ドラゴンボールIF
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若者は幸せだった過去を振り返る そして彼は己のパートナーと永遠の絆で結ばれた
前書き
ここから先は涙脆い私は書いていて
涙が止まりませんでした
遂に訪れた運命の日 全てが終わり全てが
始まるこの日南の都に一人の老人が向かって
いた
老人は窓の外の雲を眺めながら感慨深げに呟く
その表情と口調には隠し切れない程の
歓喜が浮かんでいた
レッド「もう直ぐ南の都じゃな・・ふふ
漸く会えるんじゃなあの子達に・・・
思えばこれ迄に多くのものを失ったが
これでやっと家族が揃うんじゃな」
儂は今南の都へ向かう飛行機に乗っている
目的は今日30年の眠りから目覚める二人の
孫達に会う為に
そして家族五人でピクニックに行く為に
しかも儂が行く事はゲロや孫達には内緒に
なっている
全てはサムが段取りを整えてくれたのじゃ
今日は楽しい日になるじゃろう
家族五人の思い出になる日になるじゃろう
レッド「ふふ・・違うな プーアル君も
入れれば六人じゃな」
のぅ見ておるか村の皆よお前達が守ってくれた
未来の希望じゃ お前達の分迄幸せに
なるからな
・・もう間も無く飛行機は南の都に
到着する・・
・・そして家族六人の一生の思い出に
なる幸せな一日が始まる・・
・・そう・・
・・幸せな一日になる筈だった・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
僕達を呼ぶ声が聞こえる 私達を呼ぶ声が
聞こえる
優しさに溢れたとても懐かしい声だ
声を聞くだけで幸せな気持ちにさせてくれる
懐かしい声
僕達はその声に導かれるようにそっと
眼を開けた 私達はその声に包まれるように
静かに目を開いた
ゲロ「起きなさい二人共」
「ぅうぅん・・・・ここは?」
「・・・私達は」
ヤムチャ「目が覚めたかい二人共」
「あぁ!? もしかして もしか
して!!」
「お爺ちゃんと お兄ちゃん!?」
ゲロ「あぁそうじゃよ お前達の家族じゃ」
ヤムチャ「二人共 お帰り」
「お爺ちゃん!! お兄ちゃん!!
ずっと会いたかった!!」
「これからはずっと一緒だよね
ずっと一緒にいられるんだよね」
「「あぁ ずっと一緒だよ」」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・その日世界中の人々は・・
此所は世界の中心にある世界を治める
世界の代表たる国王が居るキングキャッスル
そこに住む国王は高い役職に有りがちな
傲慢さはなく部下からも市民からも好かれる
良き人格者である
そんな彼は笑顔が似合いとても人柄の良い
皆が憧れる国王であった
そんな彼は今日も国王としての業務に
勤しんでいた そんな中で彼は今までの
記憶を遡る
国王「・・ふう・・儂も随分歳をとった
もんじゃ その間に何度も地球の危機が
訪れたが あの若者・・孫悟空君じゃったか
彼が何度も地球を救ってくれたんじゃな」
ピッコロ大魔王 サイヤ人 三年前四年前
じゃったか 儂の所に今までの事を謝罪しに
来てくれたピッコロ君とベジータ君
儂から見れば彼等はまだまだ若い これから
何度でもやり直せる 彼等はきっと将来
この地球をしょって立つ素晴らしい人物に
なるじゃろう
そんな事を考えながら再び仕事に戻ろうとする
国王であったが
「兄さんおじいちゃん やっぱり
恥ずかしいよ そうだよこんな事恥ずか
しいよ 何を恥ずかしがっておるんじゃ
せっかくのめでたい日じゃぞそんな事
気にするで無い そうさ今日はお前達の
誕生日なんだ 世界中の人達に祝って
もらわなきゃ うん・・それじゃあ
エトやろうか ちょっと恥ずかしいけど
やろうかセン」
国王「うん?・・なんじゃ今の声は?」
・・笑顔と微笑みに包まれた・・
突然目の前の備え付けのテレビから可笑しな
声が聞こえてきた事に訝しむ国王だが
次の瞬間突然テレビがつき一人のおじいさんと
三十歳位の若者と十六歳十七歳位と思われる
男の子と女の子が現れた
パチン
「皆さん初めまして 突然の事で
驚かせてすみません僕の名前はセンです
そして隣が双子の妹のエトです エトです
突然ですが宜しくお願いします そして
後に居るのがサムお兄ちゃんとゲロおじい
ちゃんです」
国王「ふほほ・・・おや?・・あの若者は確か」
恥ずかしそうにしながらも何処か嬉しそうに
話す二人に国王は無礼さを感じるよりも
何故か微笑ましく見ていた
そして二人の後ろで二人を見守っている片方に
国王は見覚えがあった
確か何度も世界を救ってくれた孫悟空君の
仲間の一人だった筈だ
それならばこれは悪戯等ではなく何か
理由がある事だと国王は理解した
隊長「ふふ 何者かと思いましたが要らぬ
世話でしたね」
国王「うむ・・それに 見ているだけで
微笑ましくなる家族じゃ」
心配して駆けつけてくれた部下に儂は
心配しない様に言いつけた 微笑ましい会話は
尚も続く
