真・恋姫†無双 守る為の戦い
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再会そして転移
「た、頼む!命だけ」
最後まで言わせる前に、俺は手の甲に仕込んである暗殺刀で男の首を刺し、殺した
「所詮は雑魚か」
男の首を袋に入れた後闇の中に溶けるように、その場から静かに姿を消した
俺の名前は・・・そうだった。俺には名などなかった。まぁ名無しとでも呼んでくれ
今は暗殺の依頼を受け、任務を完了し裏会社に帰還するところだ
会社に入ると、黒スーツの男が俺に近寄ってきた
「ターゲットは始末出来ましたか?」
「無論だ。これを証拠に持って来た」
首が入った袋を渡すと、スーツの男は中の顔を確認し
「確かにターゲットです。ありがとうございました」
「礼はいい。依頼料を渡してほしいのだが」
そう俺が言うと、男は懐から封筒を出し俺に渡してきた
「約束の依頼料です」
封筒の中身を確認すると、些か量が多い
「金額が多少多いな。何故だ?」
「約束の規定時間より早くかたがついたので、そのお礼もあります。それでは私はこれで」
男はそう言い一礼すると、早足で出て行った
俺も特にやることがなかったので、銀行に金を預金し山奥にある家代わりの小屋に向かった
小屋に戻った後は、特に何もすることがなかった為寝ていたのだが
「・・・強い氣が近付いてくる。これはかなりの手練れだな」
フードを被り、何時も被っている鬼のお面も被り、刀を差し俺は小屋の外に出た
小屋の扉の近くに座り、再び氣を探ってみる
「ポジションに着いたのか?」
ターゲットの氣は、一定の距離まで近付くと停止し、それ以上は動かなくなった
「遠距離から、俺を仕留める気のようだな」
その場に座り、静かに相手の出方を伺う。しかし数分経ってもやはり中々動かない
「中々動かんな。しかし雑魚ならいざ知らず、手練れ相手に自分から仕掛ける訳にもいかん」
まだ暫く様子見をしてみる。数十分経っても、動かなかったらクナイでも投げてみるか
しかしクナイを持とうとした瞬間
「!」
俺の直ぐ真横を、銃弾が通過した
「相手は銃か。殺り難いな」
そう言った直後、また銃弾が俺に向かって飛んできた
「遠距離からの射撃など!」
抜刀し銃弾を全て斬り裂いたが、まだ銃弾は俺に向かって飛んでくる
「面倒だな。しかし、情報がない以上接近するわけには」
銃弾は止むことなく、俺に向かって飛んでくる。しかし
「何だ。銃撃が止んだ?」
突如銃撃が止み。また静かになった
「氣の気配・・・は!?」
氣を察知しようとした瞬間、目の前に銃口が迫っていた
「終わりだな」
「そうかな?」
容赦なく目の前で引き金が引かれたが、瞬時に反応し銃口を蹴り上げ逸らした
「失敗かよ」
男は距離を取るとそうぼやく。そして男の顔が見えた
「お前は!」
この男は確か、いつかの軍人
「久しぶりだな名無し」
「斉藤知也か。あぁ何年ぶりだ?」
目の前の男は斉藤知也。以前戦争で殺り合った男だ
相変わらず、軍人の迷彩服に帽子を着用しているようだ
そして両手にはマグナムと、背中にスナイパー。変わっていないな
「何も変わってないみたいだな」
「そういうお前は変わったな。前のような機械じみた感じがしないが?」
機械じみた感じがしないか。俺にはよく分からんな
「さぁな。・・・俺に何用だ?今更決着をつけに来たわけではあるまい」
以前殺り合ったのだが、俺の部隊が知也の部隊に敗北した為、勝敗は決っする前に俺達は戦場を離脱した
その為、まだ勝敗がついていないのだ
「まさか、仕事の依頼でお前に用があってね」
「依頼。わざわざ俺を殺す為にか?」
「それはどうかな!」
「ちぃ!」
そう言うと、至近距離で知也は引金を引き俺を狙う
俺も刀を抜き銃弾を斬るが、いかせん距離が近い
距離を縮めようにも、知也もそれを読み接近させまいと引金を引く
「しょうがない。鉄塊!」
「斬らずに向かって来るとは、血迷ったか名無し!」
知也は容赦なく引金を引くが
「何!?」
しかし銃弾は、俺の身体に直撃したのだが弾かれ地面に落ちた
「弾かれた!?それに鉄塊?」
「考えてる暇があるのか?」
「く!」
知也に刀を振るったが、右手のマグナムに弾かれ再度距離を取られた
「お前漫画の技まで会得してるのか?」
「会得?それは違う」
何故か小屋には、漫画がたくさん置いてあったりした為、読みながら見よう見真似で鍛錬したら出来てしまった
「実際は真似てるだけだが。剃!」
「速いんだよ!」
目の前に一瞬で移動し、刀を振るが両手のマグナムをこうささせ防ぐ
そのままどちらも退かず、暫く鍔迫り合いになる
しかしパワーが同じくらいな為、どちらも押し通すことが出来ない
「大人しく殺されろ」
「んなこと出来るか!」
「ち!」
刀で弾きお互い距離を取るが、・・・?何だ小屋の中からまた一つ氣が!
