直接SAOの中だった件について。
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新聞の件で外に出られなくなった件について
…あー、ここまで大きくなるとか思わなかったわー…うん…
アキの手の中にあるものは新聞だ。…新聞と言っても、何か怪しいような気がする…
『六十二層で一ヶ月に一回行われる『一周走』では『閃光』アスナを抜かして噂の『超新星』が優勝‼』
はぁ、…いや、新聞の一面とか言ってたけど新聞のはじぐらいにのったらいいなー…とか思ってたら…うん…
「いやーびっくりしたよ、朝起きて新聞を見たらアキがドン‼と新聞一面で載ってたし。」
目の前にいる眠そうな顔をしているのは第一層でギリギリ助けた同居人のコペルだ。
コペルとは、あの第一層から動向などを共にしている。
ちなみにキリトにはコペルが生きている事を黙っている。
「いやさぁ、俺もこんなに大事になるとか思ってなかったんだよ…」
「あはは、アキらしいよ」
コペルはあのホルンカの村を出たらけじめをつけるために自殺しようとしていたらしい。
…まあ、その所からちょっと躾をし直したからね☆
「そういえばこれからどうするの?どうもこの新聞のおかげで目立っちゃったようだけど…」
「これからか…うーん、コートを外せなくなるな…コートは少しかさばるから嫌なんだよなぁ…」
「まぁ、目立っちゃったからね…鼠のアルゴも情報を集めると思うんだよね…だけどさすがのアルゴもアキみたいに誰も分からず、ずっと後ろで活躍してた無名のプレイヤーの情報はわかりずらいと思うんだよね…」
「ひどい言いようだなおい…」
side コペル
僕がアキと出会ったのは第一層のホルンカの村だ…
2年前
「ごめん…キリト…」
僕はそう言って、スキル『隠蔽』を発動した。
僕はキリトに集まってゆく《リトルペネント》を見るとすぐに走り去った。
…バカ…僕は何今更ながら、後悔をしているんだ…自分で決めた道だ…
コペルはこのデスゲームが始まってから僅か数時間だが、気持ちの整理は早かった。
…これからこのデスゲームはもっと悪化して行く…もしかしたらPKや裏切りなどを行う奴らも出てくるかもしれない…
なら、されて絶望するより、して後悔する方がまだましだとコペルは結論付けた。
現実世界での小ペルは平凡な家に住んでいた。毎日同じ生活リズムで生活をしていった。毎日同じ事を何度も何度も繰り返した。
しかし、自分の心にはいつの間にかポッカリと穴が空いていてしまった。
原因は簡単。《刺激》だ。
人間は誰でも必ず《刺激》というものを求める。…求めるあまりに奇行に走ってしまう輩もいるがそんなにコペルは変人ではない。
しかし、コペルは心に空いてしまった穴をどうしても埋めたかった…それがこのSAOだ。
今となってはデスゲームとなってしまったが買ってしまった事を後悔などはしていない。…だが、何故だろう…
まだ、心に少し小さな小さなシコリがある。
それは自分でも分からない、何も結論づける事は出来なかった。
ふと、ふいに後ろから声が聞こえて来た。
「……コペル…知らなかったんだな…お前…」
「なっ‼」
背後からはキリトを襲っていたリトルペネントの一部がこっちに向けて走って来た。
ここでコペルは二つ決断できただろう。
一つ目は、武器を抜いて自力で戦うこと。
二つ目は、このまま逃走しリトルペネントを追い払う事。
しかし、今のコペルにはそんな余裕が無かった。
何故スキル『隠蔽』を発動させているのにリトルペネントは構わずこっちに向けて走って来るのか。
コペルの思考回路はその考えで一杯一杯だった。
するとふと、キリトから説明の補足のような感じで話された。
「多分、隠蔽スキルを取るのは初めてなんだろ。あれは便利なスキルた。」
コペルは必死に思考回路を巡らせていた。
「…だが万能じゃないんだ。」
は?と、コペルは迫ってくるリトルペネントを無視してキリトの言葉に耳を傾けた。
「視覚以外の感覚を持つモンスターには、効果が薄いんだよ。…例えばリトルペネントみたいに…」
目の前のモンスター、リトルペネントはしゅうしゅうと猛り狂いながらいよいよ、眼前へと迫って来た。
コペルはひっ…と小さく悲鳴を上げた。
(どうする⁉手持ちの装備では刃こぼれが多すぎて直ぐに壊れてしまう‼…助けを求めるか?……いいや‼ここまで自分も裏切って更に仲間を裏切った僕が何を言うんだ‼)
コペルは自分の手のひらをみた。
(…なら、最後まで抗ってやる‼)
コペルは隠蔽スキルを解除し、腰から今にも壊れそうな剣を出した。
リトルペネントの数は十数匹。この刃こぼれしている剣では必ず全て倒すうちに壊れてしまうだろう。
(だから何なんだ‼僕みたいな最低な男に生きてる資格なんてない‼なら、最後まで抗って死のう‼)
「う、うおおおおおおおおお‼」
僕は無我夢中でリトルペネントの集団へと身を投じた。
…何分経っただろうか…
いや、まだ、十分ぐらいしか経ってないと思うが、もう全て無くなった。
使っていた剣は壊れてしまい、まだリトルペネントは少なくとも十匹は残っている。
しゅうしゅうと荒い息を吐きながら近づいてくるリトルペネントに恐怖を抱かなかった。
(つまらない人生だった…)
眼前へと迫って来るリトルペネントの集団を見ながら思っていた。
(今思うと僕の人生はとても退屈だった。…そんな時に見つけたのがこのSAOだった。…あの頃の僕はまだ、輝いていた。…今はどうだろうか…)
コペルはふと、自分の手を見た。
(僕にはもう何もない…SAOにも裏切られ、更に仲間さえも裏切ってしまった。…今の僕はとても黒ずんでいる…まるで何も特技もない石見たいだ…)
ついに眼前へと迫って来たリトルペネントは口をガバッと開き今まさにコペルを捕食しようとしていた。
「…ねえ、神様…僕がもう一度やり直すと言ったら…神様はやり直させてくれますか?」
コペルは自分を捕食しようとしているリトルペネントを見て、ふっ、と笑い目を閉じた。
(本当につまらない人生だった…)
リトルペネントは勢いよくコペルに噛みつき、捕食をした…
後書き
はい、次に続きます。
原作にはいると言ったな‼あれは嘘だ‼…もう少し引き伸ばします…
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