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迷子の果てに何を見る

作者:ユキアン
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番外その一

 
前書き
にじファンに居た時にやったコラボ回です。
許可は取ってあります。 

 
番外コラボ 教授と業炎の剣帝


side レイト

また世界の揺らぎを感じた。しかし、いつもとは少し違う感覚だ。いつもなら世界が異物を受け入れようと形を変えるのに対して、今回は何も起こらない。

「まさかオレ以外の渡り人なのか?」

十分にあり得ることだが問題はそいつをどうするかだな。

「とりあえずは接触するしかないな」

戦闘になる事も想定して出来る限りの用意をしてから揺らぎを感じた場所に転移する。


side out





side ジークフリート・D・B・ファナリスト

「やばいな。ここはどこだ」

とりあえず現状確認だ。
俺の名前はジークフリート・D・B・ファナリスト。
気がつくといきなり森の中にいた。さっきまでは学園祭に参加していたはずなんだが。
傍に居たはずのミレアもセルキもルミネもいない。

「どういう事なんだ」

考えても分からないのでとりあえず動こうとしたのだがお腹が減っている事に気付き時空の歪みから食料を取り出そうとして......

「あれ?」

時空の歪みが開かなかった。

「ちょっと待って、嘘だろ。今までこんな事なかったのに」

まずい。今の俺は魔法具も何も持っていない。頼れるのは鍛えた身体だけって。

「ここで何をしている」

いつの間にか一人の男が俺を警戒しながら立っていた。
一目見てこいつが格上の存在である事に気付く。レーヴァティンが出せればどうにかなったかもしれないが今の状態じゃあどうしようもない。

「質問に答えろ。答えないならば世界に影響を与える前に消す」

目の前の男から殺気が溢れる。こいつ造物主よりも何倍も強い。

「俺はジークフリート・D・B・ファナリスト。気がついたらここにいただけだ」

「なら次の質問だ。お前は転生者なのか」

「そうだ。お前も転生者なのか」

「違うな。オレは渡り人だ」

渡り人?聞いた事がない言葉だな。

「最後の質問だ。お前はこの世界で何をするつもりだ」

「ちょっと待て。赤き翼の俺を知らないのか」

「赤き翼だと?なるほど、そういう事か」

男は勝手に理解して殺意を納めた。

「おい、勝手に納得してないで俺にも教えてくれよ」

「ああ、すまんな。とりあえず自己紹介をしておこう。オレの名はレイト・M・テンリュウ。渡り人でこの世界で転生者狩りをしている」

転生者狩り?
かり【狩

・猟】

山野で鳥獣を追いかけて捕らえること。猟
りょう
。狩猟。《季 冬》「弓張や—に出る子のかげぼふし/嘯山」

(接尾語的に用い、「がり」と濁る)
㋐ 魚介類をとること。「潮干—」
㋑ 山野で植物を観賞•採集すること。「まつたけ—」「もみじ—」
㋒ 追いたてて捕らえること。「山—」「魔女—」
広辞苑より抜粋

転生者を狩る=俺を狩る
俺の状況
武器無し、魔法使用不可
目の前にいる男>造物主


「さよなら」

逃げ出そうとするも何かに足を掴まれた。足下を見ると俺の影が俺の足を掴んでいた。他人の影を使った影繰術なんて聞いた事無いぞ。

「まあ、落ち着け。別にお前を狩るつもりはない」

「へっ?」



side out







side レイト

とりあえず山の中ではアレなので店まで転移してコーヒーを出す。

「先程は簡単に説明しすぎて要らぬ誤解を与えてしまってすまないな。まあ、嘘は一切ついていないんだが。順に説明するとまず、渡り人だがこれはオレがそう呼んでいるだけで名前自体に意味はない。簡単に言えば別の神が管理している世界へ渡ってしまった人のことを指す」

