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鉄槌と清風

作者:deburu
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51部分:50:ホテルアグスタ前夜


50:ホテルアグスタ前夜

 地球へ出張してから数日、新人の訓練も順調に進んでいる、フェイトが捜査の為に居ない日が多いので、良彦がエリオとキャロに回避の訓練をつけている事が多い。
 そんな風に日常を過ごしている所へ、はやてから隊長陣に次の任務の話し。

 「ちゅーわけでや、今度の任務はホテルアグスタで行われる、オークションの警備になったんや」

 「どういうわけだよっ!」

 「今から説明するから、おちつき良彦隊長」

 「いきなり突っ込ませるような言い方するからだろが」

 「落ち着けよ良彦、はやてがああなのは今に始まった事じゃねーだろ」

 結局ヴィータに窘められる。

 「んじゃ、説明するよ、オークションでは所持が認められたロストロギアなんかも出品されるねん、それをレリックと勘違いしたガジェットが出てくるかもしれんて、そういう訳や」

 「ガジェットが出てきた場合の為の、警備って事?」

 「そや、中の警備は私となのは隊長、フェイト隊長が、外は他のフォワードメンバー全員やな、ウィンドも含めるで」

 「了解した、出発は?」

 「時間判ってるし、良彦隊長とアイン、それにヴィータ副隊長と、シグナム副隊長は今から先入りしてくれるか、他は明日現地入りや」

 なのはと良彦の疑問にはやてが答える。

 「あいさ、んじゃ準備出来次第出発か?」

 「だな、一回部屋もどるか」

 「そうだな、とはいえ、そう多くの準備がいるわけでは無いだろう」

 「マスターの場合は、飲み物などでしょう、あまりホテルで売ってる物ではないですから」

 先に出る4人がそんなことを言いつつ部屋を出る。



 数時間後、ヴァイス操縦のヘリでホテルアグスタへ降り立つ4人。
 その格好は、六課の制服、デバイスは民間人も多い場所なので起動ロックされている。

 「…この格好、息苦しいんだが、胸元開けちゃだめなのか」

 「ダメですマスター、任務中ですから」

 「そんぐれー我慢しろよ、ったく」

 「良彦は、普段からちゃんと着てないからそう思うのだろう」

 「全員でいわんでも」

 胸元を弄りながら、苦笑する良彦。

 「よし、最初に話していた通り…深夜までは4人で所定箇所の巡回、それからは2名ずつ交代で定時巡回だ」

 シグナムがそう言って

 「それじゃ、気をつけてな」

 「おう、皆もな」

 「了解、何かあれば連絡を」

 良彦、ヴィータ、アインが一言ずつ言って移動して行く。
 ホテルの4方、外周を警戒しながら廻る4人。

 特に何事も無く、時間が過ぎ深夜、最初はシグナムとアインが巡回に付く。
 良彦とヴィータはホテルの好意で従業員の仮眠室を借り受けて休憩だ。

 「仮眠室だけでも借りられて、ありがたかったな」

 「だな、態々部屋借りるよりも外に近いしな」

 「んむ、とはいえ、軽く仮眠しとかねーとな、交代して明日は一日だ」

 「そーだな…ふぁ、ちと眠いしな」

 あまり大きくないベットに二人並んで座り、夜食を軽く食べながらそんな会話を続ける。
 食後のお茶を飲み、灯りを最低限の光度に落とし、そのまま同じベットで横になる。

 「ほんじゃ、おやすみな…ん」

 「ん…おやすみ、良彦」

 ちょこっと唇を合わせ、タイマーを3時間でセット、その時間には起きて交代になる。



 何事も無く、仮眠から起き、シグナム、アインと交代、二人でホテル外周の巡回を続ける。

 「サーチャーを廻りにってのはホテルだから出来なかったのかね」

 「オークションに出る人間には、色々いっかんな、高官とかがそういうのうるせーらしい」

 「はぁ、安全とプライバシーでプライバシーを取るのか、いい身分だな」

 「ま、あたしらは自分の仕事をするだけだろ」

 「んだな、うしいくか」

 こつんと拳同士を打ち合わせる。
 まぁ、結果として特に何も無く夜があけ、シグナム、アインも起きてくる。

 「おはようさん、こっちの時間も何もなかったぞ」

 「おう、問題なしだ」

 「そうか、此方もゆっくり休ませて貰った」

 「えぇ、ベットは二つあったのに1つしか使われた形跡はありませんでしたが」

 シグナムとアインが、にやりと笑い掛ける。

 「うっ、それはなんだ、あれだ」

 「うっせ、一緒の方が安心できるんだから良いだろ」

 良彦とヴィータが頬を赤くしながら、言い訳。

 「悪いとは言ってないぞ、事実を言っただけだ」

 「マスターはこういう時に慌てすぎるきらいがありますからね」

 再び二人が、苦笑しつつ言い。

 「よし、予定の箇所へ皆移動だ、警備に入る」

 「あいよ、他の皆が来るまではこのままだな」

 「おっし、んじゃ油断すんなよ」

 「了解、予定通りに」

 シグナムの指示で3人が動き出す、事前の打ち合わせで決めた場所へ。
 前線一同がくるまで、何事も無く警備は続けられた。
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4人でなら2人ずつ交代できるなーと、そんな考えとヴィータと良彦を動かしたいのでこんな感じになりました。

次回は他メンバー合流、ガジェット戦辺りの予定です。
 
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