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古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者

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クラス代表戦 最悪の乱入

「織斑先生に山田先生、コーヒーでも如何ですか?」
「あっ宜しければいただけますか?」
「私もお願いします」

キョウスケはお気に入りのコーヒーメイカーに厳選した豆を入れ、暫し待ち、お湯を注ぎ、カップに注いで二人に手渡す。

「(ズズズ)…やはり美味しい、流石ナンブ先生」
「有難う御座います!(ズズズッ)!?お、美味しい!?何ですかこれ!?私市販のインスタントしか基本的に飲みませんけど、これ、今まで飲んだどの飲み物より美味しいです!!」
「お気に召して何よりだ」

自分の分のコーヒーも入れて口にするが、余り満足できていないような顔をする。

「むぅ……豆が少し酸化してしまっているな、それに香りも落ちてしまっている。保存法が甘かったか」
「こんなに美味しいのに、味が落ちてるんですか!?」
「ええ、本来よりも酸味が出てしまって本来を味を阻害してしまっています。そんなコーヒーを出してしまって、少々後悔しています」
「いえこれで十分すぎる美味しい、なっ山田君」
「ええ!私は酸っぱい物とか好きですし、この味も大好きです!」
「そう言って貰えると有難いです」

礼の言葉を受けながら作業に戻る、間もなく行われるクラス対抗戦で使われるアリーナの最終確認が行われていた。しかも一番最初の対決は1組対2組。織斑 一夏と凰 鈴音、どうもいい感じがしない対決だ。キョウスケ自身の勘が何かあると警告をしてきている。本来居ない筈の転生者 大神 勇太、転生資格を持っているとはいえ、本来居る筈の無い人間が居れば、どのような変化が現れるのかは予想が付かない。しかし、世界が揺るがすほどの変化が起こるのは、転生した者が元から天使並みのポテンシャルを持っている場合に限る。大神は極平凡な力しか持って居ないからそれは無い、しかし

「(今回は不正転生者が居る…何が起きても可笑しくはないな)」

未だ見つける事が出来ていない不正転生者、準最高神のレーダーにも引っかからない。これは明らかに異常だ。転生ではなく、憑依という可能性がかなり濃厚になって来た。それなりの対処を考える必要が出てくる。そんな事を考えていると、クラス代表戦が開始される15分前になり、千冬と麻耶も休憩を切り上げて仕事に戻り始める。そんな時、携帯が鳴り始めた。但しなっているのは普通の着信音ではない、神、或いはそれに従う者にか聞こえない特殊はパルスが混じっていた。となると、連絡者は神の関係者となる。

「俺だ」
『キョウスケ、私だ。零夜だ』
「零夜、何事だ」

連絡を寄越したのはキョウスケの部下の一人『零夜』中級神ながらも上級神を凌ぐ強さを持ち、一目を置かれている勢いのある神。

『君から言われていた不正転生者を調べた結果、厄介な事が解った。問題の下級神、無断で転生されただけではなく、特殊な力も与えてしまったようだ』
「……その言葉を話を聞いただけで頭が痛いな……」

キョウスケはさり気無く、管制室から出て廊下を歩きながら零夜の話を聞く。

【特殊能力】本来人間が持ちえない能力を纏めた総称だ。身体を巨大化させる能力、魔術を扱う能力、不老不死、上げればきりが無いが、様々な能力が存在する。神殺しの能力もこの特殊能力に入れられている。解りやすく言うのであればチート能力である。転生者は転生資格を得る際に、特殊能力か特殊能力を宿したアイテムをどちらを得るか選択する事が出来る。が、基本的にはどんな能力、アイテムを手に入れる事が出来るかは運次第。

「それで……一体どんな能力を手に入れているんだ?」
『それが、色々と面倒な能力でな。転生者、阿部 隆徳が手に入れた能力は【この世全ての真理】だ』

それを聞いた時、キョウスケは頭を抱えた。

【この世全ての真理】

特Aクラスのチート能力。この能力は宿しているだけであらゆる物の答え、真理を知る事が出来る。これだけではどんな能力か解り難いだろう。

例えばここに、巨大な岩があるとする。それを破壊しろと言われたらどうするだろうか?人は思考するだろう。しかしこの能力があれば、答えを一瞬で知る事が出来る。どんなに困難な問題だろうが、一瞬で解決策を知る事が出来る。それだけではない、全ての真理を知る事が出来る、これはあらゆる手段を実行出来るのと同意義になる。

全てを壊す魔術、神になる方法、死者を蘇らせる方法。考えるだけで恐ろしくなる

「………あの下級神、殺した方が良くないか」
『奇遇だな、私の君と同じ考えだ。だがまずはその転生者を捕らえ、能力を回収する事が先決だ』
「だが中々レーダーに掛からなくてな…」
『ふぅん…ではどうするか』

どうすればいいか零夜と協議していると、突如、巨大すぎる爆音が響き渡った。キョウスケは大急ぎで爆音の発生源に向かった。

「零夜、どうやら悩みが一つ解決したようだ」
『何故?』
「今、学園に、不正転生者が現れた!」 
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