ドラゴンボールIF
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運命の日を前にして皆は其々の決意を固める
前書き
いよいよ後半が始まりました
後半は前半以上に辛く悲しいお話になります
原作からは信じられない程の報われない
展開が続きます
幕間の彼の行動がどういったものだったのかが
この話で朧気ながらわかります
書いていても本当に辛かったです
それでも最後は残された人々が笑顔で
ありますようにと祈っています
それでは後半の始まりです
ドラゴンボールIF
・・(「ほぅら見てみなさいサム
貴方の弟と妹よ わぁ可愛いな まるで
天使みたいだぁ サムもこれからお兄ちゃん
だからな しっかり弟と妹を守ってやるんだぞ
うんっ 大丈夫分かってるよ!!
ねぇ名前は決めたの!! そうねぇ
それじゃあサムが決めてくれるかしら
はははは そうじゃなぁサムの弟と妹
じゃからな良い名前をつけてやるんじゃぞ
うむサムが名付け親じゃからなきっと
良い子に育つじゃろうて 任せてよ!!
二人に相応しい名前をつけてやるんだ!!」)・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
窓から射し込む朝日が気持ちの良い時間帯に
ヤムチャはとても穏やかな良い気分で
目が覚めた
ヤムチャ「はふぅ・・ううん・・懐かしい夢を
見たな・・二人の名前・・希望に満ち溢れた
平和な世界で生きていける・・そんな名前が
良いな」
ここはドクターゲロの研究所 ヤムチャは
三年前から祖父のドクターゲロと一緒に
此所で暮らして居た
そして今日は遂に人造人間手術が完了し
ヤムチャの弟と妹が目覚める日であった
一年前からは機械を通して様々な話をした
別の場所に住んで居るレッドお爺ちゃんの事
世界中の美味しい食べ物の話 色とりどりの
鮮やかな四季の話 二人にとっては総てが
新鮮で楽しさに満ちていた
そして今日念願の二人との再会の日
遂に家族四人が揃うのだ
そしてヤムチャは二人には内緒の秘密の
プレゼントを二つ用意していた
ヤムチャ「ホープ スピア・・それが
お前達の名前だ」
明日は家族四人で南の都の広い公園に
ピクニックに行く事になっていた
そしてそこで二人に人間としての名前を
プレゼントしてやるつもりだ この事を
話したらゲロじいさんも喜んでくれていた
そしてもう一つのプレゼントはこれは
ゲロじいさんにも内緒だが何とケロン爺さんも
遠い所から此方に来てくれる事になった
ヤムチャ「はは・・明日は良い一日になりそうだ
・・そう言えばブルマとベジータに子供が
産まれたんだったな・・そうだなそれじゃあ
今度皆で会いに行こうかな はは・・あの2人なら
良いお兄ちゃんとお姉ちゃんになるだろうな」
そしてヤムチャは今1度嘗て心から愛した
女性の事を思い浮かべる
ヤムチャ「ありがとうブルマ 俺がここまで
強くなれたのもお前のお陰だ・・だから
皆で幸せになろうな」
顔が綻ぶヤムチャだが彼は大事な事を
忘れていた
家族と過ごした平和な三年間はヤムチャから
トランクスの言葉を忘れさせていた
トランクスが示した約束の日は明日だった
だがそもそも人造人間襲来とは一体何だろう
トランクスは三年後に南の都に人造人間が
現れると確かにそう言った
そしてそれをトランクスに伝えたのは
当時の生き残りである孫悟飯とブルマである
だが本当に人造人間達は世界を滅ぼす為に
南の都に現れたのであろうか 実はそれが
全くの逆だとしたら
人造人間が南の都に現れたのではなく