「突然の非礼本当に申し訳ない
今回この様な事をしたのは実はこの二人は
つい先日大凡三十年振りに目覚めたばかり
なのじゃ 北の都に程近い俺達の故郷は
三十年前の満月の夜に怪物に襲われて
壊滅しました 俺は記憶を失ってヤムチャと
名乗り家族の事も忘れて生活していました
そして儂は瀕死の重傷だった二人の孫を
人造人間として蘇らせたのじゃ」
国王「何と!?」
隊長「満月の夜・・っ!?」
その言葉に儂は戦慄した その後の話を聞くと
今日は三十年振りに家族が揃い その思い出を
残したくて今回の事を計画したらしい
そして満月の夜の怪物と聞いて儂は思い当たる
事があった
国王「正か・・・そんな事が・・確か
20年程前迄そのような事件が頻発しておったが
何か関連性があるのかね?」
儂は側に居た部下に確認するが長年儂に
仕えてきた部下の顔色は真っ青だった
部下は信じられない様な表情で恐る恐る
口を開く
隊長「何て事だ・・国王様・・もう十年以上
前になりますが天下一武道会で優勝者の
武天老師殿が月を消し飛ばした事件が
ありましたね」
国王「うむ・・儂は生憎忙しくて話に
聞いているだけだが覚えておるよ・・・
それが一体どうしたんじゃ」
儂の言葉に部下が感情を堪えるように
震える声で話を続ける
隊長「くっ・・はい・・当時私は警備員として
其所に居たのですが実はその時の対戦相手が
孫悟空君でした」
国王「ほう師弟対決かね それは凄い
じゃないか」
儂は素直に賞賛するが続く言葉でそんな考えは
吹っ飛んでしまった
隊長「・・その日は昼間だったのに満月が
綺麗な日でした・・・そして・・孫悟空君は
満月を見て変身したんです・・恐ろしい
巨大な大猿に」
国王「なっ!?・・・・・君は何を言っとる
のかね?」
儂はその言葉を理解していながらも理解したく
無かった 儂は震える身体を必死に抑え込んで
いるので精一杯じゃった
そんな筈が無いと思いたかった 何故ならば
もしそれが真実なら三十年程前から十年程
に渡って頻繁に起こっていた行方不明事件は
その真実は・・儂は有りえない希望に
すがり付きながらもう一度確認する
国王「そんな事信じられると思うかね
・・・・・もう一度聞くが君は何を言って
おるのかね」
しかしその希望も虚しく部下は悲しげな表情で
真実を語った
隊長「国王様・・・お辛いでしょうが
全て真実です・・国王様もご存知の筈です
・・孫悟空君には尻尾が生えていた事を」
国王「ふぅ・・・何と言う事じゃ・・
それではあの若者はまるで善悪の区別が
つかない精神異常者では無いか」
隊長「・・・お心中お察しします国王様」
部下の言葉も耳に入らず儂は項垂れていたが
それでも国王として自分のやるべき事を
思い出した儂は行動を起こす
国王「・・直ちに全世界に通報したまえ
只今を持って孫悟空を重要参考人として
身柄を確保するのじゃ それと同時に
彼の家族を危険が無い様に安全な所へ
避難させるのじゃ・・君には迷惑を掛けるが
孫悟空は並大抵の強さでは無い頼んだぞ」
隊長「サー!! イエッサー!! 国王様の
名にかけて!! 世界の平和を守る国王様の
部下の名に掛けてお任せ下さい!!」
そう声高々に叫ぶと国王軍隊長は素早く
部屋を後にした
それを見送りながら国王は画面に視線を移す
「後もう一つ これはゲロじいさんにも
内緒だったんだけどさ むぅ・・何じゃ?
どうぞケロンじいさん入ってくれ!!
久しぶりじゃなゲロ そして初めまして
じゃな儂の可愛い孫達や 何と!!
レッド来ておったのか!? 貴方が
ケロンお爺ちゃん? 会いたかったです!!
兄さんとおじいちゃんから話は聞いて
います 私も会えて嬉しいですケロン
おじいちゃん!! そうかそうか儂も会えて
嬉しいぞ!! そうさ俺達は家族だ
皆で幸せになろう」
画面の中にはありふれた幸せな光景があった
しかしそれは絶対に失わせてはならない
大切なかけがえの無い幸せだった
それこそが未来を創る希望と平和だった
国王「守ってやらなければならんな絶対に
それが国王としての・・いいや 同じ
人間としての務めじゃ」
・・その日それを見ていた世界中の人々は・・
・・幸せに包まれた・・
それは本当に誰もが羨むような幸せな光景だった
・・この日その映像を見ていた世界中の
人々は・・
キングキャッスルに住む世界の国王は
目の前の映像を まるで自分もそこに居る
ような優しい気持ちで見ていた
国王「ほほほ 本当に優しさ溢れる元気な
子供達じゃ 見ていれば分かる彼等は今
とっても幸せなんじゃろうな」
画面の中では 初めて外に出るのが本当に
楽しいのだろう見る物全てに笑顔で驚いている
二人が居た
そしてそれを傍で見ている二人のおじいちゃん
とお兄さんはとても優しさ溢れる誰もが憧れ
羨ましがるような笑顔で二人を見守っていた
「ねぇ兄さんおじいちゃん 花が
とっても綺麗だよ あぁそうじゃろう
これは世界中の皆が守りたいと思ってくれて
おるからなんじゃよ ねぇそれじゃあ
世界中にはもっと綺麗なお花が沢山あるの?