「死ね!」「!」
突然白い何かが接近して来て、俺に蹴りを見舞ってきた。当然反応し刀で防ぐが、同時に知也にも小刀が飛んでいたが直ぐに弾いていた
「ち!仕留め損なったか」
距離を取ると、同時に白い奴の顔が見えた
「お前は・・・左慈!」
「久しぶりだな剛・・・いや名無し。そして狙撃手」
目の前に現れたのは、白い装束を着たかつての仲間だった男左慈
「お前何のつもりだ?依頼者が俺を殺そうとする何てよ」
マグナムを左慈に向け、知也が尋ねる。まさかコイツが依頼者なのか!?
「決まっているだろ。隠蔽の為だ!」
左慈は俺達に再度向かってくる。知也はマグナムの引金を引くが、弾は全て拳で弾かれている
「俺を忘れるなよ」
「ハハハ、今の俺をあの頃の俺だと思うな!」
「何!?」
抜刀したが左手の拳で簡単に防がれ、即座に右手の正拳が俺に迫るが
「こっちも忘れるなよ!」
マグナムをしまった知也が、背後から拳を向け迫る
「嘗めるな!」
「「何!」」
左慈の身体から、衝撃派のようなものが放たれ、俺と知也は左右に吹き飛ばされた
「氣の力が、前より遥かに上がっている」
「まさかこんなに強いとはな」
立ち上がり左慈を睨むが、不意に左慈の右袖から何かが落ちた
「おっと危ねぇ」
左慈はそれを落ちる前に慌てて拾った。あれは、小屋にあった古い鏡?
「さて、これ以上の長居は無用だな」
「逃がさん。知也手を出すな!コイツは俺が殺る!」
「分かった。確実に仕留めろよ」
刀を手に置き抜刀の構えにはいる。逃がすわけにはいかん!
「この感じは!しかし今のお前のスピードなどに俺は捉えられん!」
その瞬間左慈は、目の前から消えた。否凄まじい速さで撤退したしかし
「無駄だ!」
地面を思いっきり蹴り追う。スピードでは、俺のほうが僅かに上姿を捉えた瞬間
「天翔龍閃!」
左足でもう一度全力で踏み込み、抜刀し
「何!馬鹿がぁぁぁ!」
飛天御剣流奥義、超神速の抜刀術が左慈を捉え、上空に炸裂し吹き飛ばし
「終わりだ」
そのまま地面に叩き付け抑え込み、暗殺刀を左慈に向ける
「フ」
「死ぬのがそんなに面白いか?」
暗殺刀を向けていても、左慈は何故か笑っている
「当たり前だ。お前は取り返しのつかないことをしたんだからな!」
「何を言って?」
不意に何かが背後で割れる音がした。今の音は?
「名無し大丈夫か?」
知也が後を追ってきたようだ
「問題ない。後はコイツを殺すだけ」
「残念だが時間切れだ」
左慈がそう言った瞬間、地面が揺れた
「何だ!?」
後ろを見ると、鏡が割れた地点から眩い光が俺達に迫っていた
「何かは知らんが、・・・何だ?身体が」
左慈の首に、暗殺刀を刺そうとするが身体が動かない
「ハハハ、お前達はもう逃げられない。己のやらかしたことを精々後悔しろ!」
「待て!それはどういう意味だ!?」
俺からの拘束を逃れると、左慈は立ち上がり姿を消した
「名無し、何が起きるんだ?」
「分からん。俺にも何が起きるのかが」
数秒後、俺達を光が包み込む
「おや?予想外のお客さんだね。しかし・・・ふぅーん、君こんな所にいたんだ」
誰かの声が聞こえる。しかし目を開けているのに何も見えない
「君達二人はカウンターになりえる。二人の望む力を授けておくよ」
望む力?
「じゃあ頑張って。出来る限り僕も支援するから。特に君には頑張ってもらわないとね」
その言葉を最後に俺は意識を失った
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