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久遠の神話

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第七十八話 選挙の結果その四

「どんな鮮やかな勝利でも無様な敗北でもですね」
「そこに華があるのですね」
「絵になるんだよ、何があっても」
 それが阪神だというのだ。
「それが例えスキャンダルでもね」
「あのチームはそうしたチームですか」
「アメリカにも、そして勿論我が中国にもね」
 最近スポーツのプロチームが生まれてきている彼の祖国でもだというのだ。
「そんなチームはないだろうね」
「野球では」
「いや、野球以外のスポーツでもね」 
 阪神の様に何があっても絵になり華があるチームはというのだ。
「あの縦縞のユニフォームには不思議な魔力があるんだよ」
「阪神がお好きなのですね」
「阪神を観ればどんな人間でもね」
 例えそれが極端に反日な一部の中国人でもだというのだ。
「愛さずにはいられないね」
「では私もですね」
「甲子園に行けばね」
 それだけでだというのだ。
「きっと阪神が好きになるよ」
「私はシカゴのチームだけを応援してきましたが」
 野球だけでなくバスケもアメフトもだ、彼は地元のチームを贔屓にしているのだ。それがどんなスポーツでもだ。
「日本のチームでもですね」
「本当に阪神はいいチームだからね」
 例え何があろうともそこに華があるという意味で。
「打線は全然打たないけれどね」
「ピッチャーのチームなのですね」
「大抵一点か二点で抑えてるね」
「しかし打線はですか」
「その一点や二点が取れないんだよ」
 それで負けるというのだ。
「一点差負けが多いチームだね」
「ピッチャーは強いがバッターは弱い」
「そうだよ」
「野球はまずピッチャーですが」
 スペンサーは野球も好きだ、それで言うのだ。
「そのピッチャーがいいことはまずはですね」
「いいことだね」
「はい、しかしですね」
「バッターがよくないんだよ」
 阪神の伝統だ、ダイナマイト打線という名前は実は実現出来ている期間は僅かだ。徒花の様なものなのだ。
「これがね」
「だから一点差負けばかりですか」
「阪神はね」
「それはまた厄介ですね」
「そう、けれどね」
 華はあるというのだ、勝っても負けても。
「あの嫌味な黒とオレンジのチームよりはずっといいね」
「ああ、巨人ですね。実は私はアンチヤンキースでして」
 ニューヨ-クヤンキースのことだ、金で選手をかき集めるやり方が問題とされて批判するファンも多いのである。
「日本にもそうしたチームがあると聞いてがっかりしました」
「日本のスポーツの悪い武文かな」
「どの国にもいい部分と悪い部分があります」
 それは日本も例外でjはないのだ、スポーツにおいても。
「日本もまた然りです」
「そうみたいだね」
「あのチームは野球を冒涜しています」
 ひいてはスポーツをだというのだ。
「ヤンキースと同じです」
「そういえばヤンキースのオーナーは何度か処罰されているよね」
「永久追放になったことも」
 あるのだ、解除されているが。
「あります」
「アメリカのコミッショナーは働いているんだね」
「日本は違いますね」
「全然動いていないみたいだね」
 それこそ社会的に全くの無能力者でも務まる、それがプロ野球のコミッショナーである。 
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