あぁ勿論じゃとも 花って言うのはね
皆の心の表れなんだ だから花がこんなに
綺麗なのは世界中の皆の心が優しいから
なんだよ そしてその皆の優しい心を
守ってくれておるのが世界の中心に居る
国王様なんじゃよ ねぇねぇそれじゃあさ
今度沢山のお花を持って国王様にお礼に
行かなきゃね!! ねぇ兄さんおじいちゃん
国王様喜んでくれるかな!! ああ勿論さ
きっと喜んでくれるよ そうじゃのう
なら今度家族皆で会いに行こう うむ
きっと行こう きっとじゃ」
国王「ふほほ そうかそうかありがとうよ
喜んで受け取らせて貰うよ」
・・優しさと思いやりに包まれた・・
その言葉を聞いて国王は思わず涙が出てくる程
嬉しくなった
そして改めて思ったのだ 自分のしてきた事は
間違いでは無かったと
今まで苦しい事や辛い事も沢山あった
誰にも理解され無い事も数え切れない位あった
しかしそんな自分の事をこんなにも想い
愛してくれる者が居た
それが堪らなく嬉しかった 自分のしてきた事
は決して無駄では無かったのだ
国王「そうじゃ・・・そうじゃとも
絶対に無駄にしてはならんのじゃ未来ある命を
絶対に失わせてはならんのじゃ」
今国王の手元には部下が集めた資料があった
そこには嘗てレッドリボン軍に在籍していた
経験者が集めてくれた貴重な事が記されていた
それは驚きの連続だった 世界の救世主だと
思っていた人物こそが真に世界を混乱に
陥れた元凶だった事
幼い頃から十になるまで 世界中の人々を
殺していた事 その本性が何時か必ず
目醒めるであろう事
そして軍事国家レッドリボン軍の真の目的も
理解した
画面の中の幸せな家族達の生まれ故郷の惨劇と
その後の道筋 今までおぼろげで形を成して
いなかった物が漸く一つに繋がった
それはまるでバラバラだったパズルのピースが
完成する様な感覚だった
国王は急いで電話を取ると軍部へと繋ぐ
国王「私だ先程の命令は撤回する 孫悟空は
確保が難しいようなら射殺も許可する市民の
安全が第一だ孫悟空の確保は優先ではない
抵抗するようなら躊躇わず射殺したまえ」
悔しそうな悲しげな表情で国王はそう告げた
そして改めて画面の中へと視線を送る
皆が笑顔だった 其所には誰もが羨むような
掛け替えの無い幸せな風景があった
今画面では公園についた皆を待っていた
お兄さんのペットらしき小動物が双子の二人に
可愛いがられていた
・・それは本当に幸せな光景だった・・
そしてその映像は南の都に向かっていた彼等も
孫悟空の家族を保護する為に 大型飛空挺を
飛ばしていた軍部関係者達も確認していた
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
部下「隊長間も無く孫悟空の実家に到着します」
隊長「よし各自戦闘配備に着け 良いか
先ずは孫悟空の家族の保護が最優先だ
それを忘れるな」
部下「了解しました!!」
部下「ん?・・あれは?」
その時画面を見ていたオペレーターが
何かを発見したようだ
部下「隊長地上に孫悟空の家族を発見しました
間違いありません 牛魔王 チチ 孫悟飯の
三人だけです 孫悟空はどうやら居ない
ようです」
隊長「何!?・・どう言う事だ もしや
逃げてきたのか・・なら孫悟空は一体
何処へ行った」
悩む隊長であったが それは一瞬だった
彼は直ぐ様部下に指示を出す
隊長「兎に角三人を保護する 詳しい話は
それからだ」
部下「了解です隊長」
・・そして 大型飛空挺は地上に
降りて行く・・
・・その光景は 地上のチチ達三人も
確認していた・・
孫悟飯「お母さん 空から大きい船が
降りてくるよ」
チチ「あれは・・・国王軍の大型飛空挺だべ」
牛魔王「あぁ間違いねぇだ・・どうやら
儂等に用みてぇだな」
チチ「国王軍がオラ達に何の用だべ?」
孫悟飯「ぅうぅん・・もしかしてお父さんの
事かな?」
突然の国王軍の襲来に驚く三人だが
そんな三人を他所に地上に降りた大型飛空挺
から意志の強そうな一人の軍人が降りてきて
三人に話し掛けてきた
隊長「突然驚かせて済まない 我々は
国王様の命令で君達を保護しに来た
孫悟空の家族だね・・・無事で何よりだが
・・孫悟空は居ないのか? 君達には
辛いかも知れんが 孫悟空は危険だ
直ぐに確保しなければならない」
孫悟飯「そうだったんですか お父さんを
・・・でもお父さんは今ここには居ないんです」
隊長「今は居ない?・・・では何処に?」
疑問な表情をして聞き返す隊長にチチは
一瞬躊躇ったが直ぐに言葉を返した
チチ「悟空さは今ピッコロと一緒に南の都に
向かっただ」
隊長「何だって!?・・・今何と言った
のかね?・・・南の都と言ったのか?・・
まさか・・・まさかそんな・・・そんな事が」
牛魔王「ん?・・・・何かあるだべか?
・・兎に角儂等の知ってる全てを話すだ」
自分達の言葉に突然驚き黙ってしまった隊長を
訝しげに見つめていたが 軈て牛魔王は
己の知る全てを話し始めた
・・そして彼等国王軍は三人から
驚愕の事実を聞くのであった・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
武天老師「ふほほ 良かったのうヤムチャ
分かるぞいお主が今とっても幸せなのが」
久し振りに見る武天老師の笑顔だった
武天老師の表情は大切な宝物を見つけたように
笑顔に満ち溢れていた
幼い頃両親を殺され残された家族とも
離れ離れになり挙げ句には記憶すら失って
その果てには砂漠の盗賊にまで身を落とし
生きてきた若者
その若者が今漸く幸せを手にする事が
出来たのだ
武天老師「もうお主は戦う必要はない
その手を血に染める必要もない」
彼にはこれから沢山の幸せが待っているのだ
武天老師「壊させはせん・・その幸せを
壊させはせんよ」
決意を新たに武天老師は飛空艇を飛ばす
・・もう間も無く南の都が見える・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
ベジータの横を飛空艇で飛んでいたブルマが
画面を見ながら我が事の様に表情を綻ばせる
ブルマ「よかったね・・本当に良かった
今幸せなんだねヤムチャ」
ブルマの言葉に武空術で横を飛んでいた
ベジータも優しく頷く
ベジータ「家族を持つと人は弱くなる
・・だがそれ以上に心は強くなる そして
それはどんな絶望にも負けない強い意志となり
その意志は子へと受け継がれて行く」
ブルマ「そうね・・そうよね・・・だから人は
人であり続けられるんだものね」
自分達とて同じ事だ もう自分達はお互いが
居なければ生きてはいけないだろう
