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MS Operative Theory

作者:ユリス
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地球連邦軍のMS開発(一年戦争編)②

——地球連邦軍系量産MSの開発——

 本来であればRX-78(ガンダム)、RX-77(ガンキャノン)、RX-75(ガンタンク)の3機の試作機(実際に実験機や技術実証機としての側面が強かった)の試験結果を持って量産MSの開発が行われるはずだった。

 しかし、RX-78のロールアウトがU.C.0079,07と遅く、陸軍を中心にMSの早期配備を求める声が強かったこともあって、試験データのないまま先行試作/量産機が開発、生産されることとなった。

 代表的な開発計画としてRX-79[G](陸戦型ガンダム)やRGM-79[G](陸戦型ジム)を生み出した「RX-79計画」(RX-78のロールアウトを受けて7月に開始)が知られるが、他にもRX-78の量産仕様機であるRGM-79(ジム)の先行量産なども進められた。

 また、量産機ではないが8月にはRX-78のニュータイプ対応機であるRX-78NT-1(アレックス)の開発がスタートするなど、一年戦争時のMS開発は試作や量産、先行試作、先行量産などが入り乱れ、生産時期や生産ラインによって少なからず差異が生じていた。

 このような状態の中、量産機に選ばれた機体がRGM-79(ジム)である。地球連邦軍の量産MSは、試作機から過剰な装備を取り除いた簡易仕様期的な側面を持つ機体となっている場合が多く、RX-78を基にしたRGM-79がその始まりとされている。

 地球連邦軍がMSの量産を本格化された時期は10月のことで、このころになるとRX系MSの実戦データが蓄積されるようになり、それらが量産機にフィードバックされていくことになった。



——地球連邦軍系MSの設計思想——

 「V作戦」によって大鑑巨砲主義からMS戦へと戦術のシフトを開始した地球連邦軍は、地球侵攻のために汎用MSと局地戦用MSの二極化で開発を進めていたジオン公国軍とは異なるアプローチでMS開発を行った。

 一年戦争時の地球連邦軍は、MSを万能兵器とは見做しておらず(地球連邦軍がMS万能論に傾くのは、RX-78の戦果を知ってからのことである)、白兵戦用と支援用で異なる機体を配備していた。さらに、ビーム兵器やシールドを中心とした攻防力の増強を視野に入れていた。


➀ハイエンドの試作機と主力となる量産機

 地球連邦軍の試作MSとそれを基にした量産MSでは、試作MSのほうが高性能というケースが散見されている。これはRXシリーズが、可能な限りの新技術を投入した技術実証機的な側面を持つMSだったことが理由とされている。


➁攻撃力と防御力の充実

 地球連邦軍のMSのほとんどは、ビーム・ライフルやビーム・サーベルなどの携行ビーム兵器の運用が可能である。これに加え、汎用機はシールドを標準装備するなど、火力を防御力を高いレベルで両立させようとしていた。


➂支援⁄砲撃戦用MSの存在

 ジオン公国軍が汎用MSと局地戦用MSの開発を並行して進めた背景には、地球侵攻という戦略的な理由があった。

 しかし、地球連邦軍の汎用/白兵戦用MSと支援用MSという区分は、戦車と自走砲の関係に近く、戦術的見地に立っているといえよう。だが、RX-77に代表される大口径砲を固定装備するMSは、白兵戦用を前提とするMSⅡは運用上、不向きな部分もあることは確かである。ここに地球連邦軍の大鑑巨砲主義な側面が窺がえる。



——地球連邦軍系MSの技術——

 地球連邦軍はMS開発については後発の組織であったが、「RX計画」以降の技術開発やMS-06F(ザクⅡ)などの鹵獲MSにより、部分的にはジオン公国軍を超える技術を獲得していた。

 代表的なものとしてMSが携行可能なまでに小型化されたメガ粒子砲である「ビーム・ライフル」や、戦闘経験により機体の挙動を最適化する「教育型コンピューター」が知られている。


■カメラ・アイ

 頭頂部カメラと頭部デュアル・センサーから構成される複合センサーで、立体視能力に優れる。


■教育型コンピューター(推論型ナビゲーション・コントロール)

 「教育型コンピュータ・システム」とも呼ばれる挙動制御機構。データの蓄積により機体の挙動を最適化する。さらに未知の状況に対しても、データから最適な動作を推測、実行が可能。


■コア・ブロック・システム

 RX系MSに採用された脱出用戦闘機顕コア・モジュールで、核反応炉も内蔵する。RGM-79には、戦闘機と脱出機構としての機能を省略したコックピット・ブロックが搭載されたといわれる。


■ルナ・チタニウム

 軽量かつ剛性が高く、放射線遮断能力にも秀でる合金で、RX系MS用の装甲材として用いられていた。120mm砲弾の直撃にいも耐える。


■ビーム・サーベル

 ビーム名を持つ格闘兵装で、エネルギーCAP技術が用いられた。Iフィールドによって、縮退寸前のミノフスキー粒子を刀身状に形成している。


■ビーム・ライフル

 エネルギーCAP技術により、MSが携行可能なまでに小型化されたメガ粒子砲。XBR-M-79-07Gは戦艦級の威力を持つとして恐れられた。


■シールド

 MSの腕部でホールドする大型装甲板。複合装甲化されており、実体弾に対して特に有効な防御手段として知られる。RX-79[G]の用に打撃武器兼砲架として使用可能なものもある。





補足事項

——地球連邦軍系MS用兵装——

 地球連邦軍のMS用兵装の代名詞といえるビーム・ライフルは、RX-77用のXBR-M-79aなどハイエンド機用や狙撃用の高出力タイプが開発されたが、生産コストの問題からRGM-79には簡易のビーム・スプレーガン(BR-M79C-1)が実用化されるにいたった。

 それでもビーム兵装は生産数が少なかったことから、マシンガンやバズーカ、キャノン砲などの実体弾兵装も開発、配備されている。

 
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