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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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三章
  新たな恋人×模擬演習

「今、帰った」

「お帰りなさいませ」

久遠に連れられて入るとそこには結菜がいたが、少し様子が違った。いつもは「ただいまー」って言うと普通に出迎えてくれるが、今回は違うようで三つ指をついた結菜の楚々とした姿だった。何というかいつもよりおとなしくてまるで、大和撫子のようになっていた。で、部屋に入り座るとお茶を持ってきた結菜。持ってきた後、結菜は久遠の斜め後ろに座って姿勢を正した。

「良いな、結菜」

「・・・・(コクッ)」

しばらく黙って頷いた結菜は、俺をジッと見ていた。だが、目には何かしらを決めたような強い目であった。

「織田久遠が妻、結菜。本日より一真様の愛妾として御奉公させて頂く事になりました。久遠様共々、お可愛がり下さいますよう、何とぞよろしくお願い致します」

「・・・・・・・・・・・はい?」

何か凄いのが聞こえたような気がする。結菜が俺の恋人になるって事なのか。

「我が妻は、我が恋人であるお前の恋人となった。そう言う事だ」

「それは分かったが、どうして今頃何だ?」

「帰蝶、結菜がな。一真の事を認めていたのは、初めて会ってから認めていたんだ。で、二人と話し合った結果、一真の愛妾になったという事だ」

あー・・・・まあこうなる事は予想していたが、こうも早くなるとは思わなかった。こりゃ奏に報告と一度会わせる必要があるな、そう思い立ち上がって屋敷の外に出た。久遠と結菜はちょいと待ってろと言って部屋に待たせた。俺はケータイを取り出して奏にかけた。今は丁度拠点D×Dにいるそうで、それに優斗もいるそうだからついでに来いと言った。一度トレミーの格納庫に行ってから、空間切断で来させた。そして俺と手を繋いだら再度空間切断で久遠の屋敷の前に来た。

「ここが一真がいる外史なのですね」

「そうだ。そしてここに現在二人の愛妾となった者がいるから、簡単な挨拶だな」

俺達は靴を脱いで久遠がいる部屋に辿り着いた。襖を開けると、こちらを見た久遠と結菜。で、さっきまで座っていたとこに座ると奏は俺の右に座って、優斗は左に座った。

「初めまして、私は一真の妻である織斑奏と申します。こちらは私達の息子である優斗です」

と言って正座してお辞儀をした。そして面をあげたら、なぜか知らんが久遠と結菜は驚愕していた。

「は、初めまして。我は織田三郎信長、通称は久遠だ。久遠と呼んでもらうと助かる」

「私は織田久遠の妻である結菜と申します。気長に結菜とお呼びください」

なぜか知らんが、急に緊張しだしていた久遠と結菜だった。後々理由を聞くと、こんなに美人だとは知らなかったと言っていた。とりあえず少し話した後、俺達はトレミーに戻り奏と優斗を拠点D×Dに戻した。戻す前に俺と奏はキスをした後、やっと出来上がったという婚約指輪をつけた。そして俺はトレミーのブリーフィングルームで呼び出した野郎共と、今からやる模擬演習の事について話した。こちらはアサルトライフルを準備していたが、狙撃銃の距離がどの位かを久遠からのオーダーを聞いた野郎共二十人から五人選んでスナイパーライフルを持たせた。この五人は最大2~3kまで狙撃できる精鋭共だ。とりあえずまだ場所がどの辺りかは分からないので、俺が呼んだら出てくるようにと、格納庫で待機せよと命令をしておいた。で、今は長屋にいるひよ達の所へ向かった。

「ただいまー」

「お帰りなさーい!」

「お帰りなさい、お頭。久遠様の用って、結局何だったんです?」

「んー・・・・そうだな。結菜が俺の新たな恋人なったと言えばいいのかな」

「恋人ですか、すると一真様の妻は誰になるのです?正室は久遠様ですか」

あ、そういえば詩乃は知らなかったな。俺に妻がいる事を説明する余裕がなかったんだった。

「いや、久遠も結菜も愛妾さ。妻はもういるからな」

「するともう既にご結婚されてたという事ですか!?」

「まあそうなるよな。ついでにさっき俺の妻と顔合わせをしてきた」

どんな人何です、っと三人から質問してきたので俺はケータイにて俺・奏・優斗の画像を三人に見せた。「うわー凄い美人さんではありませんかー」とか言ってたが、まあいいとしてケータイをしまってから演習について話をした。詩乃からお引越しするのですかと聞かれたがしないと言った。ここを離れるのは惜しいからな。