しかしそれは弱さばかりではない
大切な家族が居るからこそ人は優しくなり
そして明日を大切に生きてゆけるのだ
その幸せを 漸く手に入れた仲間の家族を
壊させはしない絶対に 二人の瞳に強い
不屈の意志が宿る
ベジータ「急ぐぞブルマ 何としても
カカロットよりも先に着いて 彼奴らを
守ってやらなきゃならない」
ブルマ「ええ 急ぎましょう」
仲間の幸せを守る為に二人は南の都へ急ぐ
・・しかし まだ南の都は見えない・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
国王は顔を綻ばせながら優しい面持ちで
テレビを見ていた
今は皆で楽しく食事をしている 食べている
のはサンドイッチのようだ
「どうかなプ—ちゃんサンドイッチ
美味しい? 僕も一緒に作ったんだよ
美味しいかな? はいっとっても美味しい
ですよ 良かったな二人共あんなに頑張って
作ったんだもんな どれどれ儂ももう一つ
貰おうかの・・うむ本当に美味しいわい
二人共ありがとう本当に美味しいぞ
えへへへ皆に食べて貰いたくて朝から
頑張ったんだよ 良かった喜んで貰えて
ほっほっほ二人共良い表情じゃ
思わず写真に撮りたくなってくるのう
そうじゃのうカメラも持ってくれば
よかったのう あぁそれじゃあ俺が
取ってくるよ 直ぐ戻って来るからさ
そしたら皆で記念写真を撮ろう よし
それじゃあ腹ごなしに儂も一緒についていこう
レッドは二人と待っていてくれ うむ
了解じゃ」
映像では皆が和気藹々とサンドイッチを
食べている風景がとても心地よかった
そんな時皆で記念写真を撮ろうという話になり
ゲロおじいちゃんとサムお兄ちゃんが
記念写真を一緒に撮る為のカメラを取りに戻る
事になり直ぐに戻ると声を掛けてから離れた
・・皆から離れた・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
ここでもう一度確認しておこう ベジータは
一緒に来たブルマが飛空艇だったので
テレビを見る事が出来た
武天老師も飛空艇だったので問題無く
テレビを見る事が出来た
しかしピッコロは 武空術で飛んでいた為に
テレビを見る事が出来なかった 従って
ピッコロは今の状況をまるで知らない
そしてもう一つの不幸はミスターポポからの
念話が届かなかった事だった
もし念話が届いていればピッコロは絶対に
孫悟空が南の都に着く前にケリをつけたで
あろう
しかし念話には精神状態が大きく左右する
従って今の焦り動揺しているミスターポポの
精神力では念話は不可能であったのだ
そして最後の不幸は 彼等の位置が南の都に
一番近い事であった
・・彼等は既に南の都に到着していた・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
その頃ミスターポポは兎に角急ぎ南の都に
向かっていた
ポポ「急げ急げ!! もう神様達は南の都に
到着している筈だ 兎に角急がないと
お願い神様どうか孫悟空を一人にしないで!!」
・・ミスタ—ポポは南の都に急ぐ・・
・・まだ誰も気が付いていない驚愕の
事実を伝える為に・・
・・しかし事態は最悪の展開を迎えようと
していた・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
画面の中では残された三人と一匹が相変わらず
和気藹々と談笑を楽しんでいた
「ねぇケロンおじいちゃんは世界中を
旅した事があるんでしょ おうともさ
若い頃はゲロと二人で世界中を旅して
廻ったもんさ 僕もおじいちゃんから
聞いたよ 二人で世界中を旅したって
その時の話を聞かせてよ 僕も是非
聞きたいです そうかそうか では何から
話そうかの」
国王「ふほほ あの子達には見るもの聞くもの
全てか新鮮なんじゃろうて 〔プルルル〕
ぅん電話か?」
画面を見つめている国王の前に 軍部からの
緊急電話が掛かってきた 何かわかったのかと
国王は急いで電話を取る
国王「儂じゃが何か分かったのかね
「それ所じゃありません大変です国王様!!」
・・一体何があった?」
隊長の余りに慌てた様子に国王に嫌な
予感が走る そしてそれは最悪の形で
当たってしまった
国王「・・それは今の彼等の幸せを壊す程の
事かね? 「はい・・先程孫悟空の家族を
無事保護しました」 おおっそれは
「孫悟空は南の都に向かったそうです」
なっ!? 「・・国王様は覚えておられ
ますか 以前武天老師様とカプセルコーポ
レーションの娘さんが南の都の住人を
避難させて下さいと言っておられた時の事を」
まさか!? それがこの事だったのか!?
「恐らくはそう考えて間違いないかと」
くそッなら 「見つけたぜ人造人間共」
しまったあ!! 急いでくれっ孫悟空が
現れた!! 急ぐんじゃあああ!! 「くそっ
早すぎる!! 直ぐに向かいます!!」
何と言う事じゃ・・急いでくれ・・
頼む・・あの幸せを壊さないでくれ」
国王は焦燥しきった顔で電話を切る
画面の中では現れた孫悟空に憎しみの視線を
ぶつける老人と訳が分から無く戸惑っている
二人の子供達 そして何とか孫悟空を
止めようとする小動物が居た
「貴様ぁああ!! 孫悟空ぅうう!!
おじいちゃん誰なのあの人 怖いよ
あの人凄く怖いよ 悟空さんっ 待って
下さいこの人達は敵じゃありません!!
くくっく 何言ってやがる人造人間は
敵だろうが 悟空さん!!・・やっぱり
貴方は 大丈夫じゃ二人共心配するな
必ずおじいちゃんが守ってやるからな
おじいちゃん」
不適に微笑む孫悟空を前にして怯える子供達を
守ろうと車椅子の老人と小さな小動物が
立ち向かおうとしていた
国王「神よどうかあの者達をお守り下さい」
・・国王の祈りは果たして届くの
だろうか・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
一方仲間達は孫悟空よりも遅れてしまった事に
絶叫していた
ブルマ「そんな!? 間に合わなかったの!?」
ベジータ「くそぉおおお!! カカロットぉ
おおおおお!! 己ぇい!! 何故あの
ナメック星人は居ないんだ!! 畜生
ぉおおお!!」
ブルマ「はっ!?・・・そうか」
ピッコロが居ない事に驚愕する2人だが
そのベジータの咆哮でブルマは何かに
気が付いたようだった
ブルマ「ベジ—タ・・テレビだわ 私達と
違ってピッコロはテレビを見ていないんだわ
だからピッコロはヤムチャと皆が一緒に居ると
思っているのよ!! つまりピッコロは今
ヤムチャと!!」
ベジータ「そう言う事だったのか!!
