バカとテストと学園都市
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第1話~バカと保健室と身体検査~
新Fクラス教室にて
新しい校舎は文月学園のために新しく建てたらしく汚れひとつなかった
しかし変わった部分というところは見当たらず、前の校舎が綺麗になってそのまま学園都市に運ばれてきたという錯覚を持つほどにそっくりであった
そして新しいFクラスの教室も前と変わらずボロ雑巾にちゃぶ台が置いてあった
朝のHRの予鈴が鳴り、西村先生が教室に入ってきた
西村先生「ここが新校舎だ
召喚獣戦争の変更については午後、学園長から話があるから体育館に集まれ
今からは身体検査してもらうから一階の保健室に行け」
一階保健室にて
保健室に入ると保健医より研究者と言った感じのだるそうな女性が椅子に座ったまま顔だけこっちを向いた
芳川「君たちが2‐Fね
順番に並んで看護師の言うことに従って」
ゾロゾロ
坂本「お、おい、明久
あれは何だ?」
吉井「どうしたの雄二そんなに慌てて
同じ顔のナースが並んでいるだけじゃないか」
坂本「……お前に聞いた俺が悪かった」
吉井「なんで僕をそんな哀れみの目で見るのさ?」
坂本「ホントにお前の頭の中はどうなってんだ…」
吉井「えっ…」
島田「いいかげんにバカにされているってことに気づきなさいよ」
吉井「なんだと!
雄二、よくも馬鹿にしてくれたな」
ミサカ14059号「静かにしてくださいとミサカは軽蔑の目で見ながら注意します」
ミサカ12555号「きちんと並んでくださいとミサカは呆れた顔を見せながら整列を促します」
ミサカ17743号「まぁまぁ所詮は2‐Fですからしょうがないですとミサカはため息混じりに嘆息します」
坂本・吉井「「……………………………」」
吉井「……随分と辛口な三つ子だね」
坂本「いや、よく見ろ明久
三つ子じゃない、同じ顔、しかも体格までまったく同じナースが十人以上もいる」
秀吉「先ほどワシの検査をした人も同じ顔じゃった」
吉井「あれ秀吉、検査は終わったの?」
秀吉「うむ、案外早く終わったのじゃ
ワシはlevel1の肉体変化じゃった」
坂本「いわゆる、姿形を変えられるやつか
演劇部の秀吉にぴったりだな」
ミサカ12555号「坂本雄二さん早くしやがれとミサカは呼びかけてみます」
坂本「おっそうか、もう俺の番か
じゃ行ってくるぜ」
ミシミシ
坂本「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
翔子「………雄二………浮気は許さない」
坂本「なんで来た!?
俺は何もしてないぞ!!!」
翔子「………襲うって言った」
坂本「何!?……いや、俺は〝おっ、そうか〟って言っただけだ!
それよりお前どうしてここにいる!?」
翔子「………私の夫がここにいるから」
坂本「答えになってねぇぞ!
それに俺は夫じゃねぇ!!」
翔子「………えっ?」
坂本「なに驚いてんだ!」
翔子「………私と雄二は生涯ずっと一緒って決ま「行ってくる」
翔子「………雄二ったらせっかちなんだから………」
島田「翔子ちゃん、どうしたの?」
翔子「……先生からみんなとは別に検査を受けなさいって言われたから」
吉井「さすが学年主席の霧島さんだね
雄二にはもったいないよ」
翔子「……雄二は渡さない」
吉井「別に狙ってるつもりはないよっ」
島田「アキ、あんたやっぱり女の子より坂本の方が良いの」
吉井「美波、それは誤解だよ
僕にもちゃんと女の子に興味があるんだから」
姫路「翔子ちゃん、ミサカさんが怒っているから早く戻らないと」
翔子「………ん、わかった」
吉井「あれ、どうして姫路さんとか霧島さんは別に検査してるのかな」
坂本「level5になる可能性のある人は別に呼ばれるらしいぞ」
吉井「なるほど
雄二も早く終わったんだね」
坂本「そんなことはどうでもいい
ちなみにムッツリーニも別だ」
吉井「なんだと!!
