Element Magic Trinity
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連合軍、集結!
解散命令を出されたにも拘らず、裏で暗躍する奴等、闇ギルド。
その闇ギルドの最大勢力、バラム同盟。
その一角である六魔将軍。
メンバーはたった6人ながら、それぞれがかなりの強さを誇る魔導士だ。
地方ギルド定例会は最近動きを見せる六魔将軍を討伐すべく、4つのギルドで連合軍を結成する事にした。
青い天馬
蛇姫の鱗
化猫の宿
妖精の尻尾
そして。
「てゆーか、何でこんな作戦にあたしが参加する事になったのー!?」
連合軍の集合場所に向かう馬車に乗ったルーシィは、頭を抱えて叫んだ。
「オレだってめんどくせーんだ。ぶーぶーゆーな」
「ぶーっ」
「ま、面白そうじゃん?連合組むなんざ滅多にねぇし」
呆れたように言うグレイに対し、アルカはかなりご機嫌だ。
今にもスキップしそうなほどに楽しそうで、漆黒の目がキラキラと輝く。
「マスターの人選だ。私達はその期待に応えるべきじゃないのか?」
「でもバトルならガジルやジュビアとかシュラン、クロス達だっているじゃない」
「4人とも別の仕事入っちゃったからね」
ルーシィの言葉にハッピーが言う。
その足元ではヴィーテルシアが寝そべっていた。
ちなみにティアはというと。
『嫌よ。青い天馬の連中と行動するなんて冗談じゃないわ!』
と、殺気放出中の為、現在もマカロフに説得されている。
ヴィーテルシアは素直について来たのだが。
「てか・・・まだ・・・着かねー・・・の、か・・・」
そしてナツは酔っていた。
「結局いつものメンバーなのよね」
「でもその方がいいんじゃないかな?今日は他のギルドと初めての合同作戦だし」
「まずは1つのギルドの中で連携が取れてる事が大切だもんな」
今回妖精の尻尾から選出されたのは、ナツ、ルーシィ、グレイ、エルザ、ハッピー、ルー、アルカ、ヴィーテルシアの6人と2匹だ。
そしてティアは現在説得中。
「見えてきたよ、集合場所だ」
そんな会話をしている間にも、馬車は集合場所である屋敷に到着した。
「趣味悪いところね」
「ピンクばっかだしハートマークばっかだしな」
「青い天馬、マスターボブの別荘だ」
「あいつか・・・」
「ああ!可愛いって褒めてくれる人か!」
「違う気がするが」
「ま・・・まだ着かねえのか・・・」
「着いてるよナツ・・・」
様々な所にハートをあしらった屋敷にそれぞれ感想を言いながら中へと入る一行。
すると、突然照明が落ち、スポットライトが当たる。
「妖精の尻尾の皆さん。お待ちしておりました」
スポットライトを浴びてくっきりと浮かぶのは3つの影。
「我ら青い天馬より選出されし、トライメンズ」
そう言うと、3人はそれぞれに自己紹介を始めた。
「白夜のヒビキ」
1人目は、明るい茶色の髪の青年。
白夜のヒビキの名を持つ『ヒビキ・レイティス』。
「聖夜のイヴ」
2人目は、金髪の少年。
聖夜のイヴの名を持つ『イヴ・ティルム』。
「空夜のレン」
最後の1人は、黒髪に褐色の肌の青年。
空夜のレンの名を持つ『レン・アカツキ』。
一言でまとめるとイケメン3人組。
そしてティアの嫌いそうな3人組だった。
「か・・・かっこいい・・・!」
「ティアが嫌う理由が一瞬にしてよく解った」
ルーシィは頬を染めて呟き、ヴィーテルシアはぼそっと呟いた。
「しまった!服着るの忘れた!」
「うぷ・・・」
「こっちはダメだぁ」
「むー・・・僕とアルカはダメじゃないよう!」
「そうだそうだーっと」