孫悟空の仲間達が偶然南の都で出会い頭に
人造人間と戦いになったのだとしたら
それが証拠にトランクスの世界でもこの世界
でも人造人間は南の都で生活をしていた
そして重要な事がもう一つ トランクスの
世界でも彼等の本来の目的は世界の破壊等では
なかったのだから
しかしトランクスの言葉によって本来の
歴史が狂ってしまったとしたら それによって
一部の者に人造人間が悪だと言う概念を
植え付けてしまったのでは無いのだろうか
しかしそれはもう過ぎてしまった事だ
そもそもこの問題に関しては未来のトランクス
とブルマを攻めるのは間違っている
何故ならそこに至る過程と理由がどうあれ
二人が人造人間の存在をはっきりと認識した
時には 人造人間は既に人間と敵対していた
のだから
この理解のすれ違いがどうなるか全ては
明日明らかになる
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
場所は変わり深夜 此処孫悟空の実家では
いよいよ明日に迫った約束の日を前に
ピッコロとチチと牛魔王が孫悟空と孫悟飯に
見つから無いように家から離れた場所で
真剣な表情で話をしていた
チチ「そっか・・それじゃあ明日の戦いには
悟飯ちゃんは連れて行かねぇだな?」
ピッコロ「うむ やはりその方が良いだろうな
明日の戦いは恐らく子供が見るには残酷すぎる
ものになるかもしれんからな・・悟飯には
残酷過ぎるだろう・・実の父親の変わり果てた
姿は見せたくない」
牛魔王「やっぱり・・一年前のあの日から
・・なんだな?」
ピッコロ「あぁ・・あれからの孫は不気味な
程に何も変わっていない・・不自然すぎる程にな」
チチ「そっだな あからさまに怪しいだよ」
牛魔王の漏らした言葉はそれだけで皆に
伝わった 一年前の心臓病の発作による
薬の服用
あの時確かにピッコロは孫悟空の何かが
変わったのを感じたのだ
ピッコロ「ふむ・・(この一年の間に
奴が長時間俺の側から離れたりするような
可笑しな気配はなかった しかし俺には分かる
今の奴は何かが違う)・・ん?・・・・
何だ・・・俺は何か見落としてはいまいか
・・否気のせいか だが確かに奴は何かが
変わった」
否それは正確では無い 変わったと言うよりは
戻ったと表現する方がしっくり来る言い方だ
一見すれば何も変わっていない様に見える
為に何処がどう変わったのか正確には
分からないが長年一緒に居た彼等には分かる
孫悟空は最早戻れない所の一歩手前まで
来ていると
ピッコロ「兎に角お前達は明日俺と孫が
家を出たら悟飯を連れて直ぐに出て行くんだ
そして二度と此所には戻ってくるな」
チチ「分かったベ・・ピッコロも気ぃつけてな」
牛魔王「済まん・・おめぇにばかり苦労を
押し付けてしまって申し訳ねぇべ・・
悟空の事宜しく頼むべ」
チチ「そだな・・なぁピッコロ どうしてもの
時はせめて苦しま無いように人思いに
やってあげてくんろ」
牛魔王とチチの悲しみを堪え涙を滲ませながら
の言葉をピッコロはしっかりと受け止めた
ピッコロ「あぁ・・分かった・・お前達の想い
しかと受け止めた」
想いを託されたピッコロは最早避けられぬ
所まで来た宿敵孫悟空との対決に想いを馳せる
ピッコロ「ふんっ・・・(皮肉だな孫よ
よもやこの様な形で貴様と決着をつける事に
なるとはな)・・父の時とは立場が逆だな
本当に皮肉だな・・・・本当に皮肉だよ」
チチ「・・・・・ピッコロ」
牛魔王「・・・(おめぇも悟空の事が
好きだったんだな)・・」
平静を装いながらも悲しみを含んだ物言いに