「では皆が安心した所で、お昼からの演習についてですが、どのような形で?」

「ああ。俺達は白組で、大将は麦穂。同じ組には雛もいるし、黒鮫隊を出撃許可も出させた」

「雛というのは、滝川殿という認識でよろしいでしょうか?」

「ああそうだ。雛は、甲賀出身だから小部隊での戦闘を得意とするだろう」

「つまり、一真隊と連携が取りやすいって事ですね」

「その通りです。一真隊は、お頭である一真様と足軽を纏めるお二人の性質がにじみ出た、正統派とは言い難い特殊な部隊。ですので赤組の中心である柴田様、佐々殿、前田殿のような、武士として正々堂々力で相手を押し潰すというような戦いには向いていません。対して白組は、攻守共々、良くお働きになる丹羽殿が大将を務め、朋輩には変幻自在な足軽運用が得意な滝川殿がいらっしゃる。それと一真様専用特殊部隊の黒鮫隊もいる」

「和奏と犬子についてはこちらが任された。ちょうど狙撃銃の距離を見せる事ができるからな。あとは母衣衆だけど、そちらは一真隊の足軽と雛の滝川衆で任してもいいと思うし」

「お頭は何か良い案があるという事ですか?」

まあな、と言ってから俺達は一真隊を率いて墨俣近辺に来た。白組の後方には森があるな、あそこに狙撃班を配置させるとしよう。一真隊を詩乃に任せて、俺は森の方向に行った。一応木の上まで、飛んでから確認したがここから赤組の所までバッチリ見える。という事で、黒鮫隊を格納庫から呼んだ。さっきミーティングした通り、五人は俺の念力で木の上まで浮かした。

そして狙撃ポイントまで運ぶ、望遠鏡で見るとそこには壬月達がいた。狙撃班はあそこにいる赤髪のと犬みたいな小さい奴を狙撃しろと指示を出した。弾丸はペイント弾でと言っておいてから、あとの十五人は俺について行くとそこにはちょうど作戦会議をしていた麦穂と雛と詩乃がいた。

「これは一真様・・・・今までどこにいらしたのですか?後ろの者達は」

「こいつらが黒鮫隊の面々だ。俺直属の部隊という事になる。で、作戦だが和奏と犬子は我々で任されよう。俺達の狙撃班が狙撃するから」

「なるほど。赤母衣と黒母衣筆頭を倒した後に、一気に潰すとお考えですか。ですが相手は鬼柴田殿です。簡単に狙い撃ちは出来ないかと」

「大丈夫だ。もし外れたとしても、一真隊と滝川衆を囮にして我々黒鮫隊が横から総攻撃をかける。その間に、全部隊は黒母衣と赤母衣を倒してから本陣へ行く。が、相手は壬月が相手だから無論本陣には柴田衆がいるが、そこを丹羽衆が攻撃をしたと思わせてから狙撃班による狙撃で壬月を倒すと言うのが俺達の作戦だ。何か質問はあるか?」

質問はあるかと聞いたら、麦穂の役目はと聞いてきたので、では壬月の本陣にて壬月と戦い一度後退してから狙撃班による攻撃をするという事になった。あと和奏と犬子が撃たれたら俺が合図すると言った。俺は空から見る。そして上から俺の声の合図で討ち取ったと言えば、相手はどうなるかと言えばだいたい分かるかと。詩乃は戦場の外で見る事になった。矛対盾は見物だと言ってたな。

「ところで一真様はこの演習の後どうされるおつもりで?」

「決まってるだろう。俺が本丸にいる龍興の頸を取る事だ、誰にも思いつかないような策でな」

「あら。結構出世欲がお有りなんでね、一真様は」

「まあな、それに今回の狙撃班だって久遠が見たいって言った程だ。だから今回の演習で黒鮫隊の実力を見せてから美濃を攻略するつもりだよ」

と喋っていたら太鼓の音が鳴った。

「始まりの合図である!皆の衆、部署につけぃ!」

足軽達が返事を出した時には、俺は翼を出して空を飛んだ。望遠鏡を持って左耳には通信機を、黒鮫隊は戦場の横に移動してた。一応金色の結界を張っていて、敵味方には見えないようにしてある。

「おー・・・・両軍激突までもう少しだ、狙撃班は俺の合図と共にさっき言った者を撃て」

『了解、いつでも狙撃できます』

『こちら敵の横にいます。激突まであと少しの模様』

「そちらも俺の合図と共に撃て。味方は一瞬下がってからな」

と言ってから望遠鏡で見たら、お、いたいた。和奏と犬子発見。ちなみに俺は高度三千m辺りにいるから、たぶん大丈夫だろう。で、今は双方ぶつかった。「今だ!」と思い狙撃班に撃てと言った。そして狙撃の音と共に和奏と犬子の脳天と心臓辺りにペイント弾が付着した。撃たれた衝撃が少しあったのか、倒れた和奏と犬子に対して俺は素早く降りて和奏と犬子の所に行き拡声器を持って名乗りを上げた。

「黒鮫隊狙撃班!赤組先鋒、佐々内蔵助成政と前田又左衛門利家を討ち取ったりーーーーーー!」

俺が拡声器で勝ち名乗りを上げたら、戦場に鳴り響く。

「今です!皆の者、押し返せ!」

麦穂の合図により皆は押し返した。一真隊もその中に混じっているが、まあいいとして。和奏と犬子を本陣に持って行った。で、今は敵の勢いを止める事に専念してたが、黒母衣衆と赤母衣衆の筆頭が討たれたため動揺が走ったようだ。その瞬間を見逃さないために赤組を押し返し、押していく白組。開戦早々に、敵将二人を討ち取った白組は押していく中俺は再び空中にいた。望遠鏡を見て戦況を見てた。

