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万華鏡

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第五十話 遂に開催その四

「委員長、副委員長も強いけれど」
「ああ、花澄さんもね」
 女の委員長の名前だ。
「お酒強いわよね」
「そうよね」
 こう二人で話す、そして。
 琴乃は釣竿を作っていく、それが終わった時にだった。
 クラスメイト達の残り半分が戻って来る、それを見てだった。
 その委員花澄が皆に言った。
「じゃあ今からね」
「教室をお化け屋敷にか」
「作り替えるのね」
「そう、そうするからね」
 こう彼等に言うのだった。
「あと委員長も戻って来るから」
「あいつ旧校舎だよな」
「そこでお掃除してるのよね」
「今晩からそこに入るから」
 そこで寝泊りするというのだ。
「そうするからね」
「何か話が急に進んできたな」
「それもいきなり」 
「仕事は先倒しよ」
 花澄は強い声で言う。
「やれる仕事はやれるうちにやっておいてね」
「後で楽になる」
「そうなるのね」
「そうよ、後のチェックも忘れないけれどね」
 花澄はそこもしっかりとしていた。
「お仕事はどんどん先にしていって」
「そうしてか」
「後は休むのか」
「その方が楽でしょ」
 花澄は笑って皆に言う。
「仕事は早いうちに済ませてね」
「後は休むのか」
「一気にやって」
「そう、仕事はだらだらしないの」
 それこそ迅速にというのだ。
「最初にやって後は休むのがいいでしょ」
「まあ一理あるな」
「そうね、確かに」
「木村の奴は最後までしないけれどな」
「そういうのもいいわよね」
「私お仕事とか放置してるの嫌いなの」
 生真面目な花澄らしい言葉だった。
「まずは一気にやってね」
「そうしてか」
「そのうえで」
「そう、気兼ねなく休むのがね」
 それがだというのだ。
「好きだから」
「だから今もか」
「まず一気にやって」
「それから休む」
「そうするべきなのね」
「それでいきましょう」 
 花澄は自分のやり方をクラスの皆に勧める。
「間違っても委員長みたいに最後の最後までさぼらずにね」
「あれはあれでやり方みたいだけれどな」
 男子生徒の一人は彼の方に立ってこう花澄に話した。
「あいつが言うには」
「弓を引き絞るみたいになのね」
「ああ、最後の最後までさぼってな」
 そうしてだというのだ。
「一気にやるってな」
「それはそれでやり方かも知れないけれど」
「それでもか」
「最後の最後までさぼると」
 それでどう問題があるかというと。 
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