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とある委員会の委員長 番外編~STB編~

作者:stk
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聖遺物のための愚行
  第一話

「あなたはいったい誰ですか?・・・この島の人間では無いですよね?」
どおして私は同い年くらいの子にこんなことを聞かれているのだろう?
それにこんなことになったのは全てあの人のせいだ!!!





私が絃神島にいく10日前。
中学三年生になってはしゃいでいる私は突然、統括理事長(アレイスター)からいつものように呼び出された。
「仕方がない。能力No.2、空間移動(テレポート)。」
私は歩いてはいけない場所。
つまり窓や扉と言った出入口がない建物のなかに能力を使って入っていった。
『今日は随分と早い到着じゃないか。』
「そうね。それで一体何のようなの?」
『君は第四真祖という存在を知っているかい?』
もちろん知っている。
「確か伝説でよく聞く世界最強の吸血鬼でしたよね?」
『ああ。それであっている。しかし君の答えが違う部分がある。それは第四真祖は実在する。と言うことだ。』
そうですか。
でも私にとってはなんの関係もな・・・・・いわけないか。
なぜかって。
それは統括理事長(アレイスター)が私に一対一で話したのだからである。
ということは今回の依頼は・・・。
『どおやら第四真祖は日本にいるらしい。』
「そうなんですか。」
『そこで君に監視を頼みたい。』
やっぱり。
「分かりました。それで場所は何処なんですか?」
『魔族特区。絃神島。そこに彼は暮らしているそうだ。』
彼?
と言うことは男なんだ。
『これが彼のデータだ。見ておいてくれ。』
「わかりまし・・・・」
私は渡されたメモリー媒体を鞄にしまってから思い出した。
まって絃神島って言ったよね?
「ちょっと待ってください。魔族特区。絃神島だと獅子王機関もしくは、警察庁の担当のはずです。私が動いても意味がないと思うのですけど。」
統括理事長(アレイスター)はいつもと同じ表情のまま、
『たしかに君が普通の学生だったのなら関係なかっただろう。しかし君はイギリス清教第零聖堂区必要悪の教会。通称、ネセサリウスに属する魔術師であり学園都市を誇る超能力者(レベルファイブ)。それに何よりの決めては・・・』
くっ。
ここであの資格が裏目に出るなんて。
『君が持つ上級攻魔師だ。上級攻魔師ならば監視にいっても不思議ではないだろう。』
反論ができなくなってしまった。
そもそもなぜ私が上級攻魔師の資格を持っているのかというと、私がイギリス清教に遊びにいっている間に二週間ほど抜け出して西欧教会のもと修行を行った。
その成果が認められたのか、上級攻魔師の資格を手に入れた。
しかしこの事は統括理事長(アレイスター)に言っていなかったはず。
やっぱりこの人に隠し事を使用とするのは無理なのかもしれない。
仕方がない。
諦めますか。
「それでいつからいけばいいのですか?」
『出来ることなら直ぐにでも行ってもらいたい。』
「それは無理です。最低でも準備に10日は掛かります。」
『それなら10日後には行ってもらう。』
「分かりました。」
統括理事長(アレイスター)は何を焦っているのだろう?
いままで何もなかったのだからあせる必要もないと思うけど。
でも私を監視にいかせると言うことはなにかあるんだよね。
それはそれで楽しみかも。
「それでは準備があるので帰ります。」
『ああ。それといい忘れていたが向こうですむための部屋も準備してある。』
と言って私は案内人から部屋の鍵をもらった。
部屋の番号は703号室。
「分かりました。それでは失礼します。」
『ああ。期待しているよ。』
私はもちろん統括理事長(アレイスター)から真逆のほうに向かって歩き出した。
そして、
「能力No.2、空間移動(テレポート)。」
建物の外に移動(テレポート)したのであった。
『獅子王機関の剣巫と第四真祖か。今度はどんなものを見せてくれるのか楽しみに見ているとしよう。』


