久遠の神話
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第七十一話 全ての光でその十二
「剣士が五人で先生達が」
「その方を含めてです」
樹里を見てだ、智子は上城に微笑んで答えた。
「九人です」
「私もですか」
「貴女も戦いを終わらせたいと考えられていますね」
「はい」
その通りだとだ、こう答える樹里だった。
「そのことは」
「そうですね、それではです」
「私も戦いを止めたいという人達の一人なんですか」
「貴女は今まで上城君を支えてくれていました」
聡美が言う、、二人を見ながら。
「そして今も」
「だから私もですか」
「同じ志を持つ仲間です」
それになるというのだ。
「ですから」
「それでなんですか」
「戦いましょう」
そうしようというのだ。
「戦いを終わらせる為に」
「わかりました、それでは」
樹里は聡美のその言葉を受けた、拒みはしなかった。
そうしてだ、こう言った。
「私も一緒に戦います」
「そうしましょう、九人で」
こう話してそうしてだった。
高代は戦いを降り戦いを終わらせようとする剣士達が一つになろうとしていた。次の日大石は上城本人から教会で話を聞いて静かに微笑んで言った。
「大きなことです」
「先生が戦いを止められたこととですね」
「私達が一つになろうとしていることも」
このこともだというのだ。
「大きなことです」
「そうですね、それじゃあ」
「まずは一人、そして」
さらにだというのだ。
「また一人と」
「そうしていってですね」
「戦いを終わらせましょう」
こう上城に話す。
「それぞれの願いを適えることによって。そういえば」
「そういえば?」
「はい、アメリカのことですが」
スペンサーの国であるこの国の話もするのだった、ここで。
「あの国の大統領選挙は民主党が勝ちそうですね」
「共和党のあの大統領落選するんですか」
「どうやら」
そうなりそうだというのだ。
「元々今回は共和党に不利な選挙でしたが」
「何か政策が強引だからですね」
「はい、共和党保守派伝統の政策ですが」
よくネオコンと言われるその政策だ、富裕層優遇で福利厚生には関心が薄くアメリカの国益を一方的に追い求める。小ブッシュ政権の政策がそれだとよく言われる。
「あの政策が批判されてです」
「民主党有利なんですね」
「はい、ですから」
今の共和党の大統領はというのだ。
「落選の可能性が高いです」
「そうなんですね」
「はい、議会もです」
そちらもだというのだ、選挙は大統領選だけではないのだ。
「そちらも民主党有利となっています」
「じゃあスペンサー大尉は」
「あの人は軍人です」
大石は上城にこのことから話した。
「軍人は命令に従うものです」
「どんな命令でもですね」
「そこに本人の意志は関係がありません」
それが軍隊なのだ、命令は何よりも優先されるのだ。そうでなければ秩序が保てず動きが滅茶苦茶になるのだ。
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