くそっ!! あのナメック星人の気遣いが
裏目に出やがったのか!! させんぞっ!!
カカロットぉおおおおお!!」
ブルマ「ベジ—タ・・・」
逸る気持ちのベジータにブルマがその気持ちを
汲み取ったように言葉を投げかける
ブルマ「ベジータ先に行って!! 私の事は
気にしないで急いでっ!!」
ベジータ「ブルマ・・済まん・・・先に
行くぞ!!」
ブルマ「急ぐのよベジ—タ!!」
それだけ告げてベジータが猛スピードで
南の都に向かう
それを見送りながらブルマも心配そうに呟く
ブルマ「ヤムチャ・・・・早まっちゃ駄目よ」
・・無意識の内に出たその言葉は
果たして何かの予感だったのか・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
武天老師「ぬぅううっ!! 一歩遅れて
しまったか!!」
画面の中では絶望を前にしても 未来ある
子供達を守ろうと足の不自由な老人と
心優しい小さな小動物が必死に抵抗していた
それを何の優しさも見せない不気味な表情で
嘲笑う孫悟空
武天老師「そうはさせぬぞ!! 悟空
ぅううう!! っ!? 見えた南の都じゃ!!」
怒り咆哮する武天老師の前に遂に南の都が
見えた
武天老師は飛空挺から飛び降りると全速力
で走る
武天老師「我が師武泰斗様どうかあの者達を
お導き下され」
・・武天老師が走る 漸く幸せを手にした
家族達を守る為に走る・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
ヤムチャ「二人共あんなに喜んでくれて
よかったなゲロじいさん」
ゲロ「うむ本当に良かった 今日の事はきっと
一生の大切な思い出になるじゃろう」
一方そんな事になっているとも知らない
ヤムチャとドクターゲロの二人は研究所に
辿り着きカメラを取ろうと扉を開けて
中に入る所だった
その時上空から聞き覚えのある声がヤムチャを
呼んだ
ピッコロ「よぅ元気そうだなヤムチャ」
ヤムチャ「お前!? ピッコロかっ!!
久し振りだな元気だったか!! 紹介するよ
此方が手紙でも伝えたゲロじいさんだ
そしてじいさん此方は俺の仲間のピッコロだ」
ゲロ「おう お主の事は知っておるよ
会うのは初めてじゃのう ドクターゲロじゃ
よろしくのう」
ピッコロ「ああ こちらこそ」
和やかに会話する三人だが此所でピッコロが
気になっていた事を確認した
ピッコロ「それでお前の弟と妹は中に
居るんだろう? もう動けるようには
なったのか?」
ヤムチャ「いいや 今日は皆で公園で
ピクニックをしているんだ」
ゲロ「儂らは写真を撮る為のカメラを取りに
二人で戻ってきたんじゃよ」
ピッコロ「何だと!?・・ピクニックだと?
・・・・公園・・何て事だ!!」
しかしその言葉はピッコロに凄まじい
衝撃を与えた
テレビを見ていなかった彼は上空から
ヤムチャの姿が見えた時てっきり残りの二人も
一緒に居ると思った
だから自分は 自分は何をした? 孫に
何処に行けと言った?
・・(「ぅん?・・(あれはヤムチャ
・・すると一緒に居るのはドクターゲロか
ならば弟と妹も近くにいるのか)・・
孫俺はこっちを探す お前は俺とは逆方向の
公園の方を探せ あぁ良いぜ・・じゃあな
ふぅ・・・行ったか これで一先ずは
安心だろう」)・・
ゲロ「・・・・?」
ヤムチャ「・・・・ピッコロ?」
突然叫び出したピッコロに二人は訝しげな
視線を送るが続く言葉で二人も驚愕する
ピッコロ「不味いぞっ!! 公園は孫の奴が
向かった方角だ!!」
ヤムチャ「何だって!! 悟空がか!?」
ゲロ「あやつか! あの殺人鬼がこの場に
居るのか!?」
此所に居たってヤムチャは漸く今日が
トランクスの示した約束の日だと思い出した
それを理解した瞬間ヤムチャは無我夢中で
飛び出す
ヤムチャ「何て事だ!! あの二人は
戦う事何て出来ないんだぞぉおおお!!」
ピッコロ「何だと!?」
直ぐ様追いかけようとしたピッコロは
ヤムチャの言葉に驚愕する
ピッコロ「ドクターゲロ!? 戦えないとは
どう言う事だ!? あの二人は人造人間
なんだろうっ なのに戦えないとは何故だ!?」
訳が分からないピッコロだが 顔を歪めながら
説明したドクターゲロの言葉で理解する
ゲロ「儂は二人を闘いの道具にはしたくは
なかったんじゃ・・あの二人は人間と何も
変わらん 血も出れば傷みもある 人間と何も
変わらないんじゃ・・確かにあの子達は
歳を取る事が出来ん だからこそ儂等は
あの子達が将来二人で立派に生きていける
ように 人間として生きて行ける様に
今日の事を計画していたんじゃ」
ピッコロ「俺のせいかっ・・ならば絶対に
助けなければならん 急ぐぞドクターゲロ!!」
ゲロ「うむっ!!」
そして二人も急ぎ飛び立って行く しかし
ピッコロの頭の中は己の犯した事に対する
後悔で一杯だった
ピッコロ「・・(くそっ くそっ くそ
ぉおおお!! 何て事だ何て事だっ!!