チチも牛魔王も掛ける言葉が見つからなかった
・・嘗て闇にその身を染めた男は
その胸に揺るぎ無い愛と光を宿らせた・・
・・嘗て光の中にその身を置いた男は
世界を破滅へ導く暗黒の光にその身を
置いてしまった・・
ピッコロ「最早俺達の道は分かたれた
・・(さらばだ孫よ)・・さらばだ在りし日の
幸せよ」
・・宿命の対決が再び訪れようとしていた・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
ブルマ「いよいよ明日ねベジータ無理
しないでね」
ベジータ「ブルマか 心配いらんさ
俺を誰だと思っている・・それに妻と子供を
残して逝く程俺は馬鹿じゃないさ」
深夜のカプセルコーポレーションでは
思う所が有るのか窓から空を眺めていた
ベジータに その腕に赤ん坊を抱いたブルマが
心配そうに声を掛けてきた
二人は結婚していた もう二年も前だ
結婚式は挙げていないが子供も生まれて
守る者が出来た
ヤムチャやピッコロ達も武天老師や天津飯に
餃子もクリリンも皆快く祝福してくれた
そんな事もあり彼等はヤムチャが家族と
再会出来た事も知っていた
子供が生まれてからのべジータは良く物思いに
ふける事が多くなった その理由に気が付いて
いるブルマは優しく声を掛ける
ブルマ「ねぇ・・トランクスの事考えて
いたんでしょ」
ベジータ「・・・あぁ・・なぁブルマ
彼奴の世界ではヤムチャは家族と再会
出来なかったんだろうな・・その事を
お前やトランクスは知っているんだろうか」
そして未来から来た若者トランクスが
自分達の息子の成長した姿だと直ぐに
気がついた
ブルマ「そうね・・たぶん知らないんで
しょうね・・でも私は兎も角トランクスに
とっては残酷過ぎる真実でしょうね」
ベジータ「そうだな・・・未来のカカロットよ
お前の残した遺恨は余りにも重すぎるぞ」
二人にとっては 否真実を知る者全てにとって
明日の約束の日とは人造人間を倒す事ではなく
孫悟空を止める事だと分かっていた
ベジータもブルマも武天老師もピッコロから
連絡を受けて知っていたのだから
災厄の使者孫悟空が恐らく目覚めたで
あろう事を
ベジータ「カカロットよ俺は貴様をサイヤ人
とは最早思わん サイヤ人の王子たるこの俺が
貴様に見せてやる・・サイヤ人の誇りをな」
・・サイヤ人の王子ベジータの魂が
熱く燃え盛る・・
ブルマ「ヤムチャ・・貴方も気をつけてね」
・・ブルマは嘗て愛した男の無事を
祈っていた・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
占い婆「止めても無駄か・・行くんじゃな」
武天老師「うむ・・それが道を誤った弟子に
対する師匠の務めじゃよ」
占い婆「そうか・・・仕方ないのぅ」
此所占い婆の館では占い婆と武天老師の姉弟が
明日の決戦を前に話をしていた
決意を決めている武天老師に占い婆は
自分も覚悟を決めたように話す
占い婆「ならば気をつけよ 孫悟空の星が
妖しく輝いておる・・そしてその邪悪な輝きが
幾つもの優しき光を飲み込もうとしておる
・・もう一刻の猶予もない 既にその光が
闇に覆われようとしておる」
武天老師「そうか・・・なぁに心配はいらんよ
この儂がそんな事を許しはせんよ・・
誰一人死なせはせんよ 兄から託された
武天の名に懸けてな」
そう言って武天老師はゆっくりと館を後に
するべく歩き出す そんな彼の背中に
今まで黙って話を聞いていた孫悟飯が
切羽詰まったように声を掛ける
孫悟飯「お待ち下さい武天老師様!!
