ヘタリア大帝国
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TURN121 カメルーンとケニアその四
「若しもの時はな」
「いえ、私もです」
カメルーンはイギリスの言葉を聞いてからまずは目を閉じた。そのうえで再び目を開いてからこう彼に答えた。
「私の星域を護り」
「そしてか」
「はい、最後まで戦います」
例え数が少なく艦艇も旧式になっていてもだというのだ。
「そうします」
「どうしてもだな」
「はい、そうさせてもらいます」
譲らない声だった、どうしても。
「ですから」
「ならいいさ、じゃあな」
「守りきることは約束しますので」
つまり最後の最後まで逃げず戦うことはするというのだ。
「私はケニアには」
「そこまで言うんならな」
イギリスもそれ以上は言えなかった、それでだった。
カメルーンと彼が指揮する艦隊を動かすことは出来なかった、そして。
今度は暗黒宙域の方を見た、見ればそこには。
木造の、どう見ても宇宙船ではないそれの艦隊があった。彼はその艦隊を観てそのうえで将兵達に言った。
「あの連中はな」
「今はですね」
「無視ですね」
「ああ、構ってる暇はないからな」
だからだというのだ。
「いいな」
「はい、わかりました」
「彼等については」
「というかあいつ等どういう船なんだ?」
イギリスは彼等を観ながら首を傾げさせて言う、
「木造で宇宙にいられるなんてな」
「沈めても泳いで帰っていきますし」
「訳のわからない連中です」
「人間だよな、あいつ等」
生物的にだ、彼等は人類だろうというのだ。
「そうだよな」
「その様ですが」
「しかしそれでも」
「わからない奴等だな」
「全くですね」
「彼等は」
「まあそれでもな」
彼等については今は、というのだ。
「放置してな」
「枢軸軍ですね」
「何につけても」
エイリス軍の将兵達も応える。
「それでは」
「今から」
こう話してそしてだった、彼等は。
枢軸軍を待っていた、そして枢軸軍は彼等の予想通りの動きで来た。
主力はケニア方面に置いている、だが。
一部をカメルーンに向けた、ロンメル達を向かわせたレーティアはケニアの方を見ながらドイツに言った。
「相手もわかっているだろうが」
「それでもだな」
「そうだ、ここはだ」
得意の機動戦を仕掛けるというのだ。
「ロンメル達がカメルーンを破りだ」
「それと共にだな」
「ケニアに同時に攻め込む」
これがレーティアの今の作戦だった、二つの星域を同時に頭に入れての作戦だった。
「そのうえであの星域を攻略する」
「わかった、ではだ」
「カメルーンをまず攻める」
あの星域をというのだ、そのカメルーンに向けている戦力で。
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