服を脱いでいた事に慌てるグレイと乗り物酔いから未だに脱出できないナツを見てルーシィは言う。
その後ろでルーは脹れながら反論し、アルカは興味なさげに欠伸した。
「噂に違わぬ美しさ」
「初めまして、妖精女王」
「さあ・・・こちらへ」
自己紹介を終えたトライメンズはホストのようにエルザに声を掛け、背後にドデカいハートの付いたソファへと案内する。
「おしぼりをどうぞ」
「水割りでいいのかな?」
「いや・・・」
突然の事に戸惑いを隠せないエルザ。
「さあ・・・お前も座れよ」
「うわぁ」
「つーかお前、可愛すぎるだろ」
「むっ」
レンに連れて行かれるルーシィ。
それを見たルーは不機嫌そうに眉を上げた。
「何なんだコイツらは・・・」
「見れば解るだろう。バカだ」
「ヴィーテルシア、最近ティアに似て口悪くなってねーか?」
服を着ながら苛立たしげに言うグレイにヴィーテルシアが答え、アルカが首を傾げる。
「今回はよろしく頼む。皆で力を合わせて」
「かわいいっ!」
エルザの言葉をイヴが遮った。
「その表情が素敵だよ。僕・・・ずっと憧れてたんだぁ」
うっとりとした表情にキラキラと輝くオーラ。
エルザは思わず言葉を失い、困ったような驚くような表情を浮かべた。
一方、ルーシィの方はというと。
「!」
スッとレンがルーシィの前にグラスを置く。
「べ・・・別にお前の為に作ったんじゃないからな」
「ツンデレ!」
「ティアとキャラ被ってる!」
まさかのツンデレにルーシィだけでなくルーも驚愕する。
その後ろでヴィーテルシアが「ティアはツンデレじゃない。微ツンデレだ」と的の外れた事を言っているのは余談だ。
「さあ・・・長旅でお疲れでしょう。今夜は僕達と・・・」
「「「フォーエバー♪」」」
「「・・・」」
「ティアが来たくない理由が解ったよ」
「だな。アイツ、こういうのに対して飛び蹴りかまさずにゃいられねーもんな」
ホスト感満載のトライメンズを見て、ルーシィとエルザは困ったように沈黙し、ルーとアルカはティアが頑なに拒む理由を見つけ頷いた。
「君達、その辺にしておきたまえ」
すると、部屋の階段から足音と声が響いてきた。
「な・・・何!?この甘い声!?」
「一夜様」
レンが呟く。
それを聞いたエルザが立ち上がり、階段の方を見つめた。
「一夜?」
「久しぶりだね、エルザさん」
「ま・・・まさか、お前が参加してるとは・・・」
心なしか、エルザの顔色は青い。
その視線の先にいるのは―――――――
「会いたかったよ、マイハニー。あなたの為の一夜でぇす」
4頭身くらいの背丈に白スーツ。
そしてトライメンズとは明らかに真逆の顔をした男、『一夜=ヴァンタレイ=寿』だった。
「!」
「マイハニー!?」
一夜の発言にハッピーとルーシィは驚愕する。
それと同時にエルザの顔が更に青くなり、寒気が走った。
「一夜様の彼女さんでしたか。それは大変失礼を・・・」
「うん、エルザ。人の好みはそれぞれっつーけど、うん。別に悪いとは思わねーぞ?お前の好みがこういうのってんならな、そりゃ少し変わってんなーとは思うけどな」
「全力で否定する」
トライメンズとアルカの歯切れの悪い言葉にエルザがすぐさま否定する。
「片付けろ!遊びに来たんじゃないぞっ!」
「「「ヘイ!アニキ!」」」
「あれ・・・さっき『一夜様』って言ってなかった?」
「一貫してないんだね」
先ほどと違う呼び方にルーシィが首を傾げ、ハッピーが呟く。
「君達の事は聞いてるよ。エルザさんにルーシィさん、その他・・・」
「!」
「オイオイ・・・その他はねーだろ」
女以外はその他で括る一夜にグレイは目を見開き、アルカが呆れるように言った。
