振り回すと近くの廃ビルに投げつけた。

「うわあああああああああ!!」

コンクリートの壁を貫き今度こそ力を倒したと思ったリインフォースだが・・・

「海鳴男児を甘く見るんじゃああ!ねえええええ!!」

廃ビルの中に置いてあったドラム缶を持ち上げリインフォースに向かって投げつける力。

突然の奇襲にリインフォースが手刀でドラム缶を真っ二つにすると爆発し一瞬気を逸らされた。

「ぞ・・・ゾンビかこの男は・・・「おりゃあああああああ!!」・・・!?」

パニックに陥ったその一瞬を付かれリインフォースは力にしがみ付かれてしまった足でリインフォースの胴体を挟み込まれる。

リインフォースは力づくで外そうとするが、がっちり掴まれて離せない。

「舐めんじゃ・・・ねええぞおおおおおおおおおおおおお!!」

「ぐふ!!」

足をがっちり掴んだまま力は身体ごと大きく振りかぶり遠心力を利用しリインフォースの顔面に強烈な頭突きを繰り出した。

鈍い音共に力の額から出血するが構わずもう一度振りかぶる力。

「上等だ・・・おめえが不死身だっていうなら・・・俺の命の限りためしてやらぁ!!」

自身のダメージに構わずリインフォースに頭突きを繰り出し続ける力。頭突きの度に血が飛び散る。

泥臭いながらも強烈な攻撃に言い知れぬ恐怖を感じるリインフォース。

(馬鹿な・・・私はこの男を2回は殺しているはずなのに・・・どうしてこの男は立ち上がってこれる!?・・・どうしてこの男は心が折れない!!)

力の瞳は死んでいない・・・むしろ立ち上がる度にギラギラと輝いている。

力に対してリインフォースはこの言葉以外で力を表現できなかった。

それは

「馬鹿だ・・・この男は馬鹿だ・・・」

「最初に言っただろ・・・馬鹿は迷わねぇ!!!これと決めたら一直線に突き進むだけだ!!!」

力が再び頭突きを繰り出そうとするとリインフォースのカウンターが繰り出された。

力の顔面にリインフォースの拳がクリーンヒットすると完全に意識が断ち切れた。

かに見えたが・・・

「!!」

獣のようなその眼差しはリインフォースを睨みつけていた。

「ばけものか・・・この男は・・・ここまで粘ったただの人間は初めた・・・お前・・・主のために死ぬ気か!?」

その言葉に力はニヤリと呟いた。

「・・・はやての為に何て誰が死ぬか」

「なに!?」

言い切った力に怒りをあらわにするリインフォース。

だが次の言葉に絶句する。

「残されるはやてが嫌な思いするだけだから・・・俺は誰かの為に死ぬくらいなら大切な誰かと一緒に生きる道を選ぶ!!」

拳を握り締める力が最後の力を振り絞って構えた。

「死ぬなんて卑怯な奴がやる事だ・・・生きてる奴が・・・勝つんだぁぁぁぁぁっ!!」

リインフォースの顔面に力の拳が直撃した瞬間・・・力を失った力の足がリインフォースから外れ真っ逆さまに落下しゴミ捨て場に落ちてしまった。

その光景を見たリインフォースは何かを思いながらも再び舞い上がりなのは達の元へと向かうのだった。

そしてゴミ捨て場に埋もれながら意識を失っている力はまるで精根を使い果たしたかのようだった。

現在

「それで死んだのかお前!?」

「生きてるよ!」

飛鳥の言葉に激怒する力ちゃん。

あの後何やかんやで病院に運ばれ・・・何やかんやで治療を受けて・・・何やかんやで何事も無かったかのように退院したという。

「ずいぶん手を抜いたその後の説明だなぁ」

「まぁまぁ・・・」

飛鳥のツッコミを抑える力ちゃん。

「そういえば・・・その時何故かはやてが大量に輸血してくれたとかしなかったとか・・・」

「ほぉ~」

変な発言する力に納得する飛鳥。すると後ろから花瓶が割れるような音がすると義理堅くヴィータが見舞いに来てくれたらしい。

「あ・・・ヴィータ」

ヴィータは怒りながら力に近づき・・・

「お前・・・出せぇぇぇぇぇ!返せぇぇぇぇぇ!!はやての血ぃぃぃぃぃ!!!」

「んな無茶な!!」

こうして賑やかにその日は終わるのであった。
 
 

 
後書き


「ふぅ~ひどい目にあった~ん?次回は?なに!?宇宙人がダグベースに侵入したって!ダグベースから俺達の弱点を探ろうって腹か・・・ふ!舐めるなよ・・・実はダグベースはな!」

次回!勇者指令ダグオンA’s ダグベース潜入大作戦!最強のメカニック参戦!


「ふはは!ダグベースの恐ろしさを知るがいい!」

 
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