「それでは私も準備をしますかね。」
と言っても準備をすることなんて少ないけどね。
なぜかというと、指定された部屋に物を飛ばせばいいだけだから前日に行えばいい。
という理由である。
でも空間移動(テレポート)で飛ばしてはいけないものもある。
それは神具と呼ばれ、世界中に散らばっている神にまつわる武具のことを指している。
私が所持しているのはグングニルの槍、リジルの剣、ホヴズの剣である。
3つの神具を所持しているのは私ぐらいだと思います。
自慢じゃないけどね。
と言っても同時に3つの神具を使いこなせるか?
と聞かれた場合の答えは否としか答えられない。
相性の問題もあるけど普通に考えて槍と剣を同時には使わないよね。
だから同時に使うことがあるとするならばリジルの剣とホヴズの剣くらいだと思う。
グングニルの槍を使うときは他の武具とあわせて使うことはないと思う。
多分だけどね。
まあ、使うことがないことを祈ってみたりもするのだけど、たぶん使うことになるだろうね。
「はぁ~。統括理事長(アレイスター)も人使いが荒いな~。」
別に気にしないけどね。
それよりも準備を進めないと。




こうして準備に10日使い、ついに絃神島にやって来ました。
ですがすでに獅子王機関の剣巫が第四真祖と接触していたため私がうしろから監視しているとすぐに見つかりました。
面倒です。
「あなたはどこの誰かと聞いているのですけど?」
仕方がありません。
答えるとしましょう。
「私は国際科学安全委員会。通称ISSCとイギリス清教第零聖堂区必要悪の教会。通称ネセサリウスに属する攻魔師の木原雫と言います。」
私は魔術師でもなく超能力者(レベルファイブ)とも名乗らずにあえて攻魔師と名乗った。
これにはもちろん意味がある。
だが先に国際科学安全委員会について説明しますね。
国際科学安全委員会。
International Science Safety Committee。
通称、ISSCと呼ばれているがはっきり言うとこれは学園都市のことをいっている。
そして国際機関であるから、もちろん国際連合に承認されている。
そして活動も行われており、未開発地域の科学導入を目的に働いている。
だから私はいろんなところで活躍する国際科学安全委員会と名乗ったのだ。
そして私が攻魔師と名乗ったのは、攻魔師と名乗るだけで私が来た目的がわかってもらえると思ったからである。
先にいっておきますけど、イギリス清教、ローマ正教、ロシア聖教と西欧教会は別の組織ですからね。
「木原さん。私は獅子王機関から第四真祖、暁古城の監視にやって来た姫柊雪菜と言います。」
へぇ~。姫柊雪菜か~。
いい名前だね。
私の忌まわしい名前と違って。
「第四真祖の監視には私がついています。ですので安心してください。」
はぁ~。
分かってないな~。
「あなた、本当に攻魔師なの?」
「いったいどういう意味ですか?」
「あなたは国家公務員であって、私は国際公務員。どっちが上なのか考えてもらえますかね~。」
もちろん国家と国際では国際公務員の方が上である。
でも今回は私たちの対応も遅かった。
「でも今回はこうしましょうか。勝負しましょう。」
私は《グングニルの槍》を構えた。
「分かりました。受けてたちます。」
私は彼女が構えた武器を見て「嘗められているのかな~。」と思いました。
彼女の構えている武器は私と同じ槍なのですが、性能が違いすぎます。
彼女の武器は七式突撃降魔機槍《シュネーヴェルツァー》。
「あなた、私を馬鹿にしているの?その武器は七式突撃降魔機槍《シュネーヴェルツァー》じゃない。私の持つグングニルの槍を相手にそれは無謀じゃないかしら。」
これで戦った場合、私は身体能力のみで100%勝てるだろう。
「これでは話になりません。」
私はグングニルをしまった。
「グングニル?・・・・それはまさか!!!」
「今ごろ気づいたの?この子はオリジナルのグングニルの槍よ。しかも私が血を分けたもの。」
「つまりあなた以外に扱うことは出来ない。ということですね。」
「そうね。」
魔槍グングニル。
私が攻魔師になったときにイギリス清教が私にくれたもの。
これを使って戦えば聖人にも劣らない力を発揮できる。
それに血を与えることにほっていくらか強化されている。
私が与えた血の量は少なかったのだが、かなりの痛みを伴った。
しかしこれ以上血を与えてしまうと生死に関わってきたと思う。
まあ勝負はできなかったけど私の任務はあくまでも観察。
それなら
「あなたが第四真祖、暁古城の監視をするのならそれもいいでしょう。でも私が任務を諦めると言うわけではないから。だからバレないように行うことにするわ。」
私は来た道を逆に向かって歩いた。
暇だから今日の食材でも買いに行ってこようかな。


 
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