その額に血管が浮かびそうだったのは見間違いだと信じたい。
赤い悪魔と呼ばれた男は復活に1歩1歩近づいて来ているようだ。
「むっ」
「!」
すると突然、一夜はルーシィの方に顔を向けた。
くんくんと鼻を鳴らし・・・
「いい香りだ」
10人いたら10人が首を傾げるような謎のポーズと共に、微笑んだ。
「キモいんですけど・・・」
「スマン・・・私もコイツは苦手なんだ。凄い魔導士ではあるんだが」
そんな一夜に対しルーシィは鳥肌を立たせ、エルザは申し訳なさそうに呟く。
すると、そんな天馬達にグレイが声を掛けた。
「青い天馬のクソイケメンども。あまりうちの姫様方にちょっかい出さねーでくれねーか?」
威嚇するように睨みつけ、苛立ちを含んだ声を発するグレイ。
そんなグレイを一夜達は数秒見つめると――――――
「あ、帰っていいよ。男は」
「「「お疲れさまっしたー」」」
「オイオイ!」
まさかの帰っていい発言に目が飛び出そうな勢いで驚くグレイ。
「何言ってんだテメェ等は。オレ達帰ったらこのギルド戦力半減だぞコラ。最強の女がいるからいいモンの、ナツやグレイなしで戦えるとは到底思えねーな」
「こんな色モン寄こしやがって、やる気あんのかよ」
こちらも苛立たしげに言うアルカ。
2人の言葉に、レンとイヴの表情が変わった。
「試してみるか?」
「僕達は強いよ」
そしてそれに反応する奴が1人。
「ケンカか!混ぜてくれー!」
先ほどまで乗り物酔いでダウンしていたナツである。
文字通り一触即発状態の妖精と天馬。
「やめないか、お前達」
見かねたエルザが制止の声を上げるが―――――
「エルザさん、相変わらず素敵な香りだね」
突如背後に一夜が現れ、その背中にぞわっと寒気が走り―――――
「近寄るなっ!」
「メェーン!」
バキ、と音を立て、一夜を殴り飛ばした。
「やっちゃったー」と言いたげな表情をルーシィは浮かべ、ヴィーテルシアはやれやれと首を振る。
そしてそのまま一夜は入り口まで吹き飛び―――――
「こりゃあ随分ご丁寧なあいさつだな」
新たなる来訪者によって頭を鷲掴みにされた。
その姿を見て声を聞いたグレイがそちらに顔を向ける。
「貴様等は、蛇姫の鱗上等か?」
そう言いながら、男は一夜の顔を凍らせる。
その男を見たグレイが声を上げた。
「リオン!?」
「グレイ!?」
右サイドに逆立った水色の髪の青年。
その男の名は『リオン・バスティア』。
ガルナ島にてデリオラを復活させようとした零帝。
ウルの弟子であり、グレイの兄弟子である。
「お前・・・ギルドに入ったのか」
「誰?」
「グレイの兄弟子君だよ」
ナツが呟き、面識のないアルカは首を傾げ、ルーが説明する。
「フン」
「メェーン!」
「!」
すると、リオンはずっと掴んでいた一夜をグレイ達に向かって放った。
いや、放ったというより、投げ捨てたという方が正しいだろう。
「きゃっ」
「イケッ!」
「何しやがる!」
ガコォ、と音を立てて一夜がバウンドする。
「先にやったのはそっちだろ?」
リオンの口角が上がる。
「つーか、うちの大将に何しやがる!」
「ひどいや!」
「男は全員帰ってくれないかな?」
また一夜の呼び方が変わっているが、まぁそれは置いといて。
一触即発にリオンが加わり、更に空気は険悪になる。
「あら・・・女性もいますのよ」
声が響いたと共に、絨毯がもこっと動き出す。
しばらく左右に揺れたと思うと―――――
「人形撃、絨毯人形!」
「あたしィ!?」
「僕もぉっ!?」
頭にリボンを付け、顔の付いた絨毯がルーシィとルーを襲った。
「あれ?人形撃って・・・」
「てか・・・この魔法・・・」
