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とある蛇の世界録

作者:arice
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第六話


 駒王学園の校庭。
 オカルト研究部の面々と、教会から派遣されたゼノヴィアはコカビエルを前にしていた。その中に朧の姿はなかった。校庭の中心には神々しい輝きを放つ剣が浮いており、その下には異様な紋章が描かれていた。その紋章の中心にはハルパー・ガリレイが佇んでいた。
「あなたッ!! 何をしているのッ!?」
「ここで、エクスカリバーを一つにするのだよ:
 さぞ当たり前のように笑うハルパー。すると、そこに一つの声が聞こえてきた。
「ハルパー、あとどれくらいの時間がかかるんだ?」
 空から聞こえてきた声。それはコカビエルのものだった。
「五分もかからんよ、コカビエル」
「そうか、そのまま続けてろ」
 それに頷いて、ハルパーはエクスカリバーの統合を続ける。それを一瞥し、コカビエルは一誠たちの方に向き直った。
「サーゼクスはこないのか? それともセラフォールか?」
「お兄様やセラフォール様のかわりに私たちが――ッ!?」
 コカビエルが光の槍を投擲する。すると、その方向にあった体育館が崩壊した。その圧倒的な威力に息を呑む。
「ふん、つまらんな。まぁ、余興としては十分か?」
 そう言い、手を無造作に振るう。すると、校庭に新たな紋章が現れ、そこから三頭の犬のようなものが出てきた。
「け、ケルベロスっ!」
 忌々しげに叫ぶリアス。三つの首を持つ、地獄の番犬だった。
「地獄に住まう存在を人間界に持ち込むなんてッ……」
 全員が臨戦態勢になる。
「イッセーっ! あなたはサポートにまわりなさいッ! 倍加した力を誰かに譲渡するのッ! いいわねッ!?」
「はいッ! わかりましたッ!」
 そう応え、赤龍帝の篭手を出現させる一誠。その後ろにはアーシア。アーシアの隣にはヤトが控えている。ヤトは今回、アーシアの護りに専念すると言った。それは自分の意思でもあったが、どちらかと言えば、それは朧の考えという点が大きかった。
「くらいなさいッ!」
 はじめにリアスが、滅びの魔力で攻撃を仕掛ける。それから全員も、それに習う。
「隙あり、ですッ」
 小猫の一撃が、一体のケルベロスをほふる。そこに一誠の声が掛かる。
「部長ッ! 溜まりましたッ! これが限界ですッ!」
「それでけあれば……いけるわよね? 朱乃」
 それに頷きあい、一誠の方に触れる。
「赤龍帝の篭手ッ!」
『Transfer』
 一誠の力が、二人の流れ込んでくる。
「天雷よッ! 鳴り響けッ!」
 強力な雷を察知したか、ケルベロスが逃げ出そうとする。が、
「逃がさないよッ」
 そこに無数の剣が現れ、ケルベロスの足止めをする。木場だ。そのまま、朱乃の放った攻撃がケルベロスが霧散して消える。
「くらえッ!」
 リアスの攻撃がコカビエルを襲う。しかしコカビエルはそれを握りつぶし、平然と立ち続けていた。
「ふむ、なるほどな。赤龍帝の力があればここまで強くなれるか、面白い。そこの女もバラキエルの力が使えるとはな」
 それに目を見開き、朱乃は激昂する。
「――ッ! 私をあいつと一緒にするなッ!」
 朱乃の起こした雷を、全て翼でなぎ払った。
 ――これが聖書の堕天使。控えめに見ても、勝ち目が見つからない。だが、それでも諦めるわけにはいかない。魔王たちが来る一時間だけでも戦わなければいけないのだから。
「……………………完成だッ!」
 そこにハルパーの声が響き渡る。
「エクスカリバーが一つになる」

 神々しい光と共に、四つの聖剣が重なり合い一つとなった。

「エクスカリバーが一つになったことで、下の術式も完成した。あと二十分もしないうちに、この町は崩壊するだろう。解除したければコカビエルを倒すしかない」
 そのハルパーの台詞に、息を飲のむ。

 タイムリミットは二十分。戦いが再開した。 
 

 
後書き
ほとんどコカビエルとの戦いで終わりました.

あらためて考えると、イリナが一度もしゃべっていない……

ま、まぁほっとこうかな…………? 
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