姫路さんはとにかくもムッツリーニがlevel5の可能性があるだなんて信じられないよ」
坂本「どれか一科目でも飛び抜けて点数がいいやつはlevel5の可能性があるらしいな」
島田「土屋君の場合は保健体育ね」
坂本「その通りだ
島田、お前はどうだったんだ?」
島田「えっ………ウチはlevel3の発電能力だったわ」
吉井「えっ?ごめん、うまく聞き取れなかったからもう一回言ってくれないかな」
島田「だからlevel3の発電能力って言ってるじゃない」
吉井「やだなぁ、美波にそんな学力があるわけないじゃいだだだだだだだ」
ビキビキ
島田「私だって数学は結構できるのよ」
吉井「そ、そうだったね
美波は数学なら良い点数行ってたもんね」
島田「そういえば、坂本はどうだったのよ?」
坂本「俺か?俺はlevel4の窒素爆槍だった」
吉井「………バカの雄二がlevel4だなんてそんなはずないじゃないか」
ミサカ14325号「いえ、坂本雄二は確かにlevel4の窒素爆槍でしたとミサカは真顔で疑問に答えてみます」
吉井「そんな……ていうかなんで君はここに居るの?」
ミサカ14325号「あなたはバカですねとミサカは確認を取ってみます」
坂本「あはははははははははははっ
初対面にまでバカと言われてるなんて超有名人だな明久」
ミサカ14325号「文月学園学園長から頂いたプロフィールのあなたの写真の隣の名前欄のところには確かにバカと書かれていましたとミサカはミサカネットワークでプロフィールを確認してみます」
吉井「クソババァめ………
あのミサカさん、僕の名前は吉井明久だよ」
ミサカ12555号「あっ、バカさん、早くしやがれとミサカは再び呼びかけます」
吉井「くっ…………」
坂本「明久、諦めろ
ミサカだっけか?
おそらくここにいるミサカ全員がお前のことバカだと思ってるぞ」
ミサカ12555号「いえ違いますとミサカは訂正を求めます」
坂本「あん?どういうことだ?」
ミサカ17745号「ミサカ全員、バカが吉井明久ということを知っています」
坂本「おいおい、それはあまりにもかわいそうだろ」
吉井「雄二………」
坂本「バカが吉井呼ばわりされるなんて可愛そうだ」
吉井「雄二っ!!
全然フォローする気ないだろっ!」
ミサカ17745号「いえ、そういうことではないのですとミサカは説明をします
ミサカはここに居るので全員ではありませんとミサカは補足します」
坂本「なんだと!?ということはここにいるやつを含めて大体50人くらいいるのか?」
ミサカ12555号「全員で二万人いますとミサカは姉妹の多さをアピールしてみます」
坂本「な、なん…………だと………」
ミサカ12555号「そのうち10031号まではとある実験のために殉職しましたとミサカは感傷的になりつつもあの夜を思い出してみます」
坂本「そうか、もうこれ以上は聞かねぇよ」
島田「あのミサカって言う人も色々あったのね」
坂本「おそらくクローンだろうな
この学園都市じゃ外の常識は通用しないと考えたほうがいいみたいだな」
島田「クローンということはオリジナルがいるってことなのね
どんな人なんだろう………」
秀吉「あっ、明久どうだったのじゃ?」
吉井「………………………Level5の」
カカッ
坂本「Fクラス戦闘用意」
サッ
坂本「いいか、明久以外には当たらないようにしろよ」
吉井「ちょっ、冗談だってlevel0だったよ
しかも能力もカケラも見当たらないって言われちゃったよ」
坂本「チッ、そのまま刺されとけばよかったものを」
吉井「雄二、冗談だよね?」
坂本「あぁ、冗談に決まってんだろ」
吉井「……冗談にしては目が笑ってないよ」
坂本「とりあえず全員終わったようだし、教室に戻るか」
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