DOG DAYS ~黒猫と勇者の約束~
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アニメ開始前 ~白亜9歳~
前書き
はい、どうもメイウィルです。
いきなり本編ではなく過去話からです。
では、どうぞ。
「ここ・・・どこだろ」
白い髪に赤い目をした、俗に言う「アルビノ」の幼い少年は今、森の中にいた。
いつもつけているお守りのペンダントは持っていたが、他には何も持っていない。
Side 白亜
「とにかく、人を探さなきゃ・・・?」
ウ゛ウ゛・・・
コッチコナイデヨ・・・
ミンナドコ・・・
・・・なんか女の子の声が聞こえる・・・どうしとんだろ・・・探そう。
もしかしたら森の出かたも知ってるかもしれないし
Side out
Side ノワール・ヴィノカカオ
「やだっ、こっちこないで・・・みんなどこぉ・・・」
今日は、初めてガウ様の新鋭隊としてのお仕事で山に騎士団の人たちと魔物退治にきたのに、いつの間にかはぐれちゃった・・・
それで探してるうちにその魔物が出てくるなんて・・・
「グウ゛ウウウウ・・・・」
「誰か・・・助けてよ・・・」
武器はあるけど、怖くて抜けない。
いつもベルやジョーと一緒に戦ってたもん・・・1人じゃどうにもできないよ・・・
誰か・・・助けて・・・
「ねえ、大丈夫?」
「・・・ふぇ?」
私に声をかけてくれたのは、私と同じかちょっと上くらいの男の子だった。
Side out
Side 白亜
さっきの声を聞いて探してみると、震えて動けない黒髪の小さな女の子と、大きな犬だった。
助けなきゃ・・・!
「ねえ、大丈夫?」
「ふぇ・・・?」
やっぱり、驚かせちゃったかな?
「この短剣、借りてもいい?」
「・・・ん」
どうやら、貸してくれるみたいだ。
じゃあ・・・
「グルアッ!」
「せやぁ!」
こいつをやっつける!
爪がきた・・・!
これを・・・挟んで・・・
「でやぁっ!」
一気に捻じ曲げる!
「グアッ!?」
爪が根元から折れて動きが止まった! いまだ!
「うりゃあああああああああぁ!」
ザシュッ!
一気に、大きな犬の首元を斬り付けた。
「グ・・・ガ・・・」
ドサッ
そして、横たえた犬が動かなくなった。
やっつけれたんだ。
「大丈夫だった?」
とにかく、女の子を安心させなきゃ。
ボスッ
「うう・・・うえぇぇぇぇぇん!」
「わわっ」
当然女の子は僕に抱きついてきた。
どうやら、怖かったから安心して泣き出しちゃったのかな・・・
「もう大丈夫だからね~」
「ごわがったの、だれもいなくて、魔物もいるし」
どうやらあの犬は魔物といわれるみたいだ。
あぶなかった・・・
しばらくして、女の子は泣きやんだみたいで、顔を真っ赤にしてる。
泣いてるところを見られて恥ずかしかったのかな・・・
あ、名前聞いてないや。
「ねえ、君の名前は?」
「・・・ノワール。ノワール・ヴィノカカオ」
「そっか、ノワちゃんか。僕は白亜。赤牙白亜だよ」
「白亜・・・ありがと」
「大丈夫だよ、僕も怪我なんてしてないし」
「うん・・・」
「そういえば、ここってどこなんだろ」
「そういえば、白亜には耳がない・・・」
「いや、耳は横にちゃんとあるよ。でも、僕の世界と違うとこなのかな」
「ここはフロニャルドのガレット獅子領の国境付近の山だよ」
「ってことは、僕・・・異世界にきたんだ・・・すごいや」
「フロニャルドだと、勇者様が他の世界から来るって言ってたけど、なんで白亜はここにきたんだろ・・・」
「まあ、それはいいよ。とりあえずノワちゃんの一緒に来てた人を探そうよ」
「・・・うん」
しばらく歩くと、ふもとに到着したらしい。騎士の人たちの会話が聞こえる。
「どうする、ヴィノカカオ親衛隊員が行方不明になってるぞ・・・魔物の対処をしながら探すとなると・・・」
「いや、ここはフロニャ力の守護が薄い・・・すでに魔物に手傷を負わされているかもしれん」
「だからまだ王子の親衛隊に実践は早いと」
「ノワ・・・大丈夫やろか」
「きっと大丈夫ですよ・・・」
「あー!もういい、俺が自力で見つけてやる!行くぞベル、ジョー!」
「お待ちくださいガウル殿下!あなたまで行方不明になるおつもりですか!」
「放せ!このまま撤退なんて冗談じゃねぇ!」
・・・どうやら、かなりの大事になっているようだ・・・。
早いうちに行くとしよう。
「行こうか、ノワちゃん」
「うん」
「あ!ノワールや!みんな!ノワが帰ってきたで!」
「ノワぁ~、無事でよかった~」
「ごめんね、心配かけて」
「で、お前誰だ?」
「僕は赤牙白亜、ノワちゃんが魔物に襲われてたのを見て助けたんだ」