どうか儂の話を聞いて下され!!」
武天老師「・・黙れ人間を裏切った穀潰しめが
貴様の話等聞く持たんわ・・貴様は破門じゃ
この愚か者が・・・のぅ孫悟飯よ何故
悟空の秘密を知った時に一番に儂に相談
せなんだのじゃ・・そんなに儂が信用
ならなんだのか あの時ならまだ十分
間に合ったのじゃぞ・・それとも貴様は
儂が赤子の悟空を問答無用で殺すと思ったのか
貴様にとって儂はその程度の男だったのか
そうなのか孫悟飯よ!! 儂は貴様を
実の弟のように思っておったのじゃぞ!!」
・・咆哮と共に振り向いた武天老師の目
には悲しみの涙が止まる事無く流れていた・・
孫悟飯「あぁうぅ・・・ぅあ・・・・うぁあ」
武天老師「儂等は家族じゃろうが!! 違うのか
孫悟飯よっ お前にとって儂は家族と呼ぶ事すら
おこがましい老人なのか!! お前を愛していた
心の底から愛していたっ なのに何故じゃ
孫悟飯よ!!」
孫悟飯「武天老師様ぁ」
武天老師「お主も又悟空同様儚い夢じゃった
のじゃな・・こんな哀しい別れはしたく
なかったよ・・・・さらばじゃ」
それを見た孫悟飯は只只項垂れるしか
出来無かった
そして武天老師は今度こそ一度も孫悟飯を
振り返る事無く館を後にした
・・武天老師が居無くなると 孫悟飯は
咳を切ったように泣き続けた・・
孫悟飯「ううぅおお・・武天老師様ぁ
うぅうぁあああああああ!!」
占い婆「・・・ふんっ・・自業自得じゃ
愚か者めが」
占い婆の館を後にした武天老師は飛空挺に乗り
亀ハウスに戻る帰路の中 来たるべき戦いに
想いを馳せていた
武天老師「ふぅ・・・(まさかこんな日が
来るとはのぅこれが運命なら皮肉なものじゃな
悟空よ)・・・じゃが儂はそれを受け入れよう
・・・悟空よ 全ての決着は師匠たる
儂の手で着けねばならん 明日儂はお主を
・・・討つ」
・・仲間の身に不吉な星が迫っている・・
・・それを知った武天老師は自分が認めた
最愛の弟子を討つ決意を固めるのであった・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・その日の夜カプセルコーポレーションにて・・
ブルマは庭に出て何かをしていた どうやら
鳩に手紙をくわえさせているようだ
明日の決戦を前にブルマは今1度仲間達と
確認の連絡をとっていた
ブルマ「頼んだわよ皆この手紙を渡してきてね」
ポッポォオオオォ バサァアア
ブルマ「・・・何事もなければ良いけど」
・・明日終わりの始まりが訪れる・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
その数時間順当後に手紙を渡していった鳩は
最後の2通の手紙を渡す為にある場所を
訪れていた
バサァアア
鳩は目的の人物を探すがどれだけ探しても
彼等を見つける事は出来なかった
ポッポォオオオォ バサァアア
やがて鳩は辺りをもう1度大きく旋回すると
諦めたようにその場を飛び去っていった
ヒュウウウゥ
誰も居ない広野に哀しい風が吹いていた
・・そして遂に運命の朝が訪れた・・
カプセルコーポレーションにてまだ日が
昇らない早朝にブルマが神妙な面持ちで
庭に出て何かを待っていた
そして空を見ていたその視線が何かを
捕らえると祈るような表情に変わった
ブルマ「戻ってきたわ それで返事は
・・・駄目だわ私の出した手紙だわ・・
もう何度も手紙を送ってるのに・・なのに
返事1つよこさないなんて」
空の彼方から飛んできた連絡用の鳩が
加えていた手紙を確認するブルマであったが
鳩が加えていたのは仲間からの返事では無く
自分が出した手紙であった
ブルマは暫く連絡の途絶えている仲間達を
心配して何度も連絡を取ろうとしていたが
その期待とは裏腹に悉く失敗に終わっていた
ブルマ「大丈夫よ・・・皆ちゃんと無事で
いるわよね 南の都で待ってるからね」
・・連絡の途絶えた仲間達 それは・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
夜が明け遂に全ての因縁に終止符が打たれる
決戦の朝が訪れた
戦士達は其々の決意と想いを胸に秘め
南の都へと足を向ける
武天老師「ではの海ガメ 行ってくるぞい」
海ガメ「亀仙人様・・お帰り何時までも
お待ちしています」
武天老師の言葉に悲しそうに返す海ガメに
武天老師は安心させる様に優しく言葉を返す
武天老師「心配するでない海ガメよ
儂はちゃんと帰ってくるわい」
海ガメ「はい亀仙人様・・いってらっしゃい」
海ガメの心からの心配の言葉に武天老師も
顔を綻ばせる 思えばこの海ガメとは
長い付き合いだった
彼が居たからこそ今の武天老師があると
言っても過言では無かった
武天老師にとって海ガメは既に無くては
ならない大切な家族であった
武天老師「大丈夫じゃよ 儂の帰る家は
お主のおるここじゃからのぅ・・ではの
留守を頼む」
海ガメ「亀仙人様・・何時までもお帰りを
お待ちしています ずっとずっと何時までも
・・・何時までも」
そして武天老師は 愛弟子との決着を着ける
為に飛空艇に乗り南の都へ飛び立っていった
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
孫悟空「んじゃ行ってくっぞ!! 何も心配
すんなって 人造人間はオラがぶちのめして
やっからよ!!」
ピッコロ「・・それでは行ってくる・・
悟飯お前は男だ家族を守ってやれ・・・
常に心強くあれよ」
ピッコロの自分を信じ想いを託してくれた
その言葉に孫悟飯は力強く頷く
孫悟飯「ピッコロさん・・はい!!
