鉄槌と清風
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36部分:35:守るための強さを
35:守るための強さを
混沌の退院祝いから1週間、なのはは既に復帰し、ヴィータも仕事があるので普段はおらず、いるのは大抵夜だけだったりした。
その間軽いストレッチなどは行なっていたが安静にするという、ヴィータやシャマル、本局の先生との約束をまもり、それ以上はしなかった。
で、今日だが、シャマルが出張で診にきてくれて…なぜかヴィータもいたが…運動オーケーの許可がでた、ただその診察時に。
「なぁ、良彦…何で傷跡が残ってんだ?」
「ん…あぁ、これな…消せたらしいけど残して貰ったんだ」
「だから、なんでだよ?」
問いかけるヴィータに対し
「教訓かな、なのはを止められなかった、守りきれなかった、力が足りなかった…まぁ、色々あるけど、ケジメだ、俺自身に対する」
「ふーん、まぁ良彦がいいなら、いいんだけどな」
「ん、あんがとな」
「なにがだよ」
「気にしてくれて、だよ」
ぽんぽんとヴィータの頭を叩く。
「は、別にきにしてねーです、自意識過剰なんじゃねーか?」
「へいへい、ともあれ俺は士郎さんに報告してくるわ、店に居るだろうし」
「あいよ、こっちは本局もどるぞ、仕事まだあるしな」
「そうね、良彦君…運動してもいいけどゆっくり体をならしてね」
「あいさ、わかってるよシャマル先生、鍵頼むぞヴィータ」
「あいよ、こっちは任せとけよ」
挨拶して、家を出ていく良彦、送り出すヴィータ、それを微笑ましく見ているシャマル。
軽く走って喫茶翠屋…お昼を過ぎた辺りなので、丁度お客さんが少なめな時間…裏から声をかけ、士郎を呼んでもらう。
少しして、エプロンをつけた士郎が出てきてくれる。
「こんにちは、士郎さん」
「あぁ、いらっしゃい良彦君」
お互い軽く一礼し
「シャマルからの許可がでて、運動オーケーになりました」
「そうか、良かったな…それで今日は報告だけかい?」
何かに気づいているのか、そう問いかける士郎。
「いえ、一寸修行の相談に」
「とりあえず聞こうか?」
で、話したのはリトが子供に教えた技の中で理解できなかったもの…『音貫き』と呼ばれているそれは、魔法で言う『貫き』を生身で行うらしい、更にいえば魔法抜きでこれが出来た場合、魔法での『貫き』の制度速度共上がるらしい。
わかる限りの説明…『音貫き』の最中は、1秒を数秒に感じ、自分が高速で、それこそ普通なら目に止まらない程の速度で動ける…と、リトとその息子であろう二人が会話していたのを伝える。
しばらく腕を組んで考えてた士郎が顔を上げ
「似た技なら、家の流派にもあるな、”神速”と言うんだが、おそらくほど一緒だろう、ただ…」
「ただ、なんですか?」
「体がちゃんと出来る前は使わない方が良い、負担が大きいんだ」
「そうですか、でも…修行は付けて貰えますか?」
「そうだね…同じ感じの技っぽいし、おかしな癖をつけるよりは良いだろう、ただし…さっきも言ったがちゃんと体が出来てから使うこと、その見極めはこっちでしよう」
「はい、お願いします…そしたら、模擬戦の方も一緒にお願いできませんか?」
「そっちは、美由希や恭也とするといいかな」
「はい、おねがいします」
ぽんと頭を叩いてくる士郎に、嬉しそうに微笑み、もう一度一礼する。
「さて、お昼はたべてきたのかい?」
「あ、いえ…結果聞いてすぐだったんで」
「じゃ、食べていくといい軽食ならすぐできるよ」
「はい、お願いします」
結局翠屋で昼飯を終えて、また軽く走りながら家へ戻る事に。
それからは、基本朝はランニング、昼間は学校にいって、夕方は管理局か聖王教会、仕事や用事がなければ、高町家で恭也や美由希、たまに士郎に稽古をつけてもらったり、模擬戦をしてもらう。
基本土曜はランニングとストレッチのみで、体を休める。
ちなみに何故か仕事や休みをほぼ同じシフトにしている…聖王教会に行くとき以外…ヴィータも修行に付き合っており、いつの間にか高町家の皆とも仲良くなっていた。
また、なのはもランニングだけは、参加するようになった…怪我をしたときに、体を鍛えておくことも重要だと士郎達に言われたらしい。
最初は短い距離で疲れはてていたが、だんだんと距離を伸ばしている。
この時期からずっと良彦となのはは体を造る地味な基礎と、良彦はさらに『音貫き』を含めた八坂流合気術の修行を、ヴィータもそれにつきあい八坂流合気術の修行をずっと続けていく。
良彦が入院中に言っていた八坂流の『凪』『音貫き』とならぶもう一つの奥伝とも言うべき『無風』…記憶にある限り打撃技らしい、騎士甲冑や実体の鎧を無視し直接体内にダメージを与えるっぽい…も試行錯誤を繰り返している。
ただ、こちらはある程度の筋力や自分自身の耐久力も必要らしく、取得…取っ掛りすら…は、まだまだ先になりそうである。
ちなみに、この頃から管理局や一部犯罪者、聖王教会関係者の間で、基本的に一緒に居る良彦とヴィータに対し、二人とも古代ベルカ式の使い手でフロントアタッカー、そして背が小さい所から。
”青と赤の小鬼”などと噂されていたらしい、他にも色々あるが、それはまたその内に語られるかもしれない。
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本格的な修行開始です、パワーアップはゆっくりと無理なく鍛えることで、StrikerSには間に合わす予定です、約8年位ありますし…。
『無風』は…まぁ、浸透勁的な技になると思います。
次回も何かオリジナルな話を入れようと思います…もしかしたら数年飛ぶかもしれません。
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