「そうか、お前が助けてくれたのか・・・ありがとよ。ここにいない爺さんや姉上に代わって礼を言うぜ」
「いや、そんな気にしなくていいよ」
「まあ、色々聞きたいこともあるし、一旦近くの砦まで来てくれないか?」
「うん、わかったよ」
~~~~~~
「ここだ」
「うわぁ・・・結構大きいんだね」
「まあ、ここは国境の防衛拠点だからな」
「そうだね、かなり頑丈そう」
「ところで、なんで異世界のやつがどうやってここに来たんだ?俺は勇者招喚でしか来れないって聞いてたけど」
「うん、それが僕もよくわからないんだ。気がついたら森の中にいたから」
「そうか・・・」
この国の王子のガウルは、なんでもお姉さんが出れないので、ようやく実践許可の出た自分の親衛隊を引き連れて魔物の討伐作戦に参加していたそうだ。
でも、途中でノワちゃんが行方不明になり、一旦作戦を中止してどうするか考えていたらしい。
「そのうち、また向こうに戻るのかもね」
「かもしれないな」
その日は、砦でご飯をみんなと一緒に食べていた。
その日の夜、急に足元が光り始めた。
どうやら、戻るみたいだ。
今、この場にはジェノワーズ(2人の名前は教えてもらった)とガウルと僕だけだ。
「どうやら、時間みたいだね」
「そうか・・・思ってたより早かったな」
「せやな、なんかあっさりやわー」
「ね~。もっと遊びたかったな~」
「・・・」
「・・・ノワちゃん?」
「・・・ゃ・だ・・・」
「どうしたの?」
「行っちゃやだ!もっと一緒にいようよ!」
「ノワ!?お前何言ってんだ!?」
「せやで!そないな無茶苦茶ができるはずないんやて!」
「だって、もう会えないのはやだよ!」
「ノワちゃん、じゃあこれをあげるよ」
「・・・これって」
「うん、僕のお守り。いつか君にまた会いにくるっていう約束の証」
「わかった、ずっと大事にするね。待ってるから・・・だから」
「ん?」
「私からも、これ」
渡されたのは、ノワちゃんの使ってた2本の短剣。
きっとこれでずっと練習してきたんだろう。
「うん、じゃあもらっておくね。いつかまた会うって約束で」
「待ってるからね!絶対約束だからね!」
「うん、絶対に会いにくる!」
光が強くなってきた。もう時間かな・・・
「ん・・・」
ふと、口を塞がれた感覚があった。
みると、ノワちゃんが僕にキスをしていた。
「約束だからね!白亜!」
顔を真っ赤にして彼女が言ってる。
だったら僕も応えなきゃ!
「絶対に帰ってくるよ!ノワちゃん、大好きだよ!」
そして、光が瞬くと・・・
僕の部屋のベッドにいた。
「夢・・・だったのかな」
ふと、あれは夢だったのかなと思うと、足元で何かが落ちる音がした。
「これって」
落ちていたのは、ノワちゃんとの約束の証である短剣だった。
「夢じゃないんだ・・・」
だったら、やることはひとつ!
「もう一度、ノワちゃんに会わなきゃ・・・」
もう一度、ノワちゃんに会って、大好きってちゃんと伝えるんだ!
Side out
Side ノワール・ヴィノカカオ
「ノワ、元気だしぃや」
「そうですよ、きっとまた会えますよ~」
・・・白亜が帰ってから1日経った。
でも、どうしても訓練にも身が入らない。
バナード千人長が「今日は休みなさい」と言っていたので、自室で休んでいる。
・・・でも、休んでいても白亜のことばかり思い出して他のことを考えられない。
「きっと、これが恋煩いなのね~」
「・・・恋煩い?」
「ええ、きっとノワの初恋だからそれだけつらいのよ」
「せやせや、しゃっきりせんと今度白亜に会ったときに嫌われるで?」
白亜に嫌われる・・・そんなの
「そんなのやだ、もっと白亜と一緒にいたい!」
「だったらやることはひとつでしょ?」
「うん」
「うっし、んじゃ訓練に参加しますか!」
「私たちは、3人揃ってこそジェノワーズだもの!」
「うん!」
そうだ、白亜とお別れしたけど、白亜は「絶対また会いに来る」って言ってくれたんだ。
だから・・・このお守りのペンダントつけて頑張るよ。
見守っててね、白亜。
Side out
後書き
はい、ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後のところでバナード将軍が千人長になっていますが、オリジナルです。
ノワと白亜のイチャイチャを書きたいがために初めましたが、次回はまだアニメの1話には入らず、過去編の2つめを投稿し、キャラ紹介のあとで1話を投稿する予定です。
ご感想、アドバイスなどお待ちしています!
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