ピッコロさんに教えて貰った事絶対に
忘れません!!」
孫悟飯とて本心では一緒に行きたかった
だが皆の熱意に打たれ残る事にしたのだ
だからこそ誓うのだ 家族は必ず自分が
守ってみせると自分を信頼してくれた
もう一人の父親の想いに報いる為にも
チチ「気ぃつけてなぁ・・頼んだぞピッコロ」
牛魔王「必ず・・・必ず帰って来るだぞ
ピッコロ 儂等ずっと待っとるからな」
チチ「あぁ 何時でも帰ってこい おめぇは
もうオラ達の家族だ」
孫悟飯「行ってらっしゃいピッコロさん」
そんなチチと牛魔王 そして孫悟飯の想いを
受け止めるピッコロの胸に暖かいものが広がる
ピッコロ「あぁ 帰って来るさ必ずな
・・ではな行ってくる」
孫悟空「へへっへぇ 腕がなるぜぇ
待ってろよ人造人間共が てめぇ等全て
破壊してやるぜ」
ピッコロ「っ・・・(やはりこいつは
孫では無い)・・・行くぞ孫」
孫悟空「あぁ さっさと行こうぜ・・
(くくくくくっ最も死ぬのは人造人間だけじゃ
無いかもしれんがなあ クカカカカカカ!!)
・・あぁ楽しみだぜ」
ピッコロ「・・(こいつは)・・」
孫悟空「さっさと行こうぜピッコロ・・(漸く来たぜ
この日がさあ楽しいパーティーの始まりだ!!)・・
フハハハハ」
ピッコロ「あぁ・・・行くぞ孫」
そうしてピッコロと孫悟空も南の都へ向かった
チチ「はぁ・・・・行ってしまっただなぁ
・・頼んだぞピッコロ」
牛魔王「大丈夫・・・大丈夫だ 心配
いらねぇべ 彼奴は必ず帰ってくるべ」
孫悟飯「ピッコロさん・・・お父さん」
彼等は二人が飛んでいった空を何時までも
眺めていた
残された家族達の目には何時の間にか
涙が浮かんでいた
頭の中に思い浮かんで来るのは今までの
楽しかった思い出
・・その思い出に彼等は今さよならを
告げた・・
チチ「さよなら・・・さよならだべ悟空さ」
孫悟飯「さよなら・・・・さよならお父さん」
牛魔王「去らばだ悟空・・・さぁもう行くべ」
・・その後この家には誰も戻って来る
事は無かった・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
ベジータ「よし・・行くぞブルマ」
ブルマ「えぇ行きましょう お父さんお母さん
トランクスの事お願いね」
ブリーフ博士「あぁ 後の事は心配せんで
頑張ってこい」
ブリーフ夫人「気をつけてね二人共
ベジータちゃんブルマの事お願いね」
ベジ—タ「あぁ 俺に任せておけ ブルマは
俺が必ず守る」
ブリーフ夫人のその言葉にベジータは
力強く頷く
本来なら一人で行きたい所だがベジータは
機械に詳しく無い為に 万が一人造人間に
何かあった時の為に機械に詳しいブルマも
一緒に行く事になった
ベジータ「暫しの間トランクスの事を
よろしく頼む・・ではな 行くぞブルマ」
ブルマ「えぇ それじゃあお父さんお母さん
行ってきます」
そしてベジータは武空術で ブルマは飛空挺で
南の都へ飛び立って行く
南の都へ向かいながらベジータは以前から
ずっと気になっていた事をブルマに確認する
ベジータ「ブルマ 皆とは連絡が取れて
いるのか? 今日も朝早くから庭に出ていた