突然人形のように動きだした絨毯。
ルーシィとルーは、その魔法に見覚えがあった。
ついでに言えば、戦った覚えもあった。
「うふふ、私を忘れたとは言わせませんわ」
絨毯の間から笑みを湛えた唇が覗く。
「そして過去の私は忘れてちょうだい」
「どっちよ!」
「私は愛の為に生まれ変わったの」
赤紫色の髪を盛り、淡いピンクの丈の長いワンピースを着た少女。
彼女の名は『シェリー・ブレンディ』。
ガルナ島で戦った零帝一味の1人だ。
「もっと・・・もっと私にあなたの香りを!」
「く・・・くるな!斬るぞ!」
跳ねるようにエルザに向かっていく一夜。
そんな一夜に明らかな怯えを見せるエルザ。
「リオン」
「グレイ」
睨み合うグレイとリオン。
「かかってこいやー!」
「ナツ~、話ややこしくしないでよう」
挑発するナツに困ったように眉を寄せるルー。
「さて・・・どいつをぶっ放しゃいいんだ?」
怒りに似た感情を露わにするトライメンズ。
それに対するようにビキリと額に血管を浮かべて無理矢理笑みをつくるアルカ。
「あなたは愛せない」
「あたしも嫌いよっ!」
余裕たっぷりにシェリーが言い、ルーシィが睨むように叫ぶ。
「・・・面倒な事になってきたな」
紫の目を伏せ、床に寝そべるヴィーテルシア。
妖精の尻尾に青い天馬、蛇姫の鱗。
連合を組むはずの3つのギルドが一触触発の空気となる。
すると―――――――
「やめい!」
声が響いた。
ドン、と床を叩くような音も同時に響く。
「ワシらは連合を組み、六魔将軍を倒すのだ。仲間うちで争ってる場合か」
そう言い放ったのは巨漢。
蛇を思わせる兜を被り、身の丈を超える杖を持つ。
「ジュラさん」
微かに笑みを浮かべてリオンが呟いた瞬間、空気が変わった。
「ジュラ!?」
「こいつがあの・・・」
「ラミアのエース・・・岩鉄のジュラ」
「誰?」
「聖十大魔道の1人だよ!」
蛇姫の鱗の聖十大魔道『ジュラ・ネェキス』の登場に一触即発空気が一気に消え失せる。
と、同時に聴き慣れたソプラノボイスが響いた。
「ジュラさんの言う通りよ。ギャーギャー騒いじゃって・・・バカみたい」
ジュラの後ろ、ジュラが大きい為その姿は隠れていたギルド最強の女問題児。
するりとジュラの横を抜けて姿を現したと同時に屋敷内に走るのは、圧倒的な存在感。
「ティア!」
ぱぁっとヴィーテルシアの表情が明るくなる。
足に擦り寄ってきたヴィーテルシアの頭を軽く撫でると、ティアは顔を上げた。
「じーさん達の説得は成功したのか?」
「仕方ないでしょ・・・ギルドにいた全員に土下座されたら行くしかないもの」
「そ、そこまでしたんだ・・・」
呆れたようにティアが言った、瞬間。
「こちらも噂に違わぬ美しさ」
「初めまして、海の閃光」
「さあ、こちらへ・・・」
トライメンズは動き出していた。
が、相手は海の閃光であると同時に氷の女王である訳で。
「!」
腕を引こうとしたイヴの手を一瞬ではたいた。
そして冷酷な光を宿した、氷のように冷たく宝石の様に煌めく青い瞳を向ける。
「私に気安く触るな。そしてそのホスト面を向けるな。次触れたら本気で蹴る・・・いいわね」
その目は本気だった。
冷酷すぎる眼にヒビキ達はしばらく動きを止め――――
「「「了解しました、姉御!」」」
「姉御ォ!?」
「解ったならいいわ」
「いいの!?」
ティアは姉御になった。
目線を屋敷内全体を見るように彷徨わせ、見つける。
「・・・リオン」
「久しぶりだな、ティア」
「それはガルナ島で聞いた」
苛立ちと不機嫌さを混ぜた様な声色でティアは言葉を紡ぐ。
