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久遠の神話

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第七十五話 避けられぬ戦いその七

 工藤の右に座った、智子はその彼を工藤の向こうの席に見てそのうえで微笑んで問うた。
「私の隣には来ないのですか?」
「何か女の人の隣は」
 苦手だとだ、高橋は苦笑いの顔で答えた。
「それで」
「そうですか」
「このままでは話がしにくいな」
 工藤は二人のやり取りを間に入って聞いて述べた。
「四人用の席に行くか」
「そうしますか」
「そうするか」
「はい、では」
 智子は工藤の提案に頷いた、高橋もそれに従う。そのうえで三人は四人用の席に移った。智子の向こうに二人並んでお好み焼き屋のテーブル、鉄板のあるそれを挟んで座ってそのうえでだった。
 智子は焼きそばを食べながら注文したお好み焼きを焼く二人に言った、既に話は工藤から聞いた。 
 それでだ、こう言ったのだった。
「ではまずは」
「ああ、大尉さんは選挙次第だ」
「王さんはお金があればね」
 それでだとだ、二人で答える。
「それで戦いから降りる」
「そうなりますよ」
「その通りですね、実は私も」
「そう考えていたか」
「既に」
「はい、そうでした」
 こう二人にまた答えた。皿の上にある焼きそば、ソースの濃厚な味がしキャベツや烏賊、ソーセージが具としてあるそれを食べながら。
 その味を楽しみながらだ、二人に言ったのである。
「選挙はそのままでいいとしまして」
「王さんだな、問題は」
「あの人をどうするかですね」
「はい、そうです」
 その通りだというのだ。
「それでその考えは」
「怪物を出すか」
「そう考えています」
「成程な、流石は智恵の女神だな」
 工藤は智子の知力に感謝した、自分と同じ考えなら話は早かった。
 それでだ、焼いたお好み焼きの上にソースとマヨネーズをたっぷりとかけ青海苔と鰹節、それと紅生姜をかけてだった。
 へらで切って箸で口の中に入れた後でだ、こう言ったのである。
「ちゃんとやり方を考えているんだな」
「勿論私だけでは無理です」
 智恵を出す、それだけで話は終わらないというのだ。
「後はです」
「怪物を出してか」
「それはアルテミスの力です、そして」
「さらにだな」
「その怪物に富を込めることは」
「あの娘だな」
 工藤はそれが誰かもわかった。
「転校生として来た」
「はい、ペルセポネーです」
 豊香だった、ここで名前が挙げられたのは。
「あの娘もいますので」
「三人いるからこそか」
「何とかなります」
 剣士を戦いから降りることを進められやがては戦いをだというのだ。
「そうなっていますので」
「成程な」
「それではです」
 ここでまた言う智子だった。
「まずは彼を」
「王さんをか」
「あの方に戦いから降りてもらいます」
「それがいいですね」
 高橋も工藤と同じ様にお好み焼きにソースやマヨネーズをつけている、 
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