「別の神?」

「転生者なら神にあった事があるはずだろ」

「あのジジイか」

「それで神って言うのは7階級有り、一番下っ端の神1柱につき一つの世界を管理している。たぶんお前はこいつに会ったんだろうな。で、階級が上がるごとに管理する神の数が増える」

「神を管理する?」

「神も世界を管理できるのは一つが限界みたいでな、世界ではなく神を管理していくんだ」

「つまり階級が上がるってことは会社の上司になるってことか。でもなんでオレが会ったのが一番下っ端って分かるんだ」

「言ったはずだがオレは転生者狩りをしている。大体200人位仕留めたかな。それだけ狩れば持っているチートの量で分かる」

「そう言えば選ばせてもくれなかったし最初から強い訳でもなかったな俺」

「そう落ち込まなくて良いぞ。今のお前なら転生してきたばかりの奴なら余裕で勝てる。あいつらただのオタクだから」

「いやいやいや、そんな簡単に言わないで」

「いくらチート能力だろうと圧倒的な経験の前では塵に等しい。気配を消して奇襲すればすぐに片がつく」

「確かにそれなら勝てそうだけど」

「慣れれば武器とかも奪えるぞ」

「武器って?」

「ライダーベルトとか。転生者を殺すとなくなるけど」

「意味ないじゃん」

「そうでもないぞ」

オレは昨日完成したばかりのディケイバックルとライドブッカー、外側だけのケータッチを見せる。

「そ、それって」

「オレが作った。使ってみるか」

「良いのか」

「ああ。……ちょうど転生者が来たからな(ボソッ)」

「えっ!?」

「大丈夫だ……たぶん」

「ちょっと」

「使い方は分かるな。だったら大丈夫だ。後、お前はどこの世界から来た」

「ネギま!だけど」

「ライダーの姿でも魔法は使える。余裕だろ」

「だけど今手元に媒体がないんだ」

「ならこいつを使え」

自分が嵌めている指輪を外してジークフリートに投げ渡す。

「お前は良いのかよ」

「問題ない。オレにはこいつがある」

ロストドライバーとスカルメモリを見せる。忘れずに帽子もだ。

「まあ、最初は一人でやってみろ。ヤバそうだったら助けてやるから」




side out





side 塚本

今までは運のない人生だった。しかしこれからの僕は違う。何せ神にチート能力を貰ってネギま!の世界に来れたのだから。とりあえずは能力の確認を。
突如銃声と火花が近くで飛び散った。

「誰だ」

「意外と扱いにくいな」

声がした方を向くと、そこにはマゼンタ色とバーコードの様な顔が特徴の仮面ライダー、ディケイドがライドブッカーをこちらに向けていた。

「何でここにディケイドがいるんだよ」

「それを教える義理はねえな。いくぞ」

ディケイドはライドブッカーをガンモードからソードモードに変えて切り掛かってきた。やばい、いきなりチート能力その1絶対遵守のギアスが効かねえ。ネギの代わりに魔法世界を救う為の知識を得る為にもらった地球の本棚も無駄。魔法、詠唱が分からない。気、どうやるんだ。ていうかなんでSSの転生者って最初から知ってるのが多いんだろう?
あれ、もしかして詰んだ。
いやそんな事はない。僕にはこれが在った。