「アンタがどうしてここにいるのかは知っているから言わなくていい。蛇姫の鱗と聞いた時からいるとは思ってたけど、まさか本当にいるとはね・・・チッ」
「今舌打ちしたな、お前」
「気のせいよ」
明らかに舌打ちしているが。
すると、ルーがゆっくりと口を開く。
「ねー、2人って友達?」
「違う」
即答。
その速さは1秒くらいだろう。
「じゃあ恋び―――」
「・・・」
「―――とじゃねーな。だよな、うん」
恋人、と言いかけたアルカは無言の圧を感じ、慌ててそれを否定する。
ふわりと青い髪を揺らし、ティアは自分より背の高いリオンを上目で見つめた。
「でも、まあいいわ」
「は?」
「アンタがいると気が楽だし・・・言っておくけど、別に好きだとかそんなのじゃないから。勘違いしないでよ」
淡く頬を染めてぷいっとそっぽを向くと、ティアはヴィーテルシアに乗った。
椅子代わりとなっているが、ヴィーテルシアは全く文句を言わない。
「で、僕の質問に答えてよ」
「・・・何だったかしら」
「だーかーらー、2人がどんな関係かって聞いたんだよぉ!」
忘れないでよーっ!と頬を膨らませて怒るルー。
こんな動作が多いから、女と勘違いされるのだろう。
「・・・ただの、幼馴染」
視線を上げず、ティアは言い放つ。
その声は至って冷淡だが、それを知らないナツ達は驚愕する。
「幼馴染!?僕初耳だよ!?」
「俺もだ。何でそんな面白そうな事隠してたんだよティアァーっ!」
「別に隠してた訳じゃないわ。聞かれない事には答えないだけ」
面倒くさそうに顔を背け、ティアは淡々と呟く。
「ジュラ・・・あたしでも聞いた事ある名前だ・・・」
「妖精は7人、ペガサスは4人でしたね。私達は3人で十分ですわ」
「むぅぅ~・・・」
シェリーの嫌味にルーシィは唸る。
「これで3つのギルドが揃った。残るは化猫の宿の連中のみだ」
「確か化猫の宿は2人だと聞いてまぁす」
一夜の言葉に騒然とする連合軍メンバー。
「2人だと!?こんな危ねー作戦に2人よこすってのか!?」
「ちょ・・・ちょっと・・・どんだけヤバい奴が来るのよぉ~」
来るのはたった2人。
相手はバラム同盟の一角を担うギルド。
つまり、そんな少ない人数となればかなりの強者だと想像するだろう。
――――と、誰もが考えた、瞬間。
「きゃあっ」
たったった・・・という足音と共に、小さい悲鳴に似た声が響いた。
「だ、大丈夫?」
「うん・・・平気だよ」
走ってきた藍色の長髪の少女が盛大にコケ、ミントグリーンの髪をサイドアップにした少女が手を差し伸べる。
「あ・・・あの、遅れてごめんなさい」
コケた少女がパンパンと服の埃を払い終えると、2人の少女は自己紹介を始める。
「化猫の宿から来ました、ウェンディです」
「同じく化猫の宿の、ココロ・アーティリアです」
「「よろしくお願いします!」」
声を揃え、2人は同時に頭を下げた。
「子供!?」
「女!?」
来たのが子供だった為、既に集まっていた連合軍メンバーは目を見開いて驚愕する。
「ウェンディ?ココロ?」
その名前に聞き覚えがあるのか、ナツが小さく呟く。
「・・・ウェンディ・・・ココロ」
かつて見た夢で聞こえた名前。
それを思い出し、ティアは細い声で呟いた。
後書き
こんにちは、緋色の空です。
化猫の宿のオリキャラはもう1人いますが、今回は登場しません。
次回出てきます。
それと、楽園の塔編の『赤い大地の激昂』を少し変更します。
その時決まっていなかった設定を変える為、気が向いたら読み返してみてください。
感想・批評、お待ちしてます。
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