くそぉおおおお!!)・・」
・・そしてこの時の自分自身に対する
後悔は彼の心の楔となる・・
・・それが後にピッコロに ある決断を
させるのであった・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
そしてその映像は扉を開けていた為に
公園の映像と一緒に全世界に流れていた
今までは人造人間と言う事で少しは差別
していた部分があったが 彼等の愛情の
深さを知って人々は共感し涙した
もう彼等の中に人造人間に対して差別意識は
なかった
・・しかし運命の女神は彼等に微笑んでは
くれなかった・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「ぐわっ!! おじいちゃん!
えぇえい!! おらあ!!
うわあ!! プーちゃん!! ぐぅう己ぃ
ふはは どうしたもう終わりか?
かかってこいよカス共」
国王「おおお・・何て事をするんじゃ
止めておくれもう止めておくれ」
儂は流れる映像に咽び泣き涙が止まらなかった
車椅子の老人が拳銃で必死に対抗するも
あっさりと返り討ちに遭い 車椅子が
壊されて老人は地面に投げ出されてしまう
小さな小動物が変身魔法で対抗しても
何の役にも立たずに車椅子の老人同様
あっさりとやられてしまう
それでも老人と小動物は怯える子供達を守る為
必死に立ち上がり孫悟空に対抗していた
世界中の皆は何がなんだか訳が分からなかった
目の前に写っている人物の名前がわからない
のではない
彼のやっている事が理解出来無いのだ
彼等にとって孫悟空とは世界の危機を
何度も救ってくれた英雄だ
誰もが憧れ目指していた英雄が何故
それに先程の老人の言葉 殺人鬼と孫悟空の
事を確かにそう呼んだ
孫悟空が殺人鬼だ等と とても信じられない
事だ だが映像の孫悟空の表情は 弱き者を
いたぶる悪魔にしか思えなかった
車椅子の老人と小さな小動物が怯える子供達を
孫悟空から必死に守っている 一体何が
真実なのか分からない彼等に 更なる
衝撃が訪れる
・・知らなければならなかった真実と言う
名の衝撃が・・
「全くよう 無駄だって言ってんのが
わかんねぇのかな 黙れっ儂らの村を
滅ぼした殺人鬼めが何を言うか!!
二百人程の小さな村じゃったがそれでも
幸せに生きていた儂らの村を貴様は無惨にも
虐殺した お陰で生き残りは二十にも
満たなかった その上貴様は貴様の魔の手から
世界の平和を守る為に世界中から千人以上を
集め儂が組織したレッドリボン軍迄をも
壊滅させた この悪魔めがもうこれ以上誰も
殺させはせん!! 孫悟空貴様は
ごちゃごちゃうるせぇんだよ !! 〔ドゴッ!!〕
がはああ!! おじいちゃん!!
おじいちゃん もう止めてよ!!
大体人間なんざ殺される為に存在する
虫ケラだろうが 何だと!! 悟空さん
それが貴方の本性なんですか!!
お前等もう飽きたから死ねよ」
その言葉を聞いて世界の人々は真実を理解した
確かに今考えてみれば自分達が一方的に
怯えていただけでレッドリボン軍は一般人に
危害を加えたりはしなかった
・・(「ガルゥウウゥ お兄ちゃん怖いよぉ
大丈夫だぞ兄ちゃんが守ってやるからな
来るなら来てみろ妹には指1本触れさせないぞ!!
グルゥウウアアアア!! 危ない!!
〔パンパン!!〕 ギャワアアァン!!
危ない処だったね大丈夫だったかい坊や達
この辺りは野生の熊が多く出没するからね
遊ぶならもっと村に近い処で遊びなさい
あ・・妹を助けてくれてありがとうございます
私もお兄ちゃんを助けてくれてありがとう
なぁにこれがおじさん達の仕事だからね
良く妹を守りぬいたな偉いぞ坊や そんなの
当たり前さだって僕はお兄ちゃんだもん
それじゃあそろそろ暗くなってきたから
村まで送ろう きゃあああ!! 皆来て
レッドリボン軍よ!! 悪魔の軍隊がこんな処で
何をしてるのっ子供達から離れなさい!!
違うよママこのおじちゃん達は 良いんだよ坊や
・・市民が怯えるといけないもう行こう
あぁ・・良いかいお嬢ちゃん良くお聞き
この先どんな辛い事があってもお兄ちゃんの
背中を見て歩きなさい お兄ちゃんがきっと君を
守ってくれるからね うん!! 私お兄ちゃん
大好きだもん だから大丈夫だよ!!
そうだそれで良い・・さあもう行こう
うむ 2人共大丈夫だった!? 何か酷い事
されてない!? あのねママあのおじちゃん達は
大きい熊から僕達を助けてくれたんだよ
え?・・嘘・・だって悪魔の軍隊がそんな事する筈が
本当だよあっちに熊さん死んでるよ
おじちゃん達ね僕の事偉いぞ言って頭撫でて
くれたんだ とっても暖かかったよ 嘘・・
そんな事 おじちゃん達とっても優しい眼してたよ
どういう事?」)・・
寧ろ怯えた自分達を申し訳なさそうに見ていた
それに町の周りを徘徊していたのは自分達に
危害を加える為では無くて自分達を守って
くれていたのでは無いだろうか
・・孫悟空の魔の手から・・
・・どんなに罵られ蔑まれても人間を
愛していたから・・
・・平和な世界を守りたかったから・・
世界の人々が漸く真実を理解し始めた時
悲劇は最早止まる事は無かった
「何をするつもりじゃ・・まさか!!
いけないっあれはいけない!!
皆さん早く逃げて!! やはりそうか!!
一体何をするつもりなの? 怖いよ
一体何なのあれは いけない二人共
早く逃げるんじゃ!! 早く逃げてぇええ!!