ようだが」
ブルマ「えぇ 三年前にヤムチャから
真実を聞いてから直ぐに残りの皆にも
伝えてあるわ・・ただここ暫くは忙しいのか
音信不通だけど・・今回の手紙も届かなかった
みたいだし・・あの三人の事だから大丈夫
だとは思うけど」
答えたブルマの表情も 大丈夫だとは
思っていてもやはり不安なのだろう
幾分心配気な表情だった それを聞いた
ベジータも嫌な予感を拭い切れなかった
ベジータ「むぅ・・・そうか・・・何事も
無ければいいが」
ブルマ「・・ええ・・そうね」
・・二人は暫く連絡の取れない三人の
仲間達を心配していた・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
一方此所は神様の宮殿 此所では地上に降りた
ピッコロの代わりにミスターポポが神様代行
として宮殿の存在を維持しながら地上の様子を
見ていた
ミスタ—ポポ「・・・・・これはどう言う
事なのか」
しかしその表情は何時もの能天気そうな彼とは
違い強い焦りが浮かんでいた
・・思えば不安の始まりは一年前から
だった・・
神様とは地上を見守る役目が在るが
只悪戯に地上に干渉したり覗き見をしては
いけない
しかし慌ただしくなった地上の行く末が
心配になり一年前何気無しに地上を覗いて
みたらある人物の姿が見えなかったのだ
更に言えばミスタ—ポポは知らない事だが
それはトランクスの薬によって孫悟空が
眠りから目覚めた直後だったのだ
その時は気のせいだと思っていたが
何時までたってもその人物は見つからず
不安ばかりが募り更に半年後彼の仲間の
二人の人物迄もがその姿を消した
ミスタ—ポポ「?・・・そう言えば悟空には
・・・あぁ!?」
心の何処かに油断があったのだろう
あの三人に限ってそんな事は無いと
しかし今この時になって漸く彼はその事に
思い至った
ミスタ—ポポは戦慄した あの人物にしか
使えないある特技の事を思い出したのだ
ミスタ—ポポ「っ!?・・・まさか・・
まさか・・・そんな」
それを理解した瞬間ミスタ—ポポのその表情は
驚愕と絶望に染まる
ミスタ—ポポ「どうして今まで気が付かな
かった!! 大変だ一刻も早く神様に
知らせないと!!」
疑惑が確信に変わった今ミスタ—ポポは
急いでピッコロに念話を繋いだ
・・一年前姿を消したのはクリリン・・
・・そして更にその半年後姿を消したのは
天津飯と餃子であった・・
・・そして孫悟空には人に見られる事無く
姿を消せる 使い方によっては最強の技足りうる・・
・・瞬間移動があった・・
【くくくく ふはははははは!!】
【そうだ それで良いんだ我等が
同胞足るカカロットよ】
【それでこそ我らが同胞足るに相応しい男よ】
【全てを破壊し 全てを殺し
この宇宙全てを人間の絶望と血肉に染めるのだ】
【フハハハハハハハハハハハハハ!!
全てを殺し尽くせカカロットよ!!】
・・暗闇の中でその者達は不気味に
笑っていた・・
・・そして運命の日束の間の幸せは
終わりを告げる・・
後書き
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