お、あそこに黒鮫隊が潜めているな。と思ったら掛かれ柴田、鬼柴田の異名を持つ壬月率いる柴田衆の猛攻を、八陣の法を駆使して、翻弄する麦穂たち丹羽衆。ちなみに八陣の法とは、鶴翼・魚鱗・方円・衡軛・鋒矢・偃月・雁行・長蛇の陣のことを総称して、八陣と呼ぶ。

ここで一度丹羽衆と一真隊と滝川衆が下がったため、残りの黒鮫隊に攻撃命令を出した。姿は透明だったけど、相手は目の前にいるから狙いやすかったと聞く。そして敵部隊を全てペイント弾で撃たれた後、狙撃班による攻撃で終止符を打った。白組は勝ったが負けた赤組はペイント弾で脳天や鎧に付着した塗料だらけになっていた。

「全く・・・・貴様らも少しは警戒しておけと言ったであろう!」

と言った後に壬月は和奏と犬子に拳骨を喰らった。あれは痛そうだ、だけど和奏は反論した。

「でも壬月様!警戒していたとしてもいきなり当たったので、正直どこで撃ってきたのか分かりませんよ」

「そうですよー!」

「ふむ。まあ確かにこいつらの言う通りだが一真様、狙撃班はどこに配置されてたのですかな?」

「白組本陣からもっと後方からの木の上で待機してあった」

と言ったらマジかよーとか言ってた和奏。そりゃそうだろうな。この時代の銃より距離は遥かに違うのだから。

「何と!まあしかし、すぐ討ち取られるのも隙だらけだった訳ですかな。これが殿のご身辺を守り奉る、馬廻りの精鋭の筆頭かと思うと、情けなくて涙が出てくるわ」

「ま、まあまあ。壬月もその辺りで勘弁してあげたら?」

「うむ。そこらで勘弁してやれ」

「しかし、殿!」

「おけぃ。・・・・二人ともこれに懲りたら、少しは兵の動かし方を勉強せよ。いつまでも一騎駆けの武者では、出世はできんぞ?そ、それよりお前らその顔、何とかならんか?正直ふふふははははは!」

久遠はとうとう笑い出してしまった。三人共?になるが、俺が鏡を見せると途端に和奏と犬子は赤くなる。壬月に関してはあまり動揺はしていなかった。あとさっき久遠が言った「おけぃ」とは、織田信長の口癖その2。「捨ておけ」「気にするな」「まあ良いんじゃない?」と意味がたくさんある言葉。

「そういえば白組は中々良い働きであった。麦穂。大義」

「恐れ入りましてございます。・・・・しかし今回のお手柄は私ではなく一真様でございましょう」

「まあそうだな。これで我々の力とやらを見せた訳だ。狙撃距離から近距離での反応に、俺の作戦通りに動いてくれた麦穂達丹羽衆、一真隊、滝川衆の連携があったこそ勝利出来た事だ。それに一真隊についてはひよやころ、それに詩乃の考えによって動けたからだ」

「そうか。それにしても白組本陣より後方から狙い撃つとはな。それと詩乃よ、これからも一真のために今後も力になってくれ」

「御意。久遠様、一真様にはもっと凄い事がありました。空からゆっくりと舞い降りてきたのです。早朝に」

「何?それは本当か。一真、それはどういう事だ?翼がある事は知っているが・・・・」

「まあ説明より見せた方が早いな。と、その前にいつまでもここにいると尾張に帰る頃には夜になるのでは?」

「うむ。それは後で見せてもらう事にしよう。では皆の者、演習大義であった。今後も存分に励め!」

「「「ははーっ!」」」

こうして演習は終わった。今回墨俣の地で演習をやりながら、周辺に草を放ってたようだ。草=スパイな。結局のところ動きは全くなかったそうだが、稲葉山城がある限り安心だと思っているのか?一番は被害を最小限に、抑えての戦にはしたいと思うけどね。主に味方側だけど。

尾張に帰る前に、俺達ブラック・シャーク隊は一真隊とは別れての行動をした。墨俣付近にいた十五名と白組本陣より後方にいた狙撃班と合流してからトレミーに戻った。が、まだやり足りなかったので、じゃあ皆でスカイダイビングするかと言ったら、全員賛成と言ってパラシュートを用意させた。トレミーのカタパルトデッキから降りた二十名+俺は落下しながらも、皆自由なスタイルで落ちていき開く高度になってから開いて着地した。墨俣だったけど、そこは気にしないでおいてからまた空間切断でトレミーに戻った俺ら。俺は一真隊がいる付近に降り立ち、隊の所に戻った。 
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