「シンクロ召還。スターダストドラゴン」

僕の最後のチート能力。モンスター召還だ。たまたまデッキケースから抜いていたスターダストを召還したんだけどこれはすごい。

「行け、スターダス『SKULL! MAXIMUM DRIVE!!』へっ?」

いきなり飛び出してきた黒い影がスターダストドラゴンに飛びかかり一発の蹴りで粉砕してしまった。

「周りの事も魔法の秘匿の事も忘れてあの様な行為に走るとは全く持って救えん」

スターダストドラゴンを蹴り殺した影は僕の前に降り立ってそう言い放った。

「なんでスカルまでいるんだ。ここはネギま!の世界のはずだろう」

「少し違うな。ここは漫画の魔法先生ネギま!に酷似した世界だ。それと同時にお前の様な神の暇つぶしの為に産まれてきた転生者を狩る為の世界でもある」

「あっ、そうなんだ。じゃあ、俺って」

「狩りの対象外だ。それとこいつはお前が倒せ。ついでにおまけだ」

スカルはとりだしたライダーカードをディケイドに向かって投げた。そのカードを見てディケイドが驚いている。

「これは」

「さっきこの世界の神から届けられた。それを使ってこいつを倒した時に生まれたエネルギーを使ってお前を元の世界に帰すそうだ。だから全力を出せよ」

敵であるライダー達が話し込んでいる隙を使って僕はデッキケースに手を伸ばす。それに気付いたスカルがスカルマグナムで僕のデッキケースを吹き飛ばしてしまった。

「かなり短い間だったけどありがとう」

「気にするな。お前のおかげでこういうケースもある事が分かったんだからな。それにもしかしたらお前の世界にも他の転生者が送られるようになるかもしれん。餞別としてそいつは貸しておいてやる」

「使う事はないと思うけど借りとくよ」

ディケイドが受け取ったカードをバックルに挿入する。

『ATTACK RIDE LAEVATEINN!』

現れたのは一振りの、炎を大剣だった。

「おお、真名解放までされてる。なら序でに。レーヴァティン、術式固定、掌握!!」

ディケイドはその現れた大剣をエヴァが使う闇の魔法で取り込み

「術式兵装『業炎操邪』」

完全炎化した。更にライドブッカーからカードを取り出しバックルに挿入する。

『FINAL ATTACK RIDE,DE,DE,DE,DECADE!』

スクラッチ調の音声が発せられ、ディケイドの前に光のカードが幾重にも出現する。そして、取り込まれたはずの大剣を構え

「--終焉の炎
エンドオブ・イグニション
…-」

大剣から放たれた炎が光のカードのエネルギーを取り込みながらこちらに向かってきて、そこで僕の二度目の人生が終了した。


side out










side レイト


「宝具を闇の魔法で取り込むか。中々面白い事を考えたな」

「やれなきゃ死ぬ所だったからな」

「そうか、まあこれでお前は元の世界に帰れる。神も中々分かってるみたいだしな」

「何がだ」

「後ろ」

ディケイドの後ろにはディケイドで鳴滝が世界を移動するときのオーロラが出ていた。

「それにしてもあんたは一体何者なんだ。転生者でもないのにこれだけの事が出来るなんて」

「それはまだ秘密だな」

「まだ?」

「ほれ、これも持って帰れ」

オレは影の中から段ボールを取り出し渡す。

「何が入ってるんだ」

「オレがこの世界に来てからやってきた事を書いた漫画と元の世界での人生を書いた漫画のコミックスだ。こっちは週刊誌で連載中だから続きが出たら送ってやるよ」

「はぁ!?」

「じゃあな」

オレが一歩後ろに下がるとオーロラがディケイドを飲み込もうと広がってきた。

「ちょっとま」

何か言いたそうだったがこれ以上この世界にいられると世界が壊れそうになるのでスカルマグナムを数発叩き込む。

オーロラはディケイドを飲み込むと消えてしまった。

『すまなかったのう。数年前からこの世界が安定しなくなっておる。今後も渡り人が現れぬやもしれぬ』

不意に大きな気配が現れ、同時に念話が届いた。

『上位神か、この世界が滅びないなら別に構わないさ』

『できれば今後も渡り人が現れ次第保護してやって欲しい』

『了解。送り返すのはそっちでやってくれよ。さすがに世界の特定なんてまだ出来ないからな』

『分かっておる。だが何れは出来るようになってもらうぞ』

『......ああ』

『ではな』

念話が切れると同時に気配も消え去った。

「......気付かれてはないみたいだが、あとどれだけ時間が残っているやら」

もし間に合わなかったら
嫌な予想を振り払う。
疲れてきているのかもしれない。
キティの元に帰ろう。いつまでも一緒にいる為に。今は少しだけ休もう。


side out 
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