・・死ね」
孫悟空が上空に浮かび上がり見知らぬ構えを
取り始めた
その構えは両手を合わせて腰の横に持ってきて
力を溜めている様に感じられた
そして孫悟空が何をしようとしているのか
実際に受けた経験者と見た事のある人は
知っていた
国王「あれはまさかっ あの武天老師様が
天下一武道会で月を消し飛ばした時に
使用したと言うあの技か!! いかんぞ
ぉおおお!! 逃げるんじゃあああ!!」
画面を見る国王がに必死に叫ぶ しかし現実は
非情だった その想い虚しく必殺のその技が
放たれた
・・その技の名は 奥義かめはめ波・・
「くたばれぇえええ!! 〔ドギュ
ウウウウウン!!〕 うわぁあああああ!!
きゃぁああああ!! 己ぇい!!
孫悟空!! 守るって誓ったんだ
ヤムチャ様の家族を幸せを守るんだぁ
あああ!!」
国王「止めろぉおおお!!」
上空から凄まじいエネルギーが襲いかかって
くるのを 映像を見ていた全ての人が感じた
絶叫する人々と家族達 もう誰もが駄目だと
思った しかし最後まで諦めていなかった
者が居た その者は無我夢中で前に飛び出した
「どうか僕にヤムチャ様の家族を
守らせて!! 〔ボワァアン〕 くぅ
うぁあああ!! ほぅ変身魔法で防ぎ
やがったか・・しかし残念だったなぁ
皆さん逃げてぇえええ!! 〔ズガガ
ガガガ!!〕 ああああああ!!・・
ヤムチャ様・・あり・・が・・・と・・・
〔バッリィイイイン!!〕 あ・・
ああ・・プ—ちゃあああん!! 嫌ぁああ!!
プ—ちゃあああん!! うおおあああ
あああ!! 孫悟空貴様ぁああああ!!
ヒャハハハハハハハハ!! さぁ次は
てめぇ等だ」
国王「うおあああ・・ううおあ・・なんと
言う事じゃ」
映像を見ていた人々全てが 悲しみに絶叫した
エネルギー波が皆を直撃しようとしたその瞬間
プ—ちゃんと呼ばれた小動物が変化魔法で
自分自身を大きな盾に変えたのだ
その結果エネルギー波は受け止める事が出来た
しかしその小さな身体で無理をした影響は
余りにも大きかった
小さな身体で必死に皆を守ろうとした
その小動物はバラバラに吹き飛んで死んで
しまった
小さな身体で沢山の勇気を持っていた
その小動物は余りにもあっけなく死んで
しまった
咽び泣く老人と子供達 しかし事態は
余りにも残酷だった 泣き叫ぶ彼等に
孫悟空が残忍な表情で近づいていく
それを国王は涙を流し絶叫しながら見ている
しか出来なかった
国王「止めてくれ 止めてくれ それ以上
その子達から幸せを奪わないでくれぇえええ!!」
しかし想い虚しく孫悟空の残忍な刃が
振り下ろされる
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
ヤムチャ「プーアルっ・・・済まない」
ヤムチャは飛んでいた 体力の限界を越えて
身体が悲鳴を上げてもひたすら飛んでいた
そして見てしまった 長い時を一緒に過ごした
種族を越えた自分の最高のパートナーが
死んでしまったのを
今でも思い出せる プーアルと過ごした
大切な日々 毎日が宝物だった
・・・(「ねぇヤムチャ様 うん?
どうしたプーアル どうしてヤムチャ様は
砂漠の盗賊なんてやってるんですか
ヤムチャ様の器量なら他に何でも出来ると
思うんですけど はははっそれは買い被り
過ぎだぞプーアル・・・そうだなぁ生きる為
って言うのもあるけど 一番の理由は空気かな
空気ですか あぁ都会みたいに
ゴミゴミしていない自然のままの空気が
好きなんだ もしかしたら昔似たような所に
住んでたのかもしれないな・・もし生きてる
なら会ってみたいな・・失われた記憶の中の
俺の家族に ヤムチャ様・・ はは
・・その時はプーアルの事も紹介しないとな
俺の大切な家族だって ヤムチャ様
・・ありがとうございます なぁプーアル
俺達はずっと一緒だぜ はい ずっと
一緒ですヤムチャ様」)・・
そう約束したんだ・・なのに・・・流れる涙が
止まらなかった
ヤムチャ「プーアルありがとう・・聞こえて
いたよちゃんとお前の声が ありがとう
守ってくれて」
誰にでも自慢出来る 何度でも自慢出来る
最高のパートナーだった その想いは
絶対無駄にはしない
視線の先では悟空が俺の家族にその刃を
振り降ろそうとしていた
だがそんな事はさせない プーアルが
命を懸けて守ってくれた俺の家族を
俺の道を照らしてくれた最愛の家族を
死なせはしない
ヤムチャ「させるかぁあああ!!」
ズブリ
俺は無我夢中で自分の身体を滑り込ませた
・・プーアル 俺達はずっと一緒だ・・
・・その刃は自分の心臓まで
届いていた・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「死ねよ おらぁああ!!
させるかぁあああ!! 〔ズブリ〕 がっはあっ
・・良かった・・間に合ったへ・・へへ
お前・・ちぃっ邪魔しやがって
うおああああああ!! サムぅううう!!
おにいちゃあああん!! 嫌ぁああ
あああ!!」
国王「うおあああ・・神よ貴方はなんと
残酷な仕打ちをなされるのですか・・
一体あの者達がどんな罪を犯したと言うの
ですか」
映像を見ながら国王は咽び泣いていた
その視線の先では自分の家族を守る為に
優しい小動物に続いて彼等のお兄さんが
孫悟空の刃を心臓に受けて倒れ伏して
しまっていた
悲鳴をあげ泣き叫ぶ家族達 そんな家族達に
お兄さんは動かぬ身体を動かして懸命に
声を絞り出して何かを伝えようとしていた
「かはっ・・うあ・・おめで・・
ごふっ!! それ以上喋るなサム!!
喋るんじゃない!! そうだよ死ん
じゃうよっ それ以上喋るとお兄ちゃん
死んじゃうよ!! 駄目だよっ死なないでよ
お兄ちゃん!! くふ・・お前達の名前
考えたんだ・・お前達が希望を持って
平和な世界で生きていけるように・・
ごふっ・・・・はあ・・ホ—プ・・スピア
・・はあっ・・それがお前達の名前・・
誕生日おめでとう お兄ちゃん!!
はあっ・・なぁブルマ・・俺達は
出会えたんだ・・この広い世界で俺達は
出会う事が出来たんだ・・俺は後悔なんか
していない・・・・はあっ!!・・・
俺は沢山の幸せを貰ったよ・・家族達から
・・そしてお前か・・らも・・だからお前も
・・・・幸せ・・・に・・な・・・れ・・よ
サム・・サム?・・・・サムぅううう!!
うああああああ!! お兄ちゃあああん!!
嫌ぁああああああ!! 兄さぁあああん!!」
その時何故か全世界の人々にその言葉が届いた
全世界の人々の心の中にその言葉が届いた
・・なぁ爺さん笑うと人は幸せなれるって
爺さん言ってくれただろう・・
・・皆が居てくれたから俺は何時も
笑っていられたんだ・・
・・沢山の幸せをありがとう・・
彼は安らかな死に顔で静かに息を引き取った
・・その死に顔はとても満足そうな
表情だった・・
・・ヤムチャはその短い生涯を懸命に
生きた・・
・・そして笑顔で死んでいった・・
・・その日それを見た世界中の人々は・・
・・悲しみに涙した・・
国王「受け取ったよ・・ヤムチャ君・・
君の言葉しっかり受け止めたよ・・そして
孫悟空よ 世界中の人々はお前を許したりは
せんぞ・・〔ブゥオオォン ポトリ
パカッ〕・・うん?」
悲しみに項垂れる国王であったが 突然
目の前の空間が歪んでサッカーボール程の
大きさのカプセルが現れた
そしてカプセルが割れると中から映像が現れた
そしてその映像の女性が喋りだした
「トランクス この映像を見ている
頃には貴方も過去に戻っている頃でしょう
時間が無いから手短に言うわよ 人造人間は
敵ではないわ 戦う相手を間違えないで
全ては一緒に送った二冊の日記帳に書かれて
いるわ」
国王「おや?・・・・この女性は確か
カプセルコーポレーションの娘さんか?
・・名前はブルマお嬢さんだったか・・
しかし・・過去じゃと?」
訝しむ国王の手元には二冊の日記帳があった
・・それは遥かな未来 可能性未来からの
メッセージだった・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
レッド「馬鹿者が・・サム・・おじいちゃん
より先に逝きおって・・プーアル君もそうじゃ
・・死ぬのは老いぼれからと決まって
おるじゃろうが」
ホープ「ぐすん・・兄さん・・やっと
会えたのに・・プーちゃんも初めての
お友達だったのに」
スピア「嫌だよぉ・・こんなのって・・
こんなのって・・悲しすぎるよ」
孫悟空「フハハハ!! やっぱり血の匂いは
最高だぜ・・で別れの挨拶は済んだか?
心配するなてめぇ等も今直ぐに会える」
悲しみに涙し力なく項垂れる家族達だが
殺戮の刃は留まる所を知らない
孫悟空が全てを殺し尽くさんと全身を
反り血に染めながら無慈悲に近づいてくる
ホープ「お前が兄さんを殺したんだ!!
絶対に許さない!!」
スピア「お前なんか人間じゃないっ
兄さんを返せぇえええ!!」
レッド「孫悟空ぅうう!! この悪鬼羅刹の
悪魔めがぁあああああ!!」
孫悟空「ふん・・それがどうしたよ・・
死ね 〔ガシッ〕 「それ以上やらせは
せんよ」 何っ!? 「己と言う奴は
・・何処まで人の大切な想いを裏切れば
気がすむんじゃ・・この愚か者めがぁあああ!!」
〔ドゴァアア!!〕 ぐはあッ!」
しかし間一髪で何者かが現れ孫悟空に
強烈な一撃を与えて吹き飛ばす
スピア「・・おじいちゃんは誰?」
ホープ「・・おじいちゃんは味方なの?」
レッド「っ!?・・おお・・・・貴方様は
・・貴方様はまさか」
何時の頃からか知らずとも 武神と呼ばれる
男が居る
その者は武術に秀でているだけでは無く
何よりもその心が強かった
人々に武術のなんたるかを教え道を踏み外さぬ
よう心の在り方を諭し導いてきた
それ故に人々は彼を尊敬し敬い目標とし
こう呼んだ
・・武神 武天老師と・・
グゥウッ
武天老師「間に合わなくてすまなかった
・・・・プーアル・・ヤムチャ・・・
見事であったぞ・・ちゃんと聞こえておったよ
お前達の声がのぅ」
視線の先ではバラバラに吹き飛んだプーアルと
心臓から夥しい出血をして既に息絶えた
ヤムチャが居た
全てが遅かった 間に合わなかった
弟子が漸く掴んだ幸せを守ってやれなかった
武天老師「くぅうっ」
ギリィイ
思わず涙が出そうになるが 自身には
そんな資格は在りはしない
弟子を正しく導く事が出来なかった挙げ句に
弟子を弟子が殺す等と言う事をさせてしまった
己に涙する事は許されない
罪深い己に出来る事は只一つしかない
儂は悟空に向き直る
武天老師「ふぅう・・来るがよい悟空よ
・・・お主に武術を教えたながらも心の
在り方を教え誤った責任を取らねばならぬ
・・・悟空よ 師匠として儂がお前に
引導を渡してくれる」
孫悟空「カカカカ!!・・面白れえ・・
殺してやるよ老いぼれがぁあああ!!
たっぷりと後悔させてやるぜ!!」
・・それがこんな儂に出来る 唯一の
罪滅ぼしじゃ・・
・・今悲しき師弟対決が始まる・・
後書き
後半は前半以上にオリジナル版から大幅に加筆修正しています
今回はレッドリボン軍の過去のシーンを追加しました
もう何と言ったら良いのか カカロットが
暴走しすぎて止まりません
次回はカカロットVS